アーカイブ - 2010年 3月 - book

3月 26日

CA1714 - 研究文献レビュー:日本の公立図書館経営における組織形態 / 小泉公乃

1. 図書館経営の組織形態を考える前提・枠組み 本稿の目的は、公立図書館経営の組織形態に関する研究文献をレビューすることである。先行する研究文献レビュー(CA1589参照、2006年)以降の公立図書館経営の組織形態に関する議論は、指定管理者制度の議論であるといっても過言ではない。このような状況から、本稿では、指定管理者制度を中心とした公立図書館経営の組織形態についての議論を整理し、理解を深めることを目的とする。...

CA1713 - 動向レビュー:目録に関わる原則と概念モデル策定の動向 / 和中幹雄

2009年は、図書館目録に関わるいくつかの国際的な標準(あるいは標準案)が公開された、目録法における特筆すべき年であった。以下にその主な成果を紹介する。...

CA1712 - 動向レビュー:電子書籍端末――誰にでも与えられるものとして / 萩野正昭

本という優れたビークル 書物の内容(コンテンツ)を格納するうえで本は優れたビークルだという。ビークルとは英語でいうvehicleのことで乗り物という意味だ。紙を束ねて綴じた本がこの場合中味を伝播させる最適な乗り物だということである。かつては、こんな言い方をとりわけすることもなかったと思う。本は本であり、長い間その姿を本質的に変化させることはなかったのだから、それが何であるかと疑問を差し挟む余地もなかったのだといえるだろう。...

CA1711 - 米国議会図書館における録音・映像資料の保存と活用の状況 / 川野由貴

1. はじめに 米国議会図書館(Library of Congress;以下、LCとする)の映画放送録音物部(Motion Picture, Broadcasting, and Recorded Sound Division;以下、MBRSとする)は、100万点を超える映像資料(映画フィルム、テレビ番組等)と300万点近くの録音資料(音楽CD・レコード、ラジオ番組、歴史的音声等)を所蔵する、世界有数の規模を誇る録音・映像アーカイブである(1)。所蔵するコレクションには、あらゆる記録メディアが含まれており、古いものでは、エジソンが発明した円筒型レコードや、1950年代頃まで使われていたナイトレートフィルムといわれる強い可燃性をもつ映画フィルム等が保存されている(2)。...

CA1710 - ロシアの公共図書館の現状とその発展構想 / 兎内勇津流

1. 2020年までのロシアの発展構想 ロシアは、1998年の経済危機以後、石油・天然ガスの輸出価格高騰にも助けられて急速な経済成長を遂げ、近年では、BRICsと呼ばれる、新興経済大国の一角を占めるに至った。ウラジーミル・プーチン大統領(当時)は、2006年7月に経済発展貿易省を中心に、2020年までの社会経済の発展戦略を示す「ロシア連邦の長期社会経済発展構想」の策定を始めた。...

CA1709 - 米国ロチェスター大学での研究者・学生の行動調査 / 西川真樹子

はじまり ロチェスター大学はニューヨーク州北西部、五大湖のひとつオンタリオ湖のほとり、カナダとの国境にも近く、コダックやゼロックスの発祥地でも知られるロチェスター市にある。学部生が約5,000人、大学院生らが約4,000人、3つのキャンパスと6つの部門をもつ中規模の大学で、U.S. News & World Report誌の2010年大学ランキング(1)では全米35位にランクされている。また、1936年、社会運動家の賀川豊彦が、後に世界各国で翻訳・出版された“Brotherhood Economics”の講演を行い(2)、2002年ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏が博士学位を取得した大学でもある。...

CA1708 - 米国の読書推進活動―Big Readが図書館にもたらすもの― / 田中敏

米国の国立芸術基金(National Endowment of Arts;NEA)は、2009年1月に『盛んになる読書』(Reading on the Rise)という報告書(1)を公表した。これは、5~10年おきに実施されている、米国の成人の文学作品の読書に関する調査の報告書で、2008年の調査では、1982年の調査開始以来低下を続けていた、文学作品を読む成人の比率が上昇に転じたことが報告された(E885参照)。...

CA1707 - 英国の読書推進活動―国民読書年を中心に― / 北條風行

英国では、ブックスタート事業(E480参照)をいち早く始めたほか、読書推進事業を担う団体・組織が数多く存在するなど、読書推進活動が比較的活発に行われている(CA1498参照)。本稿では、最も有名な活動の一つでもある「国民読書年」(National Year of Reading;以下「NYR」とする)を中心に紹介する。...

CA1706 - ドイツの読書推進運動―読解力向上のための取り組みとして― / 伊藤白

1. ドイツの読書推進活動の特徴 連邦制をとるドイツでは、文化・教育に関する事項は州の所掌とされており、読書推進の分野においても連邦レベルでの法律は存在しない。しかし、実際の読書推進活動においては、州政府・学校・その他の機関の協同で全国規模のプロジェクトが数多く実施されている。その大きな特徴は、楽しみとしての読書、教養としての読書というよりは、読解力・批判的思考力・情報利用力を向上させるための読書に重点が置かれているということである。そして、それを達成するためにこそ、読書へと誘うための創意工夫に満ちた「楽しい」取り組みが、主に子どもを対象に行われている。...

CA1705 - 韓国の読書推進活動―国の政策と図書館の活動― / 阿部健太郎

韓国の読書推進活動は、1990年代、読書の重要性が叫ばれるようになって以降活発になる(1)。同じ時期、韓国の児童書の中心が翻訳された海外作品から国内の作品へと(2)、また子どもの読書運動を主導する主体が教師から親へと(3)移りつつあり、児童書への関心が高まっていた。...

CA1704 - 中国の読書推進運動―知識基盤の向上をめざして― / 篠田麻美

中国出版科学研究所が実施している国民読書調査によると、2008年の中国の成人の書籍読書率は49.3%で、1人当たりの1年間の読書冊数は平均4.72冊である。都市と農村では読書量に顕著な差があり、例えば雑誌の年間平均読書冊数は、都市住民の11.8冊に対し、農村住民は5.5冊である(1)。中国では、著しい経済発展を続ける都市の住民と、開発から取り残された農村の農民や出稼ぎ農民との経済格差が大きな問題となっており、読書推進活動は都市の図書館にとどまらず、農村や出版業界も巻き込んで幅広く進められている。中国の読書推進活動に関する政府の方針、およびその方針を受けて公共図書館や各地方で行われている取り組みについて紹介したい。...

小特集 諸外国の読書推進活動(CA1704-CA1708)

2010年は「国民読書年」です。「国民読書年」は2008年6月6日の国会決議により定められたもので、読書を推進するための行事や取り組みが各地で行われています。今号では、諸外国における全国規模での取り組みとして、中国、韓国、ドイツ、英国、米国の5か国の読書推進活動を小特集で紹介します。...

3月 24日

E1035 - 「カーリルの中の人」が語る「カーリル」の裏側

2010年3月11日,日本全国各地の図書館4,300館以上の資料の所蔵・貸出状況を検索できるサービス「カーリル」が公開された。サービス開始以来,オープンイベント「図書館ダイアローグ」の開催,APIの公開,APIコンテスト実施の発表等,様々な展開を見せており,その動向は,図書館関係者,IT業界関係者等から,大きな注目を集めている。今回,カーリルの開発元であるNota Inc.の代表CEOである洛西一周氏にインタビューし,カーリルの裏側について語ってもらった。...

E1034 - 米国メリーランド大学図書館長による講演

2010年3月9日,米国メリーランド大学図書館長パトリシア・スティール(Patricia A. Steele)氏による講演会「これからの大学図書館:グーグル化する世界と将来展望」が,国立国会図書館で行われた。同館の東京本館と関西館(中継)の2会場合わせて139名が参加した。スティール氏は,2005年8月にインディアナ大学図書館長に就任し,同大学を含むコンソーシアム“Committee on Institutional Cooperation(CIC)”とGoogleとの共同で行われる書籍デジタル化事業の立ち上げに尽力した。2009年9月にはメリーランド大学図書館長に就任し,Googleのプロジェクトへの参画の交渉を進めている。...

E1033 - 図書館システム開発コミュニティ“Code4Lib”国際会議<報告>

2010年2月21日から2月25日まで,米国ノースカロライナ州アッシュビルにおいて,図書館システムの開発コミュニティである“Code4Lib”の国際会議「Code4Lib 2010」が開催された。日本からは,筆者と国立教育政策研究所の江草由佳氏の2名が参加した。

E1032 - 米国でオンライン出版物の納本制度が開始される

米国で,オンラインのみで提供される電子出版物の議会図書館への納本制度が,2010年2月24日から開始された。1976年に制定された米国著作権法第407条では,米国内で発行された著作物の著作権者または排他的発行権者は,発行日後3か月以内に,最良版(Best Edition)の完全なコピー(complete copy)2部(あるいは録音物のレコード2部とその付属物)を議会図書館に納入しなければならないと規定するとともに,議会図書館著作権局長は規則で納入を免除することができると定められている。今回の措置は,著作権局長が定めた著作権登録に関する規則(PART 202, Title 37, Code of Federal Regulations)が改正され,納入免除の対象が変更されたことによるものである。

E1031 - 電子図書館のユーザビリティに関する調査(英国)

英国のJISC(情報システム合同委員会)が支援するプロジェクトとして実施された,電子図書館のユーザビリティ(使いやすさ)に関する調査の報告書が2010年2月18日に公表された。これまでの電子図書館開発ではユーザビリティが必ずしも重視されていないとの認識に立ち,規模の異なる5つの電子図書館(OPAC等を含む)を対象に調査が行われた。対象となったのは,世界規模のワールド・デジタル・ライブラリ(E912参照),欧州規模のEuropeana(CA1632参照),国規模の英国図書館,地方規模のスコットランド文化資源アクセスネットワーク(SCRAN),地域規模のエジンバラ大学AquaBrowserの5つである。...

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