アーカイブ - 2010年 2月 - book

2月 17日

E1024 - 「デジタル・ブリテン」実現に向けた公共図書館の役割

英国の博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)は2010年1月,公共図書館の「デジタルの提供」(インターネットの提供や利用のための支援等)の現 状を把握し,国民のデジタルへの参加(digital participation)を促進するために公共図書館が果たす役割について検討する報告書を発表した。この背景には,英国政府のデジタル化政策「デジ タル・ブリテン」(E946参 照)がある。「デジタル・ブリテン」を受け,国民のデジタルへの参加促進に向けた国家プランを作成するため,英国情報通信庁が議長を務めるコンソーシアム が立ち上げられた。MLAはこのコンソーシアムのメンバーで,デジタルへの参加促進における公共図書館の役割を検討する任を負っており,本報告書はその一 助となるものとして位置づけられている。・・・

E1023 - フランスにおける資料デジタル化政策の動向

フランスでは,2009年10月以降,元フランス・テレビジョン社長のマルク・テシエ(Marc Tessier)が座長となり,「図書館資料のデジタル化についての調査委員会」が開かれた。この調査委員会での議論を受け,2010年1月12日,テシ エは「文献遺産のデジタル化に関する報告書」(通称「テシエ報告書」)を,文化・コミュニケーション相に提出した。・・・

E1022 - 授業へのKindle導入について大学と視覚障害者団体が和解(米)

2009年秋から米国の複数の大学において,授業の一部にAmazon社の電子書籍リーダー“Kindle DX”を導入するという試みが行われた。これに対し,視覚障害者団体が,視覚障害者への対応が不十分な機器を授業に用いることは情報アクセスの平等性の点 で問題があるとして大学を訴えるなどしていたが,2010年1月には司法省も関与した和解に至り,一応の収束を見た。・・・

E1021 - EBSCO社による一般雑誌コンテンツ独占契約が呼んだ波紋(米)

米国では,データベースベンダー大手のEBSCO社が複数の有力出版社と締結した,一般雑誌コンテンツの独占契約が波紋を呼んでいる。・・・

E1020 - 分野やキャリアによる学術コミュニケーション手法の違い

米国カリフォルニア大学バークレー校の高等教育研究センターは,2010年1月に,学術コミュニケーションの将来についての調査“Assessing the Future Landscape of Scholarly Communication”の最終報告書を公表した。考古学,宇宙物理学,生物学,経済学,歴史学,音楽,政治科学の7分野について,45機関の研究者 160人にインタビュー調査をした結果に基づくもので,研究者の学術コミュニケーションの手法等を,キャリア形成も絡めて分析している。報告書の内容は多 岐にわたるが,その一部を紹介する。・・・

E1019 - 夢叶う,2010年米国最優秀小規模図書館の取り組み

 Library Journal誌(LJ)は,2005年から年に1度,米国の最優秀小規模図書館(Best Small Library in America)の選定を行っている。人口25,000人以下のコミュニティに対してサービスを行っている小規模な図書館が対象で,サービスやプログラム の独創性,利用者教育,サービス拡張のための技術の導入,地域連携といった様々な要素から総合的に評価される。エントリーに費用はかからないが,図書館の 紹介文書や他の図書館関係者からの推薦状,統計データなどの提出を必要としている。最優秀館に選ばれた館には,ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団から 15,000ドル(約135万円)が贈られる。6回目となる2010年は,エントリーした30機関の中から,人口12,000人ほどのイリノイ州マディソ ン郡グレン・カーボン村にあるグレン・カーボン・センテニアル図書館(Glen Carbon Centennial Library)が最優秀館に選ばれた。・・・

2月 3日

E1018 - デジタル時代の政府刊行物の永続提供に向けて(米国)

電子ジャーナルのアーカイブ事業等を行っている非営利団体Ithakaの研究調査部門であるIthaka S+Rは,北米研究図書館協会(ARL)と全米各州の州立図書館機構長の会(Chief Officers of State Library Agencies;COSLA)から委託を受け,「連邦政府刊行物寄託図書館制度」(FDLP)についての調査研究を実施した。その調査結果をまとめた報 告書“Documents for a Digital Democracy”が2009年12月に公表された。FDLPは,米国政府印刷局(GPO)が連邦政府の刊行物をとりまとめて印刷し,全米の寄託図書館 に無償で配布する制度で,19世紀初頭にその原型が確立したとされている。この調査では,デジタル時代となった21世紀において,政府情報への無償アクセ スを永続的に提供するというFDLPの掲げる目的を実現するために必要な活動についての考察が行われている。...

E1017 - オランダ王立図書館,2010‐2013年の戦略計画を発表

オランダ王立図書館(KB)はこのほど,2010年から2013年までの戦略計画(E549参照)を作成し,公表した。KBは,「人と情報を結びつける (bring people and information together)」をミッションとする。このミッションの下,デジタル化の影響を受けて情報提供のあり方が激変する中でKBが影響力を持つために,「オ ランダの全ての出版物及びオランダについて書かれた全ての資料に,誰でも,どこからでもアクセスできるようにする」「オランダの(学術)情報インフラにお いて中心的な役割を担う」「国内的,国際的に,デジタル情報への永続アクセスを促進する」というビジョンを掲げている。さらにこのビジョンを達成するた め,5つの戦略的優先事項を挙げている。...

E1016 - ホームレス支援のため図書館がソーシャルワーカーを雇用(米)

公共図書館におけるホームレスの来館者による問題は,以前から議論の対象となっている(CA1479,E437参照)。誰にでも開かれているということが 図書館の原則であるが,快適で安全な環境を提供するという観点からは,においや言動などについての他の来館者からの苦情も考慮しなければならない。米国サ ンフランシスコ市の中央図書館では,この問題に取り組むため,2009年からソーシャルワーカーを雇用している。サンフランシスコ・クロニクル紙の記事を もとに,その取組みを紹介する。...

E1015 - スペインの国立電子図書館,著作権保護期間中資料の提供開始

スペイン国立図書館(Biblioteca Nacional de Espana)の電子図書館「ビブリオテカ・デジタル・イスパニカ」(Biblioteca Digital Hispanica:BDH)は2008年に開始され,コンテンツ数は約17,500件である。これまでは著作権の切れた資料のみを扱っていたが,今回初 めて,著作権保護期間中の資料の提供を開始した。...

E1014 - 「日本版フェアユース」についてのワーキングチーム報告書

著作権制度におけるフェアユースとは,利用目的や著作物の性格等からその利用が公正であると判断される場合には,無許諾であっても著作権侵害とはならない とするもので,米国等の著作権法で導入されている。日本の著作権法における権利制限は個別事例に沿って規定されているが,技術革新への対応等のため「日本 版フェアユース」とされる「権利制限の一般規定」(以下,「一般規定」とする)の導入を求める意見がある(E895参照)。この問題について議論している 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会では,2009年9月に一般規定に関するワーキングチームを設置し,その報告書が2010年1月20日の小委員会 に提出された。報告書は今後の議論のためのたたき台と位置づけられており,結論が示されているものではないが,その概要を紹介する。...

E1013 - 子どもたちの読書を楽しくするセラピー犬

全米でベストセラーとなり,日本語にも翻訳された『図書館ねこデューイ: 町を幸せにしたトラねこの物語』(E881参照)の主人公,デューイの影響もあって,「図書館の動物と言えば,猫」というイメージが定着しつつある。しかし実は,米国を中心に,犬も活躍している。・・・