2010年10月,OCLCの研究部門であるOCLC Researchは,北米研究図書館協会(ARL)やカナダ研究図書館協会(CARL)等に参加している米国及びカナダの大学・研究図書館を対象に2009年に実施した,特殊コレクションとアーカイブズの現状に関する調査の結果をまとめたレポート“Taking Our Pulse: The OCLC Research Survey of Special Collections and Archives”を公表した。レポートは,169館から得られた回答を基に,1998年にARLが行った調査の結果との比較を交えて構成されている。...
毎年10月27日はユネスコの定める「世界視聴覚遺産の日」(World Day for Audiovisual Heritage)である。世界視聴覚遺産の日は,視聴覚資料の 重要性を多くの人に知ってもらうことを目的に,2005年に策定された。ユネスコのウェブサイトによると,映画,ラジオやテレビ番組等の視聴覚資料は,20世紀および21世紀の歴史を伝える貴重な一次資料であり,これらの亡失を防ぐために,デジタルへの媒体変換を行うには,10年から15年の時間しかないと考えられているとのことである。この日には世界各国でイベントが催されており,今回で4回目となる2010年は「今,あなたの視聴覚遺産を守り味わおう」(Save and Savour your Audiovisual Heritage - Now!)をテーマに開催された。以下では,「2010年世界視聴覚遺産の日」の特設サイトに掲載されているものの中から,各国で行われたいくつかのイベントを紹介する。...
査読付きのオープンアクセス(OA)誌の出版状況等について調査する「SOAPプロジェクト」(Study of Open Access Publishing project)の第1次の報告書が,2010年9月14日付けで公表された。同プロジェクトは,欧州委員会(EC)の資金援助のもと欧州原子核研究機構(CERN)が中心となり,2009年3月から2011年2月までの期間で実施しているものである。第1フェーズで「提供」(offer)の状況,第2フェーズで「需要」(demand)の状況を調査し,最後の第3フェーズでそれらを統合した結果が示される予定となっている。...
2010年10月6日,欧州委員会(European Commission:EC)の情報社会・メディア総局の下で協議を続けてきた「科学データに関するハイレベルグループ」(High-Level Group on Scientific Data)が,最終報告書“Riding the wave:How Europe can gain from the rising tide of scientific data”を公開した。これは,欧州内の大学や研究機関等における研究の過程で生み出される科学データの共有と再利用のために,電子的なインフラ整備に向けたビジョンとそのための課題を指摘したものである。...
米国議会図書館(LC)が,全米各地を巡って同館の資料や関連情報を伝える,「知識への入口」(Gateway to Knowledge)と名付けたトレーラーを導入した。18輪のトレーラーは特注のもので,荷台を開くと現れる展示用スペースには,LCや所蔵資料に関する情報の展示パネルのほか,LCのウェブサイトにアクセスできるコンピュータ,貴重書の複製を見ることができるディスプレイなどが搭載されている。トレーラーを運転・管理するのは,LC及び所蔵資料について熟知した2名のスタッフ(夫婦)である。...