アーカイブ - 2009年 - book

9月 11日

1.2.4 障害者サービスに対する法の動向

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筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科  山本 順一(やまもと じゅんいち)

 アメリカには、現在、約4,300万人の身体や精神に障害を持つ人たちがいる。この数は年々増加している。これら障害をもつ人たちは、教育を受けるうえで、また職業に就く際、そして生活を支える所得を得る場合など、生活の様々な局面で実質的に差別されてきたし、現に差別されている。アメリカ連邦憲法修正14条が保障する「平等原則」に照らせば、障害をもつ人たち自身に帰責できない差別については、基本的人権を守るという観点から、極力是正する努力が払われるべきである。

(1) アメリカ議会図書館

 アメリカ議会図書館の中に全国盲人・身体障害者図書館サービス局(National Library Services for the Blind and physically Handicapped:NLS)が設置されている。

1.2.3 知的自由に関する法の動向 ~ 愛国者法、CIPA、COPA、DOPA ~

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大阪教育大学 生涯教育計画論講座  高鍬 裕樹(たかくわ ひろき)

(1) 愛国者法の成立とその改正

 愛国者法(Uniting and Strengthening America by Providing Appropriate Tools Required to Intercept and Obstruct Terrorism: USA PATRIOT Act)は2001年10月26日の成立である(1)。いうまでもなく2001年9月11日の同時多発テロを受けたものであるが、わずか6週間で成立したこともあって、成立時にその是非についてほとんど議論はなかったといってよい。そのため、社会が冷静さを取り戻すにつれて愛国者法の危険性が叫ばれるようになってきている。

1.2.2 近年の米国の著作権法の動向

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早稲田大学大学院法学研究科 博士後期課程・研究助手  張 睿暎(ちゃん いぇよん)

(1) 米国著作権法の沿革(1)

 米国連邦議会は、米国憲法第1条第8節第8項(2)で委任された権限を行使して、1790年に著作権法を制定した。その後1909年、1971年の改正を経て成立した1976年の著作権法(3)が現行の著作権法(1976年法)である。

1.2.1 公共図書館の設置・運営に関する法的基盤

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立正大学 文学部 平野 美惠子(ひらの みえこ)

(1) 連邦、州、地方の権限

 米国では、公共図書館の設置・運営に関わる法律は、州ごとに制定されている。連邦レベルで制定されない理由は、合衆国憲法に文化・教育に関わる明文規定がなく、さらに1791年に成立した合衆国憲法修正第10条で「合衆国に委任されず、州に対して禁止されていない権限は、それぞれ州又は人民に留保される」と規定したことにある。連邦政府はこの規定を狭く解釈して、文化・教育への積極的な関与を極力控えてきたが、1956年成立の「図書館サービス法(Library Services Act:LSA)」に基づき農村図書館の振興を助成するモデル事業に成功してから、州権を乗り越えて連邦政策を遂行する方向に大きく転換を図った。この背景には、連邦資金の投入を求める州との利害一致があった。

1.1.2 図書館における「民営化」

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獨協大学 経済学部 井上 靖代(いのうえ やすよ)

(1) 背景

 1990年代は、アメリカで全国的に公立公共図書館の運営財源の大幅な削減がおこなわれた。これは全米の景気後退を受け、図書館運営資金、特に地域の不動産(固定資産)の税割合にもとづく図書館税収入や地域で決定する直接税としての図書館税収入の減少の影響である。図書館の設立時期が古く、図書館運営歴の長いウースター図書館(マサチューセッツ州、市の人口17万人)が、1990年に6つの地域館すべてを閉鎖して以降、全米で閉鎖される図書館が急増した。ネヴァダ州では州立図書館の資料費が1992年に15万3千ドルから1993年にはゼロとなるなど、各地で閉鎖ないしは資料費などの運営費が大幅削減を迫られた時期にあたる。

1.1.1 図書館の運営形態

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筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科 山本 順一(やまもと じゅんいち)

 図書館は、公共図書館であれ、大学図書館、学校図書館、専門図書館であっても、それぞれ地域社会、キャンパス・コミュニティ、校内の児童生徒・教職員、当該専門主題に関心をもつ社会層といった、ある種の「コミュニティ」の抱える情報ニーズを満たすためにサービスを提供することを任務としている。それだけではなくて、そもそもその図書館自体が当該コミュニティによって産み出され、日常的な維持・管理に必要な多様な諸資源をそこから調達していることが一般的である。ここでは、アメリカの公共図書館を念頭におきつつ、図書館の運営形態について論じることにしたい。

5.2 米国におけるオープンアクセスの動向

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慶應義塾大学大学院 図書館・情報学専攻  三根 慎二(みね しんじ)

(1) オープンアクセス運動の世界的展開

 世紀をまたぐころから、学術情報流通においては電子化とオープンアクセスが一大テーマとなっている。それは、これら2つの現象が、学術情報流通を根本的に変革させる可能性を持つからである。これまで研究者、図書館、学協会・出版社を主な利害関係者として成立していたが、ここに大学、政府、研究助成機関が新たに加わることにより、既存の利害関係者が果たしてきた機能や役割が改めて問われる事態になっている。オープンアクセスとは、学術情報への制限のない無料でのアクセスをオンライン上で提供する理念であり運動であるが、オープンアクセスを巡って百家争鳴の時代を迎えている。本稿では、米国の最近の動向に関して、パブリックアクセス方針や図書館の活動を中心に述べる。

5.1 Googleの動向 ~Scholar、Book Searchを中心に~


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国立国会図書館関西館 事業部図書館協力課  村上 浩介(むらかみ こうすけ)

(1) はじめに

 2004年、優れた検索エンジンを擁してインターネットビジネスを主導してきたGoogleが、2つのサービスを発表し、米国の図書館界に大きな衝撃を与えた。学術文献専用の検索サービス“Google Scholar”と、図書館蔵書や出版社の販売書籍をデジタル化して提供する“Google Print”(後の“Google Book Search”)である。

 実のところ、これらのサービスは、Googleが新規に創出したものではない。学術文献の検索サービスとしては、EBSCOの“Academic Search Premier”やThomson Scientificの“Web of Science”など、すでに商用のものが存在しており、研究図書館を中心にサービスの重要な一翼を担っていた。

4.2 生涯学習機関としての図書館 ~高齢者サービス~

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北陸学院短期大学 コミュニティ文化学科  髙島 涼子(たかしま りょうこ)

 公立図書館は他の施設と並んで生涯学習の重要な機関として認識されており、高齢者向けの学習プログラムも大学、美術館、博物館、教会、シニアセンター、病院、退職者コミュニティ、高齢者デイケアセンターなどと共に図書館でも開催されている。現在、全米の動向を知る際に、高齢者への図書館サービスについては「アメリカ図書館協会高齢者に対する図書館サービス委員会(American Library Association Library Services to an Aging Population)」や「アメリカ合衆国全国図書館情報学委員会(U.S. National Commission on Libraries and Information Science:NCLIS)」が主要な情報提供源となっている。

4.1 公共図書館における地域情報の提供

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筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科  吉田 右子(よしだ ゆうこ)

(1) 地域情報サービスとは

 米国の公共図書館は地域社会と密接な関係を保って発展してきた。個々の図書館はコミュニティに根ざしており、利用者にコミュニティの情報を提供することが、図書館の重要な役割の1つとなっている。図書館はコミュニティに関する情報をコミュニティ・インフォメーション・ファイルとして用意するとともに、利用者のニーズに応じて他機関への照会サービスを行ってきた。公共図書館におけるこうしたコミュニティ情報源に関する情報提供サービスを、米国ではコミュニティ情報・照会サービス(community information and referral service)と呼ぶ。

 地域情報サービスは、すでに1920年代には米国の公共図書館で実施されていた。

3.4 読書プログラムの現状と課題

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京都ノートルダム女子大学 人間文化学科・人間文化研究科  岩崎 れい(いわさき れい)

はじめに

 図書館の中では、公共図書館の成立した早い時期から、読み聞かせやストーリーテリングなどの読書プログラムが行われてきたが、現在注目されているのは、むしろ、全米規模・各州規模で実施されている、より幅広い概念の読書プログラムである。本稿では、米国連邦教育省が推進している計画の全体像を概観し、また、各団体や図書館が具体的に取り組んでいるプログラムを紹介する。

(1) 米国連邦教育省の計画

 米国連邦教育省のコミュニケーション・アウトリーチ局では、高等教育、成人教育、遠隔教育など、多様な分野にわたって、教育支援プログラムを設けている(1)。この中で、読書プログラムと位置づけられているのは5種類である。

3.3 公共図書館が教育やリテラシーに果たす役割

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金城学院大学 文学部  薬師院 はるみ(やくしいん はるみ)

 今日の米国において、公共図書館は、教育やリテラシーに貢献すべき機関だとみなされている。例えば、1998年に米国公共図書館協会が定義した公共図書館が担うべき13の責務の中にも、「基礎的リテラシー」、「正規学習課程支援」「情報リテラシー」、「生涯学習」等の項目が掲げられている(1)

3.2 大学図書館が教育・リテラシーに果たす役割 ~情報リテラシー教育とインフォメーション・コモンズ~

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関西学院大学図書館利用サービス課  魚住 英子(うおずみ えいこ)

はじめに

 大学図書館のミッションは、学術情報の収集や提供によって、その大学における教育と研究を支援することである。そのミッションの実現のために、現代の大学図書館は伝統的な図書館業務に加えて、さらに能動的かつ主体的に大学教育に関わろうとしている。

 大学図書館の従来のイメージといえば、ずらりと本が並んだ書架に囲まれた重厚かつ静謐な空間で黙々と読書に励む学生の姿であるが、今や図書館の内部にワークステーションやソファーなどが配置された明るくカジュアルな雰囲気の場が出現し、小人数のグループがパソコンのモニターを見ながらディスカッションしている様子が日常的に見られる。このように、21世紀の大学図書館は、情報の収集・整理・交換・発信の基地として機能するよう変化しつつある。

 その変化は、大学図書館が学内の教務やシステムなどの部署と連携して、全学的な学生の情報リテラシー教育に積極的に加担していることから生じている。

3.1 米国の学校図書館の概況 ~NCLB法の影響を中心に~

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同志社大学 社会学部教育文化学科  中村 百合子(なかむら ゆりこ)

はじめに

 現ブッシュ(George W. Bush)政権は教育改革に重点的に取組んでおり(1)、その影響は学校図書館にも当然及んでいる。特に公立学校は、2002年1月8日に落ちこぼれを作らないための初等中等教育法(1965年初等中等教育法の改正法)(No Child Left Behind Act of 2001: NCLB 法)が制定されてから、大きな変化が求められている。本稿では、同法を概説したうえで、その学校図書館への影響について、次の2点に注目して述べる。ひとつには、同法のリテラシー向上施策の学校図書館への影響である。もうひとつには、同法によっても促されている、公教育の根本からの問い直しに繋がるような、学校運営の改革の学校図書館への影響についてである。

2.2 ホームレスにとっての公共図書館の役割

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第一福祉大学 人間社会福祉学部  清重 知子(きよしげ ともこ)

 アメリカのホームレスの数は推定年間350万人と言われ、これは総人口の約1%に相当する(1)。このうち18歳以下の児童は推定135万人(約39%)、世帯別に見ると児童を含む世帯の占める割合は約33%であり、児童及び児童を含む世帯がホームレス者の内訳として近年最も増加している。ホームレス化の要因としては、安価な賃貸住宅の減少、貧困の拡大、社会保障の縮小、障害者やDV被害者への社会的支援の不足などが挙げられる。ホームレスは経済的困窮の結果住居を失った状態であるだけでなく、社会的排除、すなわち、制度的、社会的居場所を失い、異質な存在として周縁化された状態でもある。私的生活空間を失ったホームレスは公共空間での生活を余儀なくされ、日常的に誰の目にもとまる存在でありながら、もはや通常の社会の中に属さない者として排除され生きている人たちと言える。

9月 10日

2.1 Serving Multicultural Populations by Increasing Our Cross-Cultural Awareness in Libraries : Japan and the USA serving Latin Americans, Brazilians, Latinos and Hispanics.

第3章 社会的な論点と図書館

3.2. 多様性
3.2.1 Serving Multicultural Populations by Increasing Our Cross-Cultural Awareness in Libraries : Japan and the USA serving Latin Americans, Brazilians, Latinos and Hispanics.

Sandra Rios Balderrama
RiosBalderrama Consulting, Recruitment, Consultation & Presentations for Libraries

1.1 知的自由をめぐる事例

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獨協大学 経済学部  井上 靖代(いのうえ やすよ)

 ここでは、2001年の9.11テロ事件以降、既存の関係諸法律を改正強化する形で成立した「愛国者法」PATRIOT ACTの影響を受けて発生した知的自由侵害の事例を含めて、近年のアメリカの公共図書館での事例を中心に紹介する。詳細はアメリカ図書館協会(ALA)知的自由部のサイトやブログで報告・議論されている(1)。近年の傾向として、法政策の動向の影響を直接に受けた図書館における事例が多くなっている。法律に関する分野については、「知的自由に関する法的動向」で詳しく述べられているので、そちらを参照してほしい。

アメリカの知的自由をめぐる事例や動向としては、
 

 (1) 図書館資料に対する焚書・検閲

 (2) 図書館施設利用に対するクレーム

4.2 The Levin Library at Curry College: A Small Academic Library in New England

第2章 米国の一般的な図書館のすがた

4. 大学図書館
4.2 The Levin Library at Curry College: A Small Academic Library in New England

David Miller
Associate Professor / Librarian of the Levin Library

with Hedi BenAicha
Professor / Librarian of the Levin Library

Leslie Becker
Supervisor Library Circulation of the Levin Library

Jane Lawless
Associate Professor / Librarian of the Levin Library

Frances Reino
Sr.

4.2 カリー・カレッジのレヴィン図書館:ニューイングランドの小さな大学図書館

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David Miller
Associate Professor / Librarian of the Levin Library
(レヴィン図書館准教授兼司書  デイビッド・ミラー)

with Hedi BenAicha
Professor / Librarian of the Levin Library
(レヴィン図書館教授兼司書  ヘディ・ベンアイチャ)

Leslie Becker
Supervisor Library Circulation of the Levin Library
(レヴィン図書館貸出利用担当課長  レスリー・ベッカー)

Jane Lawless
Associate Professor / Librarian of the Levin Library
(レヴィン図書館准教授兼司書  ジェイン・ローレス)

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