アーカイブ - 2009年 - book

9月 16日

E978 - 世界図書館情報会議(WLIC):第75回IFLA年次大会<報告>

2009年8月23日から27日まで,世界図書館情報会議(WLIC):第75回国際図書館連盟(IFLA)年次大会が「図書館が未来を創る:文化遺産を 礎に」をテーマとして,イタリアのミラノ・コンベンション・センターで開催された。136か国から3,900名以上が参加し,日本からは,長尾真国立国会 図書館(NDL)館長を団長とするNDLからの代表団7名を含む40名以上の参加者があった。...

E974 - 図書館の内部におけるデジタルデバイド問題

2009年8月13日,米国図書館協会(ALA)の出版部門の1つであるALA TechSourceのブログ“ALA TechSource Blog”に「図書館の内部におけるデジタルデバイド」と題された記事が掲載された。対利用者業務担当と技術担当のライブラリアンの間で生じているデジタルデバイドを取り上げたこの記事を書いたのは,コネティカット州のダリエン図書館で知識・学習サービス部門の長として働いているシーハン(Kate Sheehan)氏である。なお,シーハン氏自身はテクノロジー部門とレファレンス部門の両方で働いた経験を持つ。...

E973 - Googleブックス和解案への意見書が相次ぐ

Googleブックスをめぐる訴訟の和解案(E857,E906,E918参照)については,2009年10月7日にニューヨーク南部地区連邦地裁でその成否が判断されるが,それを前に,和解案からの離脱表明が2009年9月4日に,異議申立て・意見書の提出が同9月8日に締め切られた。意見書提出の動向を中心に,関連する情報をまとめる。...

E976 - オンライン時代に対応した図書館法改正(韓国)

韓国では2009年3月2日,図書館法改正案が国会本会議を通過し,新しい図書館法(法律第9528号)が2009年3月25日に公布された。この新図書館法が,2009年9月26日から施行される。...

E977 - 大学図書館の整備・学術情報流通の在り方に関する審議のまとめ

文部科学省の科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術情報基盤作業部会(以下,作業部会)は2009年7月,同年3月からの6回の審議をまと めた「大学図書館の整備及び学術情報流通の在り方について(審議のまとめ)」を同省のウェブサイト上に公開した。これは,「電子ジャーナルの効率的な整 備」及び「学術情報発信・流通の推進 」という早急な対応を要する2つの課題についての審議内容をまとめたものである。・・・

E975 - ケンブリッジ大学による,世界の口承文学を収集する取組み

グローバル化にともなう社会の急激な変化の波に押され,消え行こうとしている口承文学を救うため,ケンブリッジ大学のトゥーリン(Mark Turin)博士を中心とする“World Oral Literature Project” が2009年1月から進められている。...

9月 11日

1. はじめに

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1.1 本研究の背景および目的

 近年、出版コンテンツのデジタル化が急速に進展し、「電子書籍」への注目が高まっている。とりわけ2007年には電子書籍に関する複数のニュースが国内の図書館界を駆けめぐった。11月に東京・千代田区立図書館は電子書籍貸出しサービスを開始し、同じく11月には紀伊國屋書店とOCLCによる学術系電子書籍サービス「NetLibrary」に和書コンテンツが搭載されるなど、著作権の保護期間が満了していない日本語の電子書籍をインターネット経由で提供するタイプの図書館サービスが新たに登場したのである。

 一方、「魔法のiらんど」など携帯電話用ネットサービスに発表された「ケータイ小説」が主に若年層を中心に広く受容され、ネットでのアクセス数の多いケータイ小説が逆に単行本化され、大手取次のトーハン調べによる文芸部門ベストセラーの1位から3位を独占したのも2007年のことであった(1)

概要

(調査の目的)

 近年、「電子書籍」の量的拡大、コンテンツの多様化、ネットワーク配信が進んでいる。統計によると市場規模は年々拡大しており、とりわけ携帯電話による電子書籍配信事業が拡大の一途をたどっている。そのようなコンテンツの1つ、「ケータイ小説」は若年層に広く受容されており、ネット上でのアクセス数の多い「ケータイ小説」が単行本として出版され、2007年にはベストセラーの上位層を占めるに至った。

 このような状況を踏まえ、2008年現在の国内における電子書籍の流通・利用・保存の現況について、図書館とのかかわりを視野に入れつつ調査を実施した。

(方法)

 質問紙調査によって、電子書籍の流通・利用・保存に関する実態・意識調査を、出版社を対象に実施した。さらに電子書籍関連事業者を対象にインタビュー調査を実施した。また利用者調査の代替として、国立国会図書館職員を対象に、電子書籍の利用実態および意識に関する質問紙調査を実施した。

(結果)

 各種統計や歴史的経緯の分析から、電子書籍の厳密な定義は困難である。そこで産業的実態から電子書籍を定義し、流通・利用・保存の現状分析を試みた。

1.6.2 図書館とフィランソロピー

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獨協大学 経済学部  井上 靖代(いのうえ やすよ)

はじめに

 図書館活動へ個人や企業が財政的な援助をしたり、ボランティアや友の会のメンバーとして自分の時間を「寄付」することはアメリカでは一般的である。特に公共図書館への貢献は民主主義社会の具現化行為として、熱心におこなわれている。地域社会活動に参加することは個人として当然の行為なのである(1)。地域社会として公共図書館活動の存在やその活動を社会の目的の実現として受け入れているからである。

1.6.1 Library Advocacy from the U.S. Perspective

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Barbara J. Ford
Director, C.Walter and Gerda B. mortenson Center for International Library Programs and Mortenson Distinguished Professor,
Member of IFLA Governing Board,
Past President of the American Library Association

What Is Library Advocacy?

   Library advocacy is the act of voicing your support for libraries and encouraging others to do the same.

1.6.1 アメリカの見地からの図書館アドヴォカシー

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Barbara J. Ford
Director, C.Walter and Gerda B. mortenson Center for International Library Programs and Mortenson Distinguished Professor,
Member of IFLA Governing Board,
Past President of the American Library Association

(イリノイ大学モーテンソン・センター長、国際図書館連盟理事、アメリカ図書館協会元会長  バーバラ・フォード)

(1) 図書館のアドヴォカシー(advocacy)とは何か?

 図書館のアドヴォカシーとは、図書館に対するサポートを声に出して表明し、また他の人々にも同じように行ってもらうようにする行為である。図書館が地域コミュニティの形成にいかに貢献しているかを他の人々が知っているとは限らない。

1.5.2 E-rateの概要と運用の実情 ~公共図書館との関連を中心に~

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国立情報学研究所 情報社会相関研究系  古賀 崇(こが たかし)

はじめに

 米国の図書館、特に公共図書館および学校図書館をめぐる財政に関して、1990年代末より大きな比重を占めているのが“E-rate”という補助金制度である。これは“educational rate”を意味し、手短に言えば、学校・図書館を対象とするインターネット接続料金割引のしくみと言えるものである。本稿においては、E-rateの概要や、その運営の実情、問題点などを概説したい。なお、紙幅の都合もあり、本稿では公共図書館にかかわる側面を中心に述べる。

1.5.1 図書館ファンドレイジングの動向

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北海学園大学 経済学部地域経済学科  福田 都代(ふくだ いくよ)

(1) ファンドレイジングの必要性

 米国では図書館において、近年ファンドレイジングはますますその重要性を帯びている。ファンドレイジングとは一般に資金調達活動を意味するが、ドナー(個人や団体)から寄付金を募ることだけでなく、現金化が可能な資産や資機材の形態での寄付も受け入れられている。寄付金の大部分は個人からもたらされ、各州には図書館へ補助金を出資する様々な民間財団が存在する。

 ファンドレイジングは1970年代から取り組まれたが、公立図書館では財源を外部に求める行為が図書館予算の大部分を占める公的資金の削減につながりかねないという懸念があった。しかし1980年代中頃から多様な利用者に対する図書館サービスの拡大、資料費の上昇およびIT機器の導入に対処しなければならず、図書館員の間でファンドレイジングの必要性がさらに認識されるようになった。1990年代には現実の財政問題を克服しつつ、「図書館の発展」を結びつけ、積極的に推進されるようになったといえる。

1.4.2 米国の出版状況・概況・動向(電子)

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山形大学学術情報部 学術情報ユニット  加藤 信哉(かとう しんや)

 電子出版(Electronic Publishing)は,「文字・画像情報をデジタルデータに編集加工して、CD-ROMなどの電子メディアやネットワークにより配布する活動」(1)である。ここでは電子書籍と電子ジャーナルを中心に米国の電子出版の状況について触れてみたい。

(1) 電子書籍

 電子書籍(Electronic Book, e-book)は、「コンテンツがインターネット接続により電子的に利用可能で、コンピュータ画面に表示され、ページが印刷でき、手元にダウンロードできるもの」(2)である。

1.4.1 アメリカの出版・書店事情を考察する

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出版メディアパル編集長  下村 昭夫(しもむら てるお)

 本項では、日本で一般的に入手可能なアメリカの出版産業データ(主として『出版年鑑』に収録されている統計)を駆使して、非再販制度下で活躍するアメリカの出版産業の現状を把握し、日本の出版産業の現状との相違点を比較研究する。

(1) アメリカの出版概況

 『出版年鑑2006版』によると、2003年の最終売上規模で224億2,357万ドル(前年比4.6%増)、04年の中間予測規模は237億1,541万ドル(前年比1.3%増)となっている(図1参照;出所『出版年鑑2001年~2006年版』(1)

1.3.3 図書館友の会とボランティア活動

 

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筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科  吉田 右子(よしだ ゆうこ)

(1) 「図書館友の会」とは

 アメリカの公共図書館は、コミュニティの文化の拠点として地域住民と密接に関わりあいながら発展してきた。住民は利用者として図書館を利用するだけでなく、図書館を支えるためにさまざまな活動を行っている。その多くは無償あるいは低報酬のボランティアによって支えられている。図書館ボランティアは図書館と一般住民を結ぶ架け橋として、アメリカの公共図書館において欠かせない存在となっている。

1.3.2 人気ある職業にするには ~How to be popular~

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James M. Matarazzo
Dean and Professor Emeritus at the Simmons College Graduate School of Library and Information Science in Boston
(シモンズ・カレッジ図書館情報学大学院 名誉大学院長・名誉教授  ジェームズ・マタラーゾ)
Joseph J. Mika
Director of the Library and Information Science Program at Wayne State University in Detroit
(ウェイン州立大学 図書館情報学プログラム長  ジョゼフ・ミカ)

(※本稿は著者の許諾を得て、Matarazzo, James M. et al. How to be popular. American Libraries, 2006, 37(8), p. 38-40. を翻訳したものである。

1.3.1 司書養成・研修・採用

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獨協大学 経済学部  井上 靖代(いのうえ やすよ)

はじめに――現状および将来的な課題

 アメリカでは2004年段階で、librarianが15万9千人、para-professionalとよばれるlibrary technicianが12万2千人、library assistantが10万9千人働いている(1)

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