2009年7月に,非営利組織Ithakaによる報告書「デジタル資源を持続させること(Sustaining Digital Resources)」が公表された。これは,英国情報システム合同委員会(JISC)等の資金援助により,デジタル資源を提供している機関の運営の持続可能性について調査・分析を行ったもので,2008年の報告書「オンライン学術資源の持続可能性と収益モデル」に続くものである。…
図書館や博物館,大学といった組織が主体となって実施する従来の大規模デジタル化プロジェクトに対し,一般市民が参加する資料デジタル化の可能性を探る試みが注目を集めている。オックスフォード大学は2008年,英国情報システム合同委員会(JISC)の資金援助の下,帝国戦争博物館,英国国立公文書館が所蔵する,第一次世界大戦に従軍した詩人に関する資料をデジタル化するプロジェクト“First World War Poetry Digital Archive”をスタートさせたが,この追加プロジェクトとして,“Great War Archive”(GWA)という,一般市民による第一次世界大戦の関連資料デジタル化の取組が行われた。…
2009年6月30日,米国情報標準化機構(NISO)とOCLCは,「図書のメタデータのワークフローの能率化」(Streamlining Book Metadata Workflow)と題する白書を公表した。この白書は,2009年3月18日から19日にかけて行なわれたOCLC主催の図書のメタデータを議題としたシンポジウムフォローアップとして位置づけられている。...
英国情報システム合同委員会(JISC)が展開してきた,大学・研究図書館の課題や将来像について議論するキャンペーン“Libraries of the Future”が,このほど終了した。情報のデジタル化・オンライン化が急速に進み,書籍を保管する物理的な場所としての図書館の役割が学生や研究者のニーズと合わなくなりつつあるなか,図書館が学習,教育,研究を支援する方法を再考することを目的に,有識者によるディベートや講演が2009年4月まで約1年間にわたって催され,活発な議論が交わされた。...