1. Google Book Searchの衝撃 2008年10月、Googleと米国の作家団体・出版団体等との間で争われた、Google Book Search(Googleブック検索)をめぐる著作権侵害訴訟の和解案が世界中の出版社・作家を揺るがせた。この和解案が裁判所にそのまま承認された場合、和解に異議を申し立てなかった著作権者はGoogleに書籍等をデジタル化され、ウェブ上に提供される可能性があったからである。...
科学関係の大手出版社であるElsevier社発行のThe Australasian Journal of Bone and Joint Medicineはじめ6誌が、2000年から2005年の間に他の雑誌からの転載論文を掲載し、かつ、その転載論文が医薬品メーカーであるメルク社から資金を受けて研究された論文であったにもかかわらずそのことを公表していなかった、という事実が2009年4月から5月にかけて発覚した。...
米国の書誌ユーティリティOCLCの研究部門OCLC Researchはこのほど,ニューヨーク市内の7つの図書館(NYC-7)間での協力関係促進に向けた議論の成果を紹介する報告書 “Catalyzing Collaboration: Seven New York City Libraries”(『協力を橋渡しする:ニューヨーク市の7図書館』)を発表した。なおNYC-7とは,ブルックリン美術館図書館,コロンビア大学図 書館,フリック美術館レファレンス図書館,メトロポリタン美術館Thomas J. Watson図書館,近代美術館図書館,ニューヨーク公共図書館,ニューヨーク大学図書館,の7図書館を指す。...
2009年10月19日~21日,オランダ王立図書館(KB)で,欧州の図書館における資料デジタル化について議論する“Workshop on the Digitization of Library Material in Europe”が開催された。これは,欧州の資料デジタル化に係るコミュニティや欧州委員会(EC)の活動に資することを目的に,欧州研究図書館協会 (LIBER)と欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)が協同で実施しているワークショップで,今回で2回目となる。1回目は 2007年,デンマーク王立図書館で開かれ,その成果は,欧州における資料デジタル化をどのように促進すべきかをまとめたロードマップに集約され,ECに 提言された。今回のワークショップの目標は,2007年のロードマップの内容を更新することである。筆者は欧州以外からの参加者4名のうちの1人として ワークショップに出席した。以下にワークショップの概要を報告する。...