アーカイブ - 2006年 9月 20日 - book

E547 - オープンアクセス入門<文献紹介>

Jacobs, Neil ed. Open Access: Key Strategic, Technical and Economic Aspects. Oxford, Chandos Publishing, 2006, 243p.  オープンアクセス(OA)への抗しがたい流れの中で,一度立ち止まって考えてみるのも良いかもしれない。本書はOAの入門書という位置づけになっており,5章から構成されている。「1.OA 歴史,定義,論…

E546 - 第72回国際図書館連盟(IFLA)大会<報告>

2006年8月20日から24日まで,韓国ソウルで世界図書館情報会議2006/第72回IFLA大会が,「図書館―知識情報社会のダイナミックエンジン」をテーマに開催された。20日の開会式にはクォン・ヤンスク韓国大統領夫人(大会名誉会長)も出席,祝辞を述べるとともに,キム・デジュン前大統領が基調講…

E545 - アジアにおける資料保存―国際図書館連盟(IFLA)大会プレコンファレンス<報告>

韓国ソウルでIFLAの年次大会が開催されるのに先立ち,8月16日から17日にかけて,「アジアにおける資料保存」をテーマとしたIFLAソウル大会のプレコンファレンスが国立国会図書館において開催された(主催:IFLA 資料保存分科会,IFLA アジア・オセアニア分科会,IFLA/PAC コア活動,国立国会図書…

E544 - 【連載】アジア・オセアニアの図書館事情:(6)マレーシア

マレーシアには,2004年の時点で公共図書館947館,大学図書館415館,専門図書館計461館が設置されている。公共図書館の設置形態は様々で,州,町,農村といった自治組織単位の図書館のほか移動図書館もある。特徴的な移動図書館としては,2005年に12台配置された情報コミュニケーション技術(…

E543 - Google Book Searchの機能拡張とミシガン大の新プロジェクト−図書の所蔵情報や本文データを用いた新たなサービスの幕開け

2006年8月から9月にかけて,“Google Book Search”(E285参照)に新たな2つの機能が追加されたほか,“Google Book Search”プロジェクトで協同関係を組むミシガン大学図書館でも,プロジェクトの結果得られた本文データを利用して,新たな蔵書提供サービスが開始された。  まず“Google Book Search”で…

E542 - 戦略計画はブログで立案?:ヒューストン大学図書館の試み

米国ヒューストン大学図書館は,2006年から2010年までの戦略計画“UH Libraries Strategic Directions, 2006-2010”を策定し,2006年7月に公表した。この戦略計画では,ウェブ経由のバーチャル・サービス拡大,図書館の学習・教育センター化,機関リポジトリなど学術コミュニケーションへの貢献度の強化,…

E541 - 欧州デジタル図書館計画の促進に向けた勧告

EUが進めている欧州デジタル図書館計画(E390,E461参照)では,2008年までに200万点,さらに2010年までには600万点以上の本,フィルム,写真,手稿などを閲覧できるようにという目標が立てられているが,現時点では対象資料のデジタル化は十分に進んではいないようであり,EUは目標達成のため…

CA1608 - 情報検索サイトと「検閲」−“思想の自由市場”の復活に向けて− / 坂田仰

2006年1月,情報検索サイト大手のGoogle社は,その中国語版を公開した。Google社は,公開にあたって,中国政府が不適当と考えるウェブコンテンツを検索結果から除外することに合意している(1)。 中国政府は,現在の政治体制の維持を至上命題とし,その考え方と矛盾するテーマ,例えば天安門…

CA1607 - 進化する地図の世界 / 津田深雪

近年,オンラインで利用できる地図の進歩は目覚しい。Yahoo!の地図情報で目当ての店や観光地などの地図を探したことがある人も多いだろうし,国土地理院のウェブサイトでは2004年3月以降,日本の基本図である2万5千分の1地形図を閲覧することができる(1)。Google Earth,Google Mapsの登場 2005年6…

CA1606 - Google Scholar,Windows Live Academic Searchと図書館の役割 / 片岡真

一方,学術文献の世界では,これまでWeb of Science(以下WoS)などライセンス契約を伴う文献データベース(ウェブ・クローリングではデータ収集できない)が中心で,図書館はこれを契約し,利用者に提供することが重要な役割であった。しかし検索エンジンのベンダー各社は,非営利の文献デ…

小特集 - Googleの新サービスが与える影響

1語2語のキーワードを打ち込んで,「検索」ボタンをクリックするだけで,インターネットの世界に広がる夥しい量の情報の中から自分が求める情報を手早く検索できる―これが検索エンジンの強みですが,数あまたある検索エンジンの中でもGoogleは特に目を見張る成長を見せており,基本サー…

CA1605 - オープンソースと統合図書館システム / 原田隆史

近年,社会の多くの分野でオープンソースソフトウェア(以下OSSと略す)の利用が急速に増大してきている。たとえばWebサーバ用ソフトウェアのApacheやDNS管理用ソフトウェアであるBindのように標準的なソフトウェアとなっているOSSも存在するようになってきた。OSSの利用は世界的な流れともなって…

CA1604 - 日米における著作権法の図書館関係制限規定の見直しの動き / 鳥澤孝之

伝統的な図書館サービスは,図書・雑誌の紙媒体,録音テープなどの固定物の資料を収集・保管し,整理した上で,建物内で利用者に提供するというものであるが,社会のデジタル化・ネットワーク化の進展につれて,図書館資料としての「著作物の生産・流通・消費のすべての過程がデジタル…

CA1603 - インフォメーション・コモンズからラーニング・コモンズへ:大学図書館におけるネット世代の学習支援 / 米澤誠

コモンズとは,「共有資源」,「公共の場」を意味する言葉であり,インフォメーション・コモンズ(1)は,デジタル時代の情報資源を利用するための共有資源・公共の場として誕生したものである。米国の大学図書館においてインフォメーション・コモンズが生まれたのは,1990年代であった。ウ…

CA1602 - 利用者のセグメンテーション:シンガポールにおける利用者志向の図書館戦略 / 呑海沙織

シンガポールでは1990年代から,国家情報基盤(National Information Infrastructure: NII)を整備し,インテリジェント国家を目指す“IT2000”計画を推進してきた(CA1136参照)。この政策の下,シンガポール国立図書館委員会(National Library Board:NLB)は,“Library2000”という青写真をもとに,公共図書館を…

CA1601 - 中国「全国文化情報資源共有プロジェクト」の現状 / 湯野基生

2002年4月に文化部と財政部により始動された中国「全国文化情報資源共有プロジェクト」(全国文化信息資源共享工程。以下「共有プロジェクト」と呼ぶ)が2006年,新たな段階を迎えている。 まず共有プロジェクトについて,ウェブサイト(1)をもとに簡単に確認しておく。 共有プロジェクト…

CA1600 - 政策としてのオープンアクセス:NIHパブリックアクセス方針の現状と課題 / 三根慎二

2005年5月2日,米国の国立衛生研究所(以下,NIHとする)によるNIH パブリックアクセス方針(正式名称は,Policy on Enhancing Public Access to Archived Publications Resulting from NIH-Funded Research)(1)が施行されてすでに一年が経過した。同方針の成立過程やその詳細は他稿に譲るが(2)(3),その概要を確認しておくと…