北米日本研究資料調整協議会(NCC)は、2021年2月9日付けのTwitterにおいて、“NCC's Statement on Japanese Copyright Law, Article 31”(日本著作権法第31条改正に関するNCCの声明)を公表したことを紹介しています。
日本国外からの資料へのアクセスの向上のために、日本の著作権法第31条改正の検討を要望する内容であり、日本文化教育交流会議(US-Japan Conference on Cultural and Educational Interchange)、日米友好基金(Japan-US Friendship Commission)、国際交流基金米国日本研究諮問機関(Japan Foundation American Advisory Commission)の支持を受けて提出するものとあります。
2021年2月15日、学術出版社のBrill社と米・コロンビア大学のイラン研究拠点“Ehsan Yarshater Center for Iranian Studies”は、イラン研究に関する総合百科事典“Encyclopædia Iranica”がBrill社のプラットフォーム上でオープンアクセス(OA)により利用可能となったことを発表しました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大により,英国では2020年3月から6月まで最初のロックダウン体制が敷かれ,公共図書館も少なくとも4か月の休館を余儀なくされた。ロックダウン期間中の公共図書館サービスについて,図書館関連慈善団体であるLibraries ConnectedおよびCarnegie UK Trustが調査レポートを公開した。本稿では両レポートについて概要を紹介する。
新しい知識・情報の創造という図書館・ライブラリーが果たす役割を実現していることや,古文書を読める世代を失いつつある結果,それらを死蔵しかねない状況の図書館にとって存在意義が大きいとしてLibrary of the Year 2020 の大賞を受賞した『みんなで翻刻』は,インターネットを通じて誰もが参加できる歴史資料の翻刻プラットフォームである。「翻刻」とは歴史学の用語で,古文書や古典籍など歴史文献資料に書かれた文字を活字に起こし,史料集として刊行したり,データベース化してオンライン公開したりする作業のことを指す。日本には江戸時代以前から伝来する大量の文献資料が保存されており,近年はこれら資料のデジタル化も急速に進められている。しかしテキスト化された歴史資料は全体のごく一部に過ぎないため,全文検索が適用できないなど効果的な利活用が困難な状況にある。『みんなで翻刻』は,多数の参加者の協力を募ることでこれら文献資料の大規模なテキスト化を実現し,歴史資料の利活用促進につなげることを目的としたプロジェクトである。翻刻されたテキストはCC BY-SAライセンスで公開され,出典を明示すれば自由に利用できる。