アーカイブ - 2022年 9月 13日

米国大統領府科学技術政策局(OSTP)の政策指針による学術出版市場への影響予測(記事紹介)

2022年9月8日、コンサルティング会社Delta Thinkは、8月25日に米国大統領府科学技術政策局(OSTP)の発表した研究成果即時公開を求める政策指針が、学術出版の市場価値にどのような影響を与えるかについて、考察“News & Views: OSTP Memo – Modeling Market Impact”を公開しました。

OSTPのポリシーの対象になる学術論文の割合を市場全体の7.9%と仮定した上で、2026年以降4年間の市場価値の推移をモデル化し、出版料の支払いの有無等により購読料収入や市場価値がどのように変化するか、3つのシナリオを提示しています。さらに、出版社への影響についても3つのシナリオを提示し、各社の出版物の何%がOSTPポリシーの影響を受けるかによって、収益がどの程度減少するか説明しています。

結論部では、著者が世界中に存在する大規模出版社は影響を受ける論文数が少ない可能性があり、特に、既に充実したオープンアクセス(OA)ポートフォリオを持っている場合は小幅な値上げで十分に対応できる可能性があること等を述べています。また、研究者の文献入手方法や論文の質への選好についても言及し、出版社ごとに状況は異なることを説明しています。

公共図書館での貸出が近隣の書店での同タイトルの書籍の売り上げをどの程度減らすか(文献紹介)

2022年8月15日付で、雑誌"Journal of the Japanese and International Economies"の66巻に、香港科技大学の川口康平氏と東京大学の金澤匡剛氏による共著論文“Displacement effects of public libraries”の最終公開版(Version of Record)がオープンアクセスで掲載されています。

日本において公共図書館での貸出が近隣の書店での同タイトルの書籍の売り上げをどの程度減らすかを論じています。書店の販売データと公共図書館の所蔵データを統合したデータセットを作成し、公共図書館の影響を定量化しています。結果として、ベストセラー本では1か月あたり0.52部、図書館の所蔵が同じ地域の書店の売り上げを置き換えていること等が分かったとしています。

松竹大谷図書館、クラウドファンディングプロジェクト第11弾「蘇る六代目の舞台、小津安二郎『鏡獅子』を次世代へ。」を開始

2022年9月6日、松竹大谷図書館が、クラウドファンディングプロジェクト第11弾「蘇る六代目の舞台、小津安二郎『鏡獅子』を次世代へ。」を開始しました。

発表によると、同プロジェクトは、2023年の小津安二郎生誕120年に向けて、小津監督の唯一の記録映画であり、また初めてのトーキー映画でもある歌舞伎記録映画『鏡獅子』のフィルムを4Kデジタル修復し、劣化した映像と音声を蘇らせることに挑戦するとあります。

募集期間は2022年9月6日から10月26日までで、目標金額は400万円(『鏡獅子』4Kデジタル修復費350万円、利用手数料50万円)です。

ネットを通じて当館への支援募集を開始いたしました(松竹大谷図書館,2022/9/6)
https://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/news/220906.html

日本博物館協会、「博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を改定:感染者数減少期における感染防止対策の緩和に関する項目の追加等

2022年9月8日、日本博物館協会が、「博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を改定したことを発表しました。

2022年7月15日に更新された政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」等を踏まえたものであり、博物館が感染拡大を防止しつつ社会教育機関としての役割を持続的に果たすために必要な、感染拡大予防の基本的方向性を示すことを目的とした改定です。感染者数減少期における感染防止対策の緩和に関する項目の追加等が行われています。

日本博物館協会 News
https://www.j-muse.or.jp/
※2022/9/8欄に「【お知らせ】「博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」の改定について」とあります。

博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン [PDF:12ページ]
https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/PDFGL2209083.pdf

米国国立医学図書館(NLM)、医学件名標目表(MeSH)の補足用語(Supplementary Concept Record)としてサル痘関連用語を追加

2022年9月9日、米国国立医学図書館(NLM)が、医学件名標目表(MeSH)の補足用語(Supplementary Concept Record)として、8月11日にサル痘関連用語を追加したと発表しました。

米国保健福祉省による公衆衛生上の緊急事態の宣言や、米国大統領府科学技術政策局(OSTP)によるサル痘に関する研究とデータの即時公開を求める声明を踏まえたものであるとしています。

追加されたのは、“human intravenous vaccinia immune globulin”、“ACAM3000”、“Aventis Pasteur smallpox vaccine”、“Modified Vaccinia Ankara virus”の4件です。また、発表の中では、今回の追加分も含め、既存の件名や最近更新があったサル痘関連件名として、19件が挙げられています。

英・デジタル保存連合(DPC)、2022年の“Digital Preservation Awards”受賞者を発表

2022年9月7日、英・デジタル保存連合(DPC)が、2022年の“Digital Preservation Awards”の受賞者を発表しました。

2004年に創設されたもので、デジタル保存に関するすぐれた取組や、デジタル保存の進展に多大な功績のあった個人に与えられます。表彰式は、DPCが主催した、2022年の電子情報保存に関する国際会議(iPRES)の中で行われました。

2022年は、前回の賞に加え、DPC設立20周年を記念した“The DPC 20th Anniversary Award”が設けられており、デジタル保存コミュニティに対して過去20年に継続的な貢献をしたとして、“PREMIS Data Dictionary”が受賞しています。その他、デジタル保存の分野で貢献のあった個人に対して授与される賞“The DPC Fellowship Award”について、20周年記念の一環として例年の1人ではなく5人が受賞したと述べています。