アーカイブ - 2022年 6月 30日

ユネスコ、ウクライナで150を超える文化財が一部または全部破壊されたと発表

2022年6月23日付で、ユネスコが、ロシアの侵攻開始以降にウクライナで152の文化財の一部または全部が破壊されたとするプレスリリースを公開しました。

ロシアによる侵攻が始まった2022年2月24日以降のウクライナにおける文化財の被害状況の調査結果が更新されたもので、70の宗教建築物、30の歴史的建造物などのほか、博物館・美術館12館、図書館7館が含まれています。被害を受けた遺産の約4分の3がドネツク、ハルキウ、キーウの3つの地域に集中しているとあります。

ユネスコは、ロシアの侵攻が始まった当初から、現地の文化専門家に建物や作品目録を保護するための技術的助言の提供、移動可能な物を保護するためのシェルターの特定などの、破壊を防ぐための一連の緊急措置を開始したとあります。また、1954年のハーグ条約で保護されていることを示す標章(ブルーシールド)の文化財への付与を支援したとしています。ブルーシールドが付与された文化財への侵害があれば国際法違反とみなされ、訴追される可能性がありますが、現在までのところ、ユネスコ世界財に登録されているウクライナの7つの遺産は、いずれも被害を受けていないとしています。

また、文化財の被害や破壊を記録し、文書化することで、事態の深刻さを警告するだけでなく、将来の復興に向けた準備も行っているとしています。

【イベント】講演会「オープンサイエンス時代に向けた学術情報環境再構築におけるドイツの国家的一括契約運営組織の事例と日本の展望(仮)」(7/22・オンライン)

2022年7月22日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)により、講演会「オープンサイエンス時代に向けた学術情報環境再構築におけるドイツの国家的一括契約運営組織の事例と日本の展望(仮)」がオンラインで開催されます。

講師は、ドイツにおける「国家的な一括契約運営組織」の立場で、海外大手出版社との電子ジャーナルナショナルコンソーシアム契約の締結に携わってきたRalf Schimmer氏(Max Planck Digital Library)です。日本における学術情報流通の大変革時代への対応や、学術情報環境の再構築に向けた道筋についての議論が行われるとあります。使用言語は英語であり、通訳はありません。

参加費は無料であり、事前の申し込みが必要です。

講演会「オープンサイエンス時代に向けた学術情報環境再構築におけるドイツの国家的一括契約運営組織の事例と日本の展望(仮)」(7/22(金)10:00~11:45)■申込締切:7/20(水) 17:00■(NISTEP, 2022/6/28)
https://www.nistep.go.jp/archives/51999

日本国内の主要学術団体のデータベース「学会名鑑」、科学技術振興機構(JST)によるサービスが終了:今後は日本学術会議のウェブサイト上で情報提供

2022年6月末、日本国内の主要学術団体の各種データを収録・公開するデータベース「学会名鑑」について、科学技術振興機構(JST)による運営が終了します。

7月以降、「学術名鑑」で行われてきた「協力学術研究団体」の情報提供は、日本学術会議に引き継がれ、日本学術会議のウェブサイト上で行われると案内されています。

学会名鑑のサービス終了について(科学技術情報プラットフォーム, 2022/6/17)
https://jipsti.jst.go.jp/information/2022/06/1236.html

学会名鑑
https://gakkai.jst.go.jp/gakkai/

学協会データベース―『学会名鑑』Web版(公共財団法人日本学術協力財団)
http://www.jssf86.org/works4-meikan.html

Clarivate社、Journal Citation Reports(JCR)の2022年版をリリース

2022年6月28日、Clarivate社は、学術誌評価分析データベース“Journal Citation Reports”(JCR)2022年版のリリースを発表しました。

2022年版では、113か国の学術雑誌2万1,000誌以上の情報を収録し、収録誌のうち完全オープンアクセス(OA)誌は5,300誌以上です。発表の中では、一般医療・救命医療・公衆衛生・感染症・免疫学・基礎生物医学といった分野の引用指数が引き続き増加していることをはじめとした、新型コロナウイルス感染症の影響について触れられています。

また、自誌からの引用が過度に多い論文が存在する“self stacking”を特定する基準を今回初めて定義し、6誌に警告を行ったこと等を述べています。

慶應義塾大学、英国のMOOCs“FutureLearn”で、講座“Travel Books: History in Europe and Japan”を提供:英国図書館と共同制作

2022年6月27日、慶應義塾大学は、英国のMOOCsである“FutureLearn”で、講座“Travel Books: History in Europe and Japan”の提供を開始しました。

“Travel Books: History in Europe and Japan”は、同大学と英国図書館(BL)との共同で制作されました。同大学とBLのコレクションを活用し、同大学とBLおよび英・オックスフォード大学ボドリアン図書館の専門家が参加して、欧州と日本を旅した書物の歴史を読み解くための様々な視座を提供すると説明されています。

各週3時間で3週間かけて学ぶ想定で用意されています。言語は英語で、日本語版が2022年秋に公開予定です。受講のためにはアカウント登録が必要ですが、3週間の制限付きでの受講は無料です。

英・Jisc、新たな研究成果公開プラットフォーム“Octopus”の公開を発表

2022年6月24日、英国のJiscは、オープンリサーチプラットフォーム“Octopus”が6月29日に正式公開されると発表しました。

研究成果の出版のプロセスを“Problem”、“Hypothesis/theoretical rationale” 、“Methods/protocol” 、“Data/results”、“Analysis”、“Interpretation”、“Real-world implementation” 、“Peer review”の8要素に分解して、それぞれに応じた研究成果を公開することができるプラットフォームです。

発表の中では、スピード、開放性、公平性、使いやすさに重点が置かれており、研究者のジェンダーや所属機関による成果評価におけるバイアスを最小化する方法を取り入れているとあります。また、Octopusのデモやパネルティスカッション、今後の開発ロードマップの概要紹介等を行うオンラインイベントが、6月29日に開催されました。

菊池市立図書館(熊本県)のきくち圏域電子図書館、マンガ「菊池武光伝」の電子書籍版を公開:同市中央図書館と崇城大学マンガ表現コースとの共同創作

2022年6月15日、菊池市立図書館(熊本県)のきくち圏域電子図書館で、マンガ「菊池武光伝」の電子書籍版が公開されました。ログイン・登録不要で読むことができるとあります。

現在の菊池市を中心に平安時代後期から室町時代にかけて450年にわたって活躍した菊池一族の隆盛を築いた15代菊池武光をマンガ化したもので、同市中央図書館と崇城大学(熊本県)マンガ表現コースとの共同研究として制作されました。マンガの印刷版は市内外の小中学校に配布される予定であるとしています。

マンガ『菊池武光伝』公開(きくち圏域電子図書館,2022/6/15)
https://web.d-library.jp/kikuchi/g0108/infodetail/?iid=19

Springer Nature社、Nature Index 2022 Annual Tablesを公開

Springer Nature社は2022年6月16日付のプレスリリースで、2021年に、質の高い自然科学研究に最も貢献した機関や国を調査したNature Index 2022 Annual Tablesを公開したことを発表しました。

発表では、中国が、論文に対する各共著者の相対的貢献度を考慮する指標であるShareで測定される研究生産高全体で2位であり、2020年比14.4%増は上位10か国で最大の増加率であったとしています。一方、 米国は、研究生産高は1位を維持したものの、研究成果量の6.2%減少は、上位10か国中で最大の減少幅であり、2017年以降で最も急な減少であったとしています。研究成果量3位のドイツは0.7%減、4位のイギリスは5.7%減であったとしています。

機関では、中国科学院が10年連続1位で、2位の米・ハーバード大学とShareが2倍以上の開きがあるとし、また、主要10機関のうち4機関を中国が占めたとしています。

一部のコミックやグラフィックノベルを図書館から排除しようとする動き : 米国の図書館員の戦い(記事紹介)

米国の出版情報誌“Publishers Weekly”の2022年6月10日付の記事で、コミックやグラフィックノベルを図書館から排除しようとする動きに対する、米国の図書館員の戦いを紹介する記事“Comics Librarians Are Up for the Fight”が掲載されました。

記事では、保守的な団体が、ピューリッツァー賞やニューベリー賞の受賞作であったとしても、人種差別を助長したり、わいせつであるとして、図書館からの撤去や読書リストからの削除を要求している一方、図書館員は、そうした要求は、本の作者が黒人・ LGBTQである、クィアを題材としているために生じているものだと反論していることを紹介しています。

また、テキサス州では、図書館員がSNS上で嫌がらせを受けたり、要求の対象が学校図書館のみならず公共図書館に及びつつあること、インディアナ州では、図書館員(学校図書館、公共図書館を問わず)が、子どもに「有害」とみなされる本を購入することが罪となり得る法律が提案されているとしています。

このような動きに対し、米国図書館協会(ALA)は、世界中の読者に検閲への反発を促すことを目的に「#UniteAgainstBookBans」キャンペーンを開始したとしています。