アーカイブ - 2022年 6月 16日

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米・Ithaka S+R、北米の学術図書館におけるストリーミングメディアへの対応に関する調査結果を公開

2022年6月9日、米・Ithaka S+Rが、北米の学術図書館におけるストリーミングメディアへの対応に関する調査結果“Streaming Media Licensing and Purchasing Practices at Academic Libraries”を公開しました。大学においてストリーミングメディアへの学生や教員の需要が高まっていることを背景に実施された調査です。

ストリーミングメディアについて、提供しているベンダーや、購読モデル、ライセンス、予算を調査しています。また、図書館自身による物理メディアのデジタル化についても調査しています。北米の4年制の大学の図書館でコレクション管理・開発を担当する1,493人に対し依頼を行い、米国297件、カナダ12件、計309件の回答を得ています。

調査結果に対する洞察として、教育への影響がライセンス購入・更新に関する意思決定を促す最大の要因となっていること、図書館の教材予算の中で占める割合が増加しており、今後5年間で倍増すると予測されること、図書館はVHSテープやDVDのデジタル化には大きな投資をしていないこと、米国とカナダにおいて同様のアプローチが取られているが、パンデミックにおいてその対応に違いが生じたこと、等が述べられています。

欧州委員会出版局、データ引用に関する推奨事項やベストプラクティスを含む実践的なガイドを公開

2022年5月17日、欧州委員会出版局(Publications Office of the EU)が、データ引用に関する推奨事項やベストプラクティスを含む実践的なガイド“Data citation : a guide to best practice”を公開していました。

序文では、2021年時点で主要な議題となっているCOVID-19や気候変動に関して、データをもとにした専門家の知見に基づいているにも関わらず、様々な人々や団体が異なる意見を示していると説明しています。同じデータから異なる意見が出ることは有りうることではあるものの、オブザーバーは、どのデータが使用され、それがどこから来たものなのか、他の分析で使用されたデータとどのように異なるのか知る必要があると述べています。

パート1ではデータ引用に関する議論と一般的な推奨事項が、パート2では同ガイドの推奨事項に沿って引用データを作成するための技術的な参考情報が、パート3では同ガイドと他のドキュメントのとの間での推奨事項の違いについてが、記載されています。そのほか、付録としてチェックリストや、脚注および文献リストの記入例等が掲載されています。

持続可能で公平な書籍のオープンアクセス出版に関するプロジェクト“Open Book Collective”の背景と取組(記事紹介)

2022年5月31日、書籍のオープンアクセス出版発展を目指すプロジェクト“Community-led Open Publication Infrastructures for Monographs(COPIM)”が、同プロジェクトの一環として始めた“Open Book Collective(OBC)”について概説する記事をブログに掲載しました。

OBCの主要な目的として、機関や図書館がOA出版への財政支援を行うための新たな方法を提供し、中小出版社が“Book Processing Charges(BPC)”に依存しなくて済むようにすることを挙げています。また、出版団体の多様性を保持することももう一つの目的として挙げています。

また、契約・購読の管理を簡単にし、様々なサービスを一覧しやすくすることで、図書館員が自機関のニーズを踏まえて出版社やそのサービス等について評価できるようにすると述べています。そのほか、OA単行書はメタデータが不足していることが多く発見が困難であることから、OBCのプラットフォーム上で簡単にメタデータをダウンロードできるようにすると述べています。

Knowledge Unlatched(KU)、Elsevier社とオープンアクセスワークフロー管理ツール“Oable”を用いたパイロット実施を発表

2022年6月2日、Wiley社傘下のKnowledge Unlatched(KU)は、KUの開発したオープンアクセス(OA)のワークフロー管理ツール“Oable”を用いたパイロットをElsevier社と行うことを発表しました。

“Oable”はOA契約とOA出版物の管理をするためのツールです。Elsevier社とのパートナーシップは、取引を合理化し、図書館員や大学職員の負担を軽減することを目的としたもので、パイロットに参加する機関の図書館員は、“Oable”のプラットフォームを通じてElsevier社の全ジャーナルのOA契約と手続きを管理することができるようになると説明されています。

Oable incorporates all of Elsevier’s journals(Knowledge Unlatched, 2022/6/2)
https://knowledgeunlatched.org/2022/06/oable-incorporates-all-of-elseviers-journals/

QS社、世界大学ランキング2023を公開:100位以内には日本から5大学がランクイン

2022年6月9日、QS社が毎年公開している世界大学ランキングの2023年版が公開されました。1位は米・マサチューセッツ工科大学(MIT)(2022年版:1位)、2位は英・ケンブリッジ大学(2022年版:3位)、3位は米・スタンフォード大学(2022年版:3位)でした。

このランキングは世界の研究者を対象とする調査や、所属研究者の過去5年分の論文の引用分析の結果等に基づいて算出されるものです。

100位以内には、日本からは23位に東京大学(2022年版:23位)、36位に京都大学(2022年版:33位)、55位に東京工業大学(2022年版:56位)、68位に大阪大学(2022年版:75位)、79位に東北大学(2022年版:82位)の5大学がランクインしています。

@worlduniranking(Twitter, 2022/6/9)
https://twitter.com/worlduniranking/status/1534627576794185730

OCLC、Clarivate社を提訴:WorldCatのデータ流用に関して

2022年6月15日、OCLCは、Clarivate社とその子会社のClarivate Analytics社、Ex Libris社、ProQuest社を6月13日に提訴したことを発表しました。

発表の中では、メタデータプラットフォーム“MetaDoor”へのメタデータ提供を、WorldCatの利用者である図書館に対して同社が要請することについての、暫定的・終局的差止命令を求めているとあります。また、MetaDoorでWorldCatのデータを不正に流用することを止めるよう求めています。

OCLC files suit against Clarivate PLC and its subsidiaries, Clarivate Analytics, Ex Libris, and ProQuest(OCLC, 2022/6/15)
https://www.oclc.org/en/news/announcements/2022/oclc-files-suit-against-clarivate-plc.html

出版社に「合理的な条件」下で図書館への電子書籍ライセンス提供を求める米・メリーランド州の法律に関し、連邦地方裁判所が違憲と判断

米国の出版情報誌“Publishers Weekly”の2022年6月14日付の記事で、出版社に「合理的な条件」下で図書館への電子書籍ライセンス提供を求めるメリーランド州の法律に関し、連邦地方裁判所が6月13日付の最終命令(final order)で「違憲かつ法的効力なし」と宣言したことが紹介されています。

記事によると、2月16日の裁判所による略式意見(memorandum opinion)で、同法律は著作権法に違反する可能性があるとされていました。米国出版協会(AAP)、同州ともに略式判決を要請していないものの、宣言的判決(declaratory judgment)が行われることについては同意しているため、最終命令を下したこと等が述べられています。

Frontiers社、欧州におけるオープンかつ協力的な研究環境を求めるキャンペーン“Stick to Science”に署名

2022年6月7日、Frontiers社が、欧州におけるオープンかつ包括的・協力的な研究環境を求めるキャンペーン“Stick to Science”に署名したと発表しています。

発表によると、英国大学協会(UUK)やスイス連邦工科大学チューリッヒ校らにより開始されたキャンペーンであり、出版者による署名は今回が初めてとあります。同キャンペーンの背景として、欧州連合(EU)による研究資金助成プログラムHorizon Europeへの、英国・スイスの参加に関する不確実性が挙げられています。発表の中では、研究者は社会に力を与える存在であり、そのためにも国境を越えた協力が不可欠であること等が述べられています。

米・ボストン公共図書館(BPL)、長期機器貸出プログラムを通してWi-fiルーターとChromebookを無料で必要な期間だけ貸出:教育上の必要性を満たすのに十分な機器やサービスを利用できない成人が対象

2022年6月13日、米・ボストン公共図書館(BPL)が、長期機器貸出プログラムにより2,000以上の家庭用Wi-fiルーターとChromebookを無料で貸し出すと発表しました。

同市に居住し、教育上の必要性を満たすのに十分な機器やサービスを利用できない成人であれば誰でも利用できるとあります。機器は必要な期間だけ借りることができます。また、2023年6月末まで無料でインターネットサービスが提供され、期間の延長も見込まれるとあります。

この取組はデジタルデバイドの解消を目的としており、緊急接続基金(Emergency Connectivity Fund)の資金援助を受け、ボストン市長室、同市長室新都市力学チーム(Mayor's Office of New Urban Mechanics)、ボストン住宅局(Boston Housing Authority)との協力のもと、プログラムを提供しているとあります。