アーカイブ - 2021年

4月 16日

米国大学協会(AAU)・公立ランドグラント大学協会(APLU)、「研究データへのパブリックアクセスを加速するためのガイド」を公開

2021年4月15日、米国大学協会(AAU)・公立ランドグラント大学協会(APLU)は、「研究データへのパブリックアクセスを加速するためのガイド」の公開を発表しました。

本ガイドは、各機関における研究データ共有システムの開発・推進支援を目的として作成されました。研究データへのアクセス改善のため各機関が採用できる行動、アクセスを容易にするために求められるインフラや支援、研究データ・研究成果の共有に関する各機関の取組事例といった情報が含まれています。

本ガイドの最後には、ガイド内で示された推奨事項を踏まえた一連の質問(全17問)のリスト“Essential Questions”が収録されています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が主催する“Asia OA Webinar”が2021年4月に開催:COARが公表したリポジトリに関するフレームワークについて日本用ローカライズと実践の試みを紹介

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2021年4月14日付けのお知らせで、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が主催する“Asia OA Webinar”の開催を紹介しています。

“Asia OA Webinar”は、アジアのオープンアクセスコミュニティによる情報の交換や、協調関係の構築、交流を目的としたウェビナーシリーズです。2021年4月27日に、その一環としてウェビナー“Balancing good practices with inclusivity: COAR Community Framework for Good Practices in Repositories”が開催されます。

同ウェビナーでは、COARが2020年10月に公表したリポジトリに関するフレームワーク“COAR Community Framework for Best Practices in Repositories”について、日本用ローカライズと実践の試みの紹介が英語で行われます。司会・発表はJPCOARのメンバーが担当しており、プログラムの内容は以下のとおりです。参加は無料ですが、事前の申込みが必要です。

SPARC Europe、YouTubeチャンネルを開設:第1弾としてオープンサイエンス基盤に関するPeter Suber氏へのインタビュー動画を公開

2021年4月14日、SPARC Europeは、オープンアクセス運動を支える理論家として知られるPeter Suber氏へのインタビュー動画の公開を発表しました。

2021年3月に行われた同インタビューでは、オープンサイエンス基盤(OSI)をテーマとして、学術コミュニケーションエコシステムにおけるOSIの役割と、新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックがもたらしたオープンサイエンス及び学術に関する教訓といった話題が扱われました。Suber氏は、OSIを維持することの重要性を強調し、OSIへの支援の欠如は「我々が依って立つインフラの死、あるいはサイエンスよりも利益を重視する企業に買収されるかもしれない」ことを意味すると指摘しています。

発表では、SPARC Europeが新たにYouTubeチャンネルを開設し、今回のインタビューが第1弾の動画となることや、今後もイベントの記録動画、オープンサイエンス等に関するインタビュー・シリーズの動画掲載を計画していることを紹介しています。

「論文工場」との戦いをめぐる近年の動向(記事紹介)

Nature誌のオンライン版に、2021年3月23日付けで記事“The fight against fake-paper factories that churn out sham science”が掲載されています。偽の科学論文を注文に応じて製造する「論文工場」(paper mill)と、学術界・出版社等との戦いをめぐる近年の動向を紹介しています。

記事の冒頭では、英国王立化学会(RSC)の学術誌“RSC Advances”等に掲載された論文に「論文工場」による組織的な偽造の疑いが見つかり、2021年1月にRSCがこれら論文の撤回を表明したことを取り上げています。これらの論文が中国の病院に勤務する著者のものであったことや、中国の医師は論文発表が昇進要件に含まれることが多いものの、研究に割ける時間が限られていることに触れています。その上で、中国政府も論文偽造の問題への対処として研究評価の改善に取り組んでいること、「論文工場」の問題は中国に限らずイランやロシア等の他の国の論文にも存在すること等が紹介されています。

「倫理的な共著」のためのガイド(記事紹介)

英国のロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics and Political Science : LSE)のブログ“LSE Blogs”に、2021年3月29日付けで記事“A simple guide to ethical co-authorship”が掲載されています。筆者は研究方法・研究倫理に関する論考を多く発表している研究者のHelen Kara氏です。

記事では、共著を始める前に確認しておくべき点、共著者に倫理的な引用の仕方を勧めるべきこと等、倫理的な方法で共同執筆・共同出版を検討している著者に向けたアドバイスが示されています。記事の背景として、現在多くの社会科学分野で共著がデフォルトとなっていることや、「倫理的な共著」について議論されることは少ないが、共著では盗用や引用操作といった非倫理的行為が良く起こることを指摘しています。

記事では非倫理的行為のその他の例として、ゴーストオーサーシップ・ゲストオーサーシップ・ギフトオーサーシップを挙げており、その定義や、出版倫理委員会(COPE)がこれらについて説明したフローチャートを公開していることを紹介しています。

国際図書館連盟(IFLA)の図書館の出版活動に関する研究委員会(SIG)、図書館による出版活動に係る情報を収録した“Library Publishing Map of the World”を公開

2021年4月15日、国際図書館連盟(IFLA)の図書館の出版活動に関する研究委員会(Library Publishing Special Interest Group)が、“Library Publishing Map of the World”の公開を発表しています。

同研究委員会(Special Interest Group:SIG)は、IFLAの「戦略2019-2024(IFLA STRATEGY 2019-2024)」における重点目標「2.4 Provide tools and infrastructure that support the work of libraries」の考えに沿って、この10年間において、図書館が学術資料(論文、書籍、データ)や地域のコンテンツ(地域史、自費出版支援)等に係って出版界において目に見える役割を担うようになったことに焦点をあて、収集・蔵書構築分科会の支援を受けて2018年に創設されました。

阿南市(徳島県)、市役所内に常設の図書館カウンターを開設:耐震基準を満たさず、密を避けられない阿南市立阿南図書館は書庫として利用

2021年4月14日、徳島県の阿南市が、市役所2階の市民交流ロビーに、常設の図書館カウンターを開設しました。カウンター開設後、耐震基準を満たさず、また、スペース的に3密回避が難しい阿南市立阿南図書館は、利用者の入館を中止し、書庫として資料の整理や保存を行うとしています。

図書館カウンターには、司書も常駐し、予約本の受け取りや返却、電子図書館のパスワード発行、読書案内(レファレンスサービス)が行われます。また、新聞・雑誌コーナー、展示本コーナー、閲覧スペースも設置されています。

阿南市立図書館
http://anan-lib.jp/
※2021年4月14日欄に「4月14日(水) 9:00~ 市役所2階 市民交流ロビー 図書館カウンター OPEN!」、2021年2月5日欄に「市役所2階 「図書館カウンター」の開設について」とあります。

4月 15日

大学教員のオープン教育資源への認識・態度に係る調査(文献紹介)

2021年4月に公開された“Journal of Librarianship and Scholarly Communication”9巻1号(オンライン版)に、Jeffrey D. Bond氏らによる“Faculty Survey on OER: Perceptions, Behaviors, and Implications for Library Practice”と題する記事が掲載されています。

米・テキサスクリスチャン大学のMary Couts Burnett図書館が、大学でのオープン教育資源(OER)の採用を増やすために、OERへの同大学の大学教員の認識と態度について調査したものです。その調査結果からOERの普及のために図書館が考慮すべきポイントは、教員向けのOERトレーニングプログラムの確立と助成プログラムの開発であり、そのためには図書館は学内の他部署と協力する必要があると述べられています。

これからの学術情報システム構築検討委員会、「図書館システムに関するアンケート集計報告」を公開

2021年4月12日、これからの学術情報システム構築検討委員会が、「図書館システムに関するアンケート集計報告」を公開しました。

アンケート調査は、国立情報学研究所(NII)の目録所在情報サービス参加館1,339館を対象に、2021年12月9日から12月31日にかけて行われ、回答数は905でした。報告書の「まとめ」では、機関規模により職員数やシステムの経費は多様である一方、半数以上の機関が、目録・メタデータの共有、電子リソースの管理と提供の標準化、人材育成への期待を、(NIIとサービス参加館の)共同体に対し持っていること等が述べられています。

図書館システムに関するアンケート集計報告(国立情報学研究所)目録所在情報サービス,2021/4/12)
https://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/2021/04/post_43.html

大津町立おおづ図書館(熊本県)、特設コーナー「熊本地震から5年~あの日の記憶 あの日の記録~」を設置

熊本県の大津町立おおづ図書館が、2021年5月16日まで、特設コーナー「熊本地震から5年~あの日の記憶 あの日の記録~」を設置しています。

同館では、熊本地震の記憶と記録を後世に伝えるため、様々な資料を収集していますが、同コーナーでは、同町における地震の被害対応の記録や、県全体の熊本地震の検証誌、安全に過ごすための備えに関する本などが置かれています。

熊本地震から5年~あの日の記憶 あの日の記録~(大津町立おおづ図書館,2021/4/15)
https://www.ozu-lib.jp/display/2021/4208/

お知らせ 熊本地震から5年~あの日の記憶 あの日の記録~(大津町立おおづ図書館,2021/4/15)
https://www.ozu-lib.jp/news/2021/4207/

英・JiscとTaylor & Francisグループ、3年間の転換契約を締結

2020年3月2日、英・JiscとTaylor & Francisグループは、3年間の転換契約を締結したことを発表しました。契約への参加メンバーには、3年経過後にさらに2年の延長を可能とするオプションも提供されます。

発表によれば、契約には以下の内容が含まれています。

・英国の著者へのOA出版。Taylor & Francisグループの“Open Select journals”において、合意された上限まで、先着順で著者の費用負担なしにOA出版できる。
・現在の蔵書数に応じた購読コンテンツへの読み取りアクセス。
・参加メンバーが自館のOA成果物をモニターできる“Taylor & Francis Research Dashboard”を含む、OAインフラの提供。

Taylor & Francisグループは英国における全研究の9%を出版する最大の人文・社会科学系出版社とあり、そのため今回の契約締結は、科学・技術・医学(STM)分野の研究者ほどの資金を得られていない人文・社会科学分野の研究者向けのOAルートとして特に重要なもの、と述べています。

Wiley社、英JiscのPublications Routerに対しオープンアクセス論文のフルテキストのデータ提供を開始

2021年4月13日、英・Jiscは、Wiley社がJiscのPublications Routerに対しオープンアクセス(OA)論文のフルテキストのデータ提供を開始したことを発表しました。なお、Publications Routerとは、論文のメタデータおよび全文を出版社等から各大学の機関リポジトリ等へ通知・転送するためのシステムです。

JiscとWiley社は2020年3月に4年間の“Read and Publish”契約を締結したことを発表しており、同契約により英国の研究者がWiley社の学術誌でOAの論文を公表する割合は、1年目に27%から85%へ上昇し2022年には100%に達し得る、としていました。今回の発表では、Publications Routerへの提供開始はこの契約を踏まえたものであると述べています。

scite、ScholarOneパートナープログラムへの参加を発表:sciteのツール“Reference check”がScholarOne内から利用可能に

sciteは、2021年4月13日付けのmediumでの投稿において、オンライン投稿・査読システムScholarOneのパートナープログラムへの参加を発表しました。

sciteは、スマート引用を介して科学論文を発見・評価するためのプラットフォームです。発表では、今回の参加によってsciteのツール“Reference check”がScholarOne内から利用可能になり、投稿論文の迅速な評価が行えるようになると述べています。

“Reference check”は、論文から参照文献の情報を自動抽出し、スマート引用を介して、引用された主張が支持を得ているか又は異議を呈されているかを示すコンテキストや分類を詳述するレポートを生成します。さらに、各参考文献が撤回、取り下げ等がなされているかについても特定します。

Elsevier社、抄録・引用文献データベースScopus搭載の1,650万件の論文に助成情報を付与

2021年4月12日、Elsevier社が、抄録・引用文献データベースScopusの1,650万件の論文に助成情報を付与したと発表しています。これにより、当該研究成果に助成を行った助成機関を詳細に確認することができるようになったとしています。

Funding Sponsorの検索結果のファセット機能を強化したことで、特定の助成機関から助成を受けた研究を同定することを容易にしたもので、助成機関の組織の階層構造を把握することで、助成機関の親機関名で検索すると、当該機関の下部組織が助成した研究成果を含む結果を得ることができるようになっています。

大日本印刷(DNP)とフランス国立図書館(BnF)、BnF×DNPミュージアムラボ第2回展「これからの文化体験」を開催

2021年4月15日から7月11日まで、大日本印刷(DNP)とフランス国立図書館(BnF)が、BnF×DNPミュージアムラボ第2回展「これからの文化体験」を、東京都品川区のDNP五反田ビルで開催します。

新型コロナウイルス感染症の影響により、BnFの所蔵品の現物は展示されていませんが、同館の貴重なコレクションや歴史的空間の3Dデジタルデータを活用し、眼鏡型のウェアラブルデバイスや大型ディスプレイ等を用いた作品の鑑賞を行えるとしています。

大日本印刷とフランス国立図書館 4/15〜7/11にBnF × DNP ミュージアムラボ 第2回展 「これからの文化体験」を開催(DNP, 2021/4/14)
https://www.dnp.co.jp/news/detail/10160770_1587.html

フィンランド国立図書館、17世紀から18世紀にかけての秘密出版物をデジタル化し公開

2021年4月12日、フィンランド国立図書館が、17世紀から18世紀にかけての欧州における「秘密出版物(clandestine literature)」をデジタル化し公開したことを発表しました。

「秘密出版物」は、内容における宗教上・政治上の理由等から印刷が許可されなかったものを指しています。欧州の図書館には合計384タイトルの秘密出版物が保存されており、多くはフランスの図書館が所蔵しています。

今回デジタル化が行われたのは、フランス語・ドイツ語・ラテン語の手稿55タイトルです。発表によると、インペリアル・アレクサンダー大学(現・フィンランドのヘルシンキ大学)が、1833年にロシアのサンクトペテルブルクから寄贈を受けたコレクションの中に含まれていた資料です。

また、当面の間はスキャン画像のみの公開ですが、同資料のテキスト化に関するプロジェクトの実施を計画していると述べています。

フランスの高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)、高等教育機関の図書館と公共図書館における障害者に関する取組のレポートを公開

2021年3月26日、フランスの高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)が、高等教育機関の図書館と公共図書館における障害者に関する取組についてのレポートを公開したと発表しました。

2020年4月から11月にかけて実施された調査の結果をまとめたものです。調査に当たっては、300以上の図書館にアンケートを送付し、そのうち、高等教育機関の図書館からは105館中50館ほど、公共図書館は120館中40館弱から回答がありました。発表の中では、図書館において障害者への対応を向上させる取組が数多く進行中・計画中であるものの、図書館ごとに状況が異なり、不平等であることが指摘されています。

レポートでは、博士課程の学生にアクセシブルな電子版論文の公開を促すこと、図書館やITサービス、コミュニケーションサービスにおいて、アクセシビリティに関する研修を実施すること等の推奨事項27個が示されています。同推奨事項は、優良事例の体系を踏まえたものであり、アクセシブルな出版物、図書館員のトレーニング、組織・定形化、国の支援の4つに分類されています。

韓国図書館協会(KLA)、国家公務員・地方公務員の司書職手当の調整に関し、担当の中央省庁に積極的に意見を提出するよう呼びかけ:KLAでも意見書を提出

2021年4月14日、韓国図書館協会(KLA)は、中央省庁の人事革新処と行政安全部が、2022年度の国家公務員および地方公務員の手当の調整に関する意見を、各府庁や地方公共団体を通じて図書館部署に対しても募集したことをうけ、図書館や司書の権益を保護し、図書館文化を発展させるため、公式の意見書を昨年に続き、人事革新処と行政安全部に提出すると発表しました。

KLAでは、全国の図書館からも、現場の声や意見を積極的に提出するように呼び掛けており、各地域・図書館の現状にあわせて「手当の調整要求書」を作成し提出するよう求めています。特に数量データ(利用者カードの発行数、利用者数、職員数、プログラムの実施回数等)は手当の調整の判断において重要な根拠となるので忠実に作成するよう依頼しています。また、要求書作成の参考となるよう2021年度の要求に際しKLAが提出した意見書も併せて掲載しています。

KLAでは、司書職の手当の引き上げに関し、今後行われる内容を継続的に会員と共有するとしています。

文化庁、ウィズコロナにおける持続的な国際交流モデルの構築を目的とした博物館等の国際交流の促進事業の実施を発表

2021年4月14日、文化庁が、博物館等の国際交流の促進事業の実施を発表しています。

同庁では、ICOM京都大会2019を契機に国際交流を促進してきたものの、コロナ禍の影響を受けているとのことです。しかし、「新たな日常」に対応した収益力の強化や、日本文化の発信機能の強化が重要であることから、海外の博物館等と連携して、ウィズコロナにおける持続的な国際交流モデルを構築することを目的に同事業は実施されます。

同事業の概要資料には、デジタルアーカイブを活用したオンライン展示会等が事業内容として書かれています。

5月中旬に予定されている公募開始に先立ち、4月19日から4月23日まで事前相談が行われます。

新着情報一覧(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/whats_new.html
※2021年4月14日欄に「博物館等の国際交流の促進事業」とあります。

米国図書館協会(ALA)、米国救済計画法(ARPA)で規定された助成金を獲得するためのツールやガイダンスをまとめたウェブページを公開

2021年4月14日、米国図書館協会(ALA)は、全ての館種の図書館が、米国救済計画法(ARPA)で示されている州単位で割り当てられる助成金を獲得するためのツールやガイダンスをまとめたウェブページ“American Rescue Plan - State Funding Guide”を公開しました。同ページでは、法律に書かれている図書館にとって大事な救済条項に関する情報や、有用なリンク集、カスタマイズできる役所に提出する文書のテンプレート等が掲載されています。

新型コロナウイルス感染症対応のため3月10日に成立した同法は、1兆9,000億ドル規模の経済対策法で、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)への2億ドルの配分のほか、学校・大学・公共図書館対象とした数十億規模のプログラムが含まれています。

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