アーカイブ - 2021年 8月 31日

米・エイブラハム・リンカーン大統領図書館・博物館、イリノイ州立図書館からの助成をうけ、ポスター・写真・広告ビラ等をデジタル化するPicturing Lincolnプロジェクトを開始

2021年8月25日、米国のエイブラハム・リンカーン大統領図書館・博物館が、Picturing Lincolnプロジェクトの開始を発表しています。同大統領関係文書の注釈付きでデジタル化するプロジェクトを補完するものとして位置づけられています。

イリノイ州立図書館からの10万ドルの助成を受けて実施されるもので、ポスター・写真・広告ビラ等7,896点の資料をデジタル化し、州立図書館が運営するIllinois Digital Archivesを通じて公開します。

ブロードサイドと呼ばれる一枚もののビラやポスターから作業を開始するとし、リンカーン大統領の写真アルバムや、一般公開された遺体の現存する唯一の写真などもデジタル化される計画です。撮影作業は2022年初頭から開始予定で、画像は600dpiの解像度で公開されます。

また、同館ではデジタル化画像を用いて、授業計画やティーチングガイドといった教育用の資料も作成するとしています。

福岡県立図書館、図書館・学校向けのゲーム貸出を開始:同館作成のスタートガイド付き

2021年8月30日、福岡県立図書館は、同県内図書館や学校等の施設を対象に、同館が所有するボードゲーム等の貸出を開始すると発表しました。

貸出用のゲームは10点あり(8月31日時点)、1施設につき一度に3点以内を1か月貸出すとしています。各ゲームともに、同館作成のスタートガイドが付いていると述べられています。

図書館・学校等向けゲーム貸出をはじめます(福岡県立図書館, 2021/8/30)
https://www2.lib.pref.fukuoka.jp/index.php?key=bbc1i3ndh-1912#_1912

図書館・学校等向けゲーム貸出(福岡県立図書館)
https://www2.lib.pref.fukuoka.jp/index.php?page_id=1024

高松市、「高松市視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画(高松市読書バリアフリー計画)(案)」へのパブリックコメントを実施中

2021年8月30日から9月30日まで、香川県の高松市が、「高松市視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画(高松市読書バリアフリー計画)(案)」へのパブリックコメントを実施しています。

「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」の規定に基づき、基本的な施策の方向性を示し、取組を推進するための指針として策定されています。視覚障害等の有無によらず、すべての市民が等しく読書を通じて文字・活字文化を享受できる読書環境の整備を目的としており、計画期間は2021年度から2025年度です。

高松市視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画(高松市読書バリアフリー計画)(案)についてのパブリックコメントの実施について(高松市, 2021/8/30)
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/kosodate/toshokan/bariafuri-.html

記録資料記述における差別表現等の検査(記事紹介)

2021年8月26日、米国のデューク大学図書館のブログに、同大学3年生のMiriam Shams-Rainey氏による、記録資料記述における不適切な言葉の検査に関するプロジェクトについての記事が掲載されました。

Miriam氏は、同大学のDavid M. Rubenstein Rare Book & Manuscript Libraryのコレクションの記述の中に、人種差別・性差別・同性愛嫌悪・植民地主義的な表現等、時代遅れ・不適切な言葉がないか検査するツールの開発に協力しました。

同ツールでは、検査を行いたい単語のリスト(CSV形式)を基に、Encoded Archival Description(EAD)やMARCXML形式の記録資料記述の中に一致する文言がないか検査し、ユーザが手動で分析や対応の検討を行うためのレポートが作成されます。記事の中では、レポートを踏まえて、言葉を用いている主体、文脈、当該の言葉の影響という観点で、対応を検討することが提案されています。

作成されたツールや単語のリスト等は、同館のGitHub上で公開されています。

国際公文書館会議(ICA)、『ビジネスアーカイブズ国際比較』第3版を公開

2021年8月30日、国際公文書館会議(ICA)のビジネス・アーカイブズ部会(SBA)が、『ビジネスアーカイブズ国際比較(Business Archives in International Comparison)』第3版を公開しました。世界中で行われている歴史的なビジネス記録の保存・管理などに関する手法が国によって非常に異なっていることへの認識を高めるために2004年に初版が公開されました。

企業やビジネスに携わる人の記録はその国の経済・社会・政治の歴史に関する重要な情報を提供するものの、数十年前までは、企業や国のアーカイブネットワークからは軽視されがちでしたが、第3版では、ビジネスアーカイブズの重要性へ理解が高まっていること、多くの国において、企業・国・地域・自治体のアーカイブズ・博物館・大学等により、そのようなアーカイブズを存続させるだけでなく、より大切に扱われ活用されるための努力が行われていることが示されているとしています。

韓国国立中央図書館(NLK)、ISSUE PAPER『ニューメディア時代の視聴覚資料デジタル保存戦略』を発刊

2021年8月30日、韓国国立中央図書館(NLK)が、ISSUE PAPERの第5号として『ニューメディア時代の視聴覚資料デジタル保存戦略(뉴미디어 시대의 시청각 자료 디지털 보존 전략)』を発刊しました。急速に変化するデジタル環境下において、視聴覚資料の長期保存方法とその方向性について調べることを目的としたものです。

同館では、1950年代のLPからデジタルファイルまでの約84万点の視聴覚資料を所蔵していますが、再生機器の製造中止や媒体の物理的劣化により、資料が事実上消失する危機に直面していることから、多様な視聴覚資料の長期保存と将来的な活用のため、継続的にデジタル化変換作業を行っています。

現在、デジタル化視聴覚資料の技術メタデータの自動抽出の実証研究を行って、これを業務プロセスに適用する方法を研究しており、今回のISSUE PAPERでは、視聴覚資料のデジタル化と技術メタデータの自動抽出過程を紹介するとともに、視聴覚資料のデジタル化過程の詳細や考慮すべき点についても提示しています。また、デジタル化された視聴覚資料の技術メタデータを自動的に抽出し、これをコンテンツのファイルと一緒に保存する長期保存戦略も説明されています。

英・Tate、VR技術を用いた芸術作品の保存に関する報告書“Preserving Virtual Reality Artworks”を公開

英・デジタル保存連合(DPC)のウェブサイトに掲載された2021年8月27日付け記事において、英国の国立美術館ネットワークTateによる、VR技術を用いた芸術作品の保存に関する報告書“Preserving Virtual Reality Artworks”の公開が発表されています。

Tateが2018年9月から実施している研究プロジェクト「没入型メディアの保存」(Preserving Immersive Media)の成果であり、同プロジェクト初の報告書です。

本報告書は、VR技術を用いた芸術作品の保存に関心を有する人々、特にタイムベースト・メディア(time-based media)の保存担当者に対し、作品入手時に受け取る可能性のある構成要素、その特性と依存関係、長期保存の観点から見た脆弱性について伝えることを目的としています。また、これらの作品の管理に取り組んでいるアーティストや機関、そして保存に関する今後の研究に向けた推奨事項も記載されています。

報告書の主な章立ては次のとおりです。

1.イントロダクション
2.VRシステム
3.リアルタイム3DVR
4.360度映像
5.既存の保存戦略の適合性
6.サマリ及び推奨事項

arXiv、sciteの「スマート引用」機能をarXivLabsに追加:当該論文が他の出版物でどう引用されているかを表示する機能

プレプリントサーバーarXivは、2021年8月26日付けのブログ記事において、引用分析プラットフォームsciteの「スマート引用」機能をarXivLabsに追加したことを発表しました。

「スマート引用」とは、論文の被引用回数だけでなく、他の出版物での引用におけるコンテキストや、引用された主張を支持しているかまたは異議をとなえているかの分類等の情報を提供することにより、どのように引用されているかを示す機能です。

arXiv内の論文ページ下部に表示されるarXivLabsの“Bibliographic Tools”タブ内にあるスイッチ“scite Smart Citations”を有効化すると、当該論文の被引用情報を表示できるsciteのページへのリンクが表示されます。

Digital Science社、生命科学・化学研究に特化したプラットフォーム“Dimensions L&C”の立ち上げを発表

2021年8月19日、Digital Science社は、生命科学・化学研究に特化したプラットフォーム“Dimensions Life Sciences & Chemistry”(Dimensions L&C)の立ち上げを発表しました。

同プラットフォームでは1億2,000万件以上の科学出版物、数百万件の特許、助成金情報、臨床試験文書(clinical trial documents)を分析対象としており、利用者は小分子、化学反応、遺伝子配列の検索、バイオマーカーの検証、疾患メカニズムの理解、創薬ターゲットの特定を行うことができます。

発表によれば、最新のセマンティックテキスト分析ツールとオントロジーを適用することにより、ディスカバリー機能の強化が図られています。なお、オントロジーはドイツを拠点とする生命科学関連企業OntoChemが構築したものを使用しています。