アーカイブ - 2021年 7月 9日

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韓国・釜山広域市、カフェ・書店型で現代的感覚のインテリアを備えた読書・コミュニケーション空間を市役所1階に整備すると発表:「15分都市生活圏」の拡大も意図

2021年7月9日、韓国の釜山広域市が、市役所の1階ロビーに公共図書館を整備すると発表しました。市役所ロビーの硬いイメージを脱却し、釜山の特性をいかしたカフェ・書店型で、現代的感覚のインテリアを備えた読書・コミュニケーション空間として再整備するものです。「15分都市生活圏」の拡大も意図されています。

費用は国費・市費あわせて34億ウォンで、市役所3階の市政情報資料室を統合する形で1階のロビーの1部(1,240.15平方メートル/蔵書数3万冊)に設置されます。

市役所内に位置することや、市民以外に他地域の住民や外国人も利用する場所という特殊性を考慮し、国内外の建築家を対象とした設計提案方式を採用するとしており、提案書を総合的に評価したうえで、8月10日に最終結果が発表されます。参加登録は7月9日から7月12日までです。12月の着工、2022年上半期の開館が予定されています。

フランスのプロヴァンス・アルプ・コートダジュールの刑務所図書館に関する報告書が公開

フランスの地域圏プロヴァンス・アルプ・コートダジュールの書籍や読書に関する活動を行う機関“Agence régionale du Livre Provence-Alpes-Côte d'Azur”が、2021年5月26日付のツイートで、同地域圏の刑務所図書館に関する報告書を公開したと発表していました。

同機関は2015年から拘留中の人を対象とした取組を行っており、今回の報告書は、図書館を刑務所における文化活動の場とすることを目的に、地域圏内の刑事施設を対象に行ったアンケート調査の結果をまとめたものです。18施設にアンケートが送付され、17施設から回答がありました。

報告書では、図書館だけでなく書籍が収められている棚・台車も含まれている可能性があるとしつつも、回答した施設で合計すると、書籍のための場所は45あること(2015年時点では27)が述べられています。その他、図書館の利用しやすさ、職員、提供している資料、利用者数、読書ワークショップ等の活動、予算、公共図書館との連携状況等についてまとめています。

カナダの公共図書館における新型コロナウイルス感染症への対応(文献紹介)

カナダ・ウェスタン大学の図書館情報学修士(MLIS)プログラムに在籍する学生らが運営する、図書館情報学分野のオープンアクセス査読誌“Emerging Library&Information Perspectives”4巻1号(2021年7月刊行)に、同大学のNelson Rosales氏による論文“Public Library Responses to COVID-19:An Investigation & Reflection of Canadian Experiences”が掲載されています。

同論文は二部構成となっており、第一部では、カナダの公共図書館が新型コロナウイルス感染症への対応として考案した取組を調査しています。公共図書館の対応を、「社会的孤立」「経済的ニーズ」「情報ニーズ」「物理的空間」という4テーマに区分けして整理しており、各館で実施された取組の具体例を紹介しています。

第二部では、これらの取組が公共図書館における将来の業務にもたらす影響を検討しています。特に、オンラインサービスと対面サービスのバランス維持、より柔軟な図書館スペースの創造、メディアリテラシー機能の強化に焦点が当てられています。

レビュー論文での紹介が被引用数にもたらす影響(記事紹介)

英国のロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics and Political Science : LSE)のブログ“LSE Blogs”に、2021年6月22日付けで記事“Review papers and the creative destruction of the research literature”が掲載されています。筆者はカナダ・マギル大学で社会学の助教授(Assistant Professor)を務めるPeter McMahan氏です。

記事では、McMahan氏らが2021年3月に発表した論文“Creative Destruction: The Structural Consequences of Scientific Curation”に基づき、レビュー論文での紹介が被引用数にもたらす影響や、レビュー論文がその対象とする研究領域の確立に果たす役割について紹介しています。

レビュー論文で引用された論文のうち、その多くは(当該論文の代わりにレビュー論文が引用されることにより)被引用数が減少する傾向にある一方で、少数の論文では被引用数が大幅に増加するとしています。この増加の原因は、次のように分析されています。

米国大学・研究図書館協会(ACRL)の出版部門、大学図書館におけるストリーミングサービスの導入に関するホワイトペーパーを公開

2021年6月30日、学術書の書評誌Choiceを発行する米国大学・研究図書館協会(ACRL)の出版部門が、大学図書館っでのストリーミングサービスの導入に関するホワイトペーパー“Implementing and Managing Streaming Media Services in Academic Libraries”の刊行を発表しています。

米・カリフォルニア大学バークレー校の映画・メディアサービス図書館員のGisele Tanasse氏が調査・執筆したもので、大学図書館においてストリーミングサービスを導入する際の検討事項(取得モデル・予算・コンテンツの利用シナリオ・継続的な運営等)を検証し、また、大学図書館におけるストリーミングサービスの現状を定量的に概観しています。

同ホワイトペーパーはChoiceのウェブサイト上で無料公開されていますが、閲覧には氏名・メールアドレス等の登録が必要です。

自身が過去に発表したテキストの再利用に関する研究者向けガイダンス(記事紹介)

Science誌のウェブサイトに掲載された2021年6月25日付け記事“When is ‘self-plagiarism’ OK? New guidelines offer researchers rules for recycling text”において、同日、自身が過去に発表したテキストの再利用に関するルールを示した研究者向けガイダンスが公表されたことが紹介されています。

ガイダンスは、全米科学財団(NSF)の助成を受けた研究プロジェクトで、米・デューク大学のCary Moskovitz教授が主導する“Text Recycling Research Project”(TRRP)が作成したものです。「自己盗用」(self-plagiarism)と見なされることがある自身のテキストの再利用について、倫理性・合法性を備えたものと見なせる場合や、透明性を備えた再利用方法について示しています。なお、研究者向けに加えて編集者向けのガイダンスも公表されています。

米国法律図書館協会(AALL)、法律図書館・法情報専門家の現況調査報告書の第2版(2021年版)を刊行

2021年6月22日、米国法律図書館協会(AALL)が、法律図書館・法情報専門家の現況調査報告書の第2版として“AALL State of Profession 2021”を刊行しました

同報告書は、法律図書館(大学図書館、法律事務所、政府系法律図書館に分類されています)の、コロナ禍の影響・多様性・予算・利用者サービス・運営・コレクション・保存・連携・技術に関して定量的に把握できるものになっており、各機関での基準やアドヴォカシー・戦略策定や専門能力開発のためのツールとしての活用が想定されています。

同報告書での注目すべき事項として、法律図書館員が、新技術や研究成果の検査、新製品購入時の助言、契約交渉といった分野で貢献していることを指摘しています。

報告書は有料ですが、Executive Summaryが無料で公開されています。

ドイツ規格協会(DIN)、図書館・博物館・文書館におけるデジタル・オーディエンスの評価手法の要件に関する規格案(DIN 31640)を公開

ドイツ規格協会(DIN)が、2021年7月付けで、図書館・博物館・文書館におけるデジタル・オーディエンスの評価手法の要件に関する規格案“DIN 31640 Digital audience measurement in archives, libraries and museums - Requirements for measurement methods”を公開しています。

本文は有料ですが、目次(ドイツ語)は無料でダウンロードできます。

DRAFT STANDARD [NEW]
DIN 31640
Digital audience measurement in archives, libraries and museums - Requirements for measurement methods
https://www.din.de/en/wdc-beuth:din21:340796732
※「EDITION 2021-07」とあります。

国際図書館連盟(IFLA)、難民・移民・庇護希望者への図書館サービスのためのガイドラインのドラフト版を公開

2021年7月4日、国際図書館連盟(IFLA)の特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会(LSN)が、“Interenational Guidelines for Library Services to Displaced Populations”のドラフト版を公開しました。

難民・移民・移住者・庇護希望者への図書館サービスのガイドラインとなっており、現在、Gooleドライブ内のドラフト版に書き込む形かメール送付により意見を募集しています。締切は7月20日です。

Guidelines for Library Services to Displaced Populations--draft version ready for review(IFLA,2021/7/4)
https://www.ifla.org/node/93993