アーカイブ - 2021年 6月 3日

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Elsevier社のアクセス制限がドイツの研究者の出版行動と引用行動に与えた影響(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2021年5月25日付で、ドイツ経済学中央図書館(ZBW)のNicholas Fraser氏らが共著で執筆した文献“No Deal: Investigating the Influence of Restricted Access to Elsevier Journals on German Researchers' Publishing and Citing Behaviours”が公開されています。

2014年にドイツでは、大手出版社とのナショナルライセンス契約を交渉するプロジェクトDEAL(Projekt DEAL)が設置されました。DEAL とElsevier社の交渉は2016年に開始されましたが、2018年に決裂しました。この結果、約200のドイツの研究機関がElsevier社との契約を取り止め、2018年7月以降これらの機関のElsevier社のジャーナルへのアクセスは制限されました。

英国図書館(BL)とカタール国立図書館(QNL)、Qatar Digital Libraryを通じてデジタル化公開した画像が200万点となったと発表

英国図書館(BL)とカタール国立図書館(QNL)は、Qatar Digital Libraryを通じてデジタル化公開した画像が200万点となったと発表しています。

同作業は両機関およびカタール財団が連携して行っていますが、コロナ禍のロックダウンで、この1年間、連携チームは通常のようにはコレクションを直接扱えなかったため、リモートワークに切り替えて、多くの場合、コレクションを広げ強調するための創造的な活動を行ってきたとしています。

Making two million images freely available online(BL Living Knowledge blog,2021/5/28)
https://blogs.bl.uk/living-knowledge/2021/05/making-two-million-images-freely-available-online.html

株式会社Lentrance・凸版印刷株式会社・株式会社紀伊國屋書店、大学向けデジタル教科書・教材の供給体制構築に向けて協業

2021年6月2日、株式会社Lentranceと凸版印刷株式会社、株式会社紀伊國屋書店が、大学向けデジタル教科書・教材の供給体制構築に向けて協業を開始したと発表しました。

背景として、これまで専門書籍は電子化が進まず、高等教育現場での要求度は高くはなかった一方、新型コロナウイルス感染症感染拡大によるオンライン講義の増加や、文部科学省の「GIGAスクール構想」等の教育におけるデジタル化推進に伴い、電子書籍・デジタル教科書へのニーズが拡大したことを挙げています。

発表の中では、日本の高等教育におけるデジタル教科書の導入を各方面から推進し、発展させることを企図していると述べられています。

Lentrance、凸版印刷及び紀伊國屋書店、大学向けデジタル教科書・教材の供給体制構築に向けて協業を開始(株式会社Lentrance, 2021/6/2)
https://www.lentrance.com/news/1217/

ニュースパーク(神奈川県)、企画展「伝える、寄り添う、守る――『3・11』から10年」を開催中

4月24日から9月26日まで、神奈川県のニュースパーク(日本新聞博物館)が、企画展「伝える、寄り添う、守る――『3・11』から10年」を開催しています。

報道、連載・企画、記者の寄稿、写真により、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故の被災地の復興や課題、人々の思いを伝えてきた地元紙の活動の紹介が行われます。また熊本地震等、各地で発生した災害への地元紙の対応等の紹介や、過去の事例を基に災害時の情報との向き合い方を考えるコーナーも設けられます。

企画展「伝える、寄り添う、守る――『3・11』から10年」(ニュースパーク)
https://newspark.jp/exhibition/ex000232.html

参考:
ニュースパーク(神奈川県)、緊急企画展「新型コロナと情報とわたしたち」を開催
Posted 2020年7月13日
https://current.ndl.go.jp/node/41493

フランス・アンドル=エ=ロワール県文書館、クラウドソーシングによるインデックス作成プロジェクトを開始:1836年から1936年の国勢調査資料が対象

2021年5月31日、フランス・文化省が運営するポータルサイトFranceArchivesの公式Twitterアカウントに、アンドル=エ=ロワール県文書館が、クラウドソーシングによるインデックス作成プロジェクトを開始したと投稿されました。

対象は1836年から1936年までの国勢調査の資料であり、資料へのアクセスの容易化・促進、資料に関する記述の充実が目的とされています。

@FranceArchives(Twitter, 2021/5/31)
https://twitter.com/FranceArchives/status/1399336607245910017

米・メリーランド州で、出版社に「合理的な条件」下で図書館への電子書籍ライセンス提供を求める法律が成立

Library Journal誌の2021年6月1日付け記事で、米・メリーランド州の法案(House Bill 518 /(SB432))が6月1日に成立し、2022年1月から施行されることが紹介されています。

同法は、一般向けに電子書籍(electronic literary product)のライセンス提供を行う出版社に対し、同州の図書館が利用者に当該電子書籍へのアクセスを提供できるよう、「合理的な条件」(reasonable terms)下での図書館へのライセンス提供を求める内容となっています。記事では、同様の法案は米・ニューヨーク州やロードアイランド州でも提出されているものの、州法として成立したのは初めてのことと述べています。

記事では、米国出版協会(AAP)が2021年3月に、同法案が米連邦著作権法や合衆国憲法に抵触する可能性に言及したことに触れ、今後法廷での課題に直面する可能性があることも紹介しています。

Science Europe、研究データの長期保存・アクセス保障に取り組む組織に向けた実践ガイド“Practical Guide to Sustainable Research Data”を公開

2021年6月2日、欧州の研究助成機関・研究実施機関が加盟するScience Europeが、研究データの長期保存・アクセス保障に取り組む組織に向けた実践ガイド“Practical Guide to Sustainable Research Data”の公開を発表しました。

同ガイドでは、研究助成機関(Research Funding Organisations:RFOs)、研究実施機関(Research Performing Organisations:RPOs)、研究データ基盤(Research Data Infrastructures:RDI)の三者に対して、持続可能な研究データへの取組における成熟度の指標を示した表が含まれています。これらの指標を参考にして、各組織のポリシーと実践の評価や、次のステップの特定、他組織との連携模索を行うことができる、とあります。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、「ROR-NISTEP大学・公的機関名辞書対応テーブル」を公開

2021年5月28日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、「ROR-NISTEP大学・公的機関名辞書対応テーブル」の公開を発表しました。

「ROR-NISTEP大学・公的機関名辞書対応テーブル」には、機関IDに関するイニシアチブResearch Organization Registry(ROR)のレジストリに登録された日本所在機関のデータを、NISTEP大学・公的機関名辞書ver.2020.1の収録機関と対応づけした結果が示されています。なお、同テーブルには、対応づけられた機関、対応づけられなかった機関両方のデータが収録されています。

ROR-NISTEP大学・公的機関名辞書対応テーブルの公表について(NISTEP, 2021/5/28)
https://www.nistep.go.jp/archives/47410
※同テーブル及び同テーブルの利用説明書へのリンクが掲載されています。

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、SDGsの達成に向けて出版業界が取り組むべき10の行動目標を定めた“SDG Publishers Compact”に署名

2021年5月27日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、“SDG Publishers Compact”への署名を発表しました。

“SDG Publishers Compact”は、国際連合と国際出版連合(IPA)が中心となって作成したものです。国際連合の持続可能な開発目標(SDGs)の2030年までの達成に向けた取組を加速させるため、出版業界が取り組むべき10の行動目標を定めています。

発表では、同社がこれまで行ってきたSDGsに関連する取組が紹介されています。同社が出版したSDGs関連のコンテンツを集約した “Sustainability Collection”の公開や、学術出版プロセスにおけるジェンダー・人種・地理的な偏りに対処するため、同社の全学術誌の査読方式にダブルブラインド制を採用したこと等に言及しています。

SAGE社、査読プロセスの透明性向上のためClarivate Analytics社とパートナーシップを締結

2021年5月28日、SAGE社は、査読プロセスの透明性向上のためClarivate Analytics社とパートナーシップを締結し、Clarivate Analytics社のデータベース“Web of Science”のサービスを介してオープン査読レポートを提供するプログラムを開始したことを発表しました。

SAGE社は、同社の学術誌4誌において同プログラムを提供します。同プログラムはSAGE社のオンライン投稿・査読システム“SAGE Track”を介して行われ、著者・編集者・査読者は参加・不参加を選択することができます。

対象となるすべての出版物には、出版プロセスにおける各段階での査読レポート、著者回答、編集者の決定通知を含む査読履歴へのリンクが付記されます。また、これらの査読資料にはDOIも付与されます。査読者は、自身の氏名を査読レポートと共に公表するかどうかを選択でき、公表した場合はClarivate Analytics社傘下の査読登録サービス“Publons”上の自身のプロフィールに査読への貢献が記録されます。

中国国家図書館、『永楽大典』研究センターを設立

中国新聞網による2021年5月31日付けの記事で、中国国家図書館(NLC)による『永楽大典』研究センターの設立が報じられています。

『永楽大典』は中国・明代に編纂された中国最大級の類書(一種の百科事典)です。記事では、研究センター設立の意図として、国内外の専門家を結び付け、『永楽大典』の研究を進めるとともに、その価値・意義を広く示すことを挙げています。

あわせて、2021年6月1日からNLCで『永楽大典』に関する展覧会が開催されることも紹介されています。

中国国家图书馆成立《永乐大典》研究中心(中国新聞網, 2021/5/31)
http://www.chinanews.com/cul/2021/05-31/9489346.shtml

オーストラリア国立フィルム&サウンドアーカイブ(NFSA)、英・デジタル保存連合(DPC)に加盟

2021年5月19日、英・デジタル保存連合(DPC)は、オーストラリア国立フィルム&サウンドアーカイブ(NFSA)がDPCの準会員(Associate Member)として加盟したことを発表しています。

2020年のDPCメルボルンオフィスの開設に伴い、DPCのガバナンス体制の一部としてオーストララシア・アジア太平洋地域のステークホルダーグループが設けられましたが、NFSAは同グループにも参加します。同グループでは、地域内におけるDPCのプログラム開発への情報提供、DPCの戦略的方向性への意見提出といった活動が行われます。

National Film & Sound Archive joins the Digital Preservation Coalition(DPC, 2021/5/19)
https://www.dpconline.org/news/new-members-of-the-dpc/nfsa-joins-dpc