アーカイブ - 2021年 6月 22日

英文学史上の貴重資料を多く含む私立図書館の蔵書がオークションに:図書館・博物館らが購入のため協力(英国)

英・Guardian紙による2021年6月17日付けの記事で、“Honresfield Library”の蔵書がサザビーズのオークションに出品されることになり、英国の図書館・博物館らが購入のため協力していることが報じられています。

“Honresfield Library”は、英国ヴィクトリア朝時代の実業家であるWilliam LawとAlfred Lawによって収集された資料からなる私立図書館(private library)です。1939年以来、ほぼその蔵書にはアクセスできない状態となっていたことから、記事では「失われた」図書館であったと形容しています。同館の蔵書には、ブロンテ姉妹、ジェイン・オースティン、ウォルター・スコット、ロバート・バーンズなど、英国の著名な文学者による手稿が含まれています。

同館の蔵書が個人コレクターに分割売却されることを防ぐため、購入価格の1,500万ポンドを用意すべく、英国の図書館・博物館らによるコンソーシアムが結成されました。英国の慈善団体Friends of the National Libraries(FNL)による主導の下、英国図書館(BL)、スコットランド国立図書館、ジェイン・オースティン・ハウス、ブロンテ牧師館博物館などが参加しています。

英国図書館(BL)、職員の男女間賃金格差に関する年次レポート(2020年調査)を発表

2021年6月18日、英国図書館(BL)は、同館職員の男女間賃金格差に関する年次レポート(2020年調査)を発表しました。

2010年平等法に関する2017年男女間賃金格差情報規則(Equality Act 2010 (Gender Pay Gap Information) Regulations 2017)によって、250人以上の雇用者を有する事業主に報告が義務付けられているものであり、2018年1月、2019年1月、2020年1月に続いて4回目の報告となります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって報告義務は一時的に停止されているものの、BLでは従来どおりに最新の数値を報告することとした、と述べています。

暫定の全国平均賃金格差(中央値)は14.6%である一方で、同館での中央値は現状1.86%であり、2019年調査での中央値(2.04%)よりも改善しています。これは、「図書館、文書館、博物館、その他の文化活動」部門での中央値(6.6%)よりも良好であるとしています。なお、今回の発表から、他機関での例を参考に、発表での見出しの数値が平均値から中央値に変更されています。

【イベント】地域資料の教材化 第1回ワークショップ(7/24・オンライン)

2021年7月24日に、TRC-ADEAC株式会社の主催により、「地域資料の教材化 第1回ワークショップ」がオンラインで開催されます。

大井将生氏(TRC-ADEAC特任研究員/東京大学 大学院 学際情報学府)が企画・ファシリテーターを務め、趣旨・ワークフローの説明や事例紹介の後、チームに分かれての教材作り、成果物の発表会と全体ディスカッション等が行われます。

参加費は無料で、事前の申し込みが必要です。参加方法は、ワークショップ参加(定員20人)とワークショップ非参加・視聴のみ(定員の制限なし)の2つがあります。

地域資料の教材化 ワークショップ 第1回開催のお知らせ
https://wtmla-adeac-r.com/news/:slug

イタリア・ボローニャ大学図書館、故ウンベルト・エーコ氏の書斎での排架通りに旧蔵書を排架するスペースを館内に設置へ:バーチャルなデジタルライブラリーも計画

2021年6月17日付けのイタリア・ボローニャ大学の機関紙(オンライン)UniboMagazineが、同大学の元教授で作家・哲学者・記号学者の故ウンベルト・エーコ氏の書斎(Library)の雰囲気を再現したスペースを同大学の図書館に設置するプロジェクトが発表されたと報じています。

同館の「20世紀翼棟(20th-century wing)」内に、張り出し通路(walkaway)で2層に分けられた白い書架を設置し、同氏のミラノの自宅の白い高書架での排架場所を参照して図書を排架するとしており、閲覧室を設け、専門職員も配置されます。加えて、情報可視化システムにより新たな分析手法の構築を促すデジタルライブラリー“ECO'S DIGITAL MODERN LIBRARY”も計画されており、物理的な構成(書架)と意味的な構成(図書の排架場所から想起される概念のネットワーク)双方で3Dビューアーのアプリを通じてアクセスできるとしており、ウンベルト・エーコの思想を物理的にもデジタル的にも探究できると説明されています。

学術図書館のリソースの利用における新型コロナウイルス感染症の影響(文献紹介)

2021年6月15日付で、米国図書館協会(ALA)の部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が刊行する“Information Technology and Libraries”(ITAL)誌の第40巻第2号に、米・バルパライソ大学のRuth Sara Connell氏らによる共著論文“The Impact of COVID-19 on the Use of Academic Library Resources”が掲載されています。

同論文は、著者らが所属するバルパライソ大学、米・ノースイースタン・イリノイ大学、米・ルイジアナ州立大学の図書館のリソースの利用における、新型コロナウイルス感染症の影響について報告するものです。各大学について2019年と2020年の同時期における、図書館間貸出・ディスカバリツール・図書館のウェブサイト・データベース等の利用状況がまとめられています。

主な結果として、同3大学は、規模・運営主体(公立・私立)・カーネギー分類・立地環境が異なるものの、いずれも図書館のウェブサイト・ディスカバリツール・主要なデータベース等の利用が減少したこと、チャットをはじめとしたオンラインでのコミュニケーションが増加したこと等が述べられています。

フランス国立公文書館、元文化大臣ジャック・ラング氏のコレクションを受け入れ:大臣の職務で作成された書類等

2021年6月18日、フランス国立公文書館が、ジャック・ラング氏のコレクションを受け入れたと発表しました。

同氏は、1981年5月から1986年3月までと1988年5月から1993年3月まで文化大臣、1992年4月から1993年3月までと2000年3月から2001年5月まで国民教育大臣を務めました。

今回同館が受け入れたのは、2001年から2016年まで現代出版資料研究所(L'Institut mémoires de l'édition contemporaine:IMEC)に保存されていた、大臣の職務の中で作成された書簡、書類、写真、視聴覚資料等33箱以上です。資料は、分類や目録作成を行ったうえで2022年初頭以降に文化遺産法典(code du patrimoine)に則って一般に提供し、同館のウェブサイトや、文化省が運営するポータルサイトFranceArchives上で目録を公開すると述べられています。

本宮市(福島県)、令和元年台風第19号で被災した移動図書館車の運行を再開

福島県の本宮市が、令和元年台風第19号で被災した移動図書館車の運行を再開し、2021年6月20日に、おひろめ会を開催しました。

移動図書館車の名称は「モトム号」で、中央公民館で披露式典を実施し、市内の主要スポットを巡った後、本宮市立しらさわ夢図書館まで運行しました。図書館と中央公民館では記念イベントも開催されました。

図書館では、「モトム号」と撮影した写真を募集しており、寄せられた写真は館内に掲示するとしています。

令和3年6月9日回覧等配布物(本宮市)
https://www.city.motomiya.lg.jp/soshiki/10/20210609.html
https://www.city.motomiya.lg.jp/uploaded/attachment/16750.pdf
※二つ目のリンクがおひろめ会のお知らせです [PDF:3.31MB]

岡山県教育委員会、中学生を対象とした電子図書館サービス「おもしろ e 読書事典」を開始

2021年6月18日、岡山県教育委員会が、中学生を対象とした電子図書館サービスを開始すると発表しました。

コロナ禍における多様な読書の機会を確保するために、3月に発行した『もっとおもしろ読書事典』を活用して、不読率の高い中学生を対象に実施する取組で、電子図書館サービス LibrariE内に、電子図書館「おもしろ e 読書事典」ページを開設し、『もっとおもしろ読書事典』掲載本を中心とした青少年向け電子書籍が提供されます。

県内公立中学校(中等教育学校の前期課程及び特別支援学校の中学部を含む。岡山市立の中学校を除く。)の全生徒分の個人用IDは、今月以降順次配付し、7月中に配付を完了させるとしています。

また、『もっとおもしろ読書事典』掲載本から、テーマごとの図書セット(9セット/1セット約50冊)を作成し、希望の県内中学校(中等教育学校の前期課程及び特別支援学校の中学部を含む。岡山市立の中学校を除く。以下同じ。)に貸出し(4週間から8週間まで)を行う「もっとおもしろ読書事典」図書セットの貸出しも行われます。

島根大学附属図書館、デジタルアーカイブに学外機関所蔵資料を認証コンテンツとして追加

2021年6月21日、島根大学附属図書館が、デジタルアーカイブに学外機関所蔵資料を認証コンテンツとして追加したと発表しています。認証コンテンツとして公開した初めての学外機関所蔵資料と説明されています。

認証コンテンツは、一般への公開になじまない資料を、調査・研究等の目的により、ID・パスワードによる認証を経て利用できるようにしたものです。今回追加されたのは、九州大学附属図書館所蔵の「相見文庫」に含まれる「相見香雨自筆調査録」全240冊です。相見香雨は松江市出身の美術史家で、同調査録には、日本美術に関するさまざまな調査記録が綴られています。

利用には閲覧申請書の提出が必要で、許可書発行後に附属図書館(本館)内の専用端末で閲覧できます。

デジタルアーカイブに認証コンテンツ(学外機関所蔵分)を追加しました(島根大学附属図書館,2021/6/21)
https://www.lib.shimane-u.ac.jp/new/2021061800017/