アーカイブ - 2021年 6月 10日

オーストラリア図書館協会(ALIA)とCivica社、Civica Libraries Indexをもとにした、2020年度のオーストラリア・ニュージーランドの図書館での貸出傾向を公表

2021年5月18日、オーストラリア図書館協会(ALIA)とCivica社が、2020年度のオーストラリア・ニュージーランドの図書館での貸出の傾向に関する調査の結果を発表しました。

今回で6年目となる調査で、クラウドベースの図書館システムSpydusを提供しているCivica社とALIAが共同で作成したCivica Libraries Indexをもとに分析されたものです。Civica Libraries Indexは、同システムを導入している両国の104の地方や都市の図書館の、2020年4月1日から2021年3月31日までの貸出データ3,400万件もとに作成されています。

コロナ禍においてよく読まれた分野は、ジェーン・ハーパー、マイケル・ロボサム等といった作家による推理小説やホラー小説であったこと、オーストラリア人の作家による小説・伝記・絵本の人気が年々高まっていること、コロナ禍で電子書籍などの電子資料の貸出が増加したことが指摘されています。

神田明神、歴史資料のオンライン博物館開設のためクラウドファンディングを実施

2021年6月10日、神田明神(東京都千代田区)が、オンライン博物館開設のためクラウドファンディングを実施することを発表しました。

所蔵する歴史資料を未来に継承することを目的としており、発表の中では、未公開資料も公開するとあります。

歴史資料を未来へ!クラウドファンディング初挑戦(神田明神, 2021/6/10)
https://www.kandamyoujin.or.jp/infoblog/detail/?pid=22

参考:
京都府立京都学・歴彩館、「京都学デジタル資料閲覧コーナー」で閲覧できるデジタル資料に「賀茂別雷神社文書」が加わったと発表
Posted 2021年5月25日
https://current.ndl.go.jp/node/44065

米国のモハメド・アリ・センター、所蔵資料のデジタルアーカイブおよびオンライン展示を公開

2021年6月8日、元プロボクサーのモハメド・アリに関する博物館を備える米国のモハメド・アリ・センター(Muhammad Ali Center)が、所蔵する資料のデジタルアーカイブおよびオンライン展示を公開したと発表しました。

最初のオンライン展示として、“Ali and Neiman: A Friendship in Art”をテーマに、モハメド・アリと友人である芸術家のリロイ・ニーマンが作成した芸術作品に焦点を当てた展示が公開されています。また、発表の中では、資料のデジタル化は現在も継続しており、今後新たなコレクションを公開する予定であると述べられています。

発表によると、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)から5万ドルの助成を受けて構築されました。

『カレントアウェアネス-E』414号を発行

『カレントアウェアネス-E』414号を発行しました。

■E2389■ 図書館プロレスラーとしょカーン誕生:地域連携での情報発信
板橋区立東板橋図書館・最上琴子

■E2390■ 倉敷市立真備図書館(岡山県)再開館までの歩み
元倉敷市立真備図書館・藤井広美

■E2391■ NCR2018年版が規定するエレメント等の語彙のRDFデータ公開
慶應義塾大学文学部・谷口祥一

■E2392■ AXIES-JPCOAR研究データワークショップ<報告>
大学ICT推進協議会研究データマネジメント部会・青木学聡

■E2393■ 第3回SPARC Japanセミナー2020<報告>
帯広畜産大学附属図書館・佐藤亜紀

■E2394■ 学術文献検索サービスSemantic Scholarと自動要約機能
京都大学附属図書館・西岡千文

E2394 - 学術文献検索サービスSemantic Scholarと自動要約機能

Semantic Scholarは米国のアレン人工知能研究所(Allen Institute for AI:AI2)が開発する学術文献検索サービスである。様々な学術文献検索サービスがある中,Semantic Scholarの特長は,人工知能(AI)技術,特に機械学習によって論文から意味やつながりを抽出することで,各利用者の研究に最も関連がある論文の発見ならびに理解を支援することである。本稿では,Semantic Scholarの概要ならびに2020年11月にベータ版として公開された論文を一文に要約するTLDR機能について報告する。

E2391 - NCR2018年版が規定するエレメント等の語彙のRDFデータ公開

筆者が委員として参加している日本図書館協会(JLA)目録委員会は,日本目録規則2018年版(以下「NCR2018」;CA1951参照)が規定している実体,エレメント,語彙のリストの用語,関連指示子のそれぞれについて,その定義データをRDF(メタデータ記述の汎用的な構文枠組みの規定)に基づいた形式でCC BY 4.0の条件の下で2020年12月に公開した。これはLOD(Linked Open Data;CA1746参照)の実現に向けた取り組みの最初の一歩と位置づけられる。その後,2021年4月にも一部データの修正を行っている。

E2390 - 倉敷市立真備図書館(岡山県)再開館までの歩み

2018年7月5日から降り続いた雨による西日本豪雨(E2056参照)で,倉敷市立真備図書館(岡山県)周辺の箭田(やた)・有井(ありい)地区は, 5mを超える浸水の被害にあった。道路から1.5m以上高く盛り土をしている当館駐車場も3m以上浸水し,被害時の状況を写した航空写真では,駐車場の周りの桜並木はひっくり返ったボートが浮いているようだった。

E2389 - 図書館プロレスラーとしょカーン誕生:地域連携での情報発信

2020年12月27日,板橋区立グリーンホール(東京都)で行われた,いたばしプロレスリングの試合で,日本初の図書館プロレスラー「としょカーン」がデビューした。板橋区には図書館が12館あり,各館の役割や地域特性を考慮した「特色ある資料」の収集が蔵書構築指針により定められている。図書館プロレスラーの誕生は,板橋区立東板橋図書館の担当する「特色ある資料」の一つが「スポーツ」であることから,板橋区公認のプロレスリング団体「いたばしプロレスリング」(以下「いたプロ」)との連携が始まったことによる。

E2392 - AXIES-JPCOAR研究データワークショップ<報告>

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR;E1830参照)研究データ作業部会と大学ICT推進協議会(AXIES)研究データマネジメント部会(E2308参照)は,2021年2月19日に「AXIES-JPCOAR研究データワークショップ」をオンラインで開催した。JPCOARとAXIESは,それぞれ,図書館あるいは情報基盤の立場から,大学等学術機関の教育研究支援を検討する団体である。特に,研究データマネジメント(RDM;E2241E2308CA1818参照)の組織展開に関する課題に積極的に取り組み,JPCOARが研究データ作業部会を2016年,AXIESが研究データマネジメント部会を2017年に設置している。さらに2020年7月には,両部会間の交流と連携の強化を目的とし,AXIES-JPCOAR研究データ連絡会を設置した。本ワークショップは本連絡会を中心として,企画・運営された。

国際図書館連盟(IFLA)書誌分科会、全国書誌登録簿に掲載された情報をもとに作成したグラフと表を公開

2021年6月3日、国際図書館連盟(IFLA)の書誌分科会が、全国書誌登録簿(National Bibliographic Register)に掲載された48か国分のデータをもとに作成したグラフと表を公開しました。

表には、国名、全国書誌の名称、URL、対象期間(遡及対象年、開始年等)、数量等が掲載され、比較できるようになっています。

エルゼビア社、学術雑誌の評価指標“CiteScore”の2020年版を公開:ライデン声明を反映

2021年5月27日、エルゼビア社が、学術雑誌の評価指標“CiteScore”の2020年版の公開を発表しました。

2020年版は330分野の2万5,990誌が対象で、2019年版と比較して3%増加しているほか、同社がライデン声明(Leiden Manifesto)に署名したことをうけて、同声明の原則4「データ収集と分析のプロセスをオープン、透明、かつ単純に保て」、原則5「被評価者がデータと分析過程を確認できるようにすべきである」、原則10「指標を定期的に吟味し、改善せよ」を反映したものとなっているとしています。

CiteScore 2020 values are now live!(Elsevier Scopus,2021/5/27)
https://blog.scopus.com/posts/citescore-2020-values-now-live

台湾初となる「国家档案館」の建設が開始

2021年6月4日、台湾・国家発展委員会档案管理局は、新北市林口区において、台湾初となる「国家档案館」(国家公文書館)の建設が6月7日に開始されることを発表しています。

「国家档案館」は地上10階・地下2階建ての施設です。景観や生態系の保全にも配慮した建築計画となっており、約2.6ヘクタールの敷地のうち、建築部分はその25%程度となる予定です。2024年の主体工事完了、2025年の開館を予定しています。

首座國家檔案館即將開工興建 !(国家発展委員会档案管理局, 2021/6/4)
https://www.archives.gov.tw/Publish.aspx?cnid=1708&p=4238

首座國家檔案館在林口 國發會:預定2025年開館營運(聯合新聞網, 2021/6/4)
https://udn.com/news/story/7314/5508292

中国国家図書館、5Gの技術に基づく新たな読書を体験できる閲覧スペースを設置

中国・新華網は、2021年6月8日付けの記事で、中国国家図書館(NLC)本館北区2階に新たに2つの閲覧スペースが設置されたことを報じています。

一つ目は、5GやVR技術といった最先端の技術を用いた新たな読書を体験できる、「没入型」読書体験スペースです。同スペースは、NLCが取り組む「5G時代の新たな読書とスマートライブラリーの構築」の重要な実践と位置付けられており、出版物の輸出入事業等を行う中国の国有企業である中国図書進出口(集団)総公司、中国の情報通信機器大手である華為技術(Huawei Technologies)との協力により設置されました。

二つ目は、優れた書籍や古典籍を利用したグッズ(文化創造産品)等を展示し、文化サロンとしての機能も備えた「国図書房」です。

新技术赋能新阅读 国家图书馆开放新阅读空间(新華網, 2021/6/8)
http://www.xinhuanet.com/book/2021-06/08/c_139996301.htm
※両スペースの写真が掲載されています。

CHORUS、各出版社が定めたソフトウェアの引用に関するポリシーへのリンクをまとめたウェブページ“Software Citation Policies Index”を公開

2021年6月7日、公的助成研究成果のパブリックアクセスに向けた官民連携イニシアティブCHORUSは、各出版社が定めたソフトウェアの引用に関するポリシーへのリンクをまとめたウェブページ“Software Citation Policies Index”の公開を発表しました。

国際イニシアティブFORCE11の「ソフトウェア引用ワーキンググループ」(Software Citation Working Group)との協力により作成されたものであり、少なくとも年1回の更新を行う予定とあります。

近年、出版社はソフトウェアの引用に関するポリシーを出版社又は学術誌単位で定め、周知を行っています。発表では、その多くが「ソフトウェア引用ワーキンググループ」が定めた手引きである“Recognizing the value of software: a software citation guide”に沿っていると述べています。

自動論文生成ソフト“SCIgen”による論文は依然として存在する(記事紹介)

Nature誌のオンライン版に、2021年5月27日付けで記事“Hundreds of gibberish papers still lurk in the scientific literature”が掲載されています。自動論文生成ソフト“SCIgen”で作成された論文が依然として存在することを紹介し、今後論文の撤回が相次ぐ可能性に言及しています。

“SCIgen”は、ランダムなタイトル・本文・図表を持つ、意味をなさない研究論文を自動的に生成するソフトウェアです。記事によれば、3人の博士課程の学生らが、でたらめな論文を受理する学会があることを示すため2005年に作成したものです。

記事では、かつて“SCIgen”により生成された論文が複数発見され、その後撤回されるという問題が生じたことを振り返るとともに、2021年5月に発表された論文で新たに“SCIgen”による論文の検出結果が報告されたこと等を紹介しています。同論文では、“SCIgen”により全体又は一部が作成された論文が計243件特定されたと報告しています。