アーカイブ - 2021年 3月 2日

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機関がOA方針を採択する要因:2校の研究大学を対象とした調査(文献紹介)

2021年2月25日付で、Pacific University Librariesが刊行するオープンアクセス(OA)査読誌“Journal of Librarianship and Scholarly Communication”に、研究論文“The Factors Significant to the Introduction of Institutional Open Access Policies: Two Case Studies of R-1 Universities”が掲載されました。著者は米・ペンシルベニア州立大学のLeo S. Lo氏です。

この論文は、機関がOA方針を採択する要因を理解することを目的としています。調査は、過去5年以内にOA方針を実装したカーネギー分類でR1(最高度の研究活動)に分類される米国の大学2校を対象として実施されました。調査方法として、ステークホルダへのインタビュー等の定性分析が採用されています。

国際学術会議、デジタル時代の学術出版に関する報告書を公開

2021年2月22日、国際学術会議(International Science Council:ISC)が報告書“Opening the record of science: making scholarly publishing work for science in the digital era”を公開しました。このレポートは国際学術会議の進行中のプロジェクト「学術出版の未来」の最初の成果であり、学術出版システムの原則と優先事項についての共通の見解を確立することを目的としています。レポートでは、下記について述べられています。

・学術出版の根底にあるべき一連の規範的原則の提案
・現在の出版の概観とその軌跡
・原則の遵守状況の調査
・原則を実現するために取り組む必要のある課題の特定

学術出版の原則として下記を挙げているほか、その原則についての課題・取り組むべき事項も示しています。

経済産業省、「STEAMライブラリーVer.1」を公開

2021年3月1日、経済産業省は、「STEAMライブラリーVer.1」を同日から公開することを発表しました。公開にあわせ、同省によるポータルサイト「未来の教室 Learning Innovation」のリニューアルも実施されています。

同省は2020年10月、授業・個人探究に利用できるデジタル教材集を国内外の教育産業と学校・研究機関・産業界との協力によって開発し、それらを掲載した「STEAMライブラリー」の試験構築を行うこと、2021年3月から誰でも同ライブラリーにアクセス可能とし、授業や家庭学習場面での利用に供することを発表していました。

今回の発表では、「Ver.1(第1弾)」として2020年度に開発された50超のテーマを収録していることや、2021年度は「Ver.1」を利用する教員・生徒の反応を踏まえて「Ver.2」に向けた改善を図ること、この改善プロセスに協力する「パートナー教員」「パートナー学校」の募集を行うこと等も紹介されています。

また、3月12日、13日の2日間に分けて、オンラインで「未来の教室」フォーラムを開催することも発表しています。STEAMライブラリーを含む令和2年度「未来の教室」事業の成果報告であり、実践報告やパネルディスカッションが行われます。

欧州研究図書館協会(LIBER)、図書館によるLinked Open Data公開のためのガイド“Best Practices for Library Linked Open (LOD) Publication”を公開

欧州研究図書館協会(LIBER)は、2021年2月23日付けのTwitterにおいて、LIBER のLinked Open Data Working Groupが“Best Practices for Library Linked Open (LOD) Publication”を公開したことを発表しています。

“Best Practices for Library Linked Open (LOD) Publication”は、図書館によるLOD公開のためのガイドであり、LOD公開に関する6つの作業ステップについて解説しています。各ステップは次のとおりです。

ステップ1:公開プロセスの計画を立てる
ステップ2:データセットの選択とキュレーションを行う
ステップ3:リンク先とするリソースを特定する
ステップ4:モデルを適用する:エレメント・セットと値の語彙
ステップ5:データを変換する
ステップ6:データを利用可能にし、最新の状態を保つ

オランダ・ユトレヒト公共図書館、世界各地の図書館事情を紹介した単行書“Living libraries, the House of the community around the world”を刊行:同館ウェブサイト上で電子版を公開

欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)のニュースレター2021年2月号で、オランダ・ユトレヒト公共図書館(Utrecht Public Library)による単行書“Living libraries, the House of the community around the world”の刊行が紹介されています。なお、ユトレヒト公共図書館のウェブサイト上で、同書のPDF版及びEPUB版が公開されています。

同書は、Ton van Vlimmeren氏(EBLIDA会長)が20年間務めたユトレヒト公共図書館の館長職を退任するに当たり、その記念として編集・刊行されたものです。世界各地の図書館関係者からの寄稿文を収録しており、各国の図書館事情を紹介する内容です。なお、400ページを超える大部の書籍となっています。

EBLIDAのニュースレターでは、ほぼ全ての寄稿者が「サード・プレイス」としての図書館の役割を強調していることに触れており、そのことは“the House of the community around the world”という同書の副題の説明になっている、と記されています。

英・電子情報保存連合(DPC)、視聴覚資料のデジタル保存に関するレポート“Pragmatic Audiovisual Preservation”を公開

2021年2月23日、英・電子情報保存連合(DPC)は、視聴覚資料のデジタル保存に関するレポート“Pragmatic Audiovisual Preservation”の公開を発表しました。著者は映像資料やデジタル保存ワークフローの専門家であり、現在はデジタル保存に関するソフトウェア開発やコンサルティング等を行うカナダの企業Artefactualに勤務するAshley Blewer氏です。

同レポートは、デジタル保存の概念やアーカイブ作業の実務に関する基礎知識を有し、かつ視聴覚資料に関する専門知識を有さない実務者を対象とした実践的ガイダンスと位置付けられています。内容としては、視聴覚資料のメディアやファイル構造に関する解説、デジタル保存におけるベストプラクティス、課題の整理、各種ファイルフォーマットの解説、3機関を対象としたケーススタディー、組織タイプ別の保存シナリオ、参考文献等が含まれています。

英・電子情報保存連合(DPC)、デジタル保存におけるチェックサムの利用に関するレポート“Which checksum algorithm should I use?”を公開

2021年2月19日、英・電子情報保存連合(DPC)は、デジタル保存におけるチェックサムの利用に関するレポート“Which checksum algorithm should I use?”の公開を発表しました。

同レポートでは、関連用語の定義、なぜチェックサムを利用する必要があるのか、複数あるチェックサムのアルゴリズムのうちどれを利用すべきか、チェックサムの作成及びファイルの同一性チェックにはどのようなツールが利用できるか、チェックサムをどこに保存すべきか、といったテーマが扱われています。

なお、同レポートは、DPCの出版物“Technology Watch”シリーズのうち、デジタル保存に関する特定のテーマをめぐる課題と解決策をコンパクトに概観する“Guidance Notes”シリーズに分類されています。同レポート公開に関するDPCの発表には、今後数か月の間に様々なデジタル保存のトピックに関する“Guidance Notes”のリリースを予定しているとの記載があります。

【イベント】三田図書館・情報学会第184回月例会「全国SLA「『学校司書のモデルカリキュラム』講義指針」作成の経緯と内容」(3/27・オンライン)

2021年3月27日、三田図書館・情報学会は、オンライン開催により184回月例会「全国SLA「『学校司書のモデルカリキュラム』講義指針」作成の経緯と内容」を行います。発表者は専修大学の野口武悟氏です。

2019年に全国学校図書館協議会(全国SLA)が公表した「『学校司書のモデルカリキュラム』講義指針」について、司書教諭養成と学校司書養成の違いや現状などにも触れつつ、作成経緯・内容の報告と、学校司書養成の今後に関する参加者を交えた議論が行われます。参加費は無料ですが、事前の申込が必要です。

三田図書館・情報学会 月例会
http://www.mslis.jp/monthly.html

参考:
全国学校図書館協議会、「情報資源を活用する学びの指導体系表」「学校図書館司書教諭講習講義指針」「学校図書館に関する職務分担表」「『学校司書のモデルカリキュラム』講義指針」を発表
Posted 2019年1月16日
https://current.ndl.go.jp/node/37371

2021年2月に福島県沖で発生した地震で被災し休館中の郡山市中央図書館(福島県)、3月5日から郡山市立中央公民館内に臨時窓口を開設

2021年2月27日、福島県の郡山市図書館は、2021年2月に福島県沖で発生した地震の被害により当面のあいだ休館中の郡山市中央図書館について、臨時窓口を開設することを発表しました。

2021年3月5日、同館の西側に位置する郡山市立中央公民館の1階フロアに、臨時窓口が開設します。臨時窓口では、地震の発生前に手続きの完了していた予約図書の受取と、貸出中の図書・CD・DVDの返却を行うことができます。

臨時窓口の開設時間は午前9時30分から午後4時までです。なお、毎週月曜日、月末整理日、及び中央公民館の休館日に当たる第3日曜日には、臨時窓口を利用することができません。

郡山市図書館
https://www.city.koriyama.lg.jp/kyoiku_shogaigakushu/3/11068.html
※「郡山市中央図書館における臨時窓口開設のお知らせ(令和3年2月27日更新)」とあります。

盛岡市立図書館・盛岡市都南図書館・盛岡市渋民図書館・盛岡市中央公民館図書室(岩手県)、東日本大震災をテーマとした展示企画をそれぞれ実施

2021年2月26日以降、岩手県の盛岡市立図書館・盛岡市都南図書館・盛岡市渋民図書館・盛岡市中央公民館図書室が各図書館・室において、東日本大震災をテーマとした展示企画を実施します。

盛岡市立図書館は、2021年2月26日から3月13日まで、特設一般展示「東日本大震災から10年」を実施します。東日本大震災発災から10年の間に綴られた災害の被害と復興の記録や記憶をたどる資料を展示する企画です。同館2階玄関ロビー特設コーナーでは、東日本大震災以前に起きた津波災害を伝える郷土資料や、震災直後の被害を伝える報道資料などの展示が行われます。同館3階の一般展示コーナーでは、震災関連資料の展示と貸出が行われます。また、同時開催企画として、岩手県の復興を伝える『いわて復興の歩み』パネル展が新聞・展示コーナーで行われています。

米国議会図書館(LC)アジア部所蔵の日本古典籍に関するデジタル画像コレクション“Japanese Rare Book Digital Collection”(記事紹介)

2021年2月17日付で、米国議会図書館(LC)が、同館の地域研究(Area Studies)に関する4部門が運営するブログ“4 Corners of the World”において、2020年12月に公開を開始した“Japanese Rare Book Digital Collection”の紹介記事を掲載しています。

“Japanese Rare Book Digital Collection”は、LCのアジア部が所蔵する日本古典籍のデジタル画像コレクションです。2021年2月時点で、『源氏物語』の写本、奈良絵本の4作品、日本で作成され研究者による序や注釈を一部含む漢籍の写本など、大半が江戸時代以前に成立し希少性の高い日本古典籍35作品を収録しています。ブログ記事は、コレクションのオンライン公開に当たって新たに25作品がデジタル化されたことに触れながら、収録作品の特徴・背景等を紹介する内容です。

Accessible Books Consortium(ABC)、アクセシブルな書籍作成に関するオンライン研修を実施

2021年2月9日、世界知的所有権機関(WIPO)の下に設立されたAccessible Books Consortium(ABC)は、新型コロナウイルス感染症の流行期間中も研修プログラムを継続するため、アクセシブルな書籍作成に関するオンライン研修を実施していることを発表しました。

ABCのオンライン研修プログラムは、開発途上国・後発開発途上国でプリントディスアビリティのある人々にサービスを提供する連携機関を対象に、点字・音声・電子テキスト・大活字などのアクセシブルな形式の書籍作成に関する最新技術を提供する目的で行われています。コロナ禍による移動制限等を背景に、WIPOはDAISYコンソーシアムと共同してオンライン研修プログラムを開発しました。研修モジュールは、英語・フランス語・スペイン語で作成され、2021年第1四半期までに連携機関から95人以上が受講することを予定しています。

研修受講者の多数が視覚その他に障害を持っていることを踏まえて、ABCのオンライン研修プログラムは、ナビゲーション機能付の教材・アクセシブルな演習コンテンツ・画像に対する内容記述・キャプション付の動画など、インクルーシブデザインでプラットフォームを構築しています。

米・アイビー・プラス図書館連合、ウェブアーカイブ“Global Social Responses to COVID-19 Web Archive”を公開

2021年3月1日、米・アイビー・プラス図書館連合が、ウェブアーカイブ“Global Social Responses to COVID-19 Web Archive”を公開したと発表しています。

コロナ禍の人道・社会経済・文化への影響の範囲を理解するために重要な、コロナ禍への地域的・社会的反応を記録化したもので、アイビー・プラス図書館連合が、独・バイエルン州立図書館、米国議会図書館(LC)、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)、独・ベルリン国立図書館、米・カリフォルニア大学バークレー校、米・ハワイ大学、米・ミシガン大学、カナダ・トロント大学、米・バージニア大学の図書館員と連携し2020年3月に立ち上げたイニシアチブの成果です。

公開時点で、約80か国からの50言語以上の2,000を超すウェブサイトが収集されています。収集対象は、少数派の民族や無国籍グループが作成したウェブサイトに重点が置かれており、以下のものに限定はされないが、公衆衛生・人道支援・教育を行う非政府組織のウェブサイト、あらゆる分野の文化を創造する有名・無名の芸術家によって公開されたウェブサイト、地域のニュースを公開するウェブサイト、市民団体への参加者や代表者のウェブサイト、関連するブログやソーシャルメディア等が含まれると説明されています。

浦幌町立博物館(北海道)、企画展「コロナな時代を語り継ぐために」を開催中

2021年2月27日から4月11日まで、北海道の浦幌町立博物館で企画展「コロナな時代を語り継ぐために」が開催されています。

新型コロナウイルス感染症の影響で変化した地域の生活を、身近な資料で記録する試みを紹介するものであり、同館がこれまで収集した、チラシやマスクをはじめとした新型コロナウイルス感染症関係資料の展示が行われています。

入場料は無料です。

@urahoromuseum(Twitter, 2021/2/27)
https://twitter.com/urahoromuseum/status/1365484610696568835

@urahoromuseum(Twitter, 2021/3/1)
https://twitter.com/urahoromuseum/status/1366147431683956736

千葉市図書館、「千葉市地域情報デジタルアーカイブ」を公開:第1弾として『千葉市史』第1巻を公開

2021年3月1日、千葉市図書館が、「千葉市地域情報デジタルアーカイブ」を公開したと発表しています。

同館では、千葉市が保有している地域資料や行政資料についてデジタル化を進めており、今回は、その第1弾として、『千葉市史』第1巻(原始古代中世編)をデジタル化し、デジタルアーカイブシステムADEACで公開したものです。

千葉市地域情報デジタルアーカイブを公開しました(千葉市図書館,2021/3/1)
https://www.library.city.chiba.jp/news/news1685.html

千葉市地域情報デジタルアーカイブ
https://trc-adeac.trc.co.jp/WJ11C0/WJJS02U/1210015200

日本図書館協会(JLA)、「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン(更新版)」「図書館資料の取り扱い(新型コロナウイルス感染防止対策)について-人と資料を守るために-(改訂版)」を公表

2021年2月26日、日本図書館協会(JLA)が、「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン(更新版)」を公表しました。

2020年の冬以降の感染拡大の動向を踏まえて、図書館において考慮すべき項目と説明の追記を行ったものです。また、同ガイドラインの趣旨に沿った活用がさらに進むように「基本的事項の決定と実施の確認に関するチェックリスト」も作成されています。

また、3月1日には、資料保存委員会が「図書館資料の取り扱い(新型コロナウイルス感染防止対策)について-人と資料を守るために-(改訂版)」を公表しています。

【イベント】令和3年度石川県子ども読書月間記念講演会「すべての子どもたちに読書の喜びを」(4/24・金沢)

2021年4月24日、石川県立図書館で、令和3年度石川県子ども読書月間記念講演会「すべての子どもたちに読書の喜びを」が開催されます。

4月23日から5月22日までは「石川県子ども読書月間」であり、同イベントでは、専修大学文学部教授の野口武悟氏を講師とし、子どもの多様なニーズに応えるための方法について講演が行われます。

参加費は無料であり、定員は50人(要申込・先着順)です。

令和3年度 石川県子ども読書月間記念講演会(石川県立図書館)
https://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/gyouji/2021/20210424/20210424.html

参考:
CA1974 - 読書バリアフリー法の制定背景と内容、そして課題 / 野口武悟
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1974

国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)、2021年3月の特集「東日本大震災10周年」を公開

2021年3月1日、国立国会図書館(NDL)は、インターネット資料収集保存事業(WARP)の2021年3月の特集として「東日本大震災10周年」を公開しました。この10年間にWARPが保存してきた東日本大震災に関するウェブサイトを紹介するものです。

震災発生3日後の2011年3月14日から緊急に収集した国の機関や被災自治体などの関連ウェブサイト、原発事故を受けて設置された原子力規制委員会や東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)などの原発事故関連ウェブサイト、被災者支援・復興への取組みに関するウェブサイトなどを紹介しています。

新着情報一覧(WARP)
https://warp.da.ndl.go.jp/contents/news/index.html
※2021年3月1日欄に「2021年3月の特集「東日本大震災10周年」を掲載しました」とあります。

【イベント】群馬県立女子大学第6期群馬学センターリサーチフェロー公開研究会(講演会)「地域史料の保存・公開・防災のいま」(3/6・オンライン)

2021年3月6日、群馬県立女子大学第6期群馬学センターリサーチフェロー公開研究会(講演会)「地域史料の保存・公開・防災のいま」がオンライン(Zoomを予定)で開催されます。群馬歴史資料継承ネットワーク(ぐんま史料ネット)が共催しています。

同センターが推進する地域学研究の基礎資料である地域史料(古文書・映像記録・仏像・石造物・民具等)が頻発する自然災害や様々な社会的要因によって、消失・散逸の危機に曝されていることから、これらを防止し、地域学研究の基盤を確立するとともに、基礎資料である地域史料を確実に後世に継承していくための諸課題について、実践的に考えるものです。

参加には事前の申し込みが必要で、募集定員80人です。

内容は以下の通りです。

・講演1
「群馬県立文書館の「県史収集資料」追跡調査について」
群馬県立文書館補佐・古文書係長 関口荘右氏

・講演2
「天明三年浅間災害関連石造物のウェブ公開」
嬬恋郷土資料館館長 関 俊明氏