アーカイブ - 2021年 10月

10月 29日

東京大学理学図書館、「東京大学理学図書館所蔵田代安定資料」を公開

2021年10月25日、東京大学理学図書館が、「東京大学理学図書館所蔵田代安定資料」をデジタル化して公開したことを発表しました。

公開されているのは、植物学者の田代安定が、東京帝国大学理科大学の嘱託として沖縄の特に八重山地方を調査し、帝国大学総長と人類学研究室に届けた手書きの報告書類です。

代表資料として、「沖縄縣下沖縄諸嶋結縄算標本説明全」や「沖縄縣下宮古列嶋結縄算標本説明全」、「沖縄島諸祭神祝女類別表 ; 沖縄島祝女佩用勾玉實檢圖解」が挙げられています。また、10月26日にデータセットが公開されています。

「東京大学理学図書館所蔵田代安定資料」公開について(東京大学附属図書館, 2021/10/25)
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/science/news/20211025

笠間市立友部図書館(茨城県)、Twitter連動イベント「Hallowitter」を実施中:企画過程の物語「Hallowitter物語」も公開

2021年10月28日から31日まで、茨城県の笠間市立友部図書館が、Twitter連動イベント「Hallowitter」を実施しています。

バッジを付けている同館スタッフに、同館Twitterアカウントに掲載されている画像を見せるとプレゼントがもらえるという企画です。同館のTwitterには、企画の検討過程を描いた「Hallowitter物語」も投稿されています。

@tomobe_klib(Twitter, 2021/10/28)
https://twitter.com/tomobe_klib/status/1453511837396439046

国際図書館連盟(IFLA)、ドイツでの図書館による電子書籍の収集・貸出に関する法改正に向けた取組を支持する声明を発表

2021年10月25日、国際図書館連盟(IFLA)が、ドイツで議論されている、図書館による電子書籍の収集・貸出を可能とするための法改正を支持する声明を発表しました。

声明の中では、図書館は、コンテンツの収集のための投資、将来の読書人口拡大する取組等を通して、書籍業界全体の健全性に貢献しており、紙の書籍と同様に電子書籍においても同様の役割を担っているとしています。

また、電子書籍は多様な情報へのアクセスの重要な手段であり、図書館を通じて全ての人が電子書籍を読めるようにするべきであること、そのためには、図書館が合理的な条件で電子書籍を入手し、貸し出せるようになっている必要があること等を述べています。

その他、従来の貸出の制度を電子書籍にも適用させるべきとした欧州委員会司法裁判所による2016年の判決を挙げ、ドイツの意思決定者がこの判決に沿って行動すること、利害関係者が建設的かつエビデンスに基づいて協力することを願うと述べています。

米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)、ソーシャル・ウェルビーイングにおける博物館・図書館の役割の調査レポートを公開

米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)、米国におけるソーシャル・ウェルビーイングに関する博物館・図書館の役割の調査レポート“Understanding the Social Wellbeing Impacts of the Nation’s Libraries and Museums”を公開したと発表しました。

同調査では、質的手法と量的手法を用いての米国の各州における図書館・博物館の設置・利用状況の推定、設置・利用状況とソーシャル・ウェルビーイングの関係の多変量モデルによる分析、24の公共図書館・博物館への訪問等が行われました。発表の中では、公共図書館と博物館の存在と利用は、コミュニティの健康・学校の有効性・文化的機会等のソーシャル・ウェルビーイングの複数の側面と関連しているとし、主な結果として以下をはじめとした内容を紹介しています。

・公共部門による教育支援の不足を補う等、図書館と博物館は、コミュニティにおける社会事業の提供を支える重要な存在となっている。

・図書館と博物館はコミュニティにおいて信頼されている機関である。人々は信頼できる情報の入手、他者との交流等のために訪れており、図書館と博物館は「サードプレイス」として機能している。

フランス・ADBU、フランス・会計院が発表した情報社会における資料に関する政策や大学図書館についての文書に関し見解を公開

2021年10月27日、フランスの大学図書館・ドキュメンテーション分野の管理職層職員が構成する団体“l’Association française des directeurs et personnels de direction des bibliothèques universitaires et de la documentation”(ADBU)が、フランス・会計院(Cour des comptes)が発表した、情報社会における資料に関する政策や大学図書館についての文書と、同文書への高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)による回答文書についての見解を発表しました。

会計院の文書の「学術情報・資料の分野を国の優先事項とするべきである」という主張を歓迎し、同文書で示された内容に概ね同意し、回答文書で示されたMESRIのインフラストラクチャーの相互化の取組に賛同するとしています。また、会計院の文書に示された取組について、引き続き提案・協力を行うこと、研修・研究・知識の流通・学術と社会のつながりに関する大学図書館・高等教育機関の戦略的活動を支援するための方策を求めていること等が述べられています。

フランス国立図書館(BnF)、写真家への支援プロジェクトの参加者を募集:フランス・文部省による報道部門支援の一環

2021年10月25日、フランス国立図書館(BnF)が、写真家への支援プロジェクト“Radioscopie de la France : regards sur un pays traversé par la crise sanitaire”の参加者を募集すると発表しました。

同プロジェクトは、新型コロナウイルス感染症感染拡大による影響からの回復のための、フランス・文化省による報道部門支援の取組の一環として行われます。対象は、フランス国内に居住する成人したフランス人・EU加盟国の国籍を持つ人のうち、過去4年以内に報道機関への写真提供に協力したことのある人や、ジャーナリズム・写真・芸術(写真部門)に関するフランスの学校を2018年以降に卒業した人です。

プロジェクトの期間は2021年から2022年、2022年から2023年の2つであり、選出された200人は2万2,000ユーロの資金提供を受け、写真を制作します。その写真はBnFのコレクションとなり、2024年の展示や、国内の機関と連携しての各種取組等で活用・公開するとあります。

10月 28日

文化審議会著作権分科会基本政策小委員会、「簡素で一元的な権利処理」の在り方に関する意見募集の結果を公開

2021年10月27日の第6回文化審議会著作権分科会基本政策小委員会の配布資料として、「簡素で一元的な権利処理」の在り方に関する意見募集の結果が掲載されています。

同意見募集は9月22日から10月14日まで実施されたもので、98件(団体37件、個人61件)の意見が寄せられました。提出された意見が、「1.目指すべき方向性と留意すべき点」「2.想定される場面」「3.具体的な方策」それぞれについて分類・整理された上で記載されています。

同じページに「「簡素で一元的な権利処理」の在り方に関する論点整理」や、これまでの審議やヒアリング、意見募集を踏まえた「いわゆる「拡大集中許諾制度」を基にした簡素で一元的な権利処理方策に関する検討」等も掲載されています。

文化審議会著作権分科会基本政策小委員会(第6回)(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/kihonseisaku/r03_06/

【イベント】TP&Dフォーラム2021(第30回整理技術・情報管理等研究集会)(11/27・オンライン)

2021年11月27日、TP&Dフォーラム2021(第30回整理技術・情報管理等研究集会)が、オンラインで開催されます。

整理技術・情報管理等に問題意識を持つ実務者・研究者を対象に、十分な時間を確保した発表・議論・交流をコンセプトとして開催されている研究集会です。

福田一史氏(大阪国際工科専門職大学工科学部講師)により「典拠データとしてウェブリソースを用いた目録作成」というテーマのセッションが行われます。そして、「TP&Dフォーラムこれまでとこれから~30年を迎えて~」をテーマに、山﨑久道氏(情報科学技術協会)をコーディネーターとして、田窪直規氏(近畿大学司書課程担当)、今野創祐氏(京都大学)、光富健一氏(情報科学技術協会)、小林康隆氏、藤倉恵一氏(文教大学越谷図書館)によるパネルディスカッションが行われます。

TP&Dフォーラム2021(第30回整理技術・情報管理等研究集会)
https://tpd.eplang.jp/index.php?%A5%D5%A5%A9%A1%BC%A5%E9%A5%E02021

Springer Nature社、ハイブリッドジャーナルにおけるゴールドオープンアクセスの影響に関するホワイトペーパーを公開

2021年10月27日、Springer Nature社が、ハイブリッドジャーナルにおけるゴールドオープンアクセス(OA)の影響に関するホワイトペーパーを公開したと発表しました。

同社が刊行する1,262のハイブリッドジャーナルで、2018年に公開された5万567件の記事を分析した結果をまとめたものです。発表の中では、主な結果として、以下をはじめとした内容が紹介されています。

・ゴールドOA論文は、グリーンOA等で出版社版(VoR)より前のバージョンが利用可能になっている購読型論文よりも大きな影響力を持っており、非OA論文に比べると後者の購読型論文は1.07倍、ゴールドOA論文は1.64倍引用されている。

・ゴールドOA論文は、非OA論文の約5倍のAltmetric Attention Scoreを得ている。一方でグリーンOA等でVoRより前のバージョンが利用可能な購読型論文は、非OA論文の約2倍のAltmetric Attention Scoreである。

・ゴールドOAは非OA論文の6倍以上の回数ダウンロードされており、利用され続けている。

フランス・会計院、情報社会における資料に関する政策や大学図書館についての高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)宛の文書を公開

2021年10月18日、フランスの会計院(Cour des comptes)が、情報社会における資料に関する政策や大学図書館についての、フランスの高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)宛の文書を公開しました。

文書の中では、会計院が2018年から2020年を対象時期として実施した、情報社会における資料に関する方針や大学図書館についてのアンケートにより、高等教育・研究機関の活動において、情報および学術的資料のエコシステムと大学図書館の役割が重要であると示されたとしています。

これを踏まえ、学術情報・資料の分野を国の優先事項とするべきであること、現在、同分野に関する各種の行動は充分に調整されていないこと、大学図書館は高い国際水準でのサービス提供をまだ行えていないことが多いこと等を指摘し、以下のような6つの推奨事項を示しています。

・学術的な情報・資料のための行政による取組を国の優先事項とする。

・エコシステムの全ての関係者の協力を支援し、イル・ド・フランス地方の大学間の図書館の監督を行う国の担当機関を置く。

・監督官庁等と、大学や大学連盟の間で資料に関する政策や大学図書館についての連携協定を締結する。

ハゲタカ出版社の最新の手口:海賊版・リブランディング(記事紹介)

2021年10月26日付で、Springer Nature社が刊行する学術雑誌Natureに、カナダ・モントリオール大学のKyle Siler氏らによるコメント記事”Predatory publishers’ latest scam: bootlegged and rebranded papers”が掲載されています。

このコメント記事では、Web of ScienceやScopusといった選択的な論文データベースで索引付されていない出版社のデータベースLacunaを構築したことによって明らかになったハゲタカ出版社の手口について述べられています。

Lacunaは、主要な論文データベースから省略された出版物を表にすることを目的としており、10の出版社の2,300のジャーナルに掲載されている90万を超える論文のインデックスを提供しています。これにより、学術コミュニケーション全体の正当性を調査し、多様な出版場所、ならびに非合法、ニッチ、および新興のジャーナルを明らかにすることができる、と述べています。

記事では特に、いわゆるハゲタカジャーナルの出版等を手掛けるOMICS Group社による二つの慣行について報告しています。

『カレントアウェアネス-E』423号を発行

『カレントアウェアネス-E』423号を発行しました。

■E2436■ Code4Lib JAPANカンファレンス2021,オンラインにて開催
東京農業大学学術情報課程・村上篤太郎

■E2437■ 図書館と音楽:IFLA NPSIG Music Contest 2021 について
利用者サービス部図書館資料整備課・町田純花

■E2438■ 英国の「オンライン・メディアリテラシー戦略」の概要と課題
法政大学・坂本旬

■E2439■ オンラインの閲覧室・ティーチングスぺ―スの構築(英国)
国際基督教大学図書館・長濱崚平

■E2440■ 歴史的建造物を図書館に再利用した事例集<文献紹介>
関西館電子図書館課・大森穂乃香

E2440 - 歴史的建造物を図書館に再利用した事例集<文献紹介>

   2021年6月,国際図書館連盟(IFLA)の環境・持続可能性と図書館に関する専門部会(ENSULIB)と図書館建造物および設備分科会(LBES)の協力のもと,世界各国の主に歴史的建造物が図書館に再利用された事例を集めた報告書が出版された。報告書は大きく3つのパートに分かれ,建築家Robert Niess氏,Santi Romero氏,図書館建築の専門家Karen Latimer氏による建造物を図書館に再利用することに関する総論と,公共図書館に再利用した10の事例,大学などの学術図書館に再利用した9の事例で構成される。病院,消防署,機関車工場,郵便局など改築前の建造物の種類は多様で,改築前後の様子が写真と共に紹介されており興味深い。全文はインターネットでも公開され,誰でも無料で読むことができる。本稿ではそのいくつかの事例を挙げつつ,歴史的建造物を図書館に再利用する取り組みの特徴を紹介したい。

E2437 - 図書館と音楽:IFLA NPSIG Music Contest 2021 について

  国際図書館連盟(IFLA)は,若手の図書館情報学関係者へ向けた国際ネットワークとして,New Professionals Special Interest Group(NPSIG)を設置している。2021年,NPSIGは図書館職員を対象とした音楽コンテスト“NPSIG Music Contest 2021”を開催し,上位入賞した4作品が表彰された。本稿では,NPSIGの活動実績とNPSIG Music Contest 2021について紹介する。

E2438 - 英国の「オンライン・メディアリテラシー戦略」の概要と課題

●はじめに

  英国はオンラインの偽情報に対してさまざまな取り組みを行ってきた。2018年には超党派議員団と英国ナショナル・リテラシー・トラストが運営する「フェイクニュースと学校における批判的リテラシー教育委員会」が『フェイクニュースと批判的リテラシー最終報告書』を発表している。2019年4月にはデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)が内務省と共同で「オンラインの害に関するホワイトペーパー(Online Harms White Paper)」を発表した。同年6月にはBBCが世界の主要な出版社やテクノロジー企業とともに「信頼されるニュースサミット(Trusted News Summit)」を開催し,偽情報への取り組みを支援する計画を発表した。2020年5月には英国図書館情報専門家協会(CILIP)情報リテラシーグループ(ILG)が,BBCの家庭学習支援サイトBitesizeとフェイクニュースに関する指導において連携していることを発表している。2021年5月にはデジタル・文化担当閣外大臣により「オンライン安全法案」が議会に提出された。その法案にはメディアリテラシーに関する条項が含まれている。

E2439 - オンラインの閲覧室・ティーチングスペースの構築(英国)

   2021年7月,英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が,オンラインの閲覧室(Virtual Reading Room:VRR)やティーチングスペース(Virtual Teaching Space:VTS)を構築する取組についての調査レポートの公開を発表した。本稿では,当調査レポートの内容を概説する。

E2436 - Code4Lib JAPANカンファレンス2021,オンラインにて開催

   2021年9月11日から12日にかけて,Code4Lib JAPANカンファレンス2021が開催された。9回目となる本カンファレンスは2020年(E2289参照)に引き続いて,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によりオンライン会議システムZoomを用いた開催となった。参加者は,過去最高の155人(Slack登録ベース)であった。参加者が事前に登録をすることになっていたSlackの2021confチャンネルでは,終始活発な投稿が行われた。本稿では,筆者が関心を持った発表について一部紹介し,報告としたい。

英・オックスフォード大学出版局(OUP)、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)とRead & Publish契約を締結

2021年10月22日、英・オックスフォード大学出版局(OUP)は、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)とRead & Publish契約を締結したと発表しました。

この契約によってオーストラリアとニュージーランドの47大学の教職員・学生約200万人は、同出版局刊行全ての査読誌へのアクセスと同出版局のハイブリッド誌でのオープンアクセス(OA)出版が可能になります。

米・フロリダ州立大学図書館、デジタルプロジェクトホスティングサービスCreateFSUの立ち上げを発表

2021年10月12日、米・フロリダ州立大学図書館は、デジタルプロジェクトホスティングサービスCreateFSUの立ち上げを発表しました。

フロリダ州立大学の教職員ならびに学生はCreateFSUを使用することで、最先端かつ業界標準のWeb公開ツールを使用して、デジタルの研究および教育プロジェクトに関するWebサイトをホスト・公開できます。CreateFSUは、インタラクティブな地図や可視化からデジタル博物館の展示に至るまで、プロジェクトのデジタルプレゼンスを構築する機能を提供します。

各ユーザには一意のドメイン名が提供され、WordPress、MediaWiki、Scalar、Omeka、Drupalなどの様々なアプリケーションを備えたダッシュボードへアクセスできます。これらのアプリケーションをインストールすると、ユーザはブログを作成したり、ビデオを公開したり、本を執筆したり、研究データを共有したりすることができます。

Figshare、大容量データセットの共有を可能にするFigshare+を発表

2021年10月15日、研究データ等の研究成果の公開プラットフォームFigshareは、大容量のデータセットの共有を可能にするリポジトリFigshare+を発表しました。研究者がTB単位のデータセットをFAIR原則に沿って共有する選択肢がほとんどないこと、Figshareを利用しようとしている研究者からストレージや大容量データについての要望が寄せられていることから、Figshare+のサービスが開始されました。

Figshare+では、最大5TBのアップロード、最大5,000ファイル含めることが可能です。一回限りのデータ公開料(Data Publishing Charge; DPC)を支払うことによって、データセットや資料の共有を可能にします。

Introducing Figshare+(figshare’s blog, 2021/10/15)
https://figshare.com/blog/Introducing_Figshare_/643

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