アーカイブ - 2020年 9月

9月 8日

オープンアクセス(OA)は長期保存を保証しない:インターネット上から消滅したOAジャーナルに関する調査(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2020年9月3日付で、オープンアクセス(OA)ジャーナルの現在のインターネット上における保存状況等の調査結果を報告した文献“Open is not forever: a study of vanished open access journals”が公開されています。

同文献は、フィンランドの情報システム研究者Mikael Laakso氏ら3人の共著により執筆されました。2020年8月27日付の初版(Version 1)公開後、二度の改訂を経たVersion 3が9月3日付で公開されています。

国際図書館連盟(IFLA)、「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」に関する国際連合の意見照会に回答を提出:意識向上・情報アクセス保障など図書館の果たす役割等を表明

2020年9月3日、国際図書館連盟(IFLA)情報への自由なアクセスと表現の自由に関する委員会(FAIFE)は、女性・女児の「性と生殖に関する健康と権利(Sexual and Reproductive Health and Rights:SRHR)」に関する国際連合の人権高等弁務官事務所(Office of the High Commissioner for Human Rights: OHCHR)の意見照会に対して、回答を提出したことを発表しました。

柏崎市立図書館(新潟県)、柏崎高等学校図書館と連携し同校生徒による図書館蔵書活用の促進等を意図した取り組みを開始

2020年9月2日、新潟県の柏崎市立図書館(ソフィアセンター)は、新潟県立柏崎高等学校の学校図書館と連携し、同校生徒の課題研究や読書において、ソフィアセンターの蔵書活用を促進する取り組みを開始したことを発表しました。

ソフィアセンターは連携の背景として、高校生は学習・読書室の利用が多く、蔵書の活用は小中学生と比べると非常に少ない状況にあることなどを挙げ、同校との連携をきっかけに、市内の他の高校生の利用促進とレファレンスサービスの活用を働きかけていく、としています。

ソフィアセンターは同校図書館との連携事業の概要として、「課題解決支援」と「課題図書の簡単予約」を挙げています。「課題解決支援」は、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定された同校1学年・2学年の生徒が探究活動として取り組む「柏崎サイエンスプロジェクト(KSP)」の課題研究テーマを両館で共有し、ソフィアセンターの蔵書とレファレンスサービスによって、生徒の課題解決を支援するものです。「課題図書の簡単予約」は同校1学年の生徒の課題図書300冊のうち、ソフィアセンターが所蔵する図書約200冊のリストをホームページに掲載し、簡単に検索や利用状況の確認・予約を可能とするものです。

オランダ科学研究機構(NWO)、人文科学分野のオープンアクセス(OA)雑誌のプラットフォーム“Open Library of Humanities(OLH)”へ3年間の資金提供を実施

2020年9月1日、人文科学分野のオープンアクセス(OA)雑誌のプラットフォーム“Open Library of Humanities(OLH)”は、オランダ科学研究機構(NWO)がOLHの図書館協力補助金制度(Library Partnership Subsidy system)に参加し、3年間の資金提供を約束したことを発表しました。

OLHはアンドリュー W.メロン財団等の助成により立ち上げられたプラットフォームであり、コストを著者ではなく国際的な図書館コンソーシアムからの出資に依拠するダイヤモンドOAモデルで運営されています。

NWOのPresident Executive Boardであるギーレン(Stan Gielen)氏はOLHへの資金提供に関して、「NWOはOAの実現・転換のためには多様なルートとビジネスモデルが存在すると強く確信している。これには非営利・非APCベースのダイヤモンドOAモデルも含まれている。OLHは極めて革新的なビジネスモデルに基づく人文科学研究者向けの高品質出版プラットフォームとして際立ったものであり、今後3年間支援できることは光栄である」とコメントしています。

石川県立図書館、同館所蔵『瓦版はやり唄 虎列剌もの』所収「虎列剌病予防阿房陀羅経」の実演動画を公開

2020年9月7日、石川県立図書館が、同館所蔵『瓦版はやり唄 虎列剌もの』所収「虎列剌病予防阿房陀羅経」の実演(再現)動画を、YouTubeで公開しました。

1879年に流行したコレラのニュースを取り上げた『瓦版はやり唄 虎列剌もの』に合綴されている「虎列剌病予防阿房陀羅経」を、元図書館職員の僧侶が、節談説教のイメージで朗読し、再現したものです。

石川県立図書館
https://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/
※お知らせ欄に「資料の紹介動画「『瓦版はやり唄 虎列剌もの』より「虎列剌病予防阿房陀羅経」」の配信を開始しました。(9/7)」とあります。

『瓦版はやり唄 虎列剌もの』より「虎列剌病予防阿房陀羅経」(YouTube)
https://youtu.be/LhPy_MrgE5Q
※石川県立図書館の公式チャンネル

国際図書館連盟(IFLA)、「IFLAディスレクシアの人のための図書館サービスのガイドライン 改訂・増補版」の日本語訳を公開

2020年9月7日、国際図書館連盟(IFLA)が、「IFLAディスレクシアの人のための図書館サービスのガイドライン 改訂・増補版」の日本語訳の公開を発表しています。

IFLA Guidelines for Library Services to Persons with Dyslexia - Revised and extended published into Japanese(IFLA,2020/9/7)
https://www.ifla.org/node/93307

オーテピア高知図書館、オーテピアティーンズ部を創設

高知県が、2020年8月20日付で、オーテピア高知図書館が、7月18日にオーテピアティーンズ部を創設し、高知県内在住の中学1年生から高校3年生等(13歳から18歳)を対象にメンバーを募集していることを発表しています。

読書や創作活動が好きな10代が、読書の楽しさを発信することによって、普段本を読まない、図書館を利用しない同世代に読書や図書館に興味を持ってもらうことを目的とした活動で、図書館が所蔵している本の紹介文や、展示テーマに沿ったエピソード、オリジナルイラストなどを作成し、図書館へメールで投稿するといった活動を行います。

オーテピアティーンズ部の創設とメンバー募集 (高知県,2020/8/20)
https://www.pref.kochi.lg.jp/press2/2020072100109/

大阪教育大学、東京書籍とネーミングライツに関する協定を締結:附属図書館の「まなびのひろば」の名称を「東京書籍 Edu Studio」に

2020年9月3日、大阪教育大学が東京書籍とネーミングライツに関する協定を締結しました。

同大学では、インフラの長寿命化計画に基づき、大学全体のインフラ予防保全等の施設整備を実施するための財源獲得を目的に、ネーミングライツ制度を2020年4月から導入しており、「附属図書館2階まなびのひろば」と、「附属図書館天王寺分館まなびのひろば」のネーミングライツの公募に対して、東京書籍が応募し、選定されたものです。

期間は2020年9月から2023年8月までで、施設の名称は「東京書籍 Edu Studio」です。

大阪教育大学と東京書籍が、ネーミングライツに関する協定を締結(大阪教育大学,2020/8/25)[PDF:2ページ]
https://osaka-kyoiku.ac.jp/_file/kikaku/kouhou/press_release/2020/20200825.pdf

9月 7日

【イベント】日本アーカイブズ学会2020年度大会(11/8、22・オンライン)

2020年11月8日と11月22日に、日本アーカイブズ学会2020年度大会がオンラインで開催されます。

同大会は、新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていたもので、11月8日は4件のポスター研究発表、5件の自由論題研究発表会が行われます。11月22日には、国文学研究資料館名誉教授の高橋実氏による講演会「日本のアーカイブズ論の歩みに学ぶ」の後、大会企画研究会「社会の多様性とアーカイビング」が開催されます。

参加費は会員・非会員ともに無料で、事前に申込(10月初旬から受付開始予定)が必要です。

日本アーカイブズ学会2020年度大会(オンライン)開催概要について(日本アーカイブズ学会)
http://www.jsas.info/modules/news/article.php?storyid=345

【イベント】近畿地区 図書館&がん相談支援センター連携ワークショップ『いつでも、どこでも、だれでもが、がんの情報を得られる地域づくりの第一歩』 in 大阪(10/9・オンライン)

2020年10月9日、近畿地区 図書館&がん相談支援センター連携ワークショップ『いつでも、どこでも、だれでもが、がんの情報を得られる地域づくりの第一歩』in 大阪がオンラインで開催されます。

同ワークショップは、図書館とがん支援センターによる地域の医療・健康情報の提供と支援を充実させることを目的に開催されます。対象は、近畿地区(大阪府、京都府、奈良県、兵庫県、滋賀県、和歌山県)の図書館、医療関係者、行政関係者です。

内容は以下の通りです。
・図書館とがん相談支援センターが連携することの意義と目指すもの
・各地の取り組み
・パネルディスカッション
・ブレイクアウトセッション(グループワーク)

オンライン会議システムZoomを用いて開催され、定員は150名(要事前申込・先着順)で、参加費は無料です。

九州大学附属図書館、図書館・博物館・文書館の連携展示「九州大学のコレクション ―大学創設期のアジア学術交流と古地図 ―」を開催

2020年9月1日から、九州大学附属図書館が、同大学の図書館・博物館・文書館による連携展示「九州大学のコレクション ―大学創設期のアジア学術交流と古地図 ―」を開催しています。

同大学主催の国際イベント“Kyushu University Asia Week 2020”の一環として実施されている記念デジタル展示であり、同大学創設期の研究者の収集資料の紹介や、アジアとの学術交流の様子、同大学が所蔵するアジアの古地図のデジタル画像等が公開されています。

図書館・博物館・文書館の連携展示「九州大学のコレクション ―大学創設期のアジア学術交流と古地図 ―」(九州大学附属図書館, 2020/9/2)
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/events/35638

デジタル化された書籍群は出版された書籍群全体を反映しているか:1830年代後半に英国諸島で出版された小説の書誌目録を用いた調査(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2020年9月1日付で、文献“What Library Digitization Leaves Out: Predicting the Availability of Digital Surrogates of English Novels”が公開されています。

この文献は、1836年と1838年に英国諸島で初めて出版された小説の書誌目録を利用し、図書館等がデジタル化した書籍群が、その母集団となる出版された書籍群全体を反映しているかどうかを調査したものです。筆者は米・インディアナ大学ブルーミントン校のAllen Riddell氏と、米・パデュー大学フォートウェイン校のTroy J. Bassett氏です。

調査では、書誌目録所載の書籍について、Internet Archive、HathiTrust、Google Books、英国図書館のデジタルコレクションでのデジタル化の有無を確認しています。調査の結果、デジタル化の対象資料には偏りが見られること、特に男性が執筆した小説や多巻形式で出版された小説は、他の種類の小説に比べデジタル化資料の利用可能率が高いこと等が判明したとし、前後の数十年や別ジャンルにおいても同様の傾向が見られる可能性を指摘しています。

熊本県立図書館、令和2年7月豪雨により多数の蔵書に水損が発生した芦北町立図書館(熊本県)への図書寄贈を代行して受付

2020年9月4日、熊本県立図書館は、2020年7月に発生した「令和2年7月豪雨」で多数の蔵書に水損が発生した芦北町立図書館(熊本県)について、同館への図書寄贈を代行受付することを発表しました。

芦北町立図書館への図書の寄贈は、熊本県立図書館への郵便・宅配による送付、または熊本県立図書館2階第1閲覧室カウンターへの持参により受付されています。なお、芦北町立図書館への寄贈図書に関して、熊本県立図書館は以下の4点を留意事項として挙げています。

① 汚れや破れ、カビ等がある図書、書き込みやサイドライン、サイン、蔵書印等のある図書、発行後5年以上経過した実用書、辞典等は、寄贈対象として想定していない
② 寄贈図書の取り扱い・受入判断は図書館に一任される。芦北町立図書館で受入されない場合には他の公共施設等で活用される場合がある
③ 郵送・宅配による寄贈の場合、送料は寄贈者の負担となる
④ 芦北町立図書館では特に「絵本類」が不足している

熊本県立図書館はこのお知らせの中で、「令和2年7月豪雨」により芦北町立図書館では、蔵書約2万7,000冊のうち約2万2,000冊に被害が発生していることを伝えています。

【イベント】国立国会図書館(NDL)、令和2年度アジア情報研修を開催(11/26-27・オンライン)

2020年9月3日、国立国会図書館(NDL)は、2020年11月26日・27日に、Web会議システム“Cisco Webex Meetings”を用いたリモート開催形式で「令和2年度アジア情報研修」を開催することを発表しました。

「令和2年度アジア情報研修」は、アジア情報の収集・提供に関するスキル向上を図るとともに、アジア情報関係機関間の連携を深めることを目的として、NDLと独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所の共催により開催されます。テーマは「インドのことを調べよう!~法令・政府情報と統計を中心に~」です。各種図書館、調査・研究・教育機関、中央省庁・地方公共団体の所属者、大学院生等が対象となります。

定員は20人程度(原則、1機関につき1人)で、参加費は無料です。事前の申込が必要であり、受講者は事前課題に回答する必要があります。なお、研修では主に日本語・英語の情報源が扱われます。

主な内容は次のとおりです。科目1及び科目2は実習形式で、実習の成果として受講者各自による調査結果の発表が行われます。

・11月26日
科目1:インドの法令・政府情報を調べる
講師:佐藤久美子、大西啓子(国立国会図書館関西館アジア情報課)

2020年のオープンアクセスウィークのテーマは“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”

2020年8月31日、米・SPARCが、2020年のオープンアクセスウィーク(International Open Access Week)のテーマを“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”と発表しました。

2018年(テーマ“Designing Equitable Foundations for Open Knowledge”)及び2019年(テーマ“Open for Whom? Equity in Open Knowledge”)開催時の議論に基づき、2020年も3年連続で公平性と包摂性に関する行動が急務であることに焦点を当てており、この事業を中心に据え続けることの緊急性を強調しています。

オープンアクセスウィークは毎年10月に、世界各地でオープンアクセスに関連する様々なイベントを開催する取り組みで、今年は10月19日から25日にかけて行われます。

米・ミシガン大学出版局、アジア研究関連の重要書籍100タイトルのコレクションをオープンアクセス(OA)により公開

2020年9月2日、米国のミシガン大学出版局(University of Michigan Press)は、アジア研究関連の重要書籍100タイトルのコレクション“Michigan Asian Studies Open Access Books Collection”をオープンアクセス(OA)により公開したことを発表しました。

独・ビーレフェルト大学図書館の運用するオープンアクセス(OA)学術リソース検索エンジンBASEの検索対象が2億件を突破

ドイツのビーレフェルト大学図書館が運用するオープンアクセス(OA)学術リソース検索エンジンBielefeld Academic Search Engine(BASE)は、2020年8月13日付のブログ記事において、8,000件以上の情報源に由来する2億件以上のリソースが検索対象となったことを発表しました。

同ブログ記事では、2012年以降のBASEの情報源とリソース件数の推移を表した表が示されています。また、Crossrefのプラットフォームを介した出版社由来の文献の索引化が件数増加の主要因となっていることや、OA文献探索のためのブラウザ拡張機能UnpaywallのAPI活用によって以前よりも多くのOA文献を提供できるようになったことなどを紹介しています。

Über 200 Millionen Nachweise in BASE(BASE Weblog,2020/8/13)
https://ekvv.uni-bielefeld.de/blog/base/entry/%C3%BCber_200_millionen_nachweise_in

ゲティ財団、同財団のデジタルコレクションを検索・閲覧できる“Research Collections Viewer”を公開:Linked Open DataやIIIFを採用

2020年9月2日、ゲティ財団(J. Paul Getty Trust)が、同財団のデジタルコレクションを検索・閲覧できる“Research Collections Viewer”の公開を発表しました。同財団の一次資料コレクションや、同一の芸術家に関する作品といった文脈に係る情報を容易に確認できるようにすることを目的としています。画像は国際規格IIIFに準拠しています。

同財団では、1997年以来大規模なデジタル化を進めていますが、デジタル画像とfinding aid(検索手段)は、常に別のシステムとして存在し、リンクを管理することで関連付けていましたが、“Research Collections Viewer”では、finding aidと関連するデジタル資料を結びつけることで、ウェブサイトの利用者が、1つの画面から、アーカイブ資料の構成を保持したまま、資料を見ることができるようになっています。

また、Linked Open Dataを活用して資料を接続させており、“Related Material”の機能を利用することで、アーカイブを直感的に調査し、人・場所・日付等の関係を調べることができます。

塩尻市立図書館(長野県)、「体験!GIGAスクール」展を開催中

長野県の塩尻市立図書館において、2020年8月4日から2020年9月29日にかけて、「体験!GIGAスクール」展が開催されています。

文部科学省のGIGAスクール構想により、同市では、早ければ2020年度中に市内の小中学校に通う児童・生徒用のタブレットと通信環境が整備される計画であることから、授業で使うアプリケーションをいれたタブレットを自由に触れる体験コーナーを用意したものです。あわせて、保護者を対象とした、子どもとスマホ・ゲームの関わり方に関するテーマブックも展示されています。

テーマブックス【児童】体験!GIGAスクール(塩尻市立図書館)
https://www.library-shiojiri.jp/themebooks/theme.html?id=1574

9月 4日

新型コロナウイルス感染症拡大下におけるデータ共有に関する研究データ同盟(RDA)のガイドラインのプレビュー(文献紹介)

2020年8月14日付で、Elsevier社傘下Cell Pressが刊行するデータサイエンス分野の査読付きオープンアクセス(OA)誌“Patterns”に、研究データ同盟(RDA)による新型コロナウイルス感染症感染拡大下におけるデータ共有のガイドライン“RDA COVID-19 Recommendations and Guidelines on Data Sharing”のプレビュー“Data Sharing in a Time of Pandemic”が掲載されています。

同ガイドラインは、RDAの新型コロナウイルス感染症に関するワーキンググループ“RDA COVID-19 Working Group”が作成し、6月30日に公開したものです。

プレビューでは、同ガイドラインについて、構成、推奨事項の基本的要素、患者データに対する倫理的・プライバシー上の配慮の必要性が強調されている事などの概要がまとめられています。

ページ