アーカイブ - 2020年 9月

9月 17日

E2302 - 2019年から2020年の図書館システムの市場動向は?

図書館システムコンサルタントであるブリーディング(Marshall Breeding)氏による2つのレポートが公開されている。1つは氏の運営するウェブサイト“Library Technology Guides”上で2020年3月に公開された“Library Perceptions 2020: Results of the 13th International Survey of Library Automation”,もう1つは米国図書館協会(ALA)の刊行するAmerican Libraries誌2020年5月号掲載の“2020 Library Systems Report : Fresh opportunities amid consolidation”である。ともに継続的に発行されているもので,図書館システムの動向に関するマイルストーンとなっている(E1563ほか参照)。本稿ではこの2つの内容を概観する。

E2300 - 多様性を発揮する図書館運営:ドラァグクイーンの読み聞かせ

2020年1月26日、渋谷区立図書館(東京都)は,渋谷区立笹塚こども図書館(以下「笹塚こども図書館」)において,ドラァグクイーン・ストーリー・アワーを開催した。

E2303 - 図書館構築システム上の利用者データへのリスク評価ガイド

米国の電子図書館連合(DLF)が2020年5月21日に“A Practical Guide to Performing a Library User Data Risk Assessment in Library-Built Systems”を公開した。これは,図書館が構築したシステムが収集する利用者データへのリスクを理解するための定義,収集データのリスク評価に関するガイドである。

E2304 - フランスの図書館ではどのような本が読まれているのか?

2020年6月5日,フランス文化省は2019年版の“ Baromètre des prêts et des acquisitions dans les bibliothèques de lecture publique”を発表した。これは,公共図書館における資料の貸出・購入実績の年次動向調査の報告書であり,2014年に開始された同調査の6回目にあたる。なお,本稿では「公読書のための図書館(les bibliothèques de lecture publique)」を便宜上「公共図書館」と意訳した。「公読書(lecture publique)」とは,市民の読書の機会保障を国や自治体の責務として位置づけるフランス行政独自の概念であり,その主な担い手は公共図書館である。

E2301 - オープンな画像の利活用を開拓するIIIF Curation Platform

IIIF(E1989参照)はライブラリやミュージアムにおける画像配信形式として,ここ数年の間に国際的にも急速に普及が進んだ技術である。画像配信形式をIIIFで共通化できれば,画像の公開や閲覧に必要なソフトウェアを共通化でき,利活用に伴う学習コストも低下することが期待できる。しかしIIIFがもともと画像提供者側の問題意識から提案されたこともあり,現在のIIIF仕様は提供者側のニーズに焦点を合わせており,利用者側のニーズを反映しているとは言えない。このギャップに着目し,IIIF画像の新たな利活用を開拓するのが本稿で紹介するIIIF Curation Platform (ICP)の目標である。

カナダ研究図書館協会(CARL)、カナダ国立図書館・文書館(LAC)との冊子体資料の共同管理に関するプロジェクトの最終報告書を公表:共同管理ネットワーク設立を成功させるための13の提言

2020年9月15日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、カナダ国立図書館・文書館(LAC)との冊子体資料の共同管理に関するプロジェクトの最終報告書“Final Report of the Canadian Collective Print Strategy Working Group”を公表しました。

2018年7月に立ち上げられた、大学・公共・政府の図書館および冊子体の共同管理プログラムを実施している地域コンソーシアムの代表14人からなるCanadian Collective Print Strategy Working Groupが実施した、北米の既存の共同管理事業や国内の保存書庫の調査や、26の参加館による冊子体の政府刊行物を対象とした試験的な重複調査の結果に基づくものです。

同報告書は、カナダの全国規模での冊子体の共同管理ネットワーク設立を成功させるための13の提言を行っており、そのなかでは、プレーリー・太平洋大学図書館協議会(COPPUL)が同ネットワークの管理者となることを求めています。

また、図書館やコンソーシアムとの協議において、そのようなネットワークへの参加への関心や熱意が非常に高いことから、2021年初頭までに運営委員会が設置されることを期待するとしています。

日本図書館協会(JLA)健康情報委員会、世界アルツハイマーデー・世界アルツハイマー月間における図書館の取組事例を募集

2020年9月17日、日本図書館協会(JLA)健康情報委員会が、9月21日の世界アルツハイマーデー、9月の世界アルツハイマー月間における図書館の取組事例を募集すると発表しました。

2019年に続き、厚生労働省認知症施策推進室から、日本認知症官民協議会に参加している各団体に対し、この時期に実施された、普及・啓発イベントに関する情報提供が呼びかけられていることに応じるもので、2020年も、JLAの健康情報委員会と障害者サービス委員会の下に設置されている認知症バリアフリー図書館特別検討チームが、図書館の取組を収集して厚生労働省や日本図書館協会のウェブサイトでお知らせするとしています。

健康情報委員会のウェブぺージに記載されている事例報告提出シートに記入のうえ、同委員会のメールアドレス宛に送るよう求めています。

日本図書館協会 お知らせ
https://www.jla.or.jp/
※2020/09/17欄に「世界アルツハイマーデー、世界アルツハイマー月間の図書館の取組事例募集」とあります。

9月 16日

東京都練馬区、歴史的資料のウェブサイト「練馬わがまち資料館」を開設

2020年9月10日、東京都の練馬区が、同区に関する歴史的資料の専用ウェブサイト「練馬わがまち資料館」を開設しました。

同ウェブサイトでは、デジタル化した区史や2万点の写真等が公開され、95点の写真がオープンデータとして提供されています。発表によると、予算書や決算書、議会史等が今後公開される予定です。

【令和2年9月10日】歴史的資料の専用Webサイト「練馬わがまち資料館」を開設(練馬区)
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/koho/hodo/r2/r209/20200910.html

米国議会図書館(LC)、歴史的な新聞に掲載されている写真の検索ツール“Newspaper Navigator”を公開

2020年9月15日、米国議会図書館(LC)は、歴史的な新聞に掲載されている写真の新たな検索ツール“Newspaper Navigator”を公開したことを発表しました。

検索対象は、“Chronicling America”で公開されている、1789年から1963年にかけての歴史的な新聞に掲載された写真150万枚です。キーワードを入力して画像を検索し、検索結果の中から選んだ画像の関連画像を検索すること等が可能です。

同ツールは機械学習の技術を用いてLC Labsにより開発されたものであり、使用されたコードは全てオープンソースかつパブリックドメインで公開されています。

新型コロナウイルス感染症拡大下の表現の自由(文献紹介)

米国議会図書館(LC)の法律図書館が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における表現の自由に関するレポートを2020年9月付けで公開しました。

報告書では、アルメニア、バングラデシュ、インド、ロシア等の20か国について、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下で行われた、マスメディアの活動を制限する法的行為に関する調査結果がまとめられています。また、フェイクニュースへの各国の法的対応をまとめた地図も掲載されています。

要旨では、フェイクニュースの拡散や、マスメディアとインターネットが提供する情報に対する法規制の見直し等が各国で行われたことが述べられています。その他、調査対象国の多くで、新たな制限措置に対し公衆やジャーナリスト等からの批判があったものの、制限の廃止や変更が行われた国は少なかったこと等に触れています。

【イベント】日本図書館研究会第360回研究例会「国立国会図書館令和元年度図書館及び図書館情報学に関する調査研究「地域の拠点形成を意図した図書館の施設と機能に関する調査研究」について」(9/25・大阪)

2020年9月25日、大阪市立難波市民学習センター(大阪市浪速区)において、日本図書館研究会第360回研究例会「国立国会図書館令和元年度図書館及び図書館情報学に関する調査研究「地域の拠点形成を意図した図書館の施設と機能に関する調査研究」について」が開催されます。

国立国会図書館は、2019年度に「地域の拠点形成を意図した図書館の施設と機能に関する調査研究」を実施しました。同調査研究では、図書館施設に関する文献調査のほか、気仙沼図書館(宮城県)・大和市立図書館(神奈川県)・田原市中央図書館(愛知県)・瀬戸内市民図書館(岡山県)・伊万里市民図書館(佐賀県)を対象館とした事例調査により、各館が地域の拠点としてどのように機能しているかを施設面から分析しており、その概要の報告が行われます。発表者は国立国会図書館関西館図書館協力課の木下雅弘です。

日本図書館研究会の会員以外も参加可能ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、先着順に20人の定員が設けられ、参加を希望する場合には2020年9月23日までに所定のフォームから申し込みする必要があります。

慶應義塾大学三田メディアセンター、第32回慶應義塾図書館貴重書展示会「古代中世 日本人の読書」で『論語』の伝世最古の写本『論語疏』を初公開

慶應義塾大学の2020年9月10日付プレスリリースで、同大学三田メディアセンター(慶應義塾図書館)が、10月7日から13日まで丸善・丸の内本店(東京都千代田区)で開催される第32回慶應義塾図書館貴重書展示会「古代中世 日本人の読書」で、『論語』の伝世最古の写本とされる同館所蔵の『論語疏』を初公開することを発表しました。

プレスリリースによると、同館が公開する『論語疏』は、正式には『論語義疏』と称される中国六朝時代に成立した『論語』の注釈書であり、同大学の研究グループの分析によって、日本国外で写された『論語』の伝世最古写本であることが推定されています。また、古代の藤原氏印が見られ、江戸時代には『好古雑記』に壬生家の所蔵に関する記載が確認できるなど、平安時代以前に日本にもたらされて以降、長く伝来してきたことが紹介されています。同書は幕末以降、所在不明となっていましたが、近年発見され同館が所蔵することになりました。

米国化学会(ACS)、著者の名称表記に関する新方針を発表:著者の求めに応じて発表済文献の表記を更新可能に

2020年9月10日、米国化学会(ACS)の出版部門は、ACSの出版物から発表済の文献について、著者の名称表記の更新を可能とする方針を策定したことを発表しました。

2020年10月の同方針適用後、ジェンダー・婚姻・宗教等の理由を問わず、自身の名前を変更した著者は、ACSの出版物から発表済の文献における名称表記を最新の内容へ更新するように求めることができます。プライバシー保護のため、表記の更新にあたって証明書等を著者に求めることは行われず、発表当時の編集者や共著者へも更新は通知されません。また、名称の変更は私的な領域に属する決定であること等の理由から、当該文献の修正とはみなされないことや、同方針による名称表記の変更は代名詞・敬称等を含む文献内の全ての箇所で適切に反映されることを説明しています。

ACSは、トランスジェンダー研究者コミュニティの求めに応じて同方針を策定しました。今後も旧名称の更新を希望する全ての著者と協力しながら、そのニーズに適応できるように方針の検討を継続し、運用の次の段階として、引用における著者の名称表記の更新に取り組むことを表明しています。

英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)が「国家データ戦略」を発表

英国政府のポータルサイト“GOV.UK”に2020年9月9日付で、デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)による「国家データ戦略(National Data Strategy)」が掲載されています。

英国政府の「国家データ戦略」は、データの利活用に対して国民の信頼を得ながら、世界最先端のデータ経済の構築に向けて英国を牽引することを目的に策定されました。民間・公共の別や組織の大小を問わず、現代経済の原動力となっているデータに関して、英国政府の行動の枠組みを定めたものとして説明されています。

「国家データ戦略」では、データの最適な利活用に関する戦略の中核として、「データの基盤」「データを扱う技術」「データの可用性」「責任あるデータの運用」を定めています。また、これらの戦略の中核と関連する優先行動領域として次の5点を挙げています。

1. 経済全体におけるデータの利活用の価値を明確化する
2. 成長を促すと同時に信頼されるデータの利活用体制を構築する
3. 効率化・公共サービスの改善を目指して政府のデータ利活用のあり方を変革する
4. データを支えるインフラストラクチャーの安全・回復力を保障する
5. 国境を越えたデータの流通を支援する

韓国国立中央図書館(NLK)、データ駆動型の図書館政策実現のため、韓国文化観光研究院と業務協約を締結

2020年9月16日、韓国国立中央図書館(NLK)と韓国文化観光研究院が業務協約の締結を発表しました。

持続可能な図書館データの活用および図書館政策策定の基盤を整備する事を目的としており、図書館に関するデータの共有、図書館データ・統計の改善、データ駆動型の図書館政策の研究、データの活用に関する広報、に関して協力を行ないます。

文化の分野では、データの生産者と分析主体が断絶していたことにより、データが有用に活用されてこなかったとし、データの生産者であるNLKとデータの分析者である韓国文化観光研究院が協力することで、同分野においても、政府のデジタルニューディール政策に沿った、データの収集・流通・活用のサイクルを活性化する模範事例が形成されることが期待されています。

スウェーデン・IKEAミュージアム、過去70年分のIKEAカタログをオンラインで公開

2020年8月11日、スウェーデンの家具メーカーIKEAの歴史を紹介するIKEAミュージアム(所在地はスウェーデンのエルムホルト)が、過去70年分のIKEAカタログをオンラインで公開することを発表していました。

IKEAカタログの歴史をめぐる同ミュージアムでの展覧会“IKEA Catalogue Through the Ages”の開催にあわせたものであり、IKEAミュージアムのウェブサイト上で閲覧可能となっています。同展覧会のキュレーターであるAnna Sandberg Falk氏は、「カタログの歴史はIKEAとデモクラティック・デザインの歴史でもありますが、おそらく最も興味深いのは、この70年の間に私たちの家での生活がどう発展してきたかの歴史でもあることです」と述べています。

オンライン版IKEAカタログに関するFAQによれば、現在はスウェーデン版のカタログのみ利用可能となっており、将来的には他国版のカタログも掲載する予定とあります。

DAISYコンソーシアム、電子書籍フォーマットEPUB3の利点をまとめたホワイトペーパーを公開:企業・政府・大学でのEPUB3の利用を推奨

2020年9月10日、DAISYコンソーシアムは、電子書籍フォーマットEPUB3の利点をまとめたホワイトペーパー“It’s Time to Use the Modern Digital Publishing Format for Your Organization’s Documents:Why You Can Produce Better Publications for Everyone with Born Accessible EPUB 3”を公開しました。

法律や社会的関与の観点から、文書・書籍・企業の出版物は障害者を含めた誰もがアクセスできるようにすべきという認識が広がりつつあること、出版業界ではすでにEPUB3の使用が進んでいることを踏まえた上で、企業・政府・大学におけるEPUB3の使用を推奨する内容となっています。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NC-SA 4.0での公開であり、HTML、EPUB3、Word、タグ付きPDF形式での閲覧が可能です。

9月 15日

株式会社キャリアパワー、第2回「私の図書館(本)」川柳コンテストへの投稿作品を募集中

2020年9月7日から10月10日まで、株式会社キャリアパワーが、第2回「私の図書館(本)」川柳コンテストへの投稿作品を募集しています。

図書館や本にまつわる想いやエピソードについての川柳作品を募集しており、最終選考に残った13句が同社ウェブサイト上で公開され、11月1日から11月30日にかけてオンラインで開催される「第22回図書館総合展」参加者の投票で最優秀・優秀賞が決定されます。

日本国内在住の満20歳以上が応募可能であり、投稿は専用エントリーフォームまたはハガキで受け付けています。

第2回「私の図書館(本)」川柳コンテスト(株式会社キャリアパワー)
https://www.careerpower.co.jp/service/senryu2020/

関連:
第22回図書館総合展(オンライン開催)
https://www.libraryfair.jp/schedule/9540

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