アーカイブ - 2020年 8月

8月 11日

米・コーネル大学図書館、ヒップホップに関する写真のアーカイブ“Ernie Paniccioli Photo Archive”を公開

2020年8月4日、米国のコーネル大学のニュースサイトである“Cornell Chronicle”で、同大学図書館が、写真家のアーニー・パニッチョーリ(Ernie Paniccioli)氏が撮影したヒップホップに関する写真のアーカイブ“Ernie Paniccioli Photo Archive”を公開したと発表されました。

1980年代から2000年代初期にかけてのヒップホップミュージックと文化を記録した約2万枚の写真の画像が提供されています。発表によると、ヒップホップ文化に関する資料を収集した同大学のコレクション“Cornell Hip Hop Collection”で提供されている10万以上のコンテンツのうち、同氏が撮影した写真のデジタル化コンテンツがまとめられたものです。

米国・カナダ・ラテンアメリカの大学図書館におけるハゲタカ出版に対する取り組み(文献紹介)

2020年7月8日付で、図書館情報学分野の査読誌“Aslib Journal of Information Management”にて、研究論文“Investigating academic library responses to predatory publishing in the United States, Canada and Spanish-speaking Latin America”が公開されていました。カナダ・オタワ大学の機関リポジトリで、著者版が公開されています。

論文では、米国、カナダ、スペイン語圏のラテンアメリカの国々の大学図書館におけるハゲタカ出版に対する取り組みについて比較調査が実施されています。Times Higher Education(THE)社の世界大学ランキングで上位に位置している各地域の大学の大学図書館が対象となっています。各大学図書館のウェブサイトを閲覧して、学術コミュニケーション司書の雇用、学術コミュニケーションに関するワークショップの開催、ウェブサイトでの学術コミュニケーションに関する情報の提供の有無について調査しています。さらに、これらのイベントや情報にて、ハゲタカ出版が扱われているか探っています。

新たな研究成果公開のプラットフォームOctopus(記事紹介)

2020年6月23日、Europe Science社が運営するニュースサイトResearch informationに、“Cambridge scientist 'breaks up the old-fashioned academic paper'”と題された記事が公開されていました。

記事では、新たな研究成果公開のプラットフォームであるOctopusについて紹介されています。同プラットフォームは、研究成果の出版のプロセスをProblems、Hypotheses、Methods/Protocols、Data/Results、Analyses、Interpretations、Applications、Reviewsの8個の要素に分解して、それぞれに応じた研究成果を公開することができます。Octopusは英・ケンブリッジ大学のAlex Freeman氏によって取り組まれており、英・Jisc等が助成するReproducibility Networkによって支援されています。

このようなモデルを採用したプラットフォームの利点として、下記が挙げられています。

神奈川工科大学附属図書館、同館の高画質画像(5G対応)3Dビュー・VRマップを公開

2020年8月7日、神奈川工科大学附属図書館(神奈川県厚木市)は、同館の高画質画像(5G対応)3Dビュー・VRマップを作成したことを発表しました。

「神奈川工科大学附属図書館3Dビュー・VRマップ」の作成には、新型コロナウイルスの影響で休館・休園中の施設をボランティア活動で支援する一般社団法人VR革新機構が同館に協力しました。VR映像としての鑑賞には、専用ゴーグルもしくはメガネが必要ですが、3Dビュー映像はPCやスマートフォンで利用することができます。マップには、館内を周遊する目線で鑑賞できる「3DSpaceの探索」、同館を俯瞰する「ドールハウスの表示」、図書館のフロアを真上から見下ろす「フロアプランの表示」、鑑賞したい任意のフロアを選択できる「フロアセレクター」、館内の任意の場所2点の距離を測定する「測定モード」の5機能が用意されており、2020年12月末まで公開される予定です。

【全体】神奈川工科大学附属図書館 3Dビュー・VRマップ(神奈川工科大学附属図書館,2020/8/7)
http://kaitosho.hatenablog.jp/entry/2020/08/07/175005

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、Hindawi社との共同出版契約により2021年1月刊行号から5誌の編集・制作を同社に移管して完全オープンアクセス(OA)化

2020年8月6日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、オープンアクセス(OA)に向けた継続事業の一環として、OA出版を手掛けるHindawi社と刊行中の5誌に関する共同出版契約を締結したことを発表しました。

両者が締結した契約により、CUPが刊行する“Global Health, Epidemiology and Genomics”、“Genetics Research”、“Journal of Smoking Cessation”、“Wireless Power Transfer”、“Laser and Particle Beams”の5誌について、2021年1月刊行号からHindawi社が同社のオープンソースの出版プラットフォーム“Phenom”により編集・制作を担います。また、5誌全てが2021年1月以降完全OA化します。

熊本市立図書館、新型コロナウイルス感染症の影響で同市に長期間帰省中の大学生等に対して住民票不要で図書館カードを発行

2020年8月6日、熊本市立図書館は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、在籍大学がオンライン授業になったこと等によって、熊本市へ長期間帰省中の大学生等を対象に図書館カードを発行していることを発表しました。

同館ウェブサイトからダウンロードした「居住証明書」に必要事項を記入し、申請者の住所・氏名・大学名のわかる書類と証明者の住所・氏名が分かる書類とともに窓口へ提出することで、熊本市に住民票がなくても同館の図書館カードを作成することができます。

米・カリフォルニア電子図書館、全国的なアーカイブ資料の検索支援ネットワーク基盤の構築に向けた2年間の研究・実証プロジェクトを開始

2020年7月28日、米・カリフォルニア電子図書館(CDL)は、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)による98万2,175ドルの助成を活用して、全国的なアーカイブ資料の検索支援ネットワーク基盤の構築に向けた2年間の研究・実証プロジェクト“Building a National Finding Aid Network”を開始することを発表しました。

同プロジェクトには、各州・地域のアグリゲーター及び米国の図書館等のネットワークLYRASISとの緊密なパートナーシップの下で、CDLとOCLC・バージニア大学図書館が共同で取り組みます。インフラストラクチャーの老朽化や予算の減少等に伴い、情報検索環境下で米国内のアーカイブ資料の可視性が不十分な状況となっていることを背景に、コミュニティが主体的に関与して全ての関係者が利用可能なアーカイブ資料の検索支援ネットワークを構築し、包括的で持続可能なアクセスを提供することがプロジェクトの目的である、と説明されています。

福井県立図書館、開館70周年記念企画「ライブラリーステイ -図書館に泊まって災害を学ぶ-」を開催

福井県立図書館が、2020年10月3日から10月4日にかけて、同館および福井県ふるさと文学館・福井県文書館において、開館70周年記念企画「ライブラリーステイ -図書館に泊まって災害を学ぶ-」を開催します。

新型コロナウイルス感染症の拡大や、各地での豪雨災害の発生により、常に災害に備える意識を持ち、準備をしておくことが必要になっていることから「災害」をテーマに、図書館・文書館・文学館3館の資料や機能を活用した宿泊体験を行なうことで、防災について学ぶ企画です。

対象は、小学5年生から中学生で、新型コロナウイルス感染防止対策を講じたうえで、館内ツアー(避難体験)、災害を題材にした福井の文学作品紹介、講座「アマビエとは何者?」、災害時の対処法講座、段ボールベッドで宿泊(避難所体験)、本の調べ方講座、秋の夜長の読書タイム、ビブリオバトル等が行われます。

定員は10人で参加には事前の申し込みが必要です。応募者多数の場合は書類選考により受講者を決定されます。参加費として保険料300円程度必要です。食費(夕食・朝食)や、夜具は主催者が負担します。

令和2年7月豪雨による浸水被害をうけた芦北町立図書館(熊本県)、臨時図書館を開館:熊本県立図書館が支援

2020年8月6日、熊本県の芦北町は、令和2年7月豪雨による浸水被害をうけた芦北町立図書館の臨時図書館を8月8日に開館すると発表しています。

熊本県立図書館の支援を受けてのもので、芦北町地域活性化センター内の田浦図書室に設置されます。利用には県立図書館の利用カードの作成が必要です。開館期間は12月27日までが予定されています。

報道によると、夏休みに入る町内の小中学生に読んでもらうため、県立図書館から運び込んだ約3,000冊のうちの6割は絵本など子ども向けの図書となっているほか、県立図書館では、新町立図書館の開館に向けての図書購入費の寄付や新古書の寄贈などを募っているとのことです。

図書館からのお知らせ(芦北町,2020/8/6)
http://www.ashikita-t.kumamoto-sgn.jp/www/contents/1596757424263/index.html

8月 7日

図書館の本を読んで球場に:台湾の公共図書館がプロ野球チームと協力して読書キャンペーンを開催

2020年8月8日から9月30日までの期間、台湾の公共図書館30館において、「2020閲読全塁打」(2020読書ホームラン)というイベントが開催されます。

国立公共資訊図書館、中国信託銀行、台湾のプロ野球チーム中信兄弟の主催による台湾全土の利用者を対象としたイベントであり、以下の条件を満たせば、中信兄弟のホームグラウンドで平日に開催される試合の内野チケット引換券を貰えます。なお、引換券は一人一枚限りであり、数には上限があります。

・開催館からイベントのパンフレットを貰う
・開催館内または国立公共資訊図書館の電子書籍プラットフォームから3冊以上の書籍を借りる
・借りた書籍を読んで、本文から良いと思うフレーズを抜き出してパンフレットに書く

また、以下の条件を満たせば抽選に参加でき、当選すれば、中信兄弟の「一日VIP」として貴賓室又はファミリー席での観戦体験ができます。

・イベントのFacebookページで「いいね」を押す
・イベントで得た引換券で試合を観戦する
・引換券を持った写真を撮影し、イベントに参加した感想とあわせてイベントのFacebookページにアップロードする

中国国家図書館(NLC)、5Gの技術に基づく新たな読書を体験できるセンターを構築中(記事紹介)

2020年8月6日付けの中国・新華網の記事で、中国国家図書館(NLC)が、第5世代移動通信システム(5G)の技術に基づく新たな読書を体験できるセンターを構築中であることが報じられています。2020年末までに完成予定の新たなセンターでは、オンラインのプラットフォームを通じて図書館の中を散策したり、本をめくったりする体験ができるとしています。

また、NLCは8月6日に、5Gの技術等に基づく新たな読書モデル構築を協力して進めるため、出版物の輸出入事業等を行う中国の国有企業である中国図書進出口(集団)総公司と戦略協定を締結しました。

New 5G-based reading available at national library(新華網, 2020/8/6)
http://www.xinhuanet.com/english/2020-08/06/c_139270461.htm

KDDI株式会社、「KDDIバーチャルミュージアム」を公開:日本の国際通信の歴史に関する展示が3DビューやVR映像で鑑賞可能

2020年8月6日、KDDI株式会社は、「KDDIバーチャルミュージアム」を同日から公開することを発表しました。

同社は日本の国際通信の歴史に関する企業ミュージアム「KDDI MUSEUM」を2020年6月1日から開館予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために開館を見合わせています。そのため、展示内容を自宅から楽しめるよう、同館のバーチャルコンテンツとして「KDDIバーチャルミュージアム」を公開しました。

館内全体を高画質3D静止画で撮影しており、3Dビュー及びVR映像による鑑賞が可能です。なお、VR映像の鑑賞には専用のVRゴーグルや眼鏡が必要です。

通信150年の歴史に触れ、未来を感じる「KDDI MUSEUM」 バーチャルコンテンツを公開(KDDI株式会社, 2020/8/6)
https://news.kddi.com/kddi/corporate/topic/2020/08/06/4600.html

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、リポジトリ内のリソースを対象とした査読サービスのための標準手法を示したモデル案を公開:パブリックコメントを実施中

2020年8月3日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、リポジトリ内のリソースを対象とした査読サービスのための標準手法を示したモデル案の公開を発表しました。8月4日から9月11日までパブリックコメントを実施しています。

COARは2020年1月、フランス・パリで開催した会議において、リポジトリとオーバーレイ査読サービスとを接続する共通アプローチの可能性を調査しました。参加者からは多くの異なるユースケースが提示されたものの、ワークフロー、機能性、目的という点で大きな類似があり、共通アプローチが開発可能であることが明らかになったとしています。

今回公開されたモデルは、COARの次世代リポジトリイニシアチブによる作業の成果であり、2020年1月の会議で提示されたユースケースを参考にしています。

【イベント】日本学術会議主催学術フォーラム「学術振興に寄与する研究評価を目指して」(8/29・オンライン)

2020年8月29日、日本学術会議の主催により、学術フォーラム「学術振興に寄与する研究評価を目指して」がオンライン上で開催されます。

同フォーラムは、研究評価が大学・研究機関の評価及び予算配分の決定へ反映され、個人の勤務評価に直結させる方向が顕著となった、近年の新しい動向を背景に、学術の振興に寄与する研究評価のあり方を議論する目的で開催されます。フォーラム内の議論では、国際比較と若手研究者支援の視点を盛り込むとともに、研究評価について評価機構・マスメディア・リサーチアドミニストレーター(URA)の立場からの意見も取り入れて検討が行われる予定です。また、同会議の科学者委員会研究評価分科会が準備中の研究評価に関する提言は、同フォーラムにおける意見交換と成果を反映して作成する予定であることを発表しています。

参加費は無料で、参加資格に制限はありませんが、参加するためには事前に専用のフォームから申し込みする必要があります。主なプログラムは以下のとおりです。

イスラエル国立図書館、2020年8月17日から図書館サービスを停止:新型コロナウイルス感染症の影響による予算の大幅削減のため・約300人の職員は無給休暇により待機

2020年8月5日、イスラエル国立図書館はTwitterアカウントの投稿において、8月17日から同館の図書館サービスが停止することを発表しました。

新型コロナウイルス感染症の影響によるイスラエル政府の財政赤字のため図書館予算が大幅に削減されるなど、収入・寄付金の劇的な減少によりサービス停止の決定を余儀なくされた、としています。サービスの停止中、同館の約300人の職員は無給休暇により待機します。

ユダヤ系コミュニティ向けのニュースを提供する国際通信社“Jewish Telegraphic Agency (JTA)”の報道によると、同館のサービスの停止中、図書の貸出は行えず、閲覧室は閉鎖されます。感染症拡大中に継続して実施されていたオンラインイベントも中止となります。また、イスラエルでは新型コロナウイルス感染症拡大に伴う財政危機の中、各省庁へは2019年度予算の約9割が配分される予定であるものの、同館に対しては同様の決定がなされなかったことや、同館の代表者がイスラエルの教育・財務大臣に対して、図書館を支援し予算を配分するように求めていることなどを報じています。

ドイツ医学中央図書館(ZB MED)、新型コロナウイルス感染症に関するプレプリントの情報検索を容易にするテキストマイニング技術を活用したビューアを開発

2020年7月22日、ドイツ医学中央図書館(ZB MED)は、新型コロナウイルス感染症に関するプレプリントの情報検索を容易にするテキストマイニング技術を活用したビューアを開発したことを発表しました。

新型コロナウイルス感染症に関する研究の多くは、プレプリントとして迅速な公開・共有が進んでいます。ZB MEDは急増するプレプリントによる新型コロナウイルス感染症関連研究の概要を容易に検索・把握可能なツールとして、テキストマイニング技術を活用したビューアを開発しました。

ビューアは、bioRxiv、medRxiv、ChemRxiv、arXiv、及びPreprint.org等のプレプリントサービスを情報源として毎日更新され、詳細検索・フィルター適用・フルテキストへのリンク提供・検索結果のエクスポートなどの機能を備えています。また、検索機能向上のため、標準的な疾患・症状に関する語彙は検索結果上で強調して表示されます。今後も機能拡張としてリソースとなるプレプリントサービスの追加等が計画されています。

米国化学会(ACS)、研究者等にオープンサイエンスやオープンアクセス出版に関する情報を提供する「オープンサイエンスリソースセンター」をウェブサイト上に開設

2020年7月16日、米国化学会(ACS)は、ACSの出版部門による「オープンサイエンスリソースセンター」の開設を発表しました。

「オープンサイエンスリソースセンター」は、ACSの出版部門がオープンサイエンスやオープンアクセス(OA)に対する関与を深化し、研究者がこれらの動向へ積極的に関わることを支援する目的で立ち上げられました。ウェブサイト上に開設された同センターでは、研究者・図書館員等向けに、オープンサイエンス・OA出版に関する情報、研究助成元の求める要件に準拠する方法の案内、ACSと学術機関の“Read and Publish”契約の締結状況の検索、などが提供されます。

ACSは同センターの提供するこれらのツールは、広範な研究者コミュニティに対してOA出版の機能を効果的に伝えることで、オープンサイエンスへの転換を加速させるものである、としています。

日野市立図書館(東京都)、新型コロナウイルス感染拡大防止のための長期休館後に利用者の「本や読書」または「図書館」への思いを調査した結果を公表

東京都の日野市立図書館が、6月13日から30日にかけて実施した読書調査の調査報告を同館ウェブサイトに掲載しています。現在、「読書調査報告(1)」が掲載されており、「しばらく連載します」と説明されています。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、同館は4月9日から6月1日まで臨時休館し、その間、市民からは様々な声が寄せられたことから、市民にとっての「本や読書」または「図書館」への思いを聞くまたとない機会と捉え、図書館およびウェブサイトにおいて調査が実施されました。

ウェブサイトで326件、図書館にて約1,900件(7/16現在回収継続中)の回答が寄せられ、現在、集計作業が進められています。

「お知らせ」の記事一覧(日野市立図書館)
https://www.lib.city.hino.lg.jp/news/announce/index.html
※2020年07月30日欄に「読書調査にご協力ありがとうございました 読書調査報告(1)・・・しばらく連載します」とあります。

米国アーキビスト協会(SAA)、「アーキビストの中核的価値」「アーキビストの倫理綱領」を改訂

2020年8月6日、米国アーキビスト協会(SAA)は、8月3日にオンラインで開催された評議会において、倫理・専門家行動委員会(Committee on Ethics and Professional Conduct)が提案した「アーキビストの中核的価値(Core Values of Archivists)」「アーキビストの倫理綱領(Code of Ethics for Archivists)」の改訂が承認されたと発表しています。

2018年の意見聴取期間に寄せられた会員からの意見を反映させたものです。今後も、定期的に会員の意見を聴取し見直していくとしています。

ページ