アーカイブ - 2020年 7月 9日

米国連邦議会に図書館安定化基金法案が提出される:20億ドルの基金による図書館支援を意図

American Libraries誌の2020年7月8日付けの記事で、2020年7月2日に米国連邦議会の上院・下院において図書館安定化基金法(Library Stabilization Fund Act)の法案が提出されたことが紹介されています。

同法案は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて財政的苦境にある図書館の運営支援やサービスの強化を目的としており、成立した場合は、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)の管理下に20億ドルの基金が設立されます。

IMLSを通じ提供される基金の想定用途として、以下が示されています。

・17億ドルを各州の人口に基づき分配し、各州の図書館行政機関を通じて地域の図書館に配布。各州には最低1,000万ドルを分配。
・部族図書館(Tribal Libraries)への補助金として4,500万ドル。
・新型コロナウイルス感染症の影響を受けたコミュニティに対し、図書館サービスを強化するための競争的助成金として2億ドル。
・助成金管理と、新型コロナウイルス感染症の影響に関連する研究及びデータ収集のためにIMLSに4,000万ドル。

米国図書館協会(ALA)の新たな部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が2020年9月1日に発足:既存の3部会を統合

2020年7月1日、米国図書館協会(ALA)は、6月23日及び27日の評議会での投票において、新たな部会として“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が承認されたことを発表しました。

同部会は、ALAの図書館・情報技術部会(LITA)、図書館コレクション・技術サービス部会(ALCTS)、図書館リーダーシップ・経営部会(LLAMA)を統合して2020年9月1日に発足します。

同部会ウェブサイト上の記載によれば、同部会の使命は「コミュニティの構築、アドヴォカシー、学習を通じて、中核的機能における図書館員の蓄積された専門知識を涵養し、増幅させること」とあります。

株式会社メディアドゥ、株式会社光和コンピューターと共同して中小規模出版社向けに電子書籍の売上と印税および紙書籍の印税の統合管理が可能なシステムの開発を開始

2020年7月8日、株式会社メディアドゥは、株式会社光和コンピューターと共同で、電子書籍の売上と印税および紙書籍の印税を統合的に管理可能なシステムの開発を開始することを発表しました。

同社は、開発中のシステムは印税管理の膨大化という出版業界の課題を解決し、ブラウザベースのクラウドサービスとして提供するため、中小規模出版社でも安価で容易に導入可能である、としています。また、経済産業省の令和2年度「コンテンツグローバル需要創出等促進事業費補助金(J-LOD)」の「コンテンツのサプライチェーンの生産性向上に資するシステム開発を行う事業の支援」対象に採択されており、この支援によって中小規模出版社の事務作業効率化とコスト削減に貢献することも併せて表明しています。

メディアドゥ、光和コンピューターと共同で中・小規模出版社向けに電子書籍売上管理、及び紙・電子の統合印税管理システム開発へ(メディアドゥ,2020/7/8)
https://mediado.jp/service/3022/

スイスの学術出版物アーカイブSONAR、国内の中小規模の高等教育機関を想定した機関リポジトリサービスを近日中に提供開始

2020年7月3日、スイスの学術出版物アーカイブSONAR(Swiss Open Access Repository)は、国内の中小規模の高等教育機関を想定した機関リポジトリサービスの提供をまもなく実施することを発表しました。

SONARは、スイスの公的研究機関所属の研究者による出版物の収集・促進・保存を目的として、西部スイス図書館ネットワーク“RERO”等のコンソーシアムによって運営されるプロジェクトです。スイス国内の機関リポジトリ・分野リポジトリのコンテンツやメタデータを集約するアグリゲータとしての機能と、集約したコンテンツを国内の機関リポジトリやGoogle Scholarをはじめとした学術文献検索エンジン等に発信する機能を担っています。

SONARが初めて提供する機関向けの機関リポジトリ提供サービスは、REROを中心に構築が進められています。複数機関で共有して使用し、共通の検索インタフェースや登録ポリシー等を備えた“Shared portal”と機関独自にカスタマイズされたポリシー等の設定が可能な“Dedicated portal”の2種類のサービスの準備が進められています。“Shared portal”は2020年7月中に、“Dedicated portal”は2020年後半に提供される予定です。

欧州委員会(EC)、2016年に成立した公共機関ウェブサイト等のアクセシビリティ向上に関する指令の実施状況を調査した最終報告書を公開

2020年6月30日、欧州委員会(EC)は、欧州連合(EU)域内における公共機関のウェブサイト・モバイルアプリケーションのアクセシビリティ向上に関する指令について、その実施状況を調査した最終報告書を公開したことを発表しました。

同指令は、公共機関のウェブサイト・モバイルアプリケーションを障害者にとってよりアクセシブルなものとすることによる関連サービスの発展等を目的に定められたもので、2016年12月に発効しました。調査は外部コンサルタントにより、同指令に基づいた欧州委員会のアクセシビリティ向上のための取り組みを支援するものとして行われています。

公開された報告書では、指令で定められたアクセシビリティに関する要件に対する公的機関の遵守状況をモニタリングするための統一された手法、モニタリングの結果を欧州委員会へ報告するためのルール、指令実施による効果を測定するための基準となる指標などについての提言が行われています。また、公共機関のウェブサイト・モバイルアプリケーションのアクセシビリティ、指令が公共機関のオンラインコンテンツの利用可能性へ与える影響、ウェブアクセシビリティ関連市場に与える同指令の影響力等の指標を含んだ、効果や遵守状況測定のためのフレームワークが提案されています。

山口県立山口図書館、ふるさと山口文学ギャラリー企画展「ふるさとの文学者たちと東京」を開催中

山口県立山口図書館が、2020年6月27日から8月27日まで、同館2階のふるさと山口文学ギャラリーで、ふるさと山口文学ギャラリー企画展「ふるさとの文学者たちと東京」を開催しています。

同企画展は、少年期を山口で過ごした文学者の国木田独歩と、山口県生まれの文学者の中原中也の2人を採りあげ、東京での生活や関連作品等について、同館所蔵資料の中から紹介する内容の展示です。また、国木田独歩自筆の書簡1点の展示も行われています。

ふるさと山口文学ギャラリー企画展「ふるさとの文学者たちと東京」(山口県立山口図書館,2020/7/8)
http://library.pref.yamaguchi.lg.jp/furusato_gallery/kikaku/202007

参考:
山口県立山口図書館、資料展示「明治・大正の図書館」を開催中
Posted 2018年10月4日
https://current.ndl.go.jp/node/36774

『カレントアウェアネス-E』394号を発行

E2279 - オーストラリアの公共図書館は電子書籍をどう選んでいるか

2020年3月,オーストラリア・メルボルン大学の准教授ギブリン(Rebecca Giblin)氏らにより,調査報告書“Driven By Demand: Public Library Perspectives on the Elending Market”が公開された。本稿では,この報告書の内容を紹介する。

E2277 - 文化庁長官裁定制度による明治期地方紙のインターネット公開

●はじめに 2020年4月10日,福井県文書館では明治15年から明治24年(1882年から1891年)の地方紙約1,800日分について,約7,200件の画像データのインターネット公開を開始した。地方紙は当該地方の近代史研究にとって高い有用性を持つため,世界各国の図書館等で画像のインターネット公開が進んでいるが(CA1577,CA1750参照),日本ではこうした取組みはほとんど見られない。

E2275 - あっちこっち れはっち!:ウィキペディアタウンに連れてって

●はじめに 2019年11月9日,および,12月7日の2日間にわたって,国立国会図書館関西館にてデジタル素材を用いたアイディア出し(アイデアソン)とプロトタイプ検証の場(ハッカソン)が設けられた。これは一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会等が主催するコンテスト「アーバンデータチャレンジ2019」の中の1つのイベント(E2235参照)として行われたものである。本稿では筆者がちーむれはっちのメンバーとして参加し,2020年3月14日の最終審査会において,日本全国で実施されたイベントの中で国立国会図書館賞として選出された「あっちこっち れはっち!」プロジェクトについて紹介する。

E2276 - 新しい公共空間を考える:オンラインフォーラムの試行と展望

県立長野図書館は2015年から5年間にわたって取り組んできた改革事業(CA1916参照)の集大成として,共知・共創をコンセプトとした「信州・学び創造ラボ」(以下「ラボ」;E2164参照)の設計と運営に乗り出した。さらに,2020年4月25日にはラボのオープン一周年記念事業として,これからの図書館や公共空間とは何かをあらためて問い直すオンラインフォーラム「こっそりごっそりとしょかんをかえよう-公共空間としての図書館をデザインする-」を企画した。これまで当館のフォーラムやワークショップに関わってきた人々(三浦丈典氏,李明喜氏,瀧内貫氏)と,前館長の平賀研也氏による対談イベントである。

E2278 - Europeanaの2020年から2025年の戦略:デジタル変革に力を

2020年3月20日,欧州文化遺産プラットフォームEuropeanaの2020年から2025年にかけての戦略“Europeana strategy 2020-2025: Empowering digital change”が発表された。この戦略では,前5年の戦略(E1620参照)でも示されていたような,文化によって経済的・社会的に発展した欧州が未来像として描かれ,その実現のために,欧州の文化遺産セクターのデジタル変革に対する支援を行うことに焦点が当てられている。ミッションとしては,デジタル変革のための専門知識やツールの開発・改善,方針の立案,イノベーションを促進する連携関係の推進を行い,教育,研究,創作,レクリエーションにおける文化遺産の利用を容易にし,オープンで知識に富み,創造的な社会に寄与することを掲げている。

米国議会図書館(LC)、LC Labsにおいて、既存のテキスト化ツールを用いた、米国民俗センター所蔵の録音資料のテキスト同時自動生成に関する概念実証を開始

2020年7月8日、米国議会図書館(LC)が、LC Labsにおいて、既存のテキスト化ツールを用いた、同館米国民俗センター(AFC)所蔵のオンライン公開された録音資料のテキスト同時自動生成に関する概念実証“Speech to Text Viewer”を開始すると発表しました。

録音資料からテキストの同時自動生成の可能性を実験するもので、既存のツールの精度をテストするために、幅広い範囲の方言や時期の資料が対象として選ばれています。

LC Labs Letter: June 2020(LC The Signal,2020/7/8)
https://blogs.loc.gov/thesignal/2020/07/lc-labs-letter-june-2020/

韓国国立中央図書館(NLK)、公共図書館資料管理システムKOLASⅢのソースコードを公開

2020年7月8日、韓国国立中央図書館(NLK)は、公共図書館資料管理システムKOLASⅢのソースコードを公開しました。サービスの改善や急速に変化する外部環境に対して各館が能動的に対応できるようにすることが目的で、誰でも自由に利用・複製・修正・再配布することが可能です。

KOLASⅢは、1992年に公共図書館における資料管理の先進化のために開発され、継続的に機能改善されてきた、図書館の標準的な業務体系に準拠したシステムで、現在までに約1,900館で導入されています。

公開されたソースコードの著作権および知的財産権は同館にあり、公開されたソースコードを用いて作成した場合には、General Public License3.0が適用されます。

宮崎歴史資料ネットワーク、被災資料の救出等に関して要請があれば支援活動を行えるよう準備している旨発表

2020年7月7日、宮崎歴史資料ネットワークが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、他の被災県に直接赴いて支援する事は難しい状況にあるものの、被災資料の救出等に関して他の団体・個人から要請があれば直接間接に支援活動を行えるように準備している旨発表しています。必要な物資等も手配できるようにしているとしています。

また、同県は他地域と比較して被った損害は現状では限られているとしています。

宮崎歴史資料ネットワーク(Facebook,2020/7/7)
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=164749498429582&id=111102067127659