アーカイブ - 2020年 7月 30日

台湾・故宮博物院、同院のオープンデータを用いたオンライン展示のコンテスト開催を発表

台湾の故宮博物院による2020年7月27日付けのお知らせにおいて、同院のオープンデータを用いたオンライン展示のコンテスト開催のため、2020年8月20日まで作品を台湾内から募集中であることが紹介されています。

応募者は3分間のショートフィルムを作成し、文章により展示のコンセプトを説明する必要があります。入賞作品には賞金が用意されており、最高賞である金賞受賞者には30万ニュー台湾ドルと賞状が授与されます。また、優れた展示の企画者には、故宮博物院での展示企画に携わる機会も設けるとしています。

自己的展覽自己策!故宮「線上策展人計畫」熱烈徵件中!(故宮博物院, 2020/7/27)
https://www.npm.gov.tw/Article.aspx?sNo=04011403

参考:
台湾・故宮博物院、収蔵品の画像データ7万点以上をオープンデータで公開
Posted 2017年8月15日
https://current.ndl.go.jp/node/34513

国際STM出版社協会、査読における用語や定義の標準化を行う “A Standard Taxonomy for Peer Review”のバージョン1.0を公開

非営利団体Center for Open Science(COS)の研究プロジェクト管理システム“Open Science Framework”(OSF)上に、2020年7月12日付けで“A Standard Taxonomy for Peer Review”のバージョン1.0が公開されています。

国際STM出版社協会の“Peer Review Taxonomy”についてのワーキンググループが作成したものであり、査読における用語や定義の標準化を行っています。同タクソノミーを広く出版社間で用いることにより、論文・ジャーナルの査読プロセス透明化、異なるジャーナル間の査読プロセスのより良い検証・比較を可能にすることを目指しています。

バージョン1.0に対し、2020年8月14日までコメントを募集しています。

A Standard Taxonomy for Peer Review Version 1.0(OSF)
https://osf.io/68rnz/

オランダデジタル遺産ネットワークとOpen Preservation Foundation(OPF)、デジタル保存のツールをテストできる仮想研究環境を開発中

2020年7月21日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、オランダデジタル遺産ネットワーク(The Dutch Digital Heritage Network:DDHN)との協力を通じ、オープンソースのデジタル保存ツールをテストできる仮想研究環境(VRE)を開発中であることを発表しました。

広く使用されているデジタル保存ツールを、個別にインストールすることなく実行できるVREを開発することにより、国際コミュニティにおけるデジタル保存ツール利用へのニーズの高まりに応えることを目的としています。現在のバージョンでは、Apache Tika、DROID、 JHOVE、veraPDFといったデジタル保存ツールを含んでおり、開発チームがプロトタイプのテストを行っている段階とあります。

京都大学図書館機構オープンアクセス推進プロジェクトチーム、「京都大学図書館機構オープンアクセス推進事業」の取り組みにより「令和2年度国立大学図書館協会賞」を受賞

2020年7月27日、京都大学図書館機構は、「京都大学図書館機構オープンアクセス推進事業」の取り組みにより、同機構のオープンアクセス推進プロジェクトチームが「令和2年度国立大学図書館協会賞」(受賞区分:図書館活動における功績)を受賞したことを発表しました。

同機構では、機関リポジトリによる研究成果のオープン化とデジタルアーカイブによる所蔵資料のオープン化の両面から、オープンアクセス・オープンサイエンスに対する取り組みを推進してきました。今回の受賞に際し高く評価された点として、京都大学におけるオープンアクセス推進基盤構築への多大な貢献、プロジェクト型課題遂行による人材育成効果、成果公表を通じた全国の図書館活動への波及効果を挙げています。

【図書館機構】オープンアクセス推進プロジェクトチームが「令和2年度国立大学図書館協会賞」を受賞しました。(京都大学図書館機構, 2020/7/27)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1386563

国立アイヌ民族博物館、収蔵図書OPACを公開

2020年7月22日、国立アイヌ民族博物館は、収蔵図書OPACの公開を発表しました。

同館は、北海道白老町にあるアイヌ文化の復興・発展のナショナルセンター「ウポポイ(民族共生象徴空間)」内に所在し、ウポポイ開業と同日の2020年7月12日に開館しました。

同館のライブラリは、アイヌ文化や歴史を取り上げた書籍を中心に、専門的な学術書、世界の先住民族についての本、絵本や写真集、図鑑など、幅広い世代に向けた資料を収蔵しており、収蔵図書OPACにより検索が可能です。資料はライブラリ内での閲覧が可能(貸出は不可)ですが、2020年7月30日時点では新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため閉室しています。

ジャパンサーチ(試験版)、一般社団法人全国美術館会議をつなぎ役として「愛知県美術館コレクション」「東京富士美術館収蔵品データベース」と連携

2020年7月28日、ジャパンサーチ(試験版)は、一般社団法人全国美術館会議をつなぎ役として「愛知県美術館コレクション」「東京富士美術館収蔵品データベース」と連携したことを発表しました。

一般社団法人全国美術館会議は、ジャパンサーチに対し所蔵作品データを提供する美術館を全国的に取りまとめる役(「つなぎ役」)を担っており、同法人の正会員である美術館は同法人を通じてジャパンサーチに連携できるようになっています。

東京富士美術館も、2020年7月29日付けで連携に関するお知らせを発表しており、国立を除く美術館としてはじめて、同館と愛知県美術館の2館がジャパンサーチに参加することを報告しています。

また同館は、ジャパンサーチとの連携にあたり、同館ウェブサイトに掲載している所蔵作品画像について、今後、誰でも自由に利用できるパブリックドメインとしての運用を新たに開始することとした、と発表しています。

ジャパンサーチ正式版の公開日が2020年8月25日に決定

2020年7月27日、内閣府知的財産戦略推進事務局は、国の分野横断型の統合ポータルであるジャパンサーチについて、2020年8月25日から正式版を公開し、本格運用を開始することを発表しました。

ジャパンサーチは、2019年2月27日から試験版が公開されていました。正式版の公開後も、機能改善及び拡充を実施しつつ、デジタルアーカイブの構築・共有と利活用を促進するための環境づくりを推進するとしています。

ジャパンサーチ正式版の公開日について(知的財産戦略本部, 2020/7/27)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/jpsearch.html

参考:
E2176 - 国の分野横断統合ポータル ジャパンサーチ試験版公開後の動向
カレントアウェアネス-E No.376 2019.09.19
https://current.ndl.go.jp/e2176

カナダ研究図書館協会(CARL)、研究図書館によるオープンスカラシップへの支出状況に関する調査の報告書を公開

2020年7月22日、カナダ研究図書館協会(CARL)が、研究図書館によるオープンスカラシップの基盤やサービス等への支出状況に関する調査の報告書の公開を発表しました。

同調査は、CARLの参加館29館を対象に、2019年4月から10月にかけて実施され、28館から回答が寄せられました。対象となったのは、2018年度から2019年度のデータです。

報告書によると、各館におけるオープンスカラシップ関連の支出の総額は平均約82万7,000カナダドルであり、図書館における予算のうち、平均すると3.09%が充てられています。

また、報告書ではオープンスカラシップに関する支出を給与、論文処理費用(APC)、リポジトリ等に分類しています。その中で、最も支出割合が大きいのは職員の給与であり、平均すると74%を占めています。次に割合が大きいのはオープンアクセス(OA)出版社との契約やAPCをはじめとした出版に関する費用であり、平均すると14%を占めています。

その他、持続的な支援を行うためのシステムやフレームワークの作成が必要であること、複数の機関で協力しての活動や出資が有効であること等が述べられています。

広島県立図書館、中学生・高校生を主な対象とした電子図書館サービス「With Booksひろしま」を開始

2020年7月28日、広島県立図書館が、中学生・高校生を主な対象とした電子図書館サービス「With Booksひろしま」を開始することを発表しました。

同サービスは、利用者各自の端末でインターネットを通じて電子書籍を読めるものです。発表によると、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた、「うちで読もうよ」~ Stay Home! Read Books! ~プロジェクトの一環であり、7月29日から開始しています。

主な対象者は中学生・高校生といった青少年ですが、県内に在住または在学・在勤し、スマートフォン・パソコン・タブレット端末を使用できる環境がある人が利用可能です。貸出料金は無料(通信費は自己負担)であり、1度に2点まで、14日間借りることができます。

同館の利用カード、または広島県電子申請システムによる同館電子図書館サービスの利用申請が必要です。

ユネスコ(UNESCO)、文化遺産保護に関する法律のデータベース“NATLAWS”を改善

2020年7月27日、ユネスコ(UNESCO)が、文化遺産保護に関する法律のデータベース“NATLAWS”を改善したことを発表しました。

同データベースは、ユネスコが2005年から運用しているもので、キーワードや法令名、国名等での検索が可能であり、文化財の輸出を担当する国家機関や、担当省庁の情報等も含まれています。

今回の改善は、データベースが提供する資料の質の向上と利用者にとってアクセスしやすいインタフェースとすることを目的に、2019年から開始されました。また、発表では、2019年から既存の文書類全てについて高解像度のスキャンを行い、現在3,022件の法律、政令、改正法令の情報を収録しており、タイトルだけでなくドキュメントの内容にもアクセスしやすくなっていることに触れられています。

山形県立図書館、「7月27日からの大雨被害に関する県内公共図書館(室)の開館状況(7月30日現在)」を公表

2020年7月30日、山形県立図書館が、「7月27日からの大雨被害に関する県内公共図書館(室)の開館状況(7月30日現在)」を公表しています。30日午前9時時点で、臨時休館の図書館はないとのことです。

町内で最上川が氾濫した大石田町立図書館(山形県)においては、7月31日から8月2日まで開館時間を短縮するとしているほか、断水によりトイレが使用できなくなっています。また、同館が入居する虹のプラザ、および、町役場において各種新聞が閲覧できることを案内しています。

韓国、新型コロナウイルス感染症による「日常の疲れを癒す私のための旅行」をテーマに「2020 博物館・美術館週間」を実施:観覧料の割引クーポンも発行

2020年7月23日、韓国・文化体育観光部は、国立博物館文化財団などと共同で、8月14日から8月23日まで「日常を癒す私のための旅行」をテーマに「2020 博物館・美術館週間」を実施すると発表しました。

テーマは、新型コロナウイルス感染症による日常の疲れを癒す事が必要な今日、博物館・美術館が「国民誰もがいつでも自分だけの方法により楽しむことができる複合文化芸術空間」に生まれ変わることを望む意味を込めたものです。

期間中、公募により選定した、4地域(首都圏、江原・忠清圏、全羅・済州圏、慶尚圏)の博物館・美術館においては、地域の特色を生かした9つの旅行プログラムが行われます。同プログラムは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、防疫指針を遵守して、小規模(10人から最大25人)で実施されますが、オンラインで非対面プログラムで実施する館もあります。

また、2020年の世界の博物館・美術館のテーマである「多様性と包括性」の価値を普及するために、公募で選ばれた15の博物館・美術館においては、様々なプログラムがオンライン・オフラインで行われます。オフラインで実施されるものについては、各機関の会場において参加者の社会的距離を保てる最小限の人数(15人から30人)で実施され、マスクの着用・手の消毒・問診表の作成などの対応がとられます。

『カレントアウェアネス-E』395号を発行

E2283 - 現在(いま)をアーカイブする:COVID-19図書館動向調査

  saveMLAKは,2011年の東日本大震災をきっかけに,被災したMLAK(美術館・博物館,図書館,公文書館,公民館)の情報を集約し,ウェブサイトでの公開を行っている。

  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大に伴い,2020年4月7日に,政府による一部都府県を対象とした緊急事態宣言が発出された。その直後である4月9日,株式会社カーリルによる全国の図書館休館調査の結果が発表された。この結果を受け,4月12日,saveMLAK有志の打ち合わせにてCOVID-19に関する取り組みが検討された。

E2284 - 各国の図書館における新型コロナウイルス感染症への対応例

2020年5月5日,国際図書館連盟(IFLA)は,事務局と図書館協会運営分科会が共同で,世界中で新型コロナウイルス感染症への規制が緩和される中で再開館する図書館を支援することを目的に,各国の図書館協会等による図書館を安全に再開館するための計画の事例収集を行っていると発表した。収集された情報はIFLAのウェブサイト内の“COVID-19 and the Global Library Field”ページにて随時更新されている。

E2281 - 津高生に本を届けようプロジェクト:学校休業期間の取組

三重県立津高等学校図書館では,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策で学校の臨時休業の中,外出を控え自宅で頑張る生徒のために,インターネットによる図書館の蔵書検索/予約サービスと自宅への本の郵送サービスを2020年5月8日から開始した。「津高生に本を届けようプロジェクト」と名付けたこの取組の経緯と結果を報告する。

E2285 - 米国における大学図書館の図書館長等の意識調査2019年版

2020年4月,米国のIthaka S+Rは,大学図書館の図書館長等を対象とした意識調査の結果をまとめた報告書“Ithaka S+R US Library Survey 2019”を公開した。Ithaka S+Rは,米国にある非営利の4年制大学の図書館長等を対象として,大学図書館の戦略に関する調査を3年ごとに実施しており,今回の調査は,2010年(E1175参照),2013年(E1560参照),2016年に次ぐ4回目である。大学教員を対象とした“US Faculty Survey”も2000年から3年ごとに行われており,今回の報告書では,2018年の調査結果が比較に使用されている。

E2282 - コロナアーカイブ@関西大学の開設経緯,特徴とその意図

コロナアーカイブ@関西大学は,関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)の一プロジェクトとして2020年4月17日に開設した,ユーザー参加型のコミュニティアーカイブである。KU-ORCASは,本学の東アジア文化研究のブランディング事業を推進する目的で設立されたセンターであり(E1967参照),その目的からすればこの取り組みはやや異質かもしれない。本稿では,一歴史研究者としての視点から,コロナアーカイブ@関西大学の開発経緯や特徴,その意図をまとめておきたい。

国際図書館連盟(IFLA)、「国際マーケティング賞2020」の受賞館を発表:1位は中国・佛山市図書館の“N-Library”

2020年7月22日、国際図書館連盟(IFLA)の管理・マーケティング分科会が、今回で17回目となる、「国際マーケティング賞2020」の受賞館を発表しました。

同賞は、創造的で結果重視のマーケティングプロジェクトやキャンペーンを実施した機関を表彰するもので、受賞者には2021年にオランダ・ロッテルダムで開催されるIFLA大会の参加費等が賞金として与えられます。

1位には中国の佛山市図書館による、同館の蔵書等を用いて家庭での図書館作りを支援する取組“N-Library”(Neighborhood Library/邻里图书馆)が選ばれました。情報技術を活用し、818の“N-Library”が小さな公共図書館として近隣住民や障害者、高齢者にサービスを提供しています。

2位にはカナダ・グレーターヴィクトリア公共図書館によるグレーターヴィクトリアの図書館に留まらない図書館への人々の考え方を変革するために統合されたブランド戦略を用いた取組“Change Your Mind”が、3位にはスペイン・ムルシア公共図書館による図書館の規制概念を変えユーモア等により利用者の知的好奇心を刺激することで新しい集団・感性等に図書館を開放する取組“Viven en la BRMU(They live in BRMU)”が選ばれています。

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