アーカイブ - 2020年 6月 10日

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文部科学省、学校および大学等における新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドラインを発表:学校図書館、大学図書館についても言及

2020年6月5日、文部科学省が、「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」に関する通知文書および「大学等における新型コロナウイルス感染症への対応ガイドラインについて(周知)」を発出しました。

ガイドラインの中で、学校図書館については、新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで時間帯を決めて貸出等を行うことが推奨され、分散登校を実施する場合は、児童生徒の自習スペースとして活用することも考えられるとしています。

大学図書館については、教育研究の上で重要な役割を担うサービスは、オンラインサービスの充実を図りつつ、利用者のニーズを踏まえて、感染拡大防止措置や著作権等への配慮を行った上で、早期利用可能化の検討を求めています。例としては、国立国会図書館(NDL)「図書館向けデジタル化資料送信サービス」を利用した館内閲覧・複写サービスの継続・再開、来館を伴わない貸出・複写サービス等の工夫が挙げられています。

フィンランド国立図書館、自動で件名を付与するサービス“Finto AI”が公開されたことを発表

2020年6月1日、フィンランド国立図書館は、自動で主題索引を付与するサービス“Finto AI”が公開されたことを発表しました。

発表によると、 “Finto AI”は、フィンランド国立図書館で開発が進められてきた、自然言語処理や機械学習を用いて件名や分類の付与を行うツール“Annif”をベースに構築されました。“Finto AI”のウェブサイトによれば、対応言語はフィンランド語、スウェーデン語、英語であり、入力されたテキストに対し、最大20件の主題索引の案を提示します。また、オープンAPIを提供しているため、既存システムで“Finto AI”の機能を利活用することが可能です。

北米研究図書館協会(ARL)第一回ベンチャー助成の助成対象者が決定

2020年6月8日、北米研究図書館協会(ARL)は第一回ベンチャー助成(Venture Fund)の助成対象者が米国のノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館、ノースウェスタン大学図書館、テンプル大学図書館に決定したことを発表しました。

ベンチャー助成は協会の重点事項を推進する加盟機関の活動を支援することを目的として、2019年に設立されました。

ノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館のプロジェクトは“On the Books: Jim Crow and Algorithms of Resistance”であり、100年以上のノースカロライナ州の会期別法令集のテキストコーパスを作成し、機械学習を使用してジム・クロウ法を特定します。このプロジェクトは、研究者に新たな研究機会をもたらすことが期待されます。

ノースウェスタン大学図書館のプロジェクトは“Lowering Barriers for Publishing Open Textbooks: A Minimal Computing Toolkit”であり、助成はオープン・テキストブック作成者向けのツールキットの拡張に利用されます。ツールキットは、ARL加盟機関の司書、教職員を対象としており、オープン・テキストの出版を支援します。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員会、「COVID-19以降の社会に向けたオープンアクセスの加速について」を公開

2020年6月8日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員会が、「COVID-19以降の社会に向けたオープンアクセスの加速について」を公開しました。

同文書では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防・収束と教育・研究活動の両立を持続的に行うためには、教育・研究のデジタル変革の拡大、オープンな情報として活用できる環境の整備が必要であるとされています。また、新型コロナウイルス感染症以降の社会における大学教育では教育コンテンツのオープンアクセスの推進、研究活動ではデジタル化およびオープン化、研究データの共有や公開を促進するオープンサイエンスが重要であり、そのためには、教員・研究者の協力が欠かせないと述べています。JPCOARは、今後、機関リポジトリを通じたオープンアクセス・コンテンツの提供の推進、大学や研究機関の研究データ公開に向けた取組を行い、研究者コミュニティと連携しながら教育と研究の発展に寄与していくとしています。

Project MUSE、米国における人種差別に関する書籍・論文のリスト“MUSE in Focus: Confronting Structural Racism”を公開:一時的に無料アクセス可能となっているコンテンツから選定

人文・社会科学系の電子資料提供サービスProject MUSEは、2020年6月6日付けのTwitterにおいて、書籍・論文のリスト“MUSE in Focus: Confronting Structural Racism”を公開したことを発表しています。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、Project MUSEの参加出版社は一時的に全て又は一部のコンテンツを無料で利用可能とする取組を行っており、同リストでは、それらの中から米国における人種差別に関するコンテンツを選定し掲載しています。

@ProjectMUSE(Twitter, 2020/6/6)
https://twitter.com/ProjectMUSE/status/1268934421018804225

オーストラリア図書館協会(ALIA)、公共図書館における電子書籍貸出に関するアンケート調査の結果を公表

2020年6月3日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、公共図書館における電子書籍貸出に関するアンケート調査の結果をまとめたレポート“A snapshot of eLending in public libraries”を公表しました。

アンケート調査はALAの書籍産業及び電子書籍貸出諮問委員会(Book Industry and eLending Advisory Committee)により2019年8月にオンラインで実施され、オーストラリア国内の図書館から398の回答を得ました。レポートでは、電子書籍プロバイダーが提供する資料タイトルやサービスへの満足度、電子書籍プロバイダーの提供サービスに対し改善を求める点等について集計結果を掲載しています。回答者の83%は、プロバイダーの提供する電子書籍の品揃えに「満足している」あるいは「非常に満足している」と回答している一方、91%はライセンス条件とコストに関し「満足とはいえない」あるいは「満足していない」と回答しています。

ALIAは、COVID-19によるロックダウンの期間中、2019年の同時期と比べて公共図書館における電子書籍貸出が倍増した一方で、今回の調査が明らかにしたように電子書籍の利用可能性、ライセンス条件、コストにおける問題は依然として存在する、と指摘しています。

REopening Archives, Libraries, and Museums (REALM) Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する予備的文献レビューを公開

2020年6月3日、REopening Archives, Libraries, and Museums (REALM) Projectが、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する予備的文献レビュー“Preliminary Literature Review for the Natural Attenuation of SARS-CoV-2 as a Decontamination Approach”を公開しました。

同レビューは、紙・プラスチック・布・金属といったMLA機関で一般的にみられる素材におけるウイルスの減衰、伝染方法、予防・除染の有効性について焦点を当てたものです。同レビューを読む際には、査読済のものと未査読のものが含まれていること、レビューされている文献は異なる研究者により異なる条件で行われており比較や解釈が難しいこと、医療分野等MLA機関とはかなり異なる制約やリスク要因のもとで運営されている業界のための知見も含まれていることに留意するよう求めています。より体系的な文献レビューは現在作成中で、6月後半には公開予定であるとされています。

ARL・ACRL・Oberlin Group of Libraries、ベンダー・サービスプロバイダに対し、新型コロナウイルス感染拡大下における電子リソースへの無償アクセスの継続と契約費の上昇の抑制を要請

2020年6月5日、北米研究図書館協会(ARL)、米国大学・研究図書館協会(ACRL)、リベラルアーツ・カレッジの図書館コンソーシアムOberlin Group of Librariesが、ベンダー・サービスプロバイダに対し、新型コロナウイルス感染拡大下における電子リソースへの無償アクセスの継続と契約費の上昇の抑制を要請しました。

新型コロナウイルスの感染拡大による、遠隔教育・学習・研究への転換等の支援のため、ベンダーやサービスプロバイダが電子リソースを無償公開したことに謝意を表すとともに、今後の再流行が考えられることや、大学・研究機関においては学生支援のための資金増による財政的課題があることから、感染拡大下、引き続き無償公開を継続するとともに、契約費の上昇を抑制することを求めるものです。

イスラエル国立図書館(NLI)、同館所蔵の2,500点を超すイスラム写本等を高精細画像でデジタル化公開すると発表

2020年6月8日、イスラエル国立図書館(NLI)が、Arcadia基金からの助成金を受け、同館所蔵の2,500点を超すイスラム写本等をデジタル化して公開すると発表しました。完成は3年後を予定しています。

同プロジェクトでは、資料の高精細画像でのデジタル化、アラビア語と英語による解説の改良、英語・ヘブライ語・アラビア語でのプラットフォームの設計開発が行われます。また、作業の前段階として、同館の資料保存の専門家が全資料を調査し、物理的な状態に問題があると確認された資料については、保存・保全措置がとられます。

National Library of Islael
https://web.nli.org.il/sites/NLI/English/Pages/default.aspx
※「Over 2,500 Rare Islamic Books and Manuscripts Going Online NLI|08.06.20」とあります。

公益財団法人冷泉家時雨亭文庫、台風被害を受けた江戸時代の資料を収めるプレハブ倉庫に代わる土蔵建設のためのクラウドファンディングを実施中

2020年6月9日、公益財団法人冷泉家時雨亭文庫が、台風被害を受けた江戸時代の資料を収めるプレハブ倉庫に代わる土蔵建設のためのクラウドファンディング「800年にわたる和歌の家・冷泉家に文化財を保存する土蔵を造りたい」を実施しています。

藤原定家の子孫である冷泉家伝来の典籍および古文書類の保存及び活用を図る事等を目的に設立された公益財団法人冷泉家時雨亭文庫では、計8棟の蔵のうち3棟が崩れたためにプレハブ倉庫を3棟設け保管してきたところ、2018年の台風で屋根が飛び、江戸時代の膨大な資料が一時雨ざらしの状態となりました。

現在は他の蔵に収納したり、他に分散して預けたりしている状況で、今回、資料保存のため、京都御所や同志社大学といった周辺環境との調和や保存環境の観点からしっくい塗りの土壁の蔵を建設することとなり、クラウドファンディングで調達される資金は、約2億円の建設費のうち、蔵の中に設ける棚の整備のために用いられます。

このクラウドファンディングは、株式会社京都新聞社と株式会社電通で構成されるTHE KYOTO実行委員会によるプロジェクトで、目標金額は350万円ですが、6月10日時点で目標金額を達成しています。別途、蔵の建設費への寄附も募集されています。

2019年10月に発生した豪雨被害により休館中のホキ美術館(千葉県)、2020年8月1日に再開予定

2019年10月25日に発生した豪雨による水害の影響で休館していたホキ美術館(千葉県)が、2020年8月1日に再開予定であると発表しています。

アートに関するポータルサイト「美術手帖」の2020年6月9日付の記事によると、当該豪雨により、地下2階の電気設備・収蔵庫・一部展示室が被災し、あわせて約100点のコレクションが浸水したものの、そのうち80点は処理が済んでいるとのことです。また、作品への影響が比較的大きかった約20点については今後、画家自身や専門家による修復が進められるとのことです。

ホキ美術館 What' New
https://www.hoki-museum.jp/
※6月9日欄に「ホキ美術館 再開予定のお知らせ」とあります。

ホキ美術館 再開予定のお知らせ(ホキ美術館)
https://www.hoki-museum.jp/news/index.html#news20200609

ワイリー・パブリッシング・ジャパン、高品質な医学情報源のデータベース「コクラン・ライブラリー」の利用方法を日本語で解説したチュートリアル動画4件を公開

2020年6月4日付で、高品質な医学情報源のデータベース「コクラン・ライブラリー」の日本語研修資料等をオンラインで提供するWiley社ウェブサイトの“Cochrane Library Training Hub in Japanese”上に、「コクラン・ライブラリー」の利用方法を日本語で解説したチュートリアル動画が4件公開されています。

公開されたチュートリアル動画は、2020年5月付でワイリー・パブリッシング・ジャパンが制作した「収録内容」「使い方の基本」「検索方法」「一歩進んだ使い方」の4件です。各動画は“Cochrane Library Training Hub in Japanese”にアクセスすることで、無料で視聴することができます。

新着情報(ワイリー・パブリッシング・ジャパン)
http://www.wiley.co.jp/index.html
※「コクラン・ライブラリー 日本語チュートリアル動画を公開」とあります

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、2020年6月25日から次期JAIRO Cloud(WEKO3)のβテストを実施

2020年6月8日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、2020年10月の現行JAIRO Cloud(WEKO2)から次期JAIRO Cloud(WEKO3)への本番移行開始に先立ち、現行JAIRO Cloudの利用機関を対象に、WEKO3のβテストを実施することを発表しました。

βテストは、各機関における移行データの確認・2020年10月から12月の本番移行時に各機関が行う画面レイアウト作業量の把握・WEKO3の基本操作体験を目的として行われます。テスト期間は2020年6月25日から7月31日までとなり、2020年3月末時点で現行JAIRO Cloud(WEKO2)環境を提供済の機関が対象です。

JPCOARのコンテンツ流通促進作業部会JAIRO Cloudチームは、βテストサポートのために、JAIRO Cloudの共同運用を行う国立情報学研究所(NII)と連携して画面操作の説明動画を準備しています。また、2020年7月頃にテレビ会議システムを利用したオンライン講習を複数回開催する予定です。

米国化学会(ACS)とカンピーナス大学(ブラジル)がオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結:ACSとラテンアメリカの機関による同種の契約の締結は初めて

2020年6月4日、米国化学会(ACS)は、ACSの出版部門とブラジルのカンピーナス大学が、ACSにとってラテンアメリカ地域で初めてとなるオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結したことを発表しました。

締結された契約に基づき、カンピーナス大学に所属する研究者は、ACSの刊行する65以上のジャーナルへの自身の論文のOA出版等が可能になります。

ACSはOA出版等に関する契約への世界的な関心の高まりの支援に取り組んでおり、プレスリリースの発表時点で、17か国・300以上の機関とOA出版等に関する提携関係を結んでいます。