アーカイブ - 2020年 2月 12日

ニュージーランド・セルウィン図書館、オーストラリアの森林火災で負傷した野生動物の保護に必要な袋・布を作成するために必要な材料・ミシン等を利用者に提供

2020年1月8日、ニュージーランドのセルウィン図書館(Selwyn Libraries)が、オーストラリアの森林火災で負傷した野生動物の保護に必要な袋・布・巣を作成するために必要な材料やパターン、ミシンを利用者に提供すると発表しており、ニュージーランドの国営ラジオ局であるラジオ・ニュージーランドが1月13日付で報じています。

自宅で作成したものも含め、開館時間内に同館に完成品を提供すると、とりまとめて、それらを必要としているオーストラリアの担当機関に送付するとしています。1月22日付の同館のFacebookによると、1月28日で完成品の受付は締め切られています。

韓国・ソウル特別市、公共図書館の司書の労働者としての権利と処遇改善のための対策を実施すると発表:条例の制定・賃金標準案の策定・感情労働に関するガイドラインの作成等

2020年1月29日、韓国・ソウル特別市は、「図書館発展5か年(2018年から2022年)総合計画」に基づいて国内で初めて実施した「公共図書館運営・雇用実態調査」の結果を受け、公共図書館の司書の労働者としての権利と処遇改善のための対策を実施すると発表しました。

実態調査では、ソウル地域の公共図書館の施設・運営委託率は78%で、全国の広域自治体の中で最も高かったこと、委託された図書館の労働者の30.9%は非正規雇用であり、そのうちパートタイム労働者の割合は21.9%であったこと、勤務年数は4.3年で民間の勤務平均より短く、月平均賃金は3年以上の勤務でないと200万ウォンを超えないことが分かったとしています。さらに、ソウル地域の公共図書館全体の労働者の3人に1人が、失業対策のための公共勤労事業・兵役の代わりに公的機関で勤務する社会服務要員・ボランティアといった補助的人員で構成されており、正職員・非正規雇用職員・補助的人員といった多層的な雇用形態により、市民が望む専門的な情報サービスを提供することが困難で、サービス満足度が低下していることが分かったとしています。また、70.8%が女性であり、69.7%が利用者からの暴言を経験し、45%が施設・運営委託機関の要求で契約外の業務に動員されたと回答するなど、不安定な労働環境にあるとしています。

Springer Nature社、論文シェア機能“SharedIt”の対象を会議録に拡大

2020年2月4日、Springer Nature社は、同社発行雑誌等を対象とした、無料での論文シェア機能“SharedIt”について、新たに”Lecture Notes in Computer Science (LNCS)”シリーズなど、同社の刊行する会議録の収録論文も対象に加えたことを発表しました。

SharedItでは当該論文の著者、購読者、ニュースメディア等が無料で論文を閲覧するリンクを作成することができます。Springer Natureが刊行する会議録は年1,200タイトル以上におよび、中でもLNCSシリーズには年間20,000本以上の会議録論文が掲載されています。

IOP Publishingが査読者の識別・透明性、多様性、効率の課題に取り組むために、Publonsと提携すると発表

2020年2月10日、英IOP Publishingは、査読者の識別・透明性の確保に加え、査読者の多様性の確保や効率改善に取り組むために、Publonsと1年間にわたる提携を結んだことを発表しました。

IOP Publishingの発表によれば、現在、同団体の発行する雑誌への投稿の3分の1以上は中国の研究者によるものであるのに対し、中国の研究者への査読依頼は12%にとどまっています。その結果、一部のコミュニティに査読の負担が集中するといった問題が生じているとしています。

今回の提携では、以下のような課題に協働で取り組むとされています。

・査読の動機に関する報告の作成
・IOP Publishingの査読者候補プールにおける、ジェンダーおよび地理的多様性の向上
・査読プロセスの効率・一貫性向上
・WeChatによる査読者とのやり取りなど、新技術の導入

東京大学農学生命科学図書館、「農学生命科学図書館デジタルアーカイブ」の新規追加コンテンツとして「農科大學桑樹見本園各種摺葉譜」を公開

2020年2月10日、東京大学農学生命科学図書館は、同館所蔵資料をデジタル化公開している「農学生命科学図書館デジタルアーカイブ」で、新たに「農科大學桑樹見本園各種摺葉譜」を公開したことを発表しました。

公開された「農科大學桑樹見本園各種摺葉譜」は、東京帝国大学農科大学の桑樹見本園で育てられていた桑樹、約750種類の葉を魚拓のように写し取った資料です。東京帝国大学農科大学教授であった佐々木忠治郎氏により編集されています。同資料の序文によると、東京帝国大学農科大学の前身である駒場農学校では、1881年に桑園の設置、1884年に増設が行われました。設置・増設当時に植えられていた桑は100種程度でしたが、1888年に日本各地の桑種を収集する桑樹見本園となり、資料が作成された1918年には約750種を育て、外来種の収集も行うようになっていました。

「農科大學桑樹見本園各種摺葉譜」は、「農学生命科学図書館デジタルアーカイブ」で公開された他のコンテンツ同様に、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの「CC BY」相当の利用条件で公開されています。

コクラン・ライブラリー、コロナウイルスによる重症呼吸器感染の管理に役立つ系統的レビューのエビデンスを集めた特別コレクションを提供:レビュー要約の日本語訳作成も進行中

2020年2月11日、国際的非営利団体コクラン(Cochrane)の系統的レビュー等を収録した高品質な医学情報源のデータベース「コクラン・ライブラリー」は、コロナウイルスによる重症呼吸器感染の管理に役立つコクラン系統的レビューのエビデンスを集めた特別コレクションを提供することを発表しました。

これは新型コロナウイルス(2019-nCoV)の大流行が、世界保健機関(WHO)により国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言されたことを受けて、関連するコクラン系統的レビューへの迅速なアクセスを確保するため実施されるものです。特別コレクションには、重症急性呼吸器感染症による入院患者の管理と特に関連すると特定されたレビューが集められています。コロナウイルスの流行に関する2020年1月28日のWHOによる中間ガイダンスと関連するレビューやコクランの急性期および救急医療グループによって関連性を特定されたレビューとして、補液と昇圧剤による治療、呼吸補助と機械的人工換気、人工呼吸器の離脱、低酸素血症のマネジメント、薬物療法、集中治療における栄養療法のトピックに関するレビューが含まれています。

「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案」が閣議決定

2020年2月7日、「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案」が閣議決定されました。

文部科学省のウェブサイトによると、同法案は「博物館をはじめとする文化施設のうち意欲あるところを文化観光(文化についての理解を深めることを目的とする観光)拠点施設として、その機能強化や、地域での文化観光推進の取組を国が後押ししようとするもの」で、法律案が成立した場合、「文化観光拠点施設の収蔵品の魅力向上、多言語化、学芸員の増員、Wi-Fi・キャッシュレスの整備、広報などの取組に対して、国が補助をするほか、文化観光推進計画の中で地域内の交通機関の共通パスを発行する場合などの手続きを簡素化する特別措置が可能となる」としています。

令和2年2月7日(金)定例閣議案件(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2020/kakugi-2020020701.html
※法律案欄に「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案(決定)(文部科学・財務・国土交通省)」とあります。

堺市立図書館、同館「電子図書館」に「電子書籍SDGs特集」を掲載

2020年1月20日、堺市立図書館が、同館で収集・集積しているさまざまなデジタル化資料を検索・閲覧できる「電子図書館」に「電子書籍SDGs特集」を掲載しました。

同市は、2018年6月に「SDGs未来都市」に選定されています。

電子書籍「SDGs特集」を掲載しています(堺市立図書館, 2020/1/30)
http://www.city.sakai.lg.jp/kosodate/library/oshirase/SDGshotlist.html

SDGs特集(堺市立図書館電子図書館)
https://www.d-library.jp/SKI01/g0108/hotlist/?hid=128&dc=100&ob=&lc=0

愛知教育大学附属図書館、「チェンバレン・杉浦文庫目録」を同大学のリポジトリで公開

2020年1月29日、愛知教育大学附属図書館が、1990年と1992年に同館が刊行した「チェンバレン・杉浦文庫目録」を同大学のリポジトリで公開しました。

「チェンバレン・杉浦文庫」は、東京帝国大学の教員で日本研究者の英国人バジル・ホール・チェンバレン氏 と、同氏の学僕で同氏の蔵書の一部(和書と英書、及び身辺雑具) を遺品として贈与された岡崎市(愛知県)出身の杉浦藤四郎氏の蔵書・書簡等からなる同大学の特殊コレクションです。同大学の前身、愛知学芸大学分校が岡崎市にあった縁で杉浦氏とその子息から寄贈されました。

目録には、図書目録と書簡目録の2種類があります。

愛知教育大学学術情報リポジトリ AUE Repository お知らせ
https://aue.repo.nii.ac.jp/
※2020/01/29欄に「所蔵資料にチェンバレン・杉浦文庫の刊行目録を追加しました。」とあります。

弘前大学附属図書館、近世後期の弘前藩領全域を描いた貴重資料「御郡内惣図」のデジタル版を公開

2020年2月7日、弘前大学附属図書館が、近世後期の弘前藩領全域を描いた貴重資料「御郡内惣図」のデジタル版を公開しました。

弘前市の郷土史研究家・故小野慎吉氏の旧蔵書で、1965年に、同家から同館に寄贈された「小野文庫」に含まれる資料です。

「小野文庫」の同館への受入れに際して受入目録が作成されたものの、図書類は同館所蔵図書として文庫本体から分離・配架されたことで受入目録自体が機能しなくなったことから、現在、資料の再整理と新目録を作成中とのことで、目録の完成にはまだ時間がかかることから、特に学界に裨益すると考えられる同資料を今回デジタル化して公開したとしています。

弘前大学附属図書館 お知らせ
http://www.ul.hirosaki-u.ac.jp/
※「御郡内惣図【デジタル版】を公開しました。(令和2年2月7日)」とあります。

スウェーデン王立図書館(NLS)、BibsamコンソーシアムとElsevier社の雑誌契約解除による影響調査報告書の英訳版を公開

2020年2月10日、スウェーデン王立図書館(NLS)は、BibsamコンソーシアムとElsevier社の雑誌契約解除による影響調査報告書“Evaluation of cancellation of journal agreement with Elsevier 2018”を公開したことを発表しました。

NLSは2019年12月19日付でスウェーデン語による報告書“Utvärdering av Elsevieruppsägningen 2018”を公開しており、今回公開された報告書はその英訳版です。NLSの調査は2019年1月から2月にかけてアンケート調査として実施され、調査対象となる4万2,000人のうち4,221人から得られた回答をもとに報告書が作成されました。

公開された報告書では、アンケートの回答に基づいて次のようなことが示されています。