2020年11月12日付で、Emerald社が刊行するデジタル情報・流通分野の査読誌“Online Information Review”のオンライン速報版(ahead-of-print)の論文として、“An analysis of use and performance data aggregated from 35 institutional repositories”がオープンアクセスにより公開されています。
同論文は、リポジトリの利用・パフォーマンスの経時的なデータを集約し、オープンデータセットとして提供するウェブサービス“Repository Analytics and Metrics Portal(RAMP)”を用いた機関リポジトリの実績の分析に関する論文です。2017年からサービスを開始したRAMPは、現在、米国のモンタナ州立大学図書館・ニューメキシコ大学図書館が運営し、世界中の55以上の機関リポジトリからデータを集約しています。データ集約にはGoogleのウェブサイト分析用ツールGoogle Search Consoleを利用しています。著者らは2019年の5か月間にRAMPが集約した7か国35の機関リポジトリのデータの分析を実施しました。
2020年11月11日付で、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌において、論文“Cancelling with the world’s largest scholarly publisher: lessons from the Swedish experience of having no access to Elsevier”がオープンアクセス(OA)により掲載されています。
米・ハーバード大学がOAポリシー策定を検討する機関向けに公開している資料“Model Open Access Policy”に基づいて策定されたものであり、スタンフォード大学に将来の学術論文に対する非排他的権利を与え、同大学は寄託された論文をOAで公開する権限を得るとあります。承認された文書もGoogle Drive上で公開されており、OAポリシー本文のほか、以下の2点も記載されています。
・図書館に関する委員会(The Committee on Libraries)は、OAポリシーの解釈・適用に関する問題等に対応する「学術コミュニケーションオフィス」の図書館への設置を推奨すること
・同大学の学術評議会(Academic Council)に所属する各メンバーは、必要に応じ図書館からの支援を得つつ、ORCIDのIDを取得すること