アーカイブ - 2020年 10月

10月 16日

文部科学省、提言「コロナ新時代に向けた今後の学術研究及び情報科学技術の振興方策について」を公表:大学図書館及び多様な学術情報のデジタル化の推進等に言及

2020年9月30日付で、文部科学省のウェブサイトに、同省科学技術・学術審議会の学術分科会・情報委員会の提言「コロナ新時代に向けた今後の学術研究及び情報科学技術の振興方策について」が公表されています。

この提言は、コロナ禍によって社会の在り方が変容し、その経験を踏まえた「コロナ新時代」を迎えつつあることを背景に、学術研究・情報科学技術が新時代の社会の負託に応えられるように、研究を継続するためのレジリエンスの確保、新しい研究様式への転換及び研究者の交流・連携の担保の政策的実現に関する、学術分科会と情報委員会の合同提言です。

新しい研究様式への転換のための振興方策に関する提言では、SINETなど国全体の一体的情報システム基盤及び大学等における情報システム基盤を整備・高度化すること、セキュアな研究データ基盤を構築すること、大学図書館及び多様な学術情報のデジタル化や著作権法の見直し・研究の遠隔化・スマート化などを通して研究環境のデジタル化を促進することに言及されています。

神奈川県、藤沢市総合市民図書館において「感染症対策用入場スクリーニングロボット」の実証実験を実施:公募型「ロボット実証実験支援事業」の一環

2020年10月14日、神奈川県が、藤沢市総合市民図書館において「感染症対策用入場スクリーニングロボット」の実証実験を実施すると発表しています。

同県では、「さがみロボット産業特区」の取組の一環として、生活支援ロボットの実証実験の企画を全国から募集し、支援する「公募型『ロボット実証実験支援事業』」を推進しており、今年度採択した7件のうち、今回実施する実験3つの内の一つとして行なわれるものです。

すでに医療機関において導入されている、音声入力による問診と非接触の検温により、非対面で新型コロナウイルス等の感染症の疑いを検知できるロボットを用いて、来館者を対象にスクリーニング等を行い、医療機関以外での使用における課題を検証します。

藤沢市総合市民図書館での実施日は10月23日と10月24日です。

生活支援ロボットの実証実験を行います!! -公募型「ロボット実証実験支援事業」前期-(神奈川県,2020/10/14)
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/sr4/prs/r4405177.html

【イベント】科学技術に関する調査プロジェクト2020シンポジウム「コロナ時代のソーシャルメディアの動向と課題」(11/12・オンライン)

2020年11月12日、国立国会図書館(NDL)により、科学技術に関する調査プロジェクト2020シンポジウム「コロナ時代のソーシャルメディアの動向と課題」が、オンラインで開催されます。

2020年4月1日にNDLウェブサイトに掲載された法調査資料『ソーシャルメディアの動向と課題』の内容を踏まえつつ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による社会の混乱と変化を受けて、ソーシャルメディアのあり方に改めて焦点が当てられます。

定員は300人(先着順・要事前申込)で、参加費は無料です。

当日の内容は、以下の通りです。

●問題提起
・平 和博氏(桜美林大学リベラルアーツ学群教授、国立国会図書館客員調査員)
「コロナ時代の社会基盤としてのソーシャルメディア」

●報告
・鳥海 不二夫氏(東京大学大学院工学系研究科准教授)
「データから見るデマ拡散の構造」

・三浦 麻子氏(大阪大学大学院人間科学研究科教授)
「社会心理学によるデマ・炎上・差別の背景」

・曽我部 真裕氏(京都大学大学院法学研究科教授)
「プラットフォームと憲法上の論点」

公共図書館の分館のサービスにおけるオープンデータの活用(文献紹介)

2020年10月3日付で、Taylor&Francis社が刊行する“Public Library Quarterly”に、公共図書館の分館のサービスにオープンデータを活用する試みに関する論文“Using Open Data to Inform Public Library Branch Services”が掲載されました。

同論文では、米国のシアトルの公共図書館が、利用者の構成や地域の人口変動を把握できる、オープンソースのシステムのプロトタイプ開発の経緯等がまとめられています。

現在提供されている類似システムは保守性、各館に合わせたカスタマイズ、使用のためのスキル等の面で課題があるということが指摘されています。この状況を踏まえ、シアトルの公共図書館の分館の職員へのインタビュー等を通してニーズを調査し、利用するオープンデータの検討が行われ、米国・国勢調査局のデータをもとに、プロトタイプが作成されました。同プロトタイプは、プログラミング言語であるR言語のパッケージ“Shiny”を用いて、対象地域の年齢、世帯収入の中央値、家庭で使用される言語等のデータを地図上に表すものであると述べられています。

カレントアウェアネス・ポータルに英訳コンテンツを追加しました。

2020年10月16日、カレントアウェアネス・ポータルで新しく英文記事2件を公開しました。

新しい英語のコンテンツは、メールマガジン(CA-E)における、国立国会図書館に関する記事を翻訳したものです。

今回公開した2つの新しい記事に加え、今後も新しい記事を公開していく予定です。

E2240e - NDL Updates Four Search Services including Minutes of the Diet
https://current.ndl.go.jp/en/e2240_en

E2257e - Completion of Storage Annex at Kansai-kan of the National Diet Library
https://current.ndl.go.jp/en/e2257_en

10月 15日

カナダ社会・人文科学研究会議(SSHRC)、“Coalition Publica”の全国オープンアクセス(OA)プラットフォーム構築へ3年間で300万カナダドルの助成を実施

2020年10月13日、カナダ連邦政府の研究助成機関であるカナダ社会・人文科学研究会議(SSHRC)は、カナダの研究成果の普及とデジタル学術出版の推進を目的としたイニシアチブ“Coalition Publica”の英仏2か国語による全国的なオープンアクセス(OA)プラットフォーム構築へ300万カナダドルの助成を実施することを発表しました。

SSHRCの助成は、カナダで生産された社会科学・人文科学分野の研究成果の国際的な普及、及び、カナダ国内のこれらの分野の学術雑誌や研究者のOAコミュニティへの参加の促進を意図して行われます。カナダの社会科学・人文科学分野の研究成果の発見可能性と影響力の増大と学術雑誌へのアクセス向上を目的に活動するイニシアチブ“Pan-Canadian Knowledge Access Initiative(PCKAI)”を通して、年間100万カナダドルの助成が3年間実施されます。

佐賀大学地域学歴史文化研究センター、同センターが所蔵する『解体新書』の画像をパブリックドメインで公開

2020年10月6日、佐賀大学地域学歴史文化研究センターはTwitterアカウントで、同センターが所蔵する『解体新書』の画像を公開したことを発表しました。

佐賀大学地域学歴史文化研究センターでは、幕末の佐賀藩が導入した西洋科学・医学などの研究の一環として、江戸期から明治期の医学書を収集しており、いずれ全点画像の公開を予定しています。今回は、同センターの調査活動で収集した史料などの画像を掲載するデータベース「画像データベース」上に、同センターが所蔵する『解体新書』の図編1冊、及び本文編全4巻を収録した合冊本1冊の全画像がパブリックドメインで公開されています。

@chiikigakusaga(Twitter,2020/10/6)
https://twitter.com/chiikigakusaga/status/1313279719605850112

英国図書館(BL)、古地図をデジタル化しFlickr Commonsで公開

2020年10月13日、英国図書館(BL)が、古地図をデジタル化し、Flickr Commonsでオンライン公開することを発表しました。

対象の資料は、BLが所蔵するジョージ3世の地図等のコレクション“King's Topographical Collection(K. Top)”の一部であり、1500年から1824年にかけての印刷資料や手書き資料が含まれています。

発表の中では、7年間にわたり、カタロガー、キュレーター等による専門家チームが、同コレクションの目録作成、資料保存、デジタル化を行ってきたことに触れています。

10月15日現在、約1万7,000件の画像が公開されています。また、BLのデジタル化資料と現在の地図を結びつける参加型のプロジェクト“Georeferencer”でも、画像を公開する予定であると述べられています。

英・Jiscと米・PLOS、オープンアクセス出版に関する新たな契約を締結

2020年10月14日、英国のJiscと米国のPLOSが、オープンアクセス(OA)出版に関する3年間の契約2つを新たに締結したことを発表しました。

発表によると、これらの契約により、論文処理費用(APC)を支払うことなく、PLOSが刊行する学術雑誌の一部でOA出版が可能となります。

2021年1月1日発効の契約は年間定額制であり、Jisc参加機関に所属する責任著者を対象として、“PLOS ONE”をはじめとした5誌での無制限のOA出版、カスタムレポートの利用等が可能となります。

もう一つの“PLOS Community Action Publishing agreement”では、Jisc参加機関に所属する責任著者と共著者が、“PLOS Medicine”および“PLOS Biology”において無制限に出版できるようになります。同契約は、年間定額制であり、責任著者と共著者の出版ニーズをもとに金額が定められます。

『カレントアウェアネス-E』400号を発行

E2310 - 公立図書館における蔵書構成・管理に関する報告書について

全国公共図書館協議会は,2018年度に蔵書構成・管理についてのアンケート調査を実施,2019年度にはその調査結果を分析し、それぞれ『2018年度(平成30年度)公立図書館における蔵書構成・管理に関する実態調査報告書』『2019年度(令和元年度)公立図書館における蔵書構成・管理に関する報告書』を発行した。全国の公立図書館における蔵書構成・管理の実態を把握・分析し,今後の蔵書構成・管理に関する課題解決の一助となり,図書館の一層の発展に資することを目的としたものである。過去の類似調査では,蔵書構成プロセスの「資料選択」に関わる調査が多かったが,今回の調査では,資料選択のほかにも幅広く取り上げることとした。

E2312 - デジタルコレクション購入の手引き:英Jiscの4原則

2020年6月,英国の非営利団体Jiscは文書,写真などの一次資料をデジタル化したものから成るデジタルコレクションの購入に関する図書館員向けガイド“Purchasing digital archives:Guidelines for librarians when negotiating with publishers”を公開した。

E2311 - 各国の国立図書館におけるCOVID-19の影響に関する調査結果

オランダ国立図書館(KB)は,同館館長が現在議長を務める国立図書館長会議(CDNL)の要請を受け,国際図書館連盟(IFLA)国立図書館分科会と協力し,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が各国の国立図書館に与えた影響と現状および対処方法について2回のアンケート調査を実施した。調査結果はCDNLのウェブサイト内の“COVID-19”ページにて公開されている。

E2313 - カナダの美術館・図書館・文書館・博物館がもたらす経済価値

カナダ博物館協会とカナダ国立図書館・文書館(LAC)によるワーキンググループは,2020年5月,カナダのGLAM(美術館・図書館・文書館・博物館)がもたらす経済価値を試算した2019年12月付の報告書を公表した。試算は,GLAM利用者にとっての価値,GLAMを利用しない人々にとっての価値,学校教育の面での価値等のカテゴリに分けて行われ,様々な経済学的な方法を用いて2019年の1年間に得られた便益額が算出された。データ採取のために,カナダ居住者2,045人を対象とした調査が実施され,各種統計や学術研究結果があわせて利用された。

E2314 - 電子情報の保存・管理の標準手法"Oxford Common File Layout"

2020年7月7日,リポジトリにおける電子情報の長期保存のためのファイルシステムの階層を標準化するための手法であるOxford Common File Layout(OCFL)のVersion 1.0が公開された。OCFLのウェブサイトには仕様を示した“OCFL Specification”と実装上の助言を示した“OCFL Implementation Notes”等が公開されている。

富士吉田市立図書館(山梨県)、図書館職員らが名画に扮する「なりきり展覧会」を開催中:「なりきり画」の下には画集を展示

2020年10月3日から10月31日まで、山梨県の富士吉田市立図書館が、図書館スタッフが名画に扮する「なりきり展覧会」を開催しています。

報道によると、同館職員・アルバイト・教育委員会幹部ら総勢22人が、「種をまく人」「モナ・リザ」といった絵画15点の主人公と同じような衣装と格好で写真を撮影した上で、絵画の背景を合成して作成した「なりきり画」を展示するものです。

「なりきり画」の下には、画集をならべて実際の作品と比較できるようになっているとのことです。

♪なりきり展覧会♬へのご招待!!(富士吉田市立図書館,2020/10/3)
http://flib.fujinet.ed.jp/forms/info/info.aspx?info_id=45482

武蔵野市立吉祥寺美術館(東京都)、子ども向け動画ワークショップ『「おいしいぶどう すっぱいレモン」-よーくみてから、かいてみよう!-』を開催中:参加者はYouTube動画を見て作品を郵送/応募作品は美術館・図書館で展示

東京都の武蔵野市立吉祥寺美術館が、2020年10月1日から、YouTubeを用いたこども向けのワークショップ『「おいしいぶどう すっぱいレモン」-よーくみてから、かいてみよう!-』を開催しています。

参加者(4歳から小学校6年生まで)は、彦坂木版工房の講師によるおいしそうに描くためのアイデアについてのYouTube動画を保護者等といっしょに視聴した後、ぶどうかレモンの絵をおいしそうに描いて同館あてに郵送します(11月8日締切。消印有効)。参加費は無料です。

応募作品は、同館において11月26日から12月13日まで展示予定のほか、その後、武蔵野プレイスと武蔵野市立吉祥寺図書館でも展示される予定です。また、彦坂木版工房のウェブサイトでも公開されます。

その後、彦坂木版工房からのコメント付きで、参加者のもとに応募作品が返却されるほか、おいしそうにえがいた3人の参加者に絵本がプレゼントされます。

令和元年台風第19号の被災写真等を集約する「“猪の満水”災害デジタルアーカイブ」のデモサイトがオープン(長野県)

2020年10月8日、「“猪の満水”災害デジタルアーカイブ」のデモサイトがオープンしました。

長野県知事の10月9日の会見等によると、長野県が信州大学と共同で構築したもので、2019年の令和元年台風第19号の教訓を後世に伝えるために被災状況の写真などの記録を集約するデジタルアーカイブです。

“猪の満水”災害デジタルアーカイブ(デモサイト)オープン(“猪の満水”災害デジタルアーカイブ,2020/10/8)
https://chikuma-archive.shinshu-bousai.jp/?p=58

20201009 長野県知事会見(YouTube)
https://youtu.be/C1AG1zEpiiI
※長野県の公式YouTubeチャンネル。同デジタルアーカイブについては11:38頃から紹介。

10月 14日

国内外の複数機関が所蔵・管理する史的文字の画像を横断検索できる「史的文字データベース連携検索システム」が正式に開始

2020年10月13日、台湾・中央研究院デジタル文化センターは、「史的文字データベース連携検索システム」が同日に日本・台湾で正式に開始されたことを発表しました。

同システムは、東アジアや世界での木簡・文字資料の研究、特に史的文字に関する研究資源についてのデータベース連携ポータルサイトであり、日本内外の複数機関が所蔵・管理する史的文字の画像約200万件の横断検索が可能です。発表では、IIIF準拠、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスによる画像公開といった特徴も紹介されています。

同システムの構築は、日本の奈良文化財研究所、東京大学史料編纂所、国文学研究資料館、国立国語研究所、京都大学人文科学研究所、台湾の中央研究院に属する歴史語言研究所とデジタル文化センターの共同事業として行われました。今後も、他の機関に対し参加の呼びかけを行うとしています。

京都大学貴重資料デジタルアーカイブ、同大学理学研究科生物科学図書室が所蔵する博物学資料21点を公開

2020年10月9日、京都大学貴重資料デジタルアーカイブは、同大学理学研究科生物科学図書室が所蔵する博物学資料21点を公開したことを発表しました。

同資料は、2010年から2012年にかけて、京都大学のグローバルCOEプログラム「生物の多様性と進化研究のための拠点形成」の補助による修復・電子化の上、「生物科学図書室 Digital Archives」として公開された資料です。京都大学貴重資料デジタルアーカイブは、「生物科学図書室 Digital Archives」の公開データのプラットフォーム移行を実施し、同アーカイブのコレクション「京都大学所蔵資料でみる博物学の時代」の一部として公開しました。

これにより、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、1万7,663タイトル、137万2,575画像となっています。

理学研究科生物科学図書室が所蔵する博物学資料21点を公開しました(京都大学貴重資料デジタルアーカイブ,2020/10/9)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/news/2020-10-09

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