アーカイブ - 2020年 10月 16日

REALM Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する第5回目のテスト結果と文献レビューを公表:皮革・合成皮革等を調査

2020年10月14日、博物館・図書館・公文書館の職員や利用者への新型コロナウイルスへの影響を軽減するための資料の取扱方法について、科学的根拠に基づいた情報を作成・普及させることを目的とするREALM Projectが、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する第5回目のテスト結果を公表しました。

今回の実験は、皮革(革製本)、合成皮革(椅子張りの生地)、ポリオレフィン繊維(椅子張りの生地)、綿織物(椅子張りの生地、おもちゃ、衣装)、ナイロンウェビング(規制線)を対象に、標準的な室温(華氏68度から華氏75度)、相対湿度30%から50%の条件で行われました。

実験結果として、8日間の隔離後も皮革および合成皮革では新型コロナウイルスが検出されたとしています。ポリオレフィン繊維、ナイロンウェビングについては、最初の1時間の乾燥時間後のみ検出されました。綿織物についてはデータを収集できませんでした。

また、同時に公開された関連文献のシステマティックレビューは、2020年8月中旬までに公開された新型コロナウイルスに関する研究が対象で、ウイルスの拡散、物質や表面上での生存、様々な予防・除染方法の有効性に関する研究を集約しています。

アイルランド・ダブリン市議会、トリニティ・カレッジ・ダブリン旧図書館の保存・再開発計画を承認

2020年10月8日付で、アイルランドのトリニティ・カレッジ・ダブリン図書館は、ダブリン市議会から旧図書館(Old Library)の保存・再開発計画の承認が下りたことを発表しました。

トリニティ・カレッジ・ダブリン旧図書館は、巨大な閲覧室「ロングルーム」や『ケルズの書(The Book of Kells)』をはじめとする貴重な写本のコレクション等で著名なアイルランドを代表する図書館・文化施設です。同館は400年以上にわたって、所蔵する貴重コレクションを管理してきましたが、環境汚染や埃の堆積が建物の構造に影響を与えていること、施設の環境制御システムや防火対策が不十分であることなど、コレクションの保存と保存のための建物環境に関する課題を抱えています。また、近年、世界の文化施設で発生している火災の報道も同館の懸念を深刻なものにしています。

文部科学省、提言「コロナ新時代に向けた今後の学術研究及び情報科学技術の振興方策について」を公表:大学図書館及び多様な学術情報のデジタル化の推進等に言及

2020年9月30日付で、文部科学省のウェブサイトに、同省科学技術・学術審議会の学術分科会・情報委員会の提言「コロナ新時代に向けた今後の学術研究及び情報科学技術の振興方策について」が公表されています。

この提言は、コロナ禍によって社会の在り方が変容し、その経験を踏まえた「コロナ新時代」を迎えつつあることを背景に、学術研究・情報科学技術が新時代の社会の負託に応えられるように、研究を継続するためのレジリエンスの確保、新しい研究様式への転換及び研究者の交流・連携の担保の政策的実現に関する、学術分科会と情報委員会の合同提言です。

新しい研究様式への転換のための振興方策に関する提言では、SINETなど国全体の一体的情報システム基盤及び大学等における情報システム基盤を整備・高度化すること、セキュアな研究データ基盤を構築すること、大学図書館及び多様な学術情報のデジタル化や著作権法の見直し・研究の遠隔化・スマート化などを通して研究環境のデジタル化を促進することに言及されています。

神奈川県、藤沢市総合市民図書館において「感染症対策用入場スクリーニングロボット」の実証実験を実施:公募型「ロボット実証実験支援事業」の一環

2020年10月14日、神奈川県が、藤沢市総合市民図書館において「感染症対策用入場スクリーニングロボット」の実証実験を実施すると発表しています。

同県では、「さがみロボット産業特区」の取組の一環として、生活支援ロボットの実証実験の企画を全国から募集し、支援する「公募型『ロボット実証実験支援事業』」を推進しており、今年度採択した7件のうち、今回実施する実験3つの内の一つとして行なわれるものです。

すでに医療機関において導入されている、音声入力による問診と非接触の検温により、非対面で新型コロナウイルス等の感染症の疑いを検知できるロボットを用いて、来館者を対象にスクリーニング等を行い、医療機関以外での使用における課題を検証します。

藤沢市総合市民図書館での実施日は10月23日と10月24日です。

生活支援ロボットの実証実験を行います!! -公募型「ロボット実証実験支援事業」前期-(神奈川県,2020/10/14)
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/sr4/prs/r4405177.html

【イベント】科学技術に関する調査プロジェクト2020シンポジウム「コロナ時代のソーシャルメディアの動向と課題」(11/12・オンライン)

2020年11月12日、国立国会図書館(NDL)により、科学技術に関する調査プロジェクト2020シンポジウム「コロナ時代のソーシャルメディアの動向と課題」が、オンラインで開催されます。

2020年4月1日にNDLウェブサイトに掲載された法調査資料『ソーシャルメディアの動向と課題』の内容を踏まえつつ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による社会の混乱と変化を受けて、ソーシャルメディアのあり方に改めて焦点が当てられます。

定員は300人(先着順・要事前申込)で、参加費は無料です。

当日の内容は、以下の通りです。

●問題提起
・平 和博氏(桜美林大学リベラルアーツ学群教授、国立国会図書館客員調査員)
「コロナ時代の社会基盤としてのソーシャルメディア」

●報告
・鳥海 不二夫氏(東京大学大学院工学系研究科准教授)
「データから見るデマ拡散の構造」

・三浦 麻子氏(大阪大学大学院人間科学研究科教授)
「社会心理学によるデマ・炎上・差別の背景」

・曽我部 真裕氏(京都大学大学院法学研究科教授)
「プラットフォームと憲法上の論点」

公共図書館の分館のサービスにおけるオープンデータの活用(文献紹介)

2020年10月3日付で、Taylor&Francis社が刊行する“Public Library Quarterly”に、公共図書館の分館のサービスにオープンデータを活用する試みに関する論文“Using Open Data to Inform Public Library Branch Services”が掲載されました。

同論文では、米国のシアトルの公共図書館が、利用者の構成や地域の人口変動を把握できる、オープンソースのシステムのプロトタイプ開発の経緯等がまとめられています。

現在提供されている類似システムは保守性、各館に合わせたカスタマイズ、使用のためのスキル等の面で課題があるということが指摘されています。この状況を踏まえ、シアトルの公共図書館の分館の職員へのインタビュー等を通してニーズを調査し、利用するオープンデータの検討が行われ、米国・国勢調査局のデータをもとに、プロトタイプが作成されました。同プロトタイプは、プログラミング言語であるR言語のパッケージ“Shiny”を用いて、対象地域の年齢、世帯収入の中央値、家庭で使用される言語等のデータを地図上に表すものであると述べられています。

カレントアウェアネス・ポータルに英訳コンテンツを追加しました。

2020年10月16日、カレントアウェアネス・ポータルで新しく英文記事2件を公開しました。

新しい英語のコンテンツは、メールマガジン(CA-E)における、国立国会図書館に関する記事を翻訳したものです。

今回公開した2つの新しい記事に加え、今後も新しい記事を公開していく予定です。

E2240e - NDL Updates Four Search Services including Minutes of the Diet
https://current.ndl.go.jp/en/e2240_en

E2257e - Completion of Storage Annex at Kansai-kan of the National Diet Library
https://current.ndl.go.jp/en/e2257_en