アーカイブ - 2019年

12月 19日

科学研究用ソフトウェアに関する米国の科学者向け著作権ガイドが公開される

ソフトウェアへの長期アクセスのための団体Software Preservation Network(SPN)は、2019年12月17日付けのTwitterにおいて、科学研究用ソフトウェアに関する著作権ガイド“Copyright Guide for Scientific Software”が公開されたことを紹介しています。

米・ハーバード大学ロー・スクールのCyberlaw Clinicと、米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの共同プロジェクトの成果であり、SPNも同プロジェクトに対し協力を行いました。

ガイドはリポジトリZenodo上で公開されています。米国の科学者向けに、米国の著作権法に焦点を当てた内容となっており、著作権と科学研究用ソフトウェアの関係、他者が作成したソフトウェアを使用する上での注意、自らが作成したソフトウェアを他者が使用・引用しやすくするための留意点などが簡潔にまとめられています。

バチカン図書館、デジタル化した資料のキュレーションページ“Thematic Pathways on the Web”を公開:資料には26,000点超のアノテーションを追加

2019年12月18日、米・スタンフォード大学図書館は、バチカン図書館が“Thematic Pathways on the Web”を公開したことを報じています。バチカン図書館がデジタル化した資料のキュレーションページであり、“Latin Classics”、“Greek Paleography”など5つのテーマ別展示を収録し、英語・イタリア語での表示に対応しています。

画像データ相互運用のための国際的な枠組であるIIIFに対応しており、採用しているIIIF準拠のビューワー“Mirador”の機能を活用して、アノテーションが数多く付与されている点が特徴です。同ページの検索オプション内の項目“Resource type”記載の数値によれば、現時点で“Manuscript”244点、“Annotation”26,233点が収録されています。

なお、“Thematic Pathways on the Web”はアンドリュー・W・メロン財団の助成を受けた3年間のプロジェクトの成果であり、同プロジェクトにはスタンフォード大学図書館も技術パートナーとして参加しました。

Europeana、「過去のビッグデータ」の収集・活用を目指す欧州の研究プロジェクト“Time Machine”との協力に関する公式声明に署名

2019年12月16日、Europeanaは、欧州の研究プロジェクト“Time Machine”との協力に関する公式声明に署名したことを発表しました。同プロジェクトは、「過去のビッグデータ」(Big Data of the Past)を収集し、過去の欧州に関する大規模な歴史シミュレーターを構築することを目指しています。

Europeanaは同プロジェクトの開始当初から協力を行っていましたが、今回の公式声明への署名によりパートナーシップの強化が図られます。声明では、両組織の専門知識を持ち寄ることで大きな進展が期待できる分野として以下の3つを挙げています。

・技術インフラとデータモデルの改善
・法的ツールと権利に関するフレームワークの改善
・ネットワークとユーザー主導型インフラの接続

また、両組織は共同研究及び技術・インフラ開発に取り組むとともに、共通の活動にはガバナンスモデルを採用する予定であると述べています。

日本科学未来館、SDGsワークショップ「気候変動から世界を守れ!」で使用している素材一式を無料で提供

2019年12月19日、日本科学未来館が、館内で学校団体向けに実施しているSDGsワークショップ「気候変動から世界を守れ!」で使用している素材一式を無料で提供すると発表しました。

2015年9月の国連総会で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標の一つである「気候変動に具体的な対策を」がテーマで、ボードゲームを通して国内での意見の相違に触れたり、事情の異なる他国と議論したりすることで、グローバルな視点や思考力を養い、課題解決における対話の重要性を学ぶことができるものとなっていると紹介されています。

提供されるのは、ワークショップで投影するスライド資料、ゲームボード等の出力データ一式、実施者のマニュアルです。

資料を希望する場合は、同館のオープンコンテンツ担当までメールで申し込む必要があります。

未来館からのお知らせ(日本科学未来館)
https://www.miraikan.jst.go.jp/info/
※2019年12月19日欄に「SDGsワークショップ「気候変動から世界を守れ!」素材の公開について」とあります。

『カレントアウェアネス-E』382号を発行

『カレントアウェアネス-E』382号を発行しました。

■E2208■ 令和元年台風第15号・第19号等による図書館等への影響
関西館図書館協力課調査情報係

■E2209■ 石巻市図書館の移動図書館車「ひより号」の運行終了について
石巻市図書館・阿部美子

■E2210■ ABDという新たな読書法:本は人を結ぶ縁結びの神様
島根大学図書館コンシェルジュ・田中絵梨
島根大学附属図書館・昌子喜信,三村のぞみ

■E2211■ 第16回電子情報保存に関する国際会議(iPRES2019)<報告>
関西館電子図書館課・工藤哲朗

E2212 - ダブリンコアとメタデータの応用に関する国際会議(DC-2019)

2019年9月23日から26日にかけて,韓国ソウル特別市の韓国国立中央図書館(NLK)において「2019年ダブリンコアとメタデータの応用に関する国際会議(DC-2019)」(E2074ほか参照)が開催された。韓国での開催は2009年から10年ぶりとなる。

E2211 - 第16回電子情報保存に関する国際会議(iPRES2019)<報告>

2019年9月16日から20日までの5日間にわたり,第16回電子情報保存に関する国際会議(iPRES2019;E2085ほか参照)がオランダ・アムステルダムのアイ映画博物館(Eye Filmmuseum)で開催された。2004年に「中国・欧州電子情報保存ワークショップ」として始まったiPRESは,電子情報の保存に係る政策や具体的な事例の紹介,国際組織からNPO団体のような比較的小さな組織の活動まで,様々なトピックを幅広く扱っており,参加者の属性も,図書館員やアーキビスト,研究者のほか,大学関係者やシステム開発者など多様である。今回の会議の参加者は,開催国オランダをはじめ,欧州や北米を中心に400人以上を数えた。日本からの参加者は4人で,国立国会図書館からは筆者が参加した。

E2210 - ABDという新たな読書法:本は人を結ぶ縁結びの神様

島根大学図書館コンシェルジュ(以下「コンシェルジュ」)は,その活動の一つとしてアクティブ・ブック・ダイアログ(ABD)というイベントを2018年度から継続的に行っている。本稿では,ABDを実施するようになった背景,筆者(田中)が島根大学附属図書館(以下「図書館」;島根県松江市)ラーニングコモンズにて2019年10月5日に実施したABD「10年後の仕事図鑑」について報告する。

E2209 - 石巻市図書館の移動図書館車「ひより号」の運行終了について

石巻市図書館では,2011年10月から2019年8月までの約8年間,東日本大震災で被災された住民のための仮設住宅団地(以下「団地」)に移動図書館車を運行した。全国の皆様から多大なご支援をいただいたことにつき,この場を借りて御礼を申し上げるとともに,ひと区切りをつけた移動図書館業務について報告したい。

E2208 - 令和元年台風第15号・第19号等による図書館等への影響

2019年9月9日に千葉市付近に上陸した令和元年台風第15号,10月12日に静岡県に上陸した台風第19号及び10月25日を中心とした大雨により,広い範囲で様々な被害が生じた。本稿では,2019年12月10日までの情報を基に,これらの台風及び大雨の影響を受けた図書館等の状況を中心に紹介する。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、職業教育機関の図書館の現状を調査した報告書を公開

2019年12月17日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、TAFE(職業教育機関)の図書館の調査報告書“ALIA TAFE library survey 2019”を公開しました。

構造や予算の変化がTAFEの図書館と図書館職員にもたらした影響を理解するために、ALIAの職業教育図書館諮問委員会(Vocational Education and Training Libraries Advisory Committee)が実施した調査です。

調査では、58%の図書館職員が、著作権の判断・教育と学習への関与・IT支援・新技術の支援などの面においてこの1年間で大きな役割の変化を感じたとしています。また、49%の職員が大きな組織再編を経験したと回答しています。

また、専門性向上のために機会の減少(52%)、閉館を経験(18%)、年間予算の減少(62%)等も指摘されています。

諮問委員会の委員長は、同調査により、サービスを持続可能とするために必要な人材や設備の投資もなく、TAFEの図書館と図書館員が、学生に必要なサービスを提供するために努力しているという厳しい現状が明らかになったとしています。

カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)・カナダ研究図書館協会(CARL)が2020年1月1日からナショナルコンソーシアムDataCite Canadaを所管

2019年12月5日、カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)は、CRKNとカナダ研究図書館協会(CARL)の研究データ管理に関するプロジェクトPortageが、Dataciteのコンソーシアムメンバーとして承認されたと発表しています。

2020年1月1日から、CRKNとCARLがDataCite Canadaを所管します。

現在所管しているカナダ国家研究会議(National Research Council of Canada)からCRKNとCARLへの移管計画は現在策定中としています。

CRKN and CARL Portage to Manage DataCite Canada as of January 1, 2020(CRKN, 2019/12/5)
https://www.crkn-rcdr.ca/en/crkn-and-carl-portage-manage-datacite-canada-january-1-2020

奥州市立胆沢図書館(岩手県)、「猫ノ図書館」開館3周年記念イベント「ノラネコぐんだんまつり」を開催

岩手県の奥州市立胆沢図書館は、猫本コーナー「猫ノ図書館」が2020年2月22日(猫の日)で開設から3年を迎える事を記念し、2019年1月5日から2月22日にかけて、イベント「ノラネコぐんだんまつり」を開催すると発表しています。

工藤ノリコ氏の「ノラネコぐんだん」シリーズが猫ノ図書館のお祝いを盛り上げるためにやって来るという企画で、

・ノラネコぐんだんの絵本の複製パネル展

・ノラネコぐんだんの世界を楽しもう!
1)ノラネコぐんフォトスポット
2)ノラネコぐんだんぬりえ(全2回開催)
3)ノラネコぐんだんぬりえおめんワークショップ(全2回開催)
4)ノラネコぐんだんぬりえ缶バッジワークショップ

・猫ノ図書館限定スペシャルイベント
1)ノラネコぐんだん&むぎ館長特製カードで書く「猫ノ図書館3周年お祝いメッセージツリー」
2)ノラネコぐんだん図書館ジャック!
3)ビッグブック「ノラネコぐんだん きしゃぽっぽ」の読み聞かせ

を実施すると発表されています。

ワークショップ参加には事前の申し込みが必要です。

岐阜県図書館、ウェブサイトをリニューアル:スマートフォンでの貸出が可能に

2019年12月18日、岐阜県図書館が、ウェブサイトをリニューアルしました。

ウェブサイトのスマーフォン対応、利用者自身の貸出履歴の保存等の機能のほか、スマートフォンに貸出証番号のバーコードを表示させることで資料を借りることもできます。

岐阜県図書館ウェブサイトのリニューアル(岐阜県)
https://www.pref.gifu.lg.jp/event-calendar/c_27205/web-renewal.html

岐阜県図書館
https://www.library.pref.gifu.lg.jp/

12月 18日

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)、「オープンアクセス方針」を策定

2019年12月16日、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)が、「オープンアクセス方針」を策定し、公開しました。

「オープンアクセス方針」を公開いたしました(KU-ORCAS, 2019/12/16)
http://www.ku-orcas.kansai-u.ac.jp/news/20191216_526/

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター オープンアクセス方針(KU-ORCAS)
http://www.ku-orcas.kansai-u.ac.jp/oa-policy/

参考:
E1967 - 関西大学アジア・オープン・リサーチセンターの目指すもの
カレントアウェアネス-E No.336 2017.11.02
https://current.ndl.go.jp/e1967

慶應義塾図書館、グーテンベルク聖書原本を4日間限定で展示

2019年12月18日から12月21日まで、東京都港区の慶應義塾図書館で、グーテンベルク42行聖書(慶應本)原本が4日間限定で展示されています。

同館で第351回企画展示として2019年11月25日から12月21日まで開催されている、慶應義塾図書館貴重書展示会ダイジェスト「インキュナブラの時代 慶應義塾の西洋初期印刷本コレクションとその広がり」の一環として展示されています。なお、この企画展示は、2018年度に丸善丸の内本店で開催された展示会の出品資料の一部を展示するものです。

入場は無料で、誰でも見学可能です。

図書館展示室 展示情報(インキュナブラの時代)(慶應義塾図書館)
http://www.mita.lib.keio.ac.jp/exhibition/monthly_1.html

【イベント】関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)「外国文化研究発信のためのWikipedia翻訳&執筆ワークショップ」(3/13・吹田)

2020年3月13日、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)が関西大学総合図書館において「外国文化研究発信のためのWikipedia翻訳&執筆ワークショップ」を開催します。

Wikipediaに登録されている外国語の記事の和訳、外国に関する新しい記事のWikipedia日本語版での執筆に関する方法を実践的に学び、人文系研究者による研究成果発信の実践機会となることを目的としたものです。

2020年11月の「ウィキペディア・アジア月間」に向けた準備ワークショップとして位置付けられています。

参加費は無料ですが事前の申込が必要です。

参加者はノートパソコンの持参が必要で、また、図書館内の開架資料の利用は可能であるものの、参加者が翻訳したい言語に関する辞書の持参が推奨されています。

内容は以下の通りです。

・ワークショップ趣旨説明:菊池信彦氏(KU-ORCAS特命准教授)

・スペインやバスク地方に関する日本語記事の翻訳公開活動と、図書館におけるWikipediaタウンの現状:Asturio Cantabrio氏(ウィキペディアン)

・英日翻訳活動の実際と、研究者・学生向けの記事執筆方法の解説:北村紗衣氏(武蔵大学准教授)

スウェーデン・Bibsamコンソーシアム、Wiley社と3年間の“Read & Publish”契約を締結

2019年12月17日、Bibsamコンソーシアムを代表してライセンス契約の交渉を行っているスウェーデン王立図書館(NLS)は、Wiley社とオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」として、“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

この契約にはスウェーデン国内45の機関が参加しています。契約参加機関に所属する研究者は、同社の約1,500タイトルの購読誌へ引き続きアクセス可能になる一方、同社の約1,550タイトルのゴールドOA誌・ハイブリッドOA誌で、追加費用を支払うことなく自身の研究成果のOAによる出版が可能になります。

Wiley社のプレスリリースによると、この契約は2020年1月1日に発効する3年間の契約です。この契約により、同社の学術雑誌で追加費用を支払うことなく研究成果をOA出版する資格がある全ての研究者・学生は自動的に特定され、研究成果をOA化する機会を利用できる旨が通知されます。また、契約に参加する45機関には、資金管理や詳細なレポート作成等が可能な専用のオープンアクセスアカウントダッシュボードが用意されます。

韓国で「図書館法を一部改正する法律」が公布:司書資格の不正取得者・他人への貸与者の資格取消、国立障害者図書館の所管の文化体育観光部長官への変更

2019年12月3日、韓国で「図書館法を一部改正する法律」が公布されました。

第6条第2項に文化体育観光部長官による司書資格の不正取得者や他人への貸与者の資格取消規定が、第6条第3項に文化体育観光部長官による司書資格の発行及びその管理に関する規定等が新設されています。

また第45条に、国立障害者図書館の所管を韓国国立中央図書館長から文化体育観光部長官に変更する改正が行なわれています。これは、国立障害者図書館の組織・運営の独立性を強化することで、より積極的な障害者サービス支援を実施できるようにすることが目的です。

施行は公布の6か月後です。

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