2019年5月21日、米国国立医学図書館(NLM)は、2019年5月7日にシカゴで開催された米国医学図書館協会(MLA)年次大会で実施したプレゼンテーション“National Library of Medicine Update”のスライドの公表を発表しました。
年次大会のプレゼンテーションでは、4人のスピーカーにより2018年に策定された戦略計画2017-2027“A Platform for Biomedical Discovery and Data-Powered Health”の進展やNLMの組織的・空間的な変化の動き、PubMed再設計の進捗状況、医学図書館全米ネットワーク(National Network of Libraries of Medicine:NNLM)の活動等が報告されています。
PubMed再設計に関しては、現在“PubMed Labs”で試験公開中のPubMed更新版が2019年9月に“New Production PubMed”として基本サービスになり、2020年1月に現行のPubMedを廃止して“New Production PubMed”へ移行する、というロードマップが示されています。
2019年5月24付の“Otago Daily Times”紙で、ニュージーランドのオタゴ大学(University of Otago)が中央図書館 の1階に、3D・バーチャル技術を用いた館内フロア案内用キオスク端末2台 を設置したことが報じられています。
これはニュージーランド・ダニーデンのPunch Marketing社がGoogle Street View等から作成した1000枚以上の館内パノラマ写真をシームレスにつなぎ合わせて、キオスク端末の55インチのタッチスクリーンに映し出すことで実現しています。オタゴ大学の学生は、スクリーン上のQRコードにより、図書館内のグループ学習エリアを携帯電話から予約する際にもこのキオスク端末を利用することができます。
2019年5月20日、研究成果のオープンアクセス化を推進するラテンアメリカの国際組織La Referenciaが、ドキュメント“Scholarly Communication and Open Access. Actions for a Public Policy in Latin America”を公表しました。
La Referenciaが、5月にブラジルで開催されたグローバルリサーチカウンシル(GRC)の年次会合に出席したLa Referencia参加機関のために作成したものです。同地域が直面するオープンアクセス(OA)の課題に関して、短期的・中期的な観点から強化・更新が必要な、共通ビジョンの議論やその策定を促すことが目的で、その課題を概観し、公的資金が投入された学術成果のOA化や、その実現のための中心的役割を科学技術機関が果たすよう必要な行動をとることを促しています。
2019年6月7日から7月7日にかけてフランスで行われる「FIFA女子ワールドカップ2019」にちなみ、英国図書館(BL)等が運営しているウェブアーカイブ“UK Web Archive”のブログ(2019年5月28日付)が、FIFA女子ワールドカップと“UK Web Archive”に関する記事を投稿しています。
伝統的に女子スポーツがメディアで取り上げられることは少なかったが、近年は変化が見られ、“UK Web Archive”で収集されたデータを分析した結果では、FIFA女子ワールドカップ関連情報が1999年には11件であったのが、2007年・2011年と英国代表が参加した後の2011年の収集データでは4,930件へと増加していること等が指摘されています。
一方で、“UK Web Archive”のコレクションでは性別による区別は行われていないが、マスコミを含む社会の男女平等の欠如により男女のバランスが崩れていることも指摘し、言語を問わず、英国で発信されたFIFA女子ワールドカップ2019関連のウェブページを発見した場合、公募フォームから知らせるよう依頼しています。
2019年5月20日、オランダの研究データ管理全国共同拠点(Landelijk Coördinatiepunt Research Data Management; LCRDM)が、オランダの研究機関における研究データ管理の現状をまとめたレポート”Data Stewardship on the map: A study of tasks and roles in Dutch research institutes”を公表しました。英語版・オランダ語版がそれぞれ公開されています。