2019年3月12日、ノルウェー国内の研究機関等の、高等教育および研究におけるICTや共同サービスを担当するユニット(Unit – Direktoratet for IKT og fellestjenester i høyere utdanning og forskning)は、今後、ノルウェーの研究機関等でのElsevier社の出版物の購読を停止することを発表しました。
近年,主に海外の図書館において,館内にラボを設置する館が増えてきている。スウェーデン王立図書館(NLS)でも図書館ラボ設置のための検討が行われ,2018年にはNLSのラボ(以下「NLSラボ」)に求められる要件について委託調査を行った。その調査の報告書である“datalab.kb.se:A Report for the National Library of Sweden”(以下「報告書」)が,2018年10月,調査に携わったスウェーデンのウメオ大学教授Pelle Snickars氏の個人ウェブサイト上で公開された。章立ては,(1)欧米の国立図書館ラボの調査,(2)デジタル研究(Digital Scholarship),(3)NLSラボ設置のための推奨事項となっている。本稿では報告書の概要を紹介することで,図書館ラボに関する知見を深める材料としたい。
2018年11月,英国研究図書館コンソーシアム(RLUK),英国国立公文書館(TNA)及び英・Jiscは,特別コレクション(Unique and Distinct Collections:UDCs)の引用データ記述形式について考察した報告書“Citation Capture: Enhancing Understanding of the Use of Unique and Distinct Collections within Academic Research and the Research Outputs Produced as a Result”を公開した。引用データ記述形式の標準化及び収集・保存方法の効率化を進めて,UDCsの利用動向を測定できるようにすること,そして,英国のUDCs所蔵機関が将来計画を策定する際に,引用データを情報源として有効に活用していくための提案を行うことが本報告書の目的である。以下,報告書の内容を紹介する。