アーカイブ - 2019年 11月

11月 7日

E2194 - 議論の深化を目指して:肖像権ガイドライン円卓会議<報告>

2019年9月26日,御茶ノ水ワテラスコモンホール(東京都千代田区)において,デジタルアーカイブ学会(以下「学会」;E1997参照)の主催,デジタルアーカイブ推進コンソーシアム(DAPCON)の後援にて,「肖像権ガイドライン円卓会議-デジタルアーカイブの未来をつくる」(以下「本フォーラム」)が開催された。

E2195 - 欧州の研究図書館におけるデジタル人文学の現状と展望

写本をはじめとした資料のデジタル化,OCR技術を活用したデジタル翻刻,オンラインでの公開,テキストマイニングを用いた研究など,コンピュータ技術の発展と浸透によって人文学研究の様相は大きく変化した。デジタル人文学と総称される,こうした研究の新潮流はすでにその重要性を広く認識されている。しかし,デジタル人文学は(もちろん)コンピュータ技術の知識を要し,学際的な広がりを持つ方法論であり,従来の人文学研究の単なる延長線上にあるとは言い難い。現代の研究図書館はデジタル人文学研究をいかにして支援し,推し進めていくことが可能だろうか。

E2192 - 第9次地方分権一括法による図書館法等の改正

2019年5月31日,地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第9次地方分権一括法,令和元年法律第26号)が成立し,6月7日に公布・施行(一部の条を除く)された。これにより,社会教育法(昭和24年法律第207号),地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)及び図書館法(昭和25年法律第118号)が改められ,各地方公共団体の判断で条例を定めることにより,特例として,公立図書館を教育委員会ではなく地方公共団体の長が所管することができるようになった。議論の発端である,2018年2月9日の中央教育審議会生涯学習分科会における「公立社会教育施設の所管の在り方等に関するワーキンググループ」(WG)の設置決定以後,図書館界のいくつかの団体からは反対の意見が示されていた。限られた字数の中で近年の社会教育関連法改正に係る大きな流れまでを取り上げることは困難であるため,本稿では,国会での法案審議の内容を踏まえ,今回の法改正に係る論点3つに注目することとしたい。

E2191 - IFLA“The 10-Minute Library Advocate”の紹介

図書館業界における広報活動の世界的な潮流において,昨今中心的な地位を占めている取組みがアドヴォカシーである(CA1646,CA1769参照)。図書館の果たす役割やその意義を理解し,図書館のために行動してもらえる賛同者を得ることは,長期的かつ安定的な図書館運営の根幹を成す重要な目標である。本稿では,国際図書館連盟(IFLA)が実施するアドヴォカシーの取組み“The 10-Minute Library Advocate”を紹介する。

E2190 - 三角コーンが結ぶふたつのまち:小樽・渋川コラボ展示の経緯

2019年6月19日,「日本のまんなか」に位置する渋川市立図書館(群馬県)の広報担当は,受話器を耳に当てたまま土下座をするという器用なポーズを取っていた。見守る館員の目は点。館長の表情は蒼白。三者が息を殺して互いに身動きの取れないこの状況は,本来の意味は違うが「三すくみ」に似ていた。広報担当の電話の相手は市立小樽図書館(北海道)の館長さんである。なぜ,このような事態が発生したのか。

SCOAP3、2022年までの3年間の期間延長を発表

2019年10月31日、SCOAP3は、同プロジェクトを中心となって進めている欧州原子力研究開発機構(CERN)が、オープンアクセス(OA)事業を3年間延長するため、11の出版者と契約を締結したと発表しています。

契約期間は2020年から2022年までです。

これまでと同じ11誌がこの3年間の延長契約に参加し、すべての記事はCC BYのライセンスの下、著者による費用負担なしで、出版者のプラットフォーム及びSCOAP3のリポジトリでOAで公開されます。

これまでの約6年間の活動の成果として、120か国の2万人の研究者の3万を超す論文がOAで公開されたとしています。

SCOAP3 extended until 2022(SCOAP3,2019/10/31)
https://scoap3.org/scoap3-extended-until-2022/

【イベント】第41回(2019年度)図書館建築研修会「オーテピア高知図書館:県と市による融合一体型図書館」(2/22-23・高知)

2020年2月22日・23日に、オーテピア高知図書館において、日本図書館協会(JLA)図書館施設委員会主催の第41回(2019年度)図書館建築研修会「オーテピア高知図書館:県と市による融合一体型図書館」が開催されます。

県立と市立の融合一体型図書館であり、ランドマークとしての存在感を発揮しているオーテピア高知図書館の施設整備の経緯とその建築、現状について学ぶことを目的としています。

また、図書館施設委員会委員による、新築・改修等個別事例に関する相談の時間も設けられます。

参加には事前の申込が必要で、定員は80人(申込順・定員次第締切)です。
参加費は、JLAの会員4,000円、一般7,000円、学生2,000円です。

内容は以下の通りです。

2月22日
・「四国における図書館と施設整備の動向(仮)」 
天野奈緒也氏(日本図書館認定司書第1137号(愛媛県議会図書室))

・「オーテピア高知図書館 整備プロセス・建築・運営 」
渡辺憲弘氏(高知県立図書館 館長)/渡辺猛氏(株式会社 佐藤総合計画)

・見学会「オーテピア高知図書館」/懇親交流会

豊橋市図書館(愛知県)、羽田八幡宮所蔵の織田信長・豊臣秀吉等の書翰や後奈良天皇等の宸翰8点が羽田八幡宮文庫旧蔵資料であったことが確認されたと発表

2019年11月6日、愛知県の豊橋市図書館が、羽田八幡宮が所蔵する書翰・宸翰8点が羽田八幡宮旧蔵資料であったことが確認されたと発表しています。

同文庫は、羽田八幡宮の羽田野敬雄や地元の町人らが嘉永元年(1848年)に設立した私設文庫で、明治40年(1907年)頃に閉鎖された際に旧蔵書は売却されましたが、その後買い戻され、それを基に豊橋市立図書館が設立されました。

同館では、同文庫の旧蔵資料を市の文化財に指定するため、羽田八幡宮において文庫旧蔵資料の所有者確認等調査を行って、これまで八幡宮と文庫と所蔵者の区別がつかなかったものを調べたところ、書翰5点・宸翰3点、あわせて8点が同文庫の旧蔵資料であることが確認できたとしています。同文庫が閉鎖された際に旧蔵資料は売却されたものの、書翰・宸翰など極一部の貴重資料は売却されずに羽田八幡宮へ移管されて宝物となったと評価しています。

また、書翰と宸翰の真贋鑑定を行い、足利義詮・織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・徳川光圀の書翰は本物であることが確認できたと発表されています。また、これまで源頼朝とされてきた書翰が調査の結果、足利義詮のものと確認されたとしています。一方、後二条天皇・後奈良天皇・後陽成天皇の宸翰については判断資料が少ないため真贋については判断しておらず、診断方法を検討中としています。

11月 6日

日本図書館情報学会研究大会シンポジウム「デジタルアーカイブと図書館」の発表資料が公開される

2019年10月30日、日本図書館情報学会は、第67回研究大会の一部として2019年10月20日に開催されたシンポジウム「デジタルアーカイブと図書館」について、発表資料を公開しました。

当日の登壇者とテーマは次のとおりでした。

古賀崇氏(コーディネータ・司会,天理大学人間学部)
「シンポジウム趣旨説明」

福島幸宏氏(東京大学大学院情報学環)
「デジタルアーカイブ環境下での図書館機能の再定置」

川島隆徳(国立国会図書館)
「ジャパンサーチ(試験版)のドメイン設計思想」

西岡千文氏(京都大学附属図書館)
「京都大学図書館機構のデジタルアーカイブに関する取り組みと図書館情報学への期待」

株式会社金の星社、創業100周年を記念して「金の船・金の星デジタルライブラリー」を公開 :大正・昭和初期の童謡童話雑誌『金の船』を収録

2019年11月1日、児童書の出版を手掛ける株式会社金の星社は、1919(大正8)年11月の創業から100周年を迎えることを記念し、「金の船・金の星デジタルライブラリー」を公開したことを発表しました。

同社が大正8年11月から昭和4年7月号まで刊行していた童謡童話雑誌『金の船』(大正11年6月号から『金の星』と改題)のうち、創業者・斎藤佐次郎氏が編集・発行を手掛けた昭和3年4月号までの計101冊をデジタル版で公開するとしています。

2019年11月6日時点では、暫定的に1巻1号、1巻2号のみ公開されており、以降の号は順次公開する予定とあります。

創業100周年記念「金の船・金の星デジタルライブラリー」公開(株式会社金の星社, 2019/11/6)
https://www.kinnohoshi.co.jp/information/detail.php?id=584

国立国語研究所、ウェブページ「先駆的名論文翻訳シリーズ」を公開

2019年11月6日、国立国語研究所は、ウェブページ「先駆的名論文翻訳シリーズ」(Pioneering Linguistic Works in Japan)の公開を発表しました。

日本語で出版された論文の中から、日本語学的・言語学的にパイオニア的価値を持ち、その評価がほぼ確立した日本語論文を選定・英訳したものを公開しています。

2019年11月6日時点では、橋本進吉「国語仮名遣研究史の一発見―石塚龍麿の仮名遣奥山路について―」、金田一春彦「現代諸方言の比較から観た平安朝アクセント」など論文7本の英訳が公開されており、今後追加の翻訳も予定されています。

なお、英訳に際しては、英語を母語とし、当該分野を専門とする言語学者に依頼したこと、英文校正に際しても、これらの言語学者およびこの分野を専門とする国立国語研究所所員に依頼したことが紹介されています。

第105回全国図書館大会、ウェブサイト上に分科会の「報告原稿全文」を掲載

2019年11月4日、第105回全国図書館大会のウェブサイトにおいて、分科会の「報告原稿全文」をPDF形式で掲載したことが発表されています。

11月4日現在、一部の分科会の報告原稿全文のみ公開されており、追加・修正等があれば随時更新するとしています。

分科会の「報告原稿全文」を掲載しました(第105回全国図書館大会, 2019/11/4)
http://105th-mietaikai.info/news/archives/3

参考:
第101回全国図書館大会、各分科会の「報告原稿全文」をウェブサイトに公開 シンポジウム 「図書館とまちづくり―世代をつなぎ、次代を育て、地域をつくる―」の様子はUSTREAMでネット配信
Posted 2015年10月13日
https://current.ndl.go.jp/node/29631

人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)、IIIF Curation Viewerに新機能「アノテーションビューモード」を追加:新機能を体験できるサービス「江戸マップβ版」「くずし字データセット閲覧ビューア」も公開

2019年11月5日、人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)は、IIIF準拠の画像ビューワであるIIIF Curation ViewerのV1.7を公開したことを発表しました。

主要な新機能として次の2点が紹介されています。

・新機能「アノテーションビューモード」の追加により、IIIF画像上に場所や文字のマーカーが表示可能となり、IIIF環境でも地図や翻刻が利用しやすくなったこと
・IIIFマニフェストに含まれるIIIF Image APIに非対応のリソース(例:JPEG画像)等の表示にも対応したこと

また、新機能を体験できるサービスとして、古地図の上に画像マーカーを表示することでIIIFビューアを地図アプリのように使える「江戸マップβ版」と、くずし字の翻字を文字マーカーとして表示することでくずし字と現代の文字を左右に並べて表示する「くずし字データセット閲覧ビューア」を新たに公開したことも発表されています。

【イベント】シンポジウム「文化遺産の意図的な破壊―人はなぜ本を焼くのか―」(12/1・東京)

2019年12月1日、政策研究大学院大学想海樓ホール(東京都港区)において、文化遺産国際協力コンソーシアム、文化庁が主催するシンポジウム「文化遺産の意図的な破壊―人はなぜ本を焼くのか―」が開催されます。

開催趣旨によれば、歴史的に行われてきた焚書や文化遺産の「意図的な」破壊行為を振り返り、破壊する側の「論理」に照準を当て、何を否定し、どのような効果を狙って破壊するのかを問うことにより、社会にとっての書物、ひいては文化遺産の意義について考えるシンポジウムとあります。

参加費無料、定員300名(事前申し込み要)です。当日の主なプログラムは次のとおりです。

講演1「秦始皇帝の焚書坑儒の真相」
鶴間和幸氏(学習院大学文学部教授)

講演2「エジプトにおける文字記録の抹殺とアレクサンドリア大図書館の焼失」
近藤二郎氏(早稲田大学文学部教授)

講演3「ユーゴ内戦時の文化遺産の破壊―サラエヴォ図書館、コソボの教会堂などを例として―」
鐸木道剛氏(東北学院大学文学部教授)

講演4「テロと古文書と誇り―マリ北部トンブクトゥにおける事例から―」
伊藤未来氏(西南学院大学国際文化学部講師)

東北大学、2種類のクラウドファンディングプロジェクトを開始:図書館所蔵「漱石文庫」のデジタルアーカイブ化プロジェクトと大学病院考案レシピの書籍化プロジェクト

2019年11月5日、東北大学は、クラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営するREADYFOR株式会社と東北地方の大学では初となる業務提携を結び、提携後初のプロジェクトとして、附属図書館所蔵「漱石文庫」のデジタルアーカイブ化と大学病院考案レシピの書籍化を目指した2つのプロジェクトを開始したことを発表しました。

「漱石の肉筆を後世へ!漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクト」は、東北大学附属図書館が所蔵する「漱石文庫」のデジタルアーカイブ化を目指す目標金額200万円のプロジェクトです。「漱石文庫」は、夏目漱石自身の肉筆による手帳や日記、ノート、試験問題、創作メモ、手紙などからなる自筆資料と、約3割に書き込みやアンダーラインが多数見られる旧蔵書で構成される、漱石の創作過程を知ることができるコレクションです。漱石没後100年がすぎ劣化の進行した資料や薄い鉛筆書きのため公開の難しくなった肉筆資料が現われ始めているため、クラウドファンディングを通して、最新の技術による全面的なデジタルアーカイブ化とインターネットを通した一般公開を進めたい、としています。

オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)、英国生化学会の完全子会社であるPortland Press社と“Read & Publish”契約を締結

2019年11月1日、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)は、英国生化学会(Biochemical Society)の完全子会社であるPortland Press社と“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。Portland Press社にとっては初めてのオープンアクセス(OA)への「転換契約」となり、CAULにとっては2例目の「転換契約」となります。

この契約は、ウェルカム・トラスト等による、学会系出版社の即時オープンアクセス(OA)転換とPlan S原則に準拠した「転換契約」締結支援プログラム“Society Publishers Accelerating Open access and Plan S (SPA-OPS)”を契機として締結されました。オプトイン方式による2020年から2022年までの3年間の試験的な契約となります。

契約に基づき、英国生化学会の学術雑誌7誌(完全OA誌2誌含む)について、オーストラリア及びニュージーランドの契約参加機関に所属する研究者は、追加費用を支払することなく研究成果をOAにすることが可能になります。また、契約参加機関からのハイブリッド誌5誌へのアクセス、機関リポジトリ登録用の出版社版(version of record)PDF通知なども含む内容となっています。

米国図書館協会(ALA)、コンピューターサイエンス教育週間中にプログラミング教育活動を実施する学校図書館・公共図書館を対象とした少額助成の募集を開始

2019年11月4日、米国図書館協会(ALA)が、コンピューターサイエンス教育週間(11月9日から15日)中にプログラミング教育活動を実施する学校図書館・公共図書館を対象とした少額助成の募集を開始しました。助成額は300ドルで、対象は450館です。

助成を受けた館では、同週間中、ALAのプログラミング教育に関するプロジェクト“Ready to Code”が開発したツール等を用いて、Google社のコンピューターサイエンス教育に関するプログラム“CS First”を活用したプログラミング教育活動を実施します。

活動内容は、ハッシュタグ#ReadyToCode、#CSFirst、#CodeYourHeroを用いて情報発信するとともに、同週間終了後には、助成による活動から得られた知見を共有するとしています。

米国図書館協会(ALA)、図書館のコアサービス提供機能を制限するデジタル市場の商慣行是正を求めたレポートを米国下院に提出

2019年10月23日、米国図書館協会(ALA)は、図書館のコアサービス提供機能を制限するデジタル市場の商慣行の是正を求めたレポートを米国下院に提出したことを発表しました。レポートは、Macmillan社が2019年11月1日から実施する図書館向け電子書籍の新しい提供モデルへのALAの抗議キャンペーン“#eBooksForAll”に続く形で公開されました。

ALAは、米国の下院司法委員会の下に設置された独占禁止法・商法および行政法に関する小委員会によるデジタル市場における競争の状況に関する情報提供の求めに応じたレポートとして、2019年10月15日付で“Competition in Digital Markets”を作成しました。ALAはレポートを通して、デジタル市場におけるAmazon社・Macmillan社等の企業の商慣行が、米国民の何をどのように選んで読書を行うかに関する権利を脅かし、合衆国憲法修正第1条で定められた基本的な自由を損なっていることを強調し、こうした反競争的な商慣行是正を議員らに訴えています。

文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会、「写り込みに係る権利制限規定の拡充に関する中間まとめ」に関する意見募集を実施中

文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会が、2019年10月31日から11月30日まで、「写り込みに係る権利制限規定の拡充に関する中間まとめ」に関する意見募集を実施しています。

新着情報一覧(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/whats_new.html
※2019年11月5日欄に「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会「写り込みに係る権利制限規定の拡充に関する中間まとめ」に関する意見募集の実施について」とあります。

文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会「写り込みに係る権利制限規定の拡充に関する中間まとめ」に関する意見募集の実施について(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/shinsei_boshu/public_comment/1422409.html

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