アーカイブ - 2015年 5月 12日

ハワイ大学マノア校で大学院生がオープンアクセス方針を採択

2015年4月23日、米ハワイ大学マノア校で大学院生を対象としたオープンアクセス(OA)方針が、大学院生組織で採択されました。これは同校の大学院生と図書館員、米SPARCの呼びかけによって実現したものです。

ハワイ大学マノア校にはもともと教員向けのOA方針があり、新たな方針によってその対象が大学院生にも拡大されます。具体的には大学院生の研究成果についても、同校の機関リポジトリでの公開対象に含まれることになります。

Graduate students adopt Open Access policy for scholarship(University of Hawai’i System News、2015/5/5付け)
https://www.hawaii.edu/news/2015/05/05/graduate-students-adopt-open-access-policy-for-scholarship/

米国デジタル公共図書館(DPLA)、Europeana、クリエイティブコモンズのワーキンググループ、 国際的で総合運用可能な権利表示制定のためのホワイトペーパーを公開

米国デジタル公共図書館(DPLA)、Europeana、クリエイティブコモンズのワーキンググループ(WG)が、国際的で、総合運用可能な権利表示制定を目的とした2種類のホワイトペーパーを公開しました。

一つ目のペーパー、「国際的な権利表示の標準化のための提言」(Recommendations for standardized international rights statements)では、両機関の経験に基づき、標準化された権利表示を満たすものを提供するための国際的なアプローチについての指針が述べられているとのことです。このペーパーとともに、WGが永年議論してきたものを反映した12の新しい権利表示のリストも提案されているとのことです。

2つ目のペーパー、「技術的なインフラのための企画案」(A proposal for a technical infrastructure)では、新しい権利表示が世界中の機関で利用されるために、新しい権利表示の名前空間“rightsstatements.org”を主催することが提案されているとのことです。

ともに、コメントが求められており、締切は2015年の6月26日になっています。

Wiley社、電子書籍に代替テキストの埋め込みを開始 アクセシビリティ向上を図る

2015年5月5日付けのWiley社のブログ”Exchanges”で、2015年5月から、同社の販売する電子書籍に画像の代替テキスト(alternative text、alt text)の埋め込みを開始すると発表しました。

代替テキストは画像等を表現できない音声読み上げソフトの利用者等に向けて、画像内の情報等を伝えるための文章を埋め込むものです。代替テキストの埋め込みにより、アクセシビリティの向上を図るとしています。

Wiley incorporates alt text to make content more accessible(Wiley Exchanges、2015/5/5付け)
http://exchanges.wiley.com/blog/2015/05/05/wiley-incorporates-alt-text-to-make-content-more-accessible/

米Wiley、電子書籍のアクセシビリティ向上のため「<alt>」テキストを埋め込み開始(hon.jp DayWatch、2015/5/7付け)
http://hon.jp/news/1.0/0/6436/

参考:
総務省、「音声読み上げによるアクセシビリティに対応した電子書籍制作ガイドライン」を公開
Posted 2015年5月1日

「バベルの図書館」を再現したWebサイト公開

ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編小説「バベルの図書館」に登場した、同名の架空の図書館を再現したWebサイトが公開されています。

このWebサイトはニューヨーク在住の著述家Jonathan Basile氏が作成したものです。サイトにアクセスするとボルヘスの小説の設定に従い、六角形の部屋の4つの壁に設置された書架(それぞれ棚数は5つで、1棚あたり32冊の図書を配架)を閲覧することができます。すべての図書は410ページの、アルゴリズムによってランダムに配列されたアルファベットから成っています。

同サイトでは部屋番号や書架を指定して配架された図書を閲覧できるほか、図書の全文検索によって任意のフレーズが含まれる図書を探すこともできます。

Library of Babel
http://libraryofbabel.info/

Brooklyn Author Recreates Borges’ Library of Babel as Infinite Website(Flavorwire、2015/4/23付け)
http://flavorwire.com/515783/brooklyn-author-recreates-borges-library-of-babel-as-infinite-website

Elsevier社がセルフアーカイビング等に関する新たなポリシーを発表

2015年4月30日、Elsevier社は同社の雑誌掲載論文のセルフアーカイビング等に関する新たなポリシーを発表しました。

新たなポリシーでは従来、一つにまとめられていたセルフアーカイビングや論文の共有に関する方針を著者に向けた”Sharing”とホスティングサービスに向けた”Hosting”の二つに分けています。また、以前のポリシーでは機関によるオープンアクセス義務化方針に基づいて論文をセルフアーカイブする場合と著者が自主的に行う場合でセルフアーカイブを認めるまでの期間(エンバーゴ)が異なっていましたが、新ポリシーでは義務化の有無に関わらず、雑誌ごとにエンバーゴ期間が定められています。そのほかに従来は著者最終版の登録のみが認められていた博士論文として機関等に提出された論文について、出版者版を機関リポジトリに掲載すること等が認められています。

一方、新ポリシーではエンバーゴ期間中は著者最終版であっても機関リポジトリで公開できない(学内のみでの共有は可)とされている等、Sharingポリシーとは名ばかりで、オープンアクセスからの後退であるという批判もなされています。

Unleashing the power of academic sharing(Elsevier Connect、2015/4/30付け)

国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)に、 311ドキュメンタリーフィルム・アーカイブ(山形国際ドキュメンタリー映画祭)を追加

2015年5月12日、国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)に、認定NPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)が発信する、東日本大震災の記録映画とその作品資料の作品情報を追加しました。

311ドキュメンタリーフィルム・アーカイブ(山形国際ドキュメンタリー映画祭)は、認定NPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)が行う、東日本大震災の記録映画とその作品資料を蒐集・保存し、その作品情報を発信する事業です。

311ドキュメンタリーフィルム・アーカイブ(山形国際ドキュメンタリー映画祭)~ひなぎく新規追加コンテンツからの紹介(31)
http://kn.ndl.go.jp/information/388

OASIS、法令・議会情報を記述するためのXMLスキーマ“AKoma Ntoso”のパブリックレビューを実施中

法令・議会情報を記述するためのXMLスキーマ“AKoma Ntoso”の標準化を検討するための会議体であるOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)のLegalDocumentML Technical Committeeは、AKoma Ntosoの、新しいVersion 1.0のドラフト仕様のパブリックレビューを2015年6月5日まで受け付けているようです。

4つのドラフトの仕様書を公開しており、ユーザーや開発者からのコメントを求めています。

標準化を見越して、バージニア州フェアフアックスGeorge Mason大学では、2015年8月1日に初めてのAKoma Ntosoの国際会議を開く予定とのことです。

Public Review of OASIS Akoma Ntoso Version 1.0 Standard Announced(Library of Congress,2015/5/11)
http://blogs.loc.gov/law/2015/05/public-review-of-oasis-akoma-ntoso-version-1-0-standard-announced/

※4つのドラフト仕様書

京都造形芸術大学、電子書籍配信サービス“BookLooper”の利用対象を通信教育部の全学生およそ6,500名に拡大

京都造形芸術大学は2015年4月1日から、京セラ丸善システムインテグレーション株式会社が提供する電子書籍配信サービス“BookLooper”で電子教科書を配信する対象を、大学院を含めた同学の通信教育部の全学生およそ6,500名に拡大しています。配信される科目数は58にのぼるようです。

京都造形芸術大学は、2013年4月からタブレット端末やスマートフォンの学修に特化したカリキュラム「芸術教養学科」(通称てのひら芸大)を設置するなど、通信教育で電子教科書を活用する先進的な取り組みを行ってきたとのことですが、BookLooperによる電子教科書の提供範囲を通信教育部の全学生に拡大することで学修環境充実を図るようでうす。また、同学は学生によるBookLooperでの学修行動履歴を収集し、利用実態を分析することで、学修効率を向上していくことも予定しているようです。

京都造形芸術大学 通信教育部が京セラ丸善のBookLooperによる電子教科書配信を全学生6,500名に拡大~58科目に及ぶ電子教科書配信でより多くの学生の学修環境充実を目指す~(京セラ丸善システムインテグレーション株式会社, 2015/5/7)
http://www.kmsi.co.jp/press/2015-05-07/

九州大学が全学の1年生を対象に、京セラ丸善システムインテグレーションの電子書籍配信サービス“BookLooper”によって講義資料を配信、教育ビッグデータの利活用に関する研究を開始

2015年4月13日から、九州大学は同学の一年生約2,700名を対象に、京セラ丸善システムインテグレーションの電子書籍配信サービス“BookLooper”を利用した講義資料の配信及び教育ビッグデータの利活用に関する研究を開始しました。これまで、同学ではBookLooperによる試験的な講義資料配信が行われてきたとのことですが、今回本格的に実施することとなった模様です。

BookLooperは、PC・タブレット・スマートフォンなどによる閲覧・書き込みを可能とし、コンテンツ検索・閲覧・マーカー・メモなどの学習支援機能、利用ログ収集・分析機能を有するとのことです。

九州大学がこの度実施する教育ビッグデータの利活用に関する研究は、情報通信研究機構(NICT)による「ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発」の助成を受けて実施されるとのことで、2013年4月から学生全員のPC必携化や、eラーニングを含む教育の情報化、学内にセンサを配置した行動分析などを行ってきた実績があり、これらのデータとBookLooper上のログが利用されるようです。

【イベント】「地域史料に未来はあるか?―史料の保存利用と地域のアイデンティティ―」をテーマとする「史料保存利用問題シンポジウム 2015」(6/27・東京)

日本歴史学協会などが主催する「史料保存利用問題シンポジウム 2015」が6月27日に開催されます。シンポジウムは、「地域史料に未来はあるか?―史料の保存利用と地域のアイデンティティ―」がテーマとなっているようです。

シンポジウムは、地方行政文書も含む地域史料の保存利用の状況、取り組みについて考えるものであるとのことで、「島根県における地域資料をめぐる現状と保存問題」(島根大学法文学部 小林准士教授)、「過疎化する地域の歴史遺産-茨城史料ネットの活動を通して-」(茨城大学人文学部 添田仁准教授)、「学校所蔵史料の保存と活用―京都市を事例として―」(京都市学校歴史博物館学芸員 和崎光太郎氏)の報告などが予定されているようです。

史料保存利用問題シンポジウム 2015 開催要領(日本アーカイブズ学会, 2015/4/18)
http://www.jsas.info/modules/news/article.php?storyid=213

史料保存利用問題シンポジウム「地域史料に未来はあるか?―史料の保存利用と地域のアイデンティティ―」のお知らせ(6/27)」(歴史資料ネットワーク, 2015/5/1)
http://siryo-net.jp/event/siryohozon-riyou-symposium20150627/

参考: