アーカイブ - 2014年 7月

Pew Research Centerの調査からわかった図書館に関する7つの驚くべき事実(米国)

2014年6月30日付けで、Pew Research Centerのブログに「我々の調査からわかった図書館に関する7つの驚くべき事実」(”7 surprises about libraries in our surveys”)と題した記事が掲載されています。これはPew Research Centerが行ってきた図書館に関する複数の調査の結果をまとめたものです。

同ブログによれば、調査からわかった7つの驚くべき事実とは以下のとおりです。

1. 65歳以上の人々の中で過去12カ月以内に図書館を訪れた人の割合は他の年代よりも少ない

2. 米国人の10%は図書館を一度も使ったことがないにも関わらず、図書館はコミュニティにとって良いものであると考えている

3. 電子書籍の利用は増えているが、電子書籍しか読まない人は米国人の4%にとどまる

4. 電子書籍も紙の本も読む人は、環境にあわせて本を読む際のフォーマットを変えることを好んでいる

5. 図書館を使う人は図書館を使わない人よりも本を購入しており、借りるよりも買いたいと思っている

6. 多くの利用者は過去の自分の読書傾向に基づいて、図書館員から本を薦められることをよいアイディアだと考えている

研究評価分析ツールPlumXにEBSCOにおける利用統計情報が追加される

2014年6月から、研究評価分析ツールPlumXの中でEBSCOの提供するデータベースやディスカバリーサービスに収録されている論文・図書の利用統計情報が閲覧できるようになりました。

PlumXはPlum Analytics社により提供されている、機関内の研究者による研究成果のインパクトを示すデータを収集し、その分析結果を表示するツールです。Plum Analytics社は2014年1月にEBSCOの完全子会社となっていました。

Plum Analyticsのブログでは、EBSCOの提供するサービス中には多くの出版者等が発行する雑誌や図書が含まれるため、PlumX中では出版者の枠を超えて、論文や図書の単位で、かつ抄録へのアクセスと本文のダウンロードを分けるなど詳細な利用統計を得ることができるようになるとしています。

PlumX Includes Usage Metrics from EBSCO(Plum Analytics、2014/6/26付け)
http://blog.plumanalytics.com/post/89961329920/plumx-includes-usage-metrics-from-ebsco

国際出版社ランキング2014公開 収益1位はピアソン、2位はエルゼビア、3位はトムソン・ロイター

2014年6月27日、Dr. Rüdiger Wischenbart Content and Consulting等が2007年から実施している国際出版社ランキング(“The Global Ranking of the Publishing Industry”)の2014年版が公開されました。

この調査は出版事業による2013年の収益が1億5千万ユーロもしくは2億ドルを超えている出版社を対象に行われているものです。2013年の収益に基づくランキングは、2012年から1位~7位までの順位に変化はなく、1位は米ピアソン(Pearson)で年間収益は56億5,500万ユーロ、2位はエルゼビア(Read Elsevier)で年間収益は44億1,700万ユーロ、3位はトムソン・ロイター(ThomsonReuters)で年間収益40億1,500万ユーロでした。

The Global Ranking of the Publishing Industry 2014
http://wischenbart.com/upload/Global-Ranking-of-the-Publishing-Industry_2014_Analysis.pdf

Wikipediaにおける処方箋薬の情報はしばしば時代遅れで不正確?(文献紹介)

2014年6月26日付で米New England Journal of Medicine誌に掲載された論文” Drug Safety in the Digital Age”の中で、Wikipediaにおける処方箋薬情報がしばしば時代遅れの内容となっていることが指摘されています。

この論文では米国食品医薬局(FDA)が2011-2012年に発表した薬の安全に関わる注意情報22件を収集し、それらの薬と関わるWikipedia英語版のページの情報を調査しました。その結果、関連するページの41%はFDAによる注意喚起後2週間以内に更新されていた一方で、23%は注意情報を反映するのに2週間以上かかり、さらに36%は1年以上経っても関連部分が更新されていなかった、とのことです。

Drug Safety in the Digital Age(New England Journal of Medicine、2014/6/26付け)
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1401767

Study Shows Wikipedia Rx Drug Pages Often Outdated, Inaccurate(iHealthBeat、2014/6/27付け)

OCLC Research、ランガナタンの『図書館学の五原則』の現在における解釈を考察するレポートを刊行

OCLCの研究開発部門であるOCLC Researchが、2014年6月30日、ランガナタン(Shiyali Ramamrita Ranganathan)の『図書館学の五原則』について、現在の図書館の資源及びサービスを反映した解釈を考察するレポート“Reordering Ranganathan: Shifting User Behaviors, Shifting Priorities”を公開しました。執筆者は、同組織のLynn Silipigni Connaway氏(Senior Research Scientist )とIxchel Faniel(Associate Research Scientist)です。

Reordering Ranganathan: Shifting User Behaviors, Shifting Priorities(OCLC Research)
http://www.oclc.org/research/publications/library/2014/oclcresearch-reordering-ranganathan-2014-overview.html

リポート本文(PDF,136ページ)

米Amazonが英国の出版者とのロイヤリティ交渉で「プリント・オン・デマンド」を新条件に 出版者の在庫がなくなったら自ら印刷・販売する権利を求める

2014年6月26日付けの英BBC Newsオンライン版で、米Amazonと英国の独立系出版者とのロイヤリティ交渉について報じられています。交渉の中でAmazonは出版者の持つ在庫がなくなった場合、Amazonが持つ設備で注文のあった図書を印刷し、販売する「プリント・オン・デマンド」を行う権利と、そのための電子ファイルの提出を新たな条件に加えたとのことです。

出版者側のコメントとして、もしAmazonがそのようなことを行えば、印刷の質の悪さについてAmazonではなく出版者が購入者から非難されてしまうだろうという懸念を持っていることが紹介されています。

Amazon accused of 'bullying' smaller UK publishers(BBC News Technology、2014/6/26付け)
http://www.bbc.com/news/technology-27994314

米Amazon、電子書籍のロイヤリティ交渉に新条件「紙書籍が在庫無しになったら、我が社でPOD印刷する」(hon.jp、2014/6/28付け)
http://hon.jp/news/1.0/0/5644/

参考:
英国図書館、Amazon社との提携を公式発表
Posted 2010年2月24日

ドイツの“Library of the Year 2014”が発表される

ドイツ図書館協会(Deutschen Bibliotheksverbandes)等が選ぶ“Bibliothek des Jahres(Library of the Year)”の2014年受賞館に、ドイツ経済学中央図書館(ZBW)が選ばれたようです。

Deutsche Zentralbibliothek fur Wirtschaftswissenschaften ist Bibliothek des Jahres 2014: Exzellenz und radikale Innovation uberzeugten die Jury(2014/6/30付け)

Taylor & Francis、2014年版のオープンアクセス意識調査のレポートを公表

Taylor & Francisが、2014年6月付けで“Taylor & Francis Open Access Survey June 2014”と題した調査レポートを公表しました。これは同社の出版物の著者に対して、オープンアクセス(OA)に関する意識や行動について尋ねた結果をまとめたもので、7,936件の回答があったとのことです。同社は2013年3月にも同様の調査結果のまとめを公開しており、今回のレポートでは前回の調査との比較も行われています。

調査の結果、OAに対する認識は全体に肯定的で、回答者の49%がOAにすると購読型の雑誌に載せるよりも論文が広く流通すると考えており(2013年は38%)、ビジビリティが高まるとする回答も増加していました(2013年は27%に対し今回は35%)。また、「OA雑誌は購読型雑誌よりも質が低い」という考えに強く同意する研究者は2013年に比べ僅かながら減っていました(2013年は10%に対し今回は8%)。

他方で、ライセンスに関する研究者の認識は保守的で、クリエイティブ・コモンズライセンスで最も好まれるのは制限の強いCC-BY-NC-NDライセンスで、CC-BYの支持者は前回よりは増えているものの、依然最も好まれないライセンスであったとされています。

RCUKとHEFCEのOA方針に対応したリポジトリ向けメタデータ仕様 RIOXX2.0ベータ版公開

2014年6月27日、英国研究会議(RCUK)と高等教育助成会議(HEFCE)のOA方針の要求に従ったリポジトリ向けのメタデータ仕様、RIOXX 2.0のベータ版が公開され、コメントの受付が開始されました。

RIOXX 2.0は英国情報システム合同委員会(JISC)の関係機関であるEDINAが、JISCの助成を受け、RCUKおよびHEFCEと共同で策定したものです。RCUKの助成研究に対するOA方針と、2016年4月1日以降から始まるHEFCEのOA方針の要求に適った情報を提供できるよう企図されています。2013年にはRCUK方針に従った仕様としてRIOXX 1.0も定められていましたが、短期間で作成されたもので不十分であったとして、RIOXX 2.0の開発が進められていました。

RIOXX 2.0ではダブリンコア等の他のメタデータモデルの語彙に加え、RIOXXによる語彙として助成を受けたプロジェクト名や文献タイプに関する仕様も加えられています。

RIOXX 2.0 beta 1 released for comment(RIOXX、2014/6/27付け)
http://www.rioxx.net/2014/06/27/rioxx-2-0-beta-1-released-for-comment/

「転覆計画」から20年目のインタビュー(記事紹介)

2014年6月27日は、1994年6月27日にStevan Harnad氏がバージニア工科大学が運営する電子ジャーナル・メーリングリストに「転覆計画」あるいは「破壊的提案」(" A Subversive Proposal”)と呼ばれる投稿を行ってから20年目にあたりました。この投稿は研究者自身がプレプリントや査読後の論文をオンラインで公開することで、必要最低限の経費で成果発信が実現できると呼びかけるもので、後にオープンアクセス運動につながっていきました。

Richard Poynder氏のブログ”Open and Shut?”ではこの「転覆計画」から20年の節目に、提案者であるHarnad氏に対して行ったメールインタビューのまとめを公開しています。インタビューではGold OAとGreen OA、OA方針、OAと途上国の関係等のトピックが扱われており、最後に「もし2014年の今に向けて、『転覆計画』を書き直すとしたら?」と問われたハーナッド氏は、「研究者は自分ではやらないことがわかったので、もし今『転覆計画』を行うなら研究者ではなく、その所属機関や助成機関に呼びかける」とした上で、具体的な文言が簡潔に述べられています。

The Subversive Proposal at 20(Open and Shut?、2014/6/28付け)

J-STAGE、Google等との連携強化とCCライセンスを利用したポリシー明確化の推奨を発表

科学技術振興機構(JST)がJ-STAGE利用学協会を対象に、2014年6月12日に開催した「Google等との連携強化およびオープンアクセス対応方針に関するJ-STAGE利用学協会説明会」の当日資料が公開されています。

同資料によれば、Google等との連携強化に関しては、Google Scholarのインデキシングポリシーに従い、抄録のない記事には書誌情報画面に本文1ページ目のプレビュー画像を掲載していくこと、また通常のGoogleウェブサーチ対策として、J-STAGE上のすべてのコンテンツについて、Googleによるクローリングを原則禁止しないことにするとされています。

また、オープンアクセスへの対応については、従来どおりのフリー公開(本文の無料公開)の推奨に加え、今夏中にJ-STAGE上の各記事に対してクリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスの表示ができるようにする機能をリリースし、公開コンテンツに対してCCライセンス等を利用した、二次利用の扱いを含むポリシーの明確化を強く推奨していく、とされています。

そのほかに、2014年12月から、現在J-STAGEで運用されているJOIをDOIに一本化することも公表されています。

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