アーカイブ - 2014年 4月 15日

よりリッチな電子書籍が教育効果も高めるとは限らない(記事紹介)

2014年4月4日に米国教育研究協会(AERA)で行われたJordan Schugar氏とHeather Ruetschlin Schugar氏による発表” Reading in the Post-PC Era: Students’ Comprehension of Interactive E-Books”について、2014年4月10日付けの米New York Times紙等で報じられています。

Schugar氏らの研究では中学生を対象に、印刷体との図書と同じ図書のiPad版を渡した場合を比較し、印刷体の方が読書時の集中力が高かったとしています。その原因を調べた調査では、電子書籍版では被験者はテキストを読み飛ばし、インタラクティブな映像機能ばかり使っていたことがわかったとしています。

報道ではインタラクティブ性を高めるなど、リッチな機能等を備えた電子書籍が必ずしも集中力を高めるとは限らないとしています。一方で、テキストに直接関係しない機能を盛り込むことは集中力を削ぐものの、テキストの内容にそった効果を加える等、集中力を高めるような機能もあり得るとし、保護者や教師に対してそうした電子書籍を選ぶことなどをアドバイスしています。

近畿大学が教科書注文を完全インターネット化

2014年4月11日、近畿大学生活協同組合は2014年度から、近畿大学東大阪キャンパスに通う学生を対象に、教科書の注文を完全インターネット化すると発表しました。教科書をすべて予約販売制・インターネット注文とする試みは全国の大学生協で初であるとのことです。

プレスリリースによれば注文は教科書注文サイト"Text-it"を通じて受け付けるとしており、前日深夜24時までに受注した教科書について、翌日にキャンパス内で受け取り可能になるとしています。

全国の大学生協初!教科書注文を完全インターネット化(近畿大学、2014/4/11付け)
http://www.kindai.ac.jp/topics/2014/04/post-566.html

2013年は特に劇的な変化はなし 2014年雑誌価格調査の結果(米国)

2014年4月11日付けのLibrary Journal誌の記事で、2014年版の雑誌価格調査の結果“Steps Down the Evolutionary Road | Periodicals Price Survey 2014”が公開されています。

2013年にはSCOAP3の開始などの大きな出来事もあったものの、雑誌出版の世界では劇的な変化は起こっておらず、変わらずどの分野の雑誌も値上がりを続けていることなどが報じられています。

また、同日付の別の記事”Measuring the Value of Journals | Periodicals Price Survey 2014”では、計量書誌学的指標と価格の関係についても分析されています。

Steps Down the Evolutionary Road | Periodicals Price Survey 2014(Library Journal、2014/4/11付け)
http://lj.libraryjournal.com/2014/04/publishing/steps-down-the-evolutionary-road-periodicals-price-survey-2014/

“あなたにとってボドリアン図書館とは何か?”オックスフォード大学ボドリアン図書館のプロモーションビデオ(紹介)

オックスフォード大学ボドリアン図書館が、2014年4月9日、YouTubeに、“What do the Bodleian Libraries mean to you? ”と題する動画を公開していました。動画では、学者や学生等の利用者が、ボドリアン図書館のコレクション、デジタル情報源、建物、サービスの重要性についての考えを述べています。

What do the Bodleian Libraries mean to you? (Bodleian Libraries, 2分39秒)
http://www.youtube.com/watch?v=EmvS3H2wAk8

図書館は廃れゆくものなの?CNNが「全米図書館週間」にあわせ27の魅力的な図書館の写真を掲載

2014年4月13日から19日までの全米図書館週間(National Library Week)にあわせて、CNN iReportの記事として、“Libraries are dying? Think again”と題する記事が掲載されています。

記事では、米国において、インターネットの隆盛にもかかわらず図書館が依然として人気のある公共スペースであることを紹介しており、利用が増えていることや、米国民の多くが図書館に価値を置いていることを明らかにしたPew Research Centerの調査を紹介するなどしています。またあわせて、世界各国のCNN iReportersがシェアした好きな図書館の写真を掲載しています。シェアされている写真27枚には、米国のイリノイ大学やシカゴ大学の図書館、ソルトレイクシティ(ユタ州)、サンアントニオ(テキサス州)、レキシントン(ケンタッキー州)などの図書館のほか、台湾、ポルトガル、イタリア、中国、英国、カナダなどの図書館が含まれています。

Libraries are dying? Think again(SNN Style, 2014/4/14付け)
http://edition.cnn.com/2014/04/14/travel/irpt-library-fascination-travel/

About CNN iReport

図書館で電子書籍を貸し出すと購入につながる?(英国)

英国出版協会(The Publishers Association)と英国図書館長協会(Society of Chief Librarians:SCL)が2014年3月から、1年間の計画で行っている電子書籍の貸出に関するパイロットプロジェクトから、図書館における電子書籍の貸出が、直接的に購入に結び付くことがわかってきたと報じられています。これは2014年4月8日~10日にかけて開催されたLondon Book Fairにおけるパネルディスカッションの中で、SCL会長のJanene Cox氏が発言したものです。

このプロジェクトでは英国の4つの図書館が参加し、約1,000の電子書籍を図書館を通じて借りられるようにすると同時に、そこから購入もできるようにしています。参加館の1つであるDerbyshireの図書館では、最初の分析対象期間中にのべ464の電子書籍が借りられ、そのうちのべ約20冊が購入されていたとのことです。Cox氏によれば、多くの利用者は貸出期間中であるにも関わらず、同じ電子書籍を購入していたとされています。

E-lending trial leads to click-through sales(The Bookseller、2014/4/11付け)

大規模公開オンライン講座(MOOC)サイト「gacco」初の授業開講

2014年4月14日、NTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが提供する大規模公開オンライン講座(MOOC)「gacco」が初めての講座提供を開始しました。

講座提供が開始されたのは東京大学の本郷和人教授による「日本中世の自由と平等」です。NTTナレッジ・スクウェアのプレスリリースによれば、4月14日現在で1万名を超える受講者が登録しており、そのうち72%が男性で、年代別では男性では60代、女性では20~40代が多いとされています。

MOOCサイト「gacco(ガッコ)」本日開講!講座もますます充実~武蔵野美術大 通信教育課程の講座追加等が決定~(NTTナレッジ・スクウェア、2014/4/14付け)
http://www.nttks.co.jp/news/news_20140414.html

国立国会図書館(NDL)、平成25年度書誌調整連絡会議の報告と資料を公開

国立国会図書館は、2014年2月28日に開催した平成25年度書誌調整連絡会議の報告の概要と資料等を公開しました。

今回の会議では、「日本の目録規則と書誌情報の将来像」をテーマとし、第I部では、国立国会図書館から、新しい『日本目録規則』(以下、新NCR)策定について報告しました。NCRの改訂の方向性を確認し、新NCRの現時点での全体構成案の説明、新NCRの「資料の種別」についての現時点での案の説明などを行いました。

第II部では、書誌情報の今後の方向性について4人の有識者からの報告がありました。

平成25年度書誌調整連絡会議報告(国立国会図書館)
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/h25_conference_report.html

第I部資料 (国立国会図書館)(PDF:26ページ)
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/bib_h25_ndlresume.pdf
新しい『日本目録規則』策定スケジュールと進捗状況 p.7,9
新しい『日本目録規則』全体構成案 p.11-15
新しい『日本目録規則』における資料の種別について p.17-26

書誌調整連絡会議 開催一覧 (PDF: 211KB)

米国国立医学図書館(NLM)と英国ウェルカム図書館が150年分の生物医学分野の雑誌をデジタル化して無料公開へ

米国国立医学図書館(NLM)と英国ウェルカム図書館(Wellcome Library)が共同で、歴史的に重要な生物医学分野の雑誌近150年分のバックナンバーをオンラインで無料公開するという覚書を交わしました。NLMが75万ポンド(120万ドル)の寄付を受け、同館の蔵書を3年間かけて記事レベルでスキャニングを行い、ウェルカム図書館が著作権処理や出版者への許諾処理を行うとのことです。NLMはデジタル化済みのオリジナルの資料についても保存していくとのことです。

デジタル化済みの資料は、米国国立衛生研究所(NIH)のリポジトリであるPubMed Central、EuropePMCで公開される予定とのことです。このプロジェクトは、“Medical Journal Backfiles Digitization Project (2004-2010) ”の成果を基にしたものと位置づけられているようです。

NLM and Wellcome Library Establish Agreement to Make 150 Years of Biomedical Journals Freely Available Online(NLM, 2014/4/14付)
http://www.nlm.nih.gov/news/welcome_library_agreement.html

米国デジタル公共図書館(DPLA)を紹介するセミナー資料が公開

米国デジタル公共図書館(DPLA)の事務局長であるDan Cohen氏が2014年3月7日に行ったセミナー"Inside the Digital Public Library of America"の発表資料と録画が公開されています。OCLCの“Distinguished Seminar Series”の一つとして行われたとのことです。

セミナーでは、どのようにDPLAが作られ、ポータルやプラットフォームとしてどのように機能しているのか、また、現在スタッフが取り組んでいること、新しいプロジェクトや組織について紹介されているとのことです。

"Inside the Digital Public Library of America" Presentation by Dan Cohen(OCLC, 2014/3/7付)
http://oclc.org/research/events/2014/03-07.html

録画(1:27)
http://youtu.be/lyYs1H2jSbc

発表資料(PDF;62ページ)
http://oclc.org/content/dam/research/events/dss/pdf/cohen-oclc-dss-2014.pdf

Distinguished Seminar Series(OCLC)