2014年10月16日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)がRepository Observatoryの第3号を公開しました。今回は、機関リポジトリ(IR)と最新研究情報システム(CRIS:Current Research Information System)の相互運用性という特集が組まれています。巻頭の「IRとCRISの相互運用性について知っておくべき7つのこと(7 things you should know about…IR-CRIS interoperability)」という記事では、
Journal of Documentation誌の2014年70巻6号で、最近シェフィールド大学情報学部を退職したNigel Ford氏の図書館情報学研究への貢献を称えた記念特集が組まれています。Ford氏は情報検索時の人の認知様式に関する研究等で知られる研究者です。今回の特集号には本人やその教え子らによる、情報行動と人の認知やセレンディピティ等に関する論文9本が掲載されています。各論文のタイトルと著者は以下の通りです。
Cognitive styles within an exploratory search system for digital libraries
Paula Goodale , Paul David Clough , Samuel Fernando , Nigel Ford , Mark Stevenson (pp. 970 - 996)
Cognitive styles and the use of electronic journals in a mobile context
Chu-Han Chan , Chen-Wei Hsieh , Sherry Y. Chen (pp. 997 - 1014)
2014年10月18日、カナダのケベック国立図書館・文書館(Bibliothèque et Archives nationales du Québec:BAnQ) がウィキメディア・カナダと協力し、同館の所蔵する写真のコレクションをWikimedia財団が運営するウィキメディア・コモンズ(Wikimedia Commons)にアップロードする試行プロジェクトを実施すると発表されています。
提供される予定のコレクションは、フリーランスの写真家Conrad Poirier氏(1921-1968)の写真で、The Montreal Gazette、La Patrie、La Presse等に掲載されたものを含むとのことです。1932年から1960年の間に撮影された約20,000枚の写真のコレクションからは、主に1930年代や1940年代のケベックの都市の発展や社会の変化をうかがうことができるとのことです。
モントリオール大学(カナダ)のStefanie Haustein氏らが、“Tweets as impact indicators: Examining the implications of automated bot accounts on Twitter”と題した論文のプレプリントを2014年10月15日付けで公開しています。
この論文ではプレプリントサーバ・arXivに投稿された学術論文で、後にWeb of Science収録誌に掲載されたものに関する2012年のTweetを対象に、機械的にTweetを投稿するいわゆる「ボット」によるTweetやボットとみなされるアカウントの特徴を分析しています。分析の結果、収集した50,068のTweetのうち9%がボットとみなされるアカウントによるもので、それらのアカウントの84%はarXivの特定の分野に新たな論文が投稿されるたびにTweetを行うものだった、とのことです。このようなアカウントは論文を選別することなくTweetするため、Haustein氏らは生のTweet数を研究評価等の指標にすることは問題があると指摘しています。その上で、Haustein氏らは論文タイトルとTweet内容の一致状況から、機械的なTweetとなんらかの論文への言明を含むTweetを区別することを提案しています。
2014年10月14日に米国図書館協会(ALA)が行った、エボラ出血熱や感染症に関するウェブセミナー“Fighting Ebola and Infectious Diseases with Information: Resources and Search Skills Can Arm Librarians”の録画が公開されています。