アーカイブ - 2013年 2月

2月 21日

E1399 - インドのヴァーチャル図書館:公共図書館充実化への挑戦

E1399 - インドのヴァーチャル図書館:公共図書館充実化への挑戦

筆者は国立大学図書館協会の海外派遣事業に採択され,2012年11月にインド共和国で調査を行なった。そこで得た知見の内,本稿では国家プロジェクトであるインドのヴァーチャル図書館(National Virtual Library:NVL)とインドの公共図書館の課題について紹介する。...

E1398 - 公共図書館で“種,貸します”

E1398 - 公共図書館で“種,貸します”

図書館が貸し出すものは本。という“世間の常識”があるが,図書館の実態は,それをやや超えてきている。特に米国の図書館では,シンセサイザーやウクレレなどの楽器,ケーキ型などの料理器具,パペットなどの子どもの遊び道具,あるいは,家族でジオキャッシングを楽しむためのGPS機器など,多様な貸出サービスがみられる。また最近日本でも,米粉パンの焼けるホームベーカリーを貸し出す図書館が登場している。一見“常識”を逸脱する印象もあるが,いずれも,地域社会のニーズをキャッチし,住民の生活の向上に考えを巡らせ,柔軟な発想で生み出したもののようだ。そのような中,野菜などの種子を貸し出す“種子貸出図書館(Seed Lending Library)”が登場している。...

E1397 - 学校図書館ビフォー&アフター:秋田県立図書館の取り組み

E1397 - 学校図書館ビフォー&アフター:秋田県立図書館の取り組み

秋田県立図書館が県内で実施している研修に「学校図書館ビフォー&アフター」というものがある。某テレビ番組から拝借した名称でわかるように,学校図書館を舞台として,研修の時間内に書架などの配置変更や展示を行い,図書館を“改造”してしまおうというワークショップである。...

パブリックドメインの所蔵資料をオンデマンドでデジタル化 米デューク大が新サービスを導入

2013年2月19日、米国のデューク大学図書館が、今学期から同大学の学生や教員、職員向けに、パブリックドメインの図書をオンデマンドでスキャニングして提供する新サービスを開始したと発表しています。

資料は、著作権の関係上1923年より前のもので、同大学の図書館に所蔵されているものに限られています。利用者は、デジタル化してほしい資料を検索して、OPACに“Digitize This Book(Duke Users Only)”の表示が登場すれば、それをクリックするとデジタル化の依頼が完了します。

その後は、Internet Arhiveの同大学図書館コレクションページで公開された資料へのリンクが、2週間以内にメールで利用者に届けられ、利用可能になるとのことです。

同大学図書館は、今学期間中はパイロット的な位置付けで実施し、その成果を踏まえてサービスの拡大を検討するとしているようです。

OCULのScholars Portalがカナダ初の「信頼できるデジタルリポジトリ」として認証される

カナダの大学図書館コンソーシアムOCUL(Ontario Council of University Libraries)の運営する“Scholars Portal”が、カナダで初めての「信頼できるデジタルリポジトリ」として認められました。これは、北米の研究図書館センター(CRL)の「信頼できるデジタルリポジトリのための監査及び認証(Trustworthy Repositories Audit & Certification:TRAC)」による監査を受け、このたび認証されたというものです。CRLから監査報告書が公開されています。なお、他に認証を受けているデジタルリポジトリには、Portico、HathiTrust、Chronopolisがあります。

Scholars Portal Audit Report 2013(CRL)
http://www.crl.edu/archiving-preservation/digital-archives/certification-and-assessment-digital-repositories/scholars_portal

Certification and Assessment(CRL)

OCLCと英国研究図書館コンソーシアムがWorldShareを用いた電子リソース管理に関する6か月間の実験を開始

2013年2月19日、OCLCと英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が電子リソース管理に関する実験を行うことを発表しました。6か月にわたり実施される今回の実験は、OCLCのWorldShare Metadata Collection Managerを用いて、電子リソースに関するWorldCatの書誌レコードを参加機関に提供するというものです。これらのレコードはメタデータやアクセス用URLが定期的に最新の状態に更新されているため、各機関での電子リソース管理業務の合理化につながります。なお、WorldShare Metadata Collection Managerは現在米国でも試用が行われている段階で、英国での実験を経て正式リリースまでにローカルな事情への対応が行われるということです。実験に参加することとなったRLUK側の参加機関は、キングズカレッジロンドン、マンチェスター大学、ワーウィック大学、ケンブリッジ大学、リーズ大学、オックスフォード大学、ウェルカムトラストの7機関です。

RLUK and OCLC Pilot New Solution for Electronic Resource Metadata Management(OCLC 2013/2/19付けニュース)

一風変わった翻訳版『白鯨』が米国議会図書館の蔵書に

2013年2月20日にTIME等の各紙が、メルヴィル著『白鯨』の一風変わった翻訳書が米国議会図書館(LC)に蔵書として納められたと紹介しています。

一風変わった翻訳書とは、データエンジニアのFred Beneson氏が、2009年に『白鯨』全文を日本の絵文字(Emoji)で翻訳した“Emoji Dick”です。Beneson氏は、このプロジェクトを進めるにあたり、Kickstarterで資金を集め、Amazon Mechanical Turksを利用して完成させたとのことです。ちなみに、TIMEの記事には、“Call me Ishmael”を絵文字に翻訳した場合の事例が紹介されています。

Emoji Dick
http://www.emojidick.com/

Emoji Dickの書誌レコード
http://lccn.loc.gov/2012454709

Emoji Translation of Moby-Dick Accepted Into Library of Congress (Time 2013/2/20付けの記事)
http://newsfeed.time.com/2013/02/20/emoji-translation-of-moby-dick-accepted-into-library-of-congress/

人文・社会科学系電子書籍ポータル“OpenEdition Books”が公開

フランスの国立科学研究センター(CNRS)や社会科学高等研究院(EHESS)等4機関が共同運営するLe Centre pour l'édition électronique ouverte (Cléo) が、2013年2月21日、“OpenEdition Books”を開設しました。Cléoが提供する人文・社会科学系を対象にしたOpenEditionのプラットフォームの一つに位置づけられるもので、他には図書・雑誌のレビュープラットフォーム“Revues.org”、イベント情報を提供する“Calenda”、研究者ブログプラットフォーム“Hypotheses”があります。

“OpenEdition Books”は、人文・社会科学系出版社からの電子書籍を提供するためのプラットフォームで、出版社に対しては長期のオープンアクセスの採用を求めています。“Understanding the world, in every language”を目標に、2013年夏までに1,000点の図書の提供を行い、毎年2,000点を追加していく予定としています。現在のところ、HTML版のみの提供ですが、PDFやEPUB版の販売を2013年6月18日から開始するとしています。

OpenEdition Books
http://books.openedition.org/

2月 20日

【イベント】キハラの歴史的図書館用品の収集と百周年記念事業について(日本図書館文化史研究会)(3/23・東京)

2013年3月23日、東京都の日本図書館協会において、日本図書館文化史研究会2012年度第3回研究例会が行われます。木原祐輔氏の「キハラの歴史的図書館用品の収集と百周年記念事業について」及び、小黒浩司氏の「間宮商店の事業活動:駒大図書館誌を読む」という報告が行われます。木原氏の報告では、キハラ株式会社が創業90周年記念事業として日本図書館協会と協力して実施している歴史的図書館用品の収集事業の状況と、2014年に迎える創業100周年を記念した事業について報告されます。

2012年度第3回研究例会(日本図書館文化史研究会)
http://jalih.jp/events/events.html#reikai3

日本図書館文化史研究会
http://jalih.jp/

歴史的図書館用品収集(キハラ)
http://www.kihara-lib.co.jp/history/index.htm

図書館による出版活動をテーマとしたグループブログ“Lib Pub”開設

図書館による出版活動をテーマとしたグループが運営する“Lib Pub”というブログが2013年1月7日に誕生しています。

オハイオ州立大学図書館のデジタル出版ライブラリアンであるMelanie Schlosser氏が中心となって開設されたもので、運営メンバーには、発足に向けて活動中のLibrary Publishing Coalition(LPC)のプログラム管理者Sarah Lippincott氏も加わっています。

Lib Pub
http://librarypublishing.wordpress.com/

Welcome to The Lib Pub (Lib Pub 2013/1/7付けの記事)
http://librarypublishing.wordpress.com/2013/01/07/welcome-to-the-lib-pub/

ネブラスカ大リンカーン校が年報テキスト化プロジェクトを開始 卒業生や学生へ協力呼び掛け

2013年2月18日、米国のネブラスカ大学リンカーン校が、“transcribe UNL”というクラウドソーシングプロジェクトに対して、同大学の卒業生や学生等に協力を呼び掛けています。

“transcribe UNL”は同大学の歴史的な資料のテキスト化を行うプロジェクトで、その第1弾として同大学の年報のテキスト化が行われています。すでに年報はデジタル画像で公開されていますが、これを検索できるようにするために、テキスト化の協力が求められています。

Transcribe UNL
http://transcribe.unl.edu/

University of Nebraska Yearbooks
http://yearbooks.unl.edu/

Announcing transcribe.unl.edu, a collaborative transcription effort (Center for Digital Research in the Humanities 2013/2/18付けの記事)
http://cdrh.unl.edu/news/index.php

東京都北区立中央図書館が「ドナルド・キーン コレクションコーナー」を開設 キーン氏からの寄贈図書788点が閲覧可能

東京都の北区立中央図書館は、日本文学研究者のドナルド・キーン氏から寄贈された図書788点を閲覧できる「ドナルド・キーン コレクションコーナー」を開設しました。2013年1月24日に開設記念式典が開かれ、翌25日から一般公開されています。また、同館ではこれに関連したオリジナルグッズも販売されています。

なお、ドナルド・キーン氏は北区名誉区民で北区アンバサダーとのことです。

ドナルド・キーン コレクション 図書目録(PDF)
http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/digital/892/atts/089212/attachment/attachment.pdf

中央図書館「ドナルド・キーン コレクションコーナー」 (東京都北区 2013/1/31付けの記事)
http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/service/885/088593.htm

「ドナルド・キーン コレクションコーナー」を開設 25日一般公開 (東京都北区 2012/1/24付けの記事)
http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/press/893/089331.htm

参考:
米コロンビア大学東アジア図書館の日本研究コレクション構築におけるドナルド・キーン氏の功績

2世紀間英印で別々に保存されていた『ラーマーヤナ』がデジタル化で一つに

2013年2月19日、英国図書館(BL)が、インドの長編叙事詩『ラーマーヤナ』のデジタル化事業について発表しています。

これは、17世紀に作成されてこれまで2世紀間にわたって英国とインドに分割保存されていた『ラーマーヤナ』の写本のデジタル化に関するものです。BLの発表によると、同館とインドのCSMVS Museum等の諸機関の共同デジタル化事業によって、2013年5月にもこの『ラーマーヤナ』が一つにつなげられることになったとのことです。

【イベント】オープンフォーラム「日本におけるアーツカウンシルの役割を考える」(3/2・東京)

2013年3月2日、東京都の国際交流基金において、オープン・フォーラム「日本におけるアーツカウンシルの役割を考える」が開催されます。国際交流基金、アーツカウンシル東京、ブリティッシュ・カウンシルの共催です。

今回のフォーラムは、日英のアーツカウンシルをめぐる課題について、特にアーツカウンシルと芸術文化団体の「パートナーシップ」という観点から考えるという主旨のものです。文化庁長官の近藤誠一氏、アーツカウンシル・イングランド(ACE)戦略部門ディレクターのリチャード・ラッセル氏の基調講演に続いて、パネルディスカッション「アーツカウンシルと芸術文化団体のパートナーシップ」が行われます。その様子はUSTREAMでも中継される予定です。

※「アーツカウンシル・イングランド」について、カレントアウェアネス・ポータルでは通常「イングランド芸術評議会」と表記しています。

オープン・フォーラム 「日本におけるアーツカウンシルの役割を考える」(国際交流基金)
http://www.jpf.go.jp/j/about/jfic/event_s/cmp/130302.html

参考:
E1226 - イングランド芸術評議会による博物館・図書館支援方針案
http://current.ndl.go.jp/e1226

コーネル大学図書館が30万ドルの助成を受けて電子情報保存の枠組みの開発へ―メディアアートアーカイブを試験台に

米国のコーネル大学図書館が、全米人文科学基金(NEH)から30万ドルの助成を受けて、デジタル情報の長期保存のための枠組みの開発に乗り出しました。このプロジェクトでは、2002年に誕生した同館のRose Goldsen Archive of New Media Artが試験台として用いられます。同アーカイブは、1991年以降の数千点のメディアアートを保存しており、その保存媒体は、ビデオテープ、CD、DVDなどの物理的媒体からインターネット上のボーンデジタルのものまで様々、となっています。なお、30万ドルという助成額は全米でも今年最大規模のものであるということです。

Recording Our History as a Digital Society(Cornell University Library 2013/2/19付けニュース)
http://news.library.cornell.edu/news/130219/goldsen

英国のMOOCプラットフォーム“FutureLearn”に英国図書館が参加し、デジタル化資料を提供

2013年2月18日、英国図書館(BL)が、英国の放送大学(Open University)により昨年12月に立ちあげられたMOOC(Massive Open Online Course)プラットフォーム“FutureLearn”に参加することを発表しました。BLは、同館のデジタル化資料の提供を行います。同時に、バース大学、レスター大学、ノッティンガム大学、クイーンズ大学ベルファスト校、リーディング大学の5大学も参加を発表し、参加機関は計18となっています。なお、大学以外の機関のFutureLearnへの参加はBLが初となります。

Prime Minister welcomes the growth of the UK’s mass-participation learning platform FutureLearn as the British Library becomes the first non-university institution to join (BL 2013/2/18付けプレスリリース)

経団連、政策提言「電子書籍の流通と利用の促進に資する「電子出版権」の新設を求める」を発表

日本経済団体連合会(経団連)が、2013年2月19日付けで、政策提言「電子書籍の流通と利用の促進に資する「電子出版権」の新設を求める」を発表しました。

これは、電子書籍の流通と利用の促進に向け、「出版者への著作隣接権の付与」とは異なる、「電子出版権」(仮称)の新設を提言するものです。電子出版権の要件として、以下の4点が挙げられています。

(1)電子書籍を発行する者に対して付与される
(2)著作権者との「電子出版権設定契約」の締結により発生する
(3)著作物をデジタル的に複製して自動公衆送信する権利を専有させ、その効果として差止請求権を有することを可能とする
(4)他人への再利用許諾(サブライセンス)を可能とする

電子書籍の流通と利用の促進に資する「電子出版権」の新設を求める(経団連)
http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/016.html

メンテナンス作業のお知らせ(2013年2月26日19時半~21時半頃)

2013年2月26日(火)19時半~21時半頃に、「カレントアウェアネス・ポータル」のメンテナンス作業を実施するため、サイトに接続できなくなります。メンテナンス作業が終了次第お知らせいたします。ご迷惑をおかけしますがどうぞご了承ください。

2月 19日

国立国会図書館の職員を研修講師として貴館に派遣します! 2013年度派遣研修の派遣先を募集中

国立国会図書館(NDL)は、2013年度の「派遣研修」の派遣先を募集しています。これは、国内の公共・大学・専門図書館や関連する協議会等の主催するレファレンス業務に関する研修に対して、NDLの職員を講師として派遣するというもので、内容は以下の計13テーマを用意しています。申込締切は2013年3月8日です。

(1)国立国会図書館の図書館向けサービス「複写」「貸出し」「レファレンス」の申込み方
(2)インターネットで使えるレファレンスツール
(3)レファレンス協同データベース事業の紹介
(4)経済産業情報の調べ方
(5)科学技術情報の調べ方
(6)法令情報の調べ方
(7)議会情報の調べ方
(8)行政情報の調べ方
(9)アジア関係資料の調べ方(中国)
(10)アジア関係資料の調べ方(韓国)
(11)児童書・児童書関連資料の調べ方
(12)国立国会図書館のレファレンス業務の紹介
(13)国立国会図書館の展示業務の紹介

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