カナダの大学図書館コンソーシアムOCUL(Ontario Council of University Libraries)の運営する“Scholars Portal”が、カナダで初めての「信頼できるデジタルリポジトリ」として認められました。これは、北米の研究図書館センター(CRL)の「信頼できるデジタルリポジトリのための監査及び認証(Trustworthy Repositories Audit & Certification:TRAC)」による監査を受け、このたび認証されたというものです。CRLから監査報告書が公開されています。なお、他に認証を受けているデジタルリポジトリには、Portico、HathiTrust、Chronopolisがあります。
フランスの国立科学研究センター(CNRS)や社会科学高等研究院(EHESS)等4機関が共同運営するLe Centre pour l'édition électronique ouverte (Cléo) が、2013年2月21日、“OpenEdition Books”を開設しました。Cléoが提供する人文・社会科学系を対象にしたOpenEditionのプラットフォームの一つに位置づけられるもので、他には図書・雑誌のレビュープラットフォーム“Revues.org”、イベント情報を提供する“Calenda”、研究者ブログプラットフォーム“Hypotheses”があります。
“OpenEdition Books”は、人文・社会科学系出版社からの電子書籍を提供するためのプラットフォームで、出版社に対しては長期のオープンアクセスの採用を求めています。“Understanding the world, in every language”を目標に、2013年夏までに1,000点の図書の提供を行い、毎年2,000点を追加していく予定としています。現在のところ、HTML版のみの提供ですが、PDFやEPUB版の販売を2013年6月18日から開始するとしています。
Announcing transcribe.unl.edu, a collaborative transcription effort (Center for Digital Research in the Humanities 2013/2/18付けの記事) http://cdrh.unl.edu/news/index.php
米国のコーネル大学図書館が、全米人文科学基金(NEH)から30万ドルの助成を受けて、デジタル情報の長期保存のための枠組みの開発に乗り出しました。このプロジェクトでは、2002年に誕生した同館のRose Goldsen Archive of New Media Artが試験台として用いられます。同アーカイブは、1991年以降の数千点のメディアアートを保存しており、その保存媒体は、ビデオテープ、CD、DVDなどの物理的媒体からインターネット上のボーンデジタルのものまで様々、となっています。なお、30万ドルという助成額は全米でも今年最大規模のものであるということです。
2013年2月18日、英国図書館(BL)が、英国の放送大学(Open University)により昨年12月に立ちあげられたMOOC(Massive Open Online Course)プラットフォーム“FutureLearn”に参加することを発表しました。BLは、同館のデジタル化資料の提供を行います。同時に、バース大学、レスター大学、ノッティンガム大学、クイーンズ大学ベルファスト校、リーディング大学の5大学も参加を発表し、参加機関は計18となっています。なお、大学以外の機関のFutureLearnへの参加はBLが初となります。
Prime Minister welcomes the growth of the UK’s mass-participation learning platform FutureLearn as the British Library becomes the first non-university institution to join (BL 2013/2/18付けプレスリリース)