2013年1月15日付けのLibrary Journalに、リンカーン大学の英文学の講師であるMartin Eve氏のインタビュー記事“Q&A: Martin Eve on Why We Need a Public Library of the Humanities and Social Sciences”が掲載されています。
Forbes誌に、図書館の電子書籍市場における役割についてのコラム(2回シリーズ)の第2回目として、“Why Public Libraries Matter: And How They Can Do More”と題するコラムが掲載されています。マーケティングにおいて経験を有するDavid Vinjamuri氏による論考です。
出版者が図書館の役割を過小評価していること、公共図書館は将来本の発見のローカルセンターとなるであろうことなどを指摘した上で、電子書籍市場において、米国デジタル公共図書館(Digital Public Library of America)等に見られる協同購入等を特徴とするモデルの重要性や、インディーズ出版における本の発見において図書館の果たし得る役割について議論を展開しているようです。
米国大学教授協会(American Association of University Professors:AAUP)が、大学・研究図書館協会(ACRL)と協同で作成した“Joint Statement on Faculty Status of College and University Librarians”という声明の改訂版(2013年1月付け)を公表しました。同声明は、大学図書館員の「教員待遇(faculty status)」を訴えるもので、その旧版は1973年に発表されています。今回の改訂版では、図書館員の教育や情報アクセスにおける役割のほか、大学のガバナンスやアウトリーチに果たす役割についての文言も加えられており、改めて、大学図書館員にとって学問の自由とテニュアが必要であることが確認されているようです。
2013年1月10日、クリントン米国務長官は、米国議会図書館(LC)の所蔵資料のうちアフガニスタンに関する資料について、そのデジタル化資料をアフガニスタンの図書館や文書館に対して寄贈したと発表しました。これは、国務省において開催されたアフガニスタンのハーミド・カルザイ大統領との式典において発表されたものです。寄贈された資料は、Carnegie Corporation of New Yorkの200万ドルの助成とWorld Digital Libraryの支援を受けてデジタル化されたものです。また、LCはそれらの資料について、今後World Digital Libraryにも登載する予定であるとしています。
Afghan President Hamid Karzai Receives Digitized Cultural Treasures in State Department Ceremony (Library of Congress 2013/1/10付けの記事) http://www.loc.gov/today/pr/2013/13-009.html
2013年1月15日、米国コーネル大学の鳥類学研究所Cornell Lab of Ornithologyのマコーレー図書館(Macaulay Library)が、所蔵している動物の鳴き声のデジタル化を完了しました。録音された鳴き声は1929年にまでさかのぼるものも含まれており、コレクションは約15万点、7,513時間10テラバイト以上にものぼるとのことです。なお、鳴き声は同館のウェブサイトで公開されています。
米国著作権局が2012年10月に行った孤児著作物と大規模デジタル化に関する情報提供要請(Notice of Inquiry:NOI)に対し、Library Copyright Alliance(LCA)が2013年1月14日付けでコメントを公表しました。LCAは、米国図書館協会(ALA)、北米研究図書館協会(ARL)、大学・研究図書館協会(ACRL)から構成される団体です。LCAはコメント中で、「著作権をめぐる過去7年間の大きな動きにより、図書館が孤児著作物を適切に利用するために法的な改革をする必要はなくなった」とし、とりわけ次の2点を主要な動きとして挙げています。すなわち、裁判所の判決によってフェアユースに該当する図書館の権利がはっきりしてきた、図書館は孤児著作物と大規模デジタル化に関するさまざまなプロジェクトに成功してきた、ということです。なお、コメントは2月4日まで受け付けられており、LCAは図書館界に対して情報提供を呼びかけています。
Comments of the Libarry Copyright Alliance in response to the Copyright Office's Notice of Inquiry Concerning Orphan Works and Mass Digitization(PDF:12ページ)
オランダの大手出版社De Arbeiderspers/A. W. Bruna Uitgevers(AP/AWB)が、2013年1月18日より、販売する全ての電子書籍をDRMフリーにし、代わりに電子透かしを導入すると発表しました。ただし、AppleのiBookstoreで販売しているものを除くということです。同社は現在ポール・オースターの作品などを含む1,200タイトルの電子書籍を販売しており、2013年にはその数を拡大していく予定ということです。
2013年1月11日、フランス国立図書館(BNF)のLabo BNFは、GISデータを手掛けるEsri France社と共同で開発した、BNF所蔵の古地図を検索するための新たなウェブサイトを公開しました。これは、2012年10月23日から2013年1月27日までBNFで開催中の展示“L’âge d’or des cartes marines - Quand l’Europe découvrait le monde”に関連したもののようです。