アーカイブ - 2013年 11月

11月 20日

デジタル時代のマイクロ資料管理(文献紹介)

米国図書館協会(ALA)の下部組織である図書館コレクション・テクニカルサービス協会(ALCTS)が、マイクロ資料の管理のための“Managing Microforms in the Digital Age”をオンラインで公開しています。書誌コントロール、書庫環境、ベンダーとリソース、マイクロ資料の専門用語などの動向を取り扱っているとのことです。

図書館は長く新聞や雑誌、政府刊行物などの一次資料である研究資料の保存や提供の手段としてマイクロ資料を使用してきました。この30年の変化に対応し、ALAが1977年刊行した“Guidelines for Handling Library Orders for Microforms”を改訂し、タイトルも変更して今回の刊行に至ったとのことです。

Managing Microforms in the Digital Age
http://www.ala.org/alcts/resources/collect/serials/microforms

ALCTS publication takes a fresh look at microforms(ALA News, 2013/11/19)

調査研究「地域活性化志向の公共図書館における経営」の実施について

国立国会図書館では、2002年度から毎年度、図書館・図書館情報学に関する調査研究を実施しています。2013年度については、「地域活性化志向の公共図書館における経営」を研究テーマとして、現在調査研究を進めています。実施にあたっては、株式会社浜銀総合研究所に委託し、同社の研究員、および同社の編成する調査研究チームの図書館情報学研究者が調査研究にあたっています。

本年度の調査研究は、地域活性化を志向して新しいサービスに取り組んでいる公共図書館を複数館取り上げ、これらの図書館の方に調査にご協力いただきながら、サービスの形成プロセスに着目してそのサービスの成立条件の分析等を行い、考察を行うものです。これらの分析等が、自治体及び図書館が、新しい取組みを産み出し、また成長させていこうとする際に、役に立つものとなるのではないかと考えています。

結果については、報告書として取りまとめ、当館のホームページ(カレントアウェアネス・ポータル)で公表するとともに、報告会を開催する予定となっています。報告会は、現時点で、2014年2月ないし3月に、東京本館で開催することを想定しています。詳細が決まり次第、カレントアウェアネス・ポータルや図書館協力ニュース等を通じてご案内いたしますので、是非ご参加ください。

調査体制及び協力館は下記のとおりです。

■調査研究チーム

機関リポジトリのベストプラクティス(文献紹介)

米国図書館協会(ALA)の下部組織である図書館コレクション・テクニカルサービス協会(ALCTS)が、機関リポジトリの担当者を対象に、“The Institutional Repository: Benefits and Challenges”を刊行したとのことです。同書は6章で構成されており、各章のタイトルおよび著者は以下の通りです。

Chapter 1
Institutional Repositories: The Promises of Yesterday, The Promises of Tomorrow
by Greg Tananbaum

Chapter 2
Approaches to Marketing an Institutional Repository to Campus
by Allison Sivak and Leah Vanderjagt

Chapter 3
Perpetual Beta: Assessing the Institutional Repository
by Marilyn S. Billings

Chapter 4
Institutional Repositories, Libraries and the Academy
by Marilyn S. Billings

Chapter 5

北米研究図書館協会(ARL)、加盟図書館員の給与調査レポートの2012-2013年度版を公開

2013年11月19日、北米研究図書館協会(ARL)が、125館の加盟館を対象とした図書館員の給与調査レポートの2012-2013年度版“ARL Annual Salary Survey 2012-2013”を公開しました。レポートでは、115の大学図書館に勤務する10,072人、10の大学以外の図書館に勤務する3,823人の職員のデータが集計・分析されているとのことです。

オンライン版、冊子体ともに有料です。

ARLの記事によると、このレポートでは、ARLはタスクフォースを設けて大学図書館の職種を改訂したとのことです。デジタルコンテンツに係る新たな役割を反映したカテゴリなどが追加されているとのことです。

また、同記事によると、以下の結果が判明したとのことです。

・カナダではインフレ率と合わせて給料が上昇しているが、米国ではそうではなかった
・米国では給料の中央値が67,257ドルで、2011-2012年の調査(66,467ドル)より1.2%上昇している(同期間、米国の消費者物価指数は1.4%上昇)。
・カナダでは給料の中央値が87,120カナダドルで、2011-2012年の調査(85,551カナダドル)より1.8%上昇している(同期間、カナダの消費者物価指数は1.3%上昇)。

11月 19日

米国政府印刷局の目録ガイドラインの改訂、フェーズ1が完了

米国政府印刷局(GPO)は政府刊行物の書誌データを記述するための目録ガイドラインについて、段階的に改訂を進めており、2013年11月19日にフェーズ1が完了したと公表しました。フェーズ1では、名称典拠、主題目録、MARCではないメタデータスキーマ(Dublin Core、ONIX)を取り扱っており、連邦政府刊行物寄託図書館制度(FDLP)のウェブサイトにて公開されています。

フェーズ2とフェーズ3では既存のガイドライン全体の改訂を予定しており、2014年に完成する予定とのことです。

Cataloging Guidelines Update: Phase 1(FDLP Desktop 2013/11/18付け)
http://www.fdlp.gov/component/content/article/1555-cataloging-guidelines-update-phase-1-

Cataloging Guidelines(Federal Depository Library Program)
http://beta.fdlp.gov/2013-09-18-15-18-03/link-item

参考:
米国政府印刷局(GPO)がRDAの導入時期を2013年4月と発表
Posted 2012年12月19日

ある企画担当の図書館員の心配事トップ10

米国図書館協会(ALA)の公的プログラム部(Public Programs Office)のプロジェクトである“Programming Librarian”というサイトに、“Top Ten Fears of a Programming Librarian”と題する記事が掲載されています。記事を書いたのは、ミシガン大学図書館の図書館員のJamie Lausch Vander Broekさんで、プログラム(企画、イベント等)を担当する図書館員としての心配事のトップ10をまとめています。

トップ10は以下のような内容が示されています。

1. (企画が)時代遅れであること
2. 参加者やプレゼンターが、(企画を)時代遅れだと感じること
3. 聴衆よりパネリストの人数の方が多いこと
4. 溝にはまって動けなくなること (既存の企画にとらわれ、新しい企画に踏み出せない、など)
5. 管理職が自分の仕事を重要視しないこと
6. 同僚からの賛同がないこと
7. へまをやること
8. 利用者のニーズのバランスをとること(静かな環境を求めて図書館に来る人のニーズとのバランス、など)
9. 企画の評価を正しく示せないこと(企画のインパクトを測定するのは難しい)
10. 反対論者になること(“それは以前に試して、うまくいかなかった”、などと繰り返し発言する、など)

Palgrave Macmillan社、英ウェルカム財団の助成により同社初のオープンアクセス・モノグラフを出版

2013年11月14日、Palgrave Macmillan社は英ウェルカム財団の助成を受け、同社初のオープンアクセス・モノグラフを出版したことを発表しました。初のオープンアクセス・モノグラフとなったのは英マンチェスター大学のAya Homei氏らによる英国・米国における真菌性感染症の歴史をまとめた本”Fungal Disease in Britain and the United States 1850-2000”です。同書はウェルカム財団の助成研究の成果に基づくもので、Palgrave Macmillan社のプラットフォームから無料で閲覧・ダウンロードできるほか、Amazon Kindle等のデバイスにも無料で配信されるとのことです。

ウェルカム図書館のSimon Chaplin氏によれば、ウェルカム財団は医学史や医療人文学を推奨する方針をとっており、その成果を公開するよう、著者と出版者に働きかけを行っているとのことです。Homei氏らの著書の公開がどのような効果を持つかが示されることで、彼女らに続く人々が現れるだろうとChaplin氏は述べています。

なお、同書はクリエイティブ・コモンズのCC-BYライセンスで公開されており、出典さえ明示すれば、自由に翻訳・改編等することが認められています。

アルゼンチンでオープンアクセス義務化法案成立 一次データの公開も義務化

2013年11月13日、アルゼンチンの研究機関に対し公的助成を受けた研究成果のオープンアクセス化を義務付ける法案が同国議会上院で全会一致で可決され、成立しました。

この法律は公的助成を受けた研究の成果に基づく、科学・技術分野の雑誌論文や学位論文等について、機関リポジトリでの公開を求めるものです。教員や研究者だけではなく、修士・博士課程に在籍する学生の研究成果も対象に含まれるほか、研究の一次データについても収集し、5年後には公開して他の研究者も利用できるようにすることを義務付けています。

Es ley el acceso libre a la información científica(アルゼンチン科学・技術・生産革新省のサイト、2013/11/13付け)
http://www.mincyt.gob.ar/noticias/es-ley-el-acceso-libre-a-la-informacion-cientifica-9521

Argentina makes OA law(Research Information、2013/11/15付け)
http://www.researchinformation.info/news/news_story.php?news_id=1423

「価格の壁」に邪魔されたフラストレーションを共有・可視化しつつオープンアクセス版を手に入れられる”Open Access Button”

オープンアクセスに関する国際会議”Berlin 11”のサテライトカンファレンスである”Berlin 11 Satellite Conference for Students & Early Stage Researchers”(2013年11月18日開催)の中で、イギリスの2人の学生による新サービス”Open Access Button”が公表されました。

“Open Access Button”は同サービスのサイト上で氏名・メールアドレス等の情報を登録すると利用できるようになるブックマークレットで、必要な論文が掲載された雑誌を購読しておらず、入手できないときにこのブックマークレットをクリックすると、そのフラストレーションをTwitterやFacebookで友人と共有することができます。さらに、位置情報を提供できるデバイスからこのサービスを利用すると、自分の位置情報付きでが「価格の壁」に邪魔されたという事実を示すことができ、「価格の壁」が人々に与えているフラストレーションを世界地図上に可視化できるようになっています。その後、DOIやタイトルからGoogle Scholarを検索し、もしオープンアクセス版があればそこから入手することもできます。

Open Access Button
https://www.openaccessbutton.org/

Finchレポート 1年目のレビュー

2012年6月に英国の研究情報ネットワーク(RIN)がいわゆる「Finchレポート」(正式名称:Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications)を公開してから1年が過ぎたことを受け、同レポートをまとめたグループ自身によるFinchレポートのレビュー"A Review of Progress in Implementing the Recommendations of the Finch Report"が公開されています。

このレビューはFinchレポート中での提案事項の、公開後1年間での実現状況を振り返るものです。また、レビュー内容に基づき、14の更なる提案事項が示されています。

なお、同レビューは2013年11月18日にRINのサイトで公表されたものですが、同日中には既にハーナッド(Stevan Harnad)氏による反論がハーナッド氏のブログである”Open Access Archivangelism”上で公開されています。

米国政府印刷局、ケネディ大統領暗殺事件に関する文書を公開

ケネディ大統領の暗殺事件から50年になるのを機に、米国政府印刷局(GPO)が政府刊行物提供サイトであるFederal Digital System(FDsys)にて、ウォーレン委員会のレポートを公開しました。ウォーレン委員会は、ケネディ大統領の暗殺を検証するためにリンドン・ジョンソン大統領によって設けられた委員会で、そのレポートは900ページにも及ぶとのことです。

WARREN COMMISSION REPORT AVAILABLE ON GPO'S FEDERAL DIGITAL SYSTEM
http://gpo.gov/newsroom-media/presspage/13presspage43.htm

Report of the President's Commission on the Assassination of President John F. Kennedy(FDsys,PDF:920ページ)
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/GPO-WARRENCOMMISSIONREPORT/pdf/GPO-WARRENCOMMISSIONREPORT.pdf

カレントアウェアネス・ポータルの英語版を公開しました

2013年11月19日、カレントアウェアネス・ポータルの英語版を以下のURLに公開しました。

http://current.ndl.go.jp/en

今回の公開に合わせ、これまで「カレントアウェアネス-E」で配信してきた東日本大震災関係の記事(「東日本大震災後の図書館等をめぐる状況」等)について、翻訳が完了した2011年3月(E1155)から2013年4月(E1422)までのもの15件を新たに掲載しました。

コンテンツは、今後随時追加していく予定です。

研究者はどのようにデジタルコレクションを利用するのか

デジタルコレクションの研究での利用について報告したスライド“Beyond the Scanned Image: Assessing Scholarly Uses of Digital Collections”が、米国議会図書館(LC)のブログで紹介されています。

これは、2013年7月16日-19日に開催された、Digital Humanities 2013 conferenceにおいて、Harriett Green氏らが発表した際の資料で、2011年の秋から2012年の春にかけて行われた、“Project Bamboo”の調査結果を報告するものとのことです。調査は研究者を対象に、ウェブアンケートと17名の対面によるインタビューの形式で実施され、デジタルコレクションの利用について、頻度や種類(テキスト、画像、地図など)、テキストと画像の利点などを調査しているとのことです。

研究において、デジタルコレクションをより使用しやすくするためには、コンテンツの網羅性、必要なコンテンツをより探しやすくする方法、コンテンツに注釈を付けたり編集をする機能の改善などが求められているとのことです。

ニューヨークアート資料コンソーシアム(NYARC)が歴史的資料のウェブアーカイビングプログラムの実施へ

The Brooklyn Museum、The Frick Collection、The Museum of Modern Artの図書館からなるニューヨークアート資料コンソーシアム(NYARC)が、アンドリュー・メロン財団から34万ドルの助成金を得て、芸術に関する歴史的資料のウェブアーカイビングプログラムを開始するとのプレスリリースを出しています。

このプログラムは、2012年に実施された調査の報告書“Reframing Collections for a Digital Age”を受けて実施されるものです。同報告書では、美術に関する情報がウェブに移行しており、オークションカタログ、カタログ・レゾネ、学術調査等、美術に関するウェブ上の資料の保存が喫緊の課題であることを指摘しています。

Mellon Award Funds Web Archiving Program
http://nyarc.org/content/mellon-award-funds-web-archiving-program
※2013年10月28日付けのプレスリリースを掲載

via.

国立国会図書館、企画展示『名勝負!!』の解説全文をウェブに掲載

国立国会図書館が、2013年10月22日から東京本館において開催している企画展示『名勝負!!』について、11月18日、解説全文をウェブに掲載しました。

なお、同テーマでの展示会は、11月28日からは関西館で開催されます。

企画展示 「名勝負!!」
http://www.ndl.go.jp/jp/event/exhibitions/1202372_1376.html
※解説全文掲載ページ

解説全文(pdf, 99ページ)
http://www.ndl.go.jp/jp/event/exhibitions/ex131022.pdf

11月 18日

佐久市立望月図書館 「読書に心地よい椅子コンテスト」の作品を募集

長野県佐久市立望月図書館が今年3月に移転・開館したことを記念して、佐久市教育委員会が、同館で使用する「読書に心地よい椅子」を募集しています。「読書・作品に対しての想い」を記入した応募用紙と、設計図等をもとにした一次選考により、最終選考のために実際に製作してもらう作品を決定するとのことです。最終選考は来年夏に望月図書館で行われ、応募作品に実際に座った利用者の投票により、優秀作品が選ばれます。

一次選考の応募締切は2014年3月21日です。実際に椅子を製作できれば誰でも応募可能とのことです。

望月の光と風と緑 読書に心地よい椅子コンテスト 作品募集 (佐久市 作品募集ページ)
http://www.city.saku.nagano.jp/cms/html/entry/14550/5.html

静岡大学附属図書館で展示“あれから2年半~東北の今~”を開催

静岡大学附属図書館の静岡本館ギャラリーで、2013年11月19日から11月26日まで、展示“あれから2年半~東北の今~”が開催されているとのことです。

この展示は、ボランティアサークル響によるもので、9月12日から9月16日に宮城県気仙沼市を訪問した際の、被災地の現状について報告しているとのことです。

2013年11月展示 あれから2年半~東北の今~(静岡大学附属図書館)
http://www.lib.shizuoka.ac.jp/koho/gallery/exhibition33.pdf

2016年の“World Book Capital”の募集開始

国際図書館連盟(IFLA)などが毎年選出する“World Book Capital(本の首都)”の2016年の募集が開始しています。募集は2014年4月25日までとなっています。

なお、“World Book Capital(本の首都)”は、2014年はナイジェリアのポートハーコート(Port Harcourt)で、2015年は韓国の仁川(Incheon)です。

Call for applications: World Book Capital 2016
http://www.ifla.org/node/8149

福島大学のゼミ、飯館村・映像記録アーカイブプロジェクトの実施へ

福島大学行政政策学類の佐々木康文ゼミが、東京電力福島第1原発事故により全村避難となっている飯舘村に関して、「飯舘村・映像記録アーカイブプロジェクト」に取り組むと発表しています。飯館村民の現状を映像で記録し、インターネット等を通じて村内外に発信するとともに、村の記録として残していくというものです。

このプロジェクトは、同ゼミと飯舘村、スマートコミュニケーションズ(毎日新聞社グループ)が協力して推進するもので、同ゼミが制作を担い、完成した作品の「発信」に関しては、飯舘村、スマートコミュニケーションズが行うとのことです。

なお、名称は仮称で、正式名称は今後決定するようです。

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