アーカイブ - 2013年 1月 17日

米国議会図書館(LC)が選ぶ2012年の電子情報保存事業の進展トップ10

2013年1月14日付けの米国議会図書館(LC)のブログ“The Signal”に、LCが選ぶ2012年の電子情報保存事業の進展トップ10が掲載されています。取り上げられた内容は以下のとおりです。

(1)全米デジタル情報基盤整備・保存プログラム(NDIIPP)助成プロジェクト4件に関するレビュー報告書
(2)欧州研究図書館協会(LIBER)による研究データ管理支援を開始する図書館に対する10の提言
(3)英キングス・カレッジ・ロンドンによるデジタルリソースの影響調査法に関するレポート
(4)英デジタル保存連合(DPC)による2012年デジタル保存アワードの発表
(5)LCによる個人でのデジタル情報保存のためのリソースをまとめたウェブページ
(6)The Digital Preservation Networkの設立
(7)カリフォルニア大学によるDataUpプロジェクト
(8)OCLC Researchによるボーンデジタル資料に関するレポート2本
(9)DPCによる一連のレポート3本
(10)オバマ政権の政府系ウェブサイトをアーカイブするプロジェクト(“End of Term 2012”)の実施

このうち(1)、(6)、(10)を除く7件についてはカレントアウェアネス-Rで紹介してきました。

フランス国立図書館が民間企業2社と提携、15~17世紀書籍7万冊とレコード20万枚のデジタル化を実施

フランス国立図書館(BNF)が所蔵資料のデジタル化に関して民間企業2社とパートナーシップを結んだと現地紙で報じられています。デジタル化対象資料と提携先企業は、1470年~1700年に出版された7万冊のフランス語書籍をデジタル化するProQuest社および、20万枚のレコードをデジタル化するBelieve Digital and Memnon Archiving Services社ということです。

Deux nouveaux partenariats de numérisation des collections de la BNF(leParisien.fr 2013/1/15付け記事)
http://www.leparisien.fr/flash-actualite-culture/deux-nouveaux-partenariats-de-numerisation-des-collections-de-la-bnf-15-01-2013-2483639.php

Numérisation à la BnF : Google et la British Library, plus respectueux(ActuaLitte 2013/1/16付け記事)

大学図書館の機関リポジトリのコスト分析(文献紹介)

オープンアクセス誌D-Lib Magazineの2013年1・2月号(19巻1・2号)が公開されました。7本の記事が掲載されています。

そのなかに、米ミズーリ大学のバーンズ(C. Sean Burns)氏らによる“Institutional Repositories: Exploration of Costs and Value”があります。これは、大学図書館の機関リポジトリのコストおよびその価値について論じたものです。筆者らは、機関リポジトリを運用している大学図書館を対象にアンケート調査を行い、その回答(有効回答49)に基づき、機関リポジトリのソフトウェアがオープンソースか商用かどうか、登載コンテンツ数、マンデートの有無、セルフアーカイブによるコンテンツ登録かどうか、大学のカーネギー分類や学生数、などの観点からコストの差を分析しています。

分析から分かったこととして、状況は大学によって一様ではなく、さらなる研究を行う際にはカーネギー分類などによって対象を特定のカテゴリーに絞るべきだとしています。また、ソフトウェアがオープンソースか商用であるかの違いによらず、年間運用コストに差が見られなかった点が驚きであったとも述べられています。

Institutional Repositories: Exploration of Costs and Value

PLOSをモデルとした人文・社会科学系オープンアクセスプロジェクト“PLOHSS”(記事紹介)

2013年1月15日付けのLibrary Journalに、リンカーン大学の英文学の講師であるMartin Eve氏のインタビュー記事“Q&A: Martin Eve on Why We Need a Public Library of the Humanities and Social Sciences”が掲載されています。

Eve氏は、オープンアクセス(OA)出版のPLOSをモデルに、それがカバーしていない人文・社会科学系をターゲットとした、OAアーカイブ“PLOHSS”のプロジェクトを進めている中心人物です。

記事では、PLOHSS立ち上げの経緯や既に存在する人文・社会科学系OAプロジェクトとの協力関係、組織の現状、PLOSとの関係等について、Q&A形式でまとめられています。

PLOHSS
http://www.plohss.org/

Q&A: Martin Eve on Why We Need a Public Library of the Humanities and Social Sciences (Library Journal 2013/1/15付けの記事)

府省共通研究開発管理システム(e-Rad)とReaD&Researchmapが連携を開始

2013年1月15日に、文部科学省が運営する府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の刷新に伴い、e-RadとReaD&Researchmapが連携を開始しました。

これにより、以下のことが可能となったとのことです。
・e-Rad申請時にReaD&Researchmapに登録している業績情報を利用することができる。
・e-Radに新規登録した業績情報をReaD&Researchmapに取り込むことができる。
・e-Radに登録している所属情報変更時に、ReaD&Researchmapの所属情報も変更することができる。

UNESCO事務局長、マリの武力紛争に関し、同国の文化遺産保護を求める

UNESCOのイリナ・ボコヴァ事務局長が、マリでの武力紛争に関し、同国の文化遺産保護を呼びかけていることを公表しています。

マリとフランスの当局に対し武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(1954年ハーグ条約)を尊重べきとする書簡を送り、また関係者に同国内の文化遺産に関する位置情報を提供したとのことです。

“公共図書館はなぜ重要か?”変わりゆく出版と読書の世界における図書館の機会について、マーケティング専門家が論考(米国)<記事紹介>

Forbes誌に、図書館の電子書籍市場における役割についてのコラム(2回シリーズ)の第2回目として、“Why Public Libraries Matter: And How They Can Do More”と題するコラムが掲載されています。マーケティングにおいて経験を有するDavid Vinjamuri氏による論考です。

出版者が図書館の役割を過小評価していること、公共図書館は将来本の発見のローカルセンターとなるであろうことなどを指摘した上で、電子書籍市場において、米国デジタル公共図書館(Digital Public Library of America)等に見られる協同購入等を特徴とするモデルの重要性や、インディーズ出版における本の発見において図書館の果たし得る役割について議論を展開しているようです。

Why Public Libraries Matter: And How They Can Do More(Forbes 2013/1/16付け)
http://www.forbes.com/sites/davidvinjamuri/2013/01/16/why-public-libraries-matter-and-how-they-can-do-more/

【イベント】脚本アーカイブズ・シンポジウム-脚本アーカイブズは「誰のため」「何のため」?『記憶』を『記録』し、構想する(2/14・東京)

2013年2月14日に、脚本アーカイブズ・シンポジウムの第3弾として、『脚本アーカイブズは「誰のため」「何のため」?』と題するシンポジウムが開催されます(入場無料・先着400名)。会場は文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階講堂です。

第1部では基調講演として、脚本家の山田太一氏の『脚本・台本とは』、吉見俊哉氏の『文化リサイクル-“生産・消費”社会から、“循環再利用”社会へ』が予定されています。また第2部では、『脚本・台本は誰のもの-何のための脚本アーカイブズなのか』をテーマとする今野勉氏、福井健策氏をパネリストしたパネルディスカッションが予定されています。

なお、総合司会は女優の中江有里氏とのことです。

☆文化関係資料アーカイブズ・シンポジウム☆ 脚本アーカイブズは「誰のため」「何のため」?-『記憶』を『記録』し、構想する
http://www.nkac.jp/シンポジウムのお申し込み/

チラシ

米国のコロンビア大学図書館とコーネル大学図書館がテクニカルサービス部門の統合へ

米国のコロンビア大学図書館とコーネル大学図書館がテクニカルサービス部門の統合を行っていくと発表されました。両大学が2009年に開始した“2CUL”という協力関係のフェーズ2として、アンドリュー・W・メロン財団から3年間で35万ドルの助成を受けて実施されるものです。統合においては、図書、電子書籍、電子ジャーナル、データベースなどの資料の共同調達が行われるほか、データやワークフローの統合も含めた共通の図書館システムの使用も検討されるということです。また、両館合わせて50以上の言語の資料を収集しており、多言語に対応できるライブラリアンを共有できるという点もメリットとして挙げられています。

Cornell and Columbia Libraries to Build a Joint Technical Infrastructure(Cornell University Library News 2013/1/16付けニュース)
http://news.library.cornell.edu/news/130116/2cul

2CUL
http://2cul.org/

参考:
コロンビア大学図書館とコーネル大学図書館による、電子ジャーナル保存についての調査
http://current.ndl.go.jp/node/20247