Evidence Based Library and Information Practiceの7巻4号に、米オハイオ州立大学図書館のStephanie J. Schulte氏による、エンベディッドライブラリアンシップに関する文献レビューが掲載されています。レビューを通して、大学図書館等におけるエンベディッドライブラリアンの定義や実践について分析するとともに、今後はこういった活動のインパクトに対する量的研究が必要としています。
カナダのサイモンフレーザー大学の博士課程に在籍しているモリソン(Heather Morrison)氏が、2012年のオープンアクセスの“劇的な成長”を示した統計データをExcelファイルで公開するとともに、自身のブログでその内容の一部を紹介しています。例えば、オープンアクセスジャーナルのディレクトリとして有名な“Directory of Open Access Journals”には、2012年に1,133タイトルが登録され、1日につき約3タイトルが追加されていった計算になるとしています。
なお、彼女は“Freedom for scholarship in the internet age”と題した博士論文の審査を11月に済ませたということです。
2012年12月3日・4日に、スペインのマドリードで、欧州図書館(The European Library:TEL)の主催による会議“The Researcher of Tomorrow”が開催されました。将来の研究者のニーズに対して研究図書館はどのように応えることができるかという課題をテーマとしたものです。講演資料がウェブサイトで公開されており、それによると、オープンアクセス、今後の研究者のニーズ、Horizon 2020(EUの助成プログラム)、HathiTrust、Impact Centre of Competence、Europeana Cloudなどについて話題になったようです。また、会議レポートがResearch Informationに掲載されています。
2013年1月28日に、熊本県熊本市のくまもと森都心プラザを会場として、「図書館総合展フォーラム in 熊本/第6回 日本図書館協会九州地区図書館の集い」が開催されます。参加申込の受付が開始されています。当日は、「『知の創造と継承』を支える『場』としての『ライブラリー』を巡って-九州の挑戦に学ぶ」というテーマのもと、パネル討論や以下の分科会が予定されています。
ハーバード大学で“Labrary”と題した“実験”が行われているそうです。これは、ハーバード大学デザイン大学院の“Library Test Kitchen”という授業を受講している学生らによるもので、デザインの領域におけるイノベーションが図書館をいかに進化させるのか、様々な作品を作成し、展示するという内容です。展示スペースは、2012年11月15日から12月21日まで設置されるということです。
2012年12月13日、欧州研究大学連合(League of European Research Universities:LERU)が“Open Access to Research Publications”および“Open Research Data”という2本の声明を公開しました。それぞれ、出版された研究成果および研究データのオープンアクセス化について基本的な事項を整理しつつ、最後に“LERU and the EU”という節において、これらに対するLERUの姿勢は欧州委員会(EC)のそれと同一であることを示しています。LERUには欧州の21大学が加盟しています。
カンザス州立図書館が、カンザス州内の複数の公共図書館と協力し、同州内の図書館の基準を示す“2012 Kansas Public Library Standards”を公表しています。規模別に7つに分類し、それぞれの果たすべき主な役割について端的に示すとともに、組織構造・ガバナンス、計画・マーケティング・アウトリーチ、資金・予算、図書館サービス・資源、機械化・技術、人事、ファシリティの分野にわたって50項目を設定し、Yes/Noで判断できるようになっています。
北米研究図書館協会(ARL)が、2012年11月付けで、報告書シリーズ“SPEC Kit”の332号として“Organization of Scholarly Communication Services”を刊行しました。この報告書では、学術コミュニケーションを支援するスタッフを研究機関はどのように組織しているのか、2007年のARL加盟館の調査以降、加盟館の組織構造はどのように変化しているのか等を論じたものとのことです。本文は有料ですが、目次・要約部分は無料公開されています。