アーカイブ - 2012年 7月

7月 20日

米カンザス大学による電子書籍のDemand-Driven Acquisitionの事例報告(記事紹介)

Elsevier社のニュースレター“Library Connect”の2012年7月号(10巻2号)に、米カンザス大学図書館のLea Currie氏が執筆した“A demand-driven acquisition model based on price”という記事が掲載されています。Demand-Driven Acquisition(DDA)をテーマとしたもので、2010年に冊子体書籍のDDAを試行した同館が、Ebook Library(EBL)社のプログラムによってその範囲を電子書籍へも拡大した取組みについて報告しています。

A demand-driven acquisition model based on price
http://libraryconnect.elsevier.com/articles/marketing-advocacy-roi/2012-07/demand-driven-acquisition-model-based-price

Library Connect, July 2012
http://libraryconnect.elsevier.com/newsletters/2012-07/evolving-collections-services-july-2012

参考:

必要なデータを蓄積し、図書館の生み出した価値を定量的に示す―オーストラリア・ウーロンゴン大学の“Library Cube”(記事紹介)

米国のNPO・EDUCAUSEが刊行する“EDUCAUSE Review”の2012年7・8月号に、オーストラリアのウーロンゴン大学図書館のBrian Cox氏とMargie Jantti館長が執筆した“Discovering the Impact of Library Use and Student Performance”という記事が掲載されています。図書館が学生や大学に対して与える価値をテーマとしたもので、同大学では、図書館が生み出した価値を定量的に評価するために、必要なデータを蓄積してレポートを出力する“Library Cube”というシステムを開発したそうです。データ分析の結果、学生の成績と図書館の情報資源の活用の間には強い相関があったとしています。

Discovering the Impact of Library Use and Student Performance(EDUCAUSE Review)
http://www.educause.edu/ero/article/discovering-impact-library-use-and-student-performance

参考:
E1306 - 2012年,大学・研究図書館の10のトレンド
http://current.ndl.go.jp/e1306

ニューヨーク公共図書館、レストランメニューのデジタル化プロジェクトのAPIを公開

米国のニューヨーク公共図書館が進めているレストランのメニューのデジタル化プロジェクト“What's on the menu?”のAPIが、このほど公開されたようです。APIの公開は同館初の試みとのことです。

Menus Beta API v1
http://nypl.github.com/menus-api/

API提供を伝える“What's on the menu?”の2012/7/20付けのツイート
https://twitter.com/nypl_menus/status/226052939469434880

参考:
ニューヨーク公共図書館、レストランのメニューをデジタル化
http://current.ndl.go.jp/node/17780

カナダ国立図書館・文書館、所蔵アナログ資料の保存の現状と取組みについてまとめたレポートを公開

カナダ国立図書館・文書館(LAC)が2012年7月18日に“State of the Holdings: The Condition of Analogue Holdings at Library and Archives Canada”と題したレポートを公表しました。同館が所蔵するアナログ資料の保存をテーマとしたもので、カナダの記録遺産の現状とそれを後世に残すための同館の取組みを国民に伝えることを目的としたものということです。

State of the Holdings: The Condition of Analogue Holdings at Library and Archives Canada(PDF:23ページ)
http://www.bac-lac.gc.ca/eng/about-us/modernization/Documents/State%20of%20the%20Holdings-June%202012_e.pdf

カナダ国立図書館・文書館(News欄に2012/7/18付けで“LAC releases report on Analogue Holdings.”とあり)
http://www.bac-lac.gc.ca/eng/Pages/home.aspx

参考:

7月 19日

NIIが米OIXによる評価人認定を受け、学認参加大学が発行するIDでPubMed等の海外サービスへアクセス可能に

2012年7月17日、国立情報学研究所(NII)が、米国の民間非営利団体Open Identity Exchange(OIX)によって、学術認証フェデレーション(学認)参加大学に対して認証の信頼性評価を行う「評価人」としての認定を受けたと発表しました。

この認定により、学認に参加する大学等は、OIXから直接評価を受けるという高コストな方法ではなく、NIIによる評価を受けることでOIXへの登録が可能になるようです。そして、OIXに登録された大学等の構成員は、OIXと契約を交わした機関―米国国立衛生研究所(NIH)、米国国立医学図書館(NLM)、米国議会図書館(LC)等―のサービスに、大学が発行したIDを使ってアクセスできるようになるということです。

最初の事例として、京都大学が評価に参加予定だそうです。

学認は、このような「信頼フレームワーク」を構築するアジア初の組織になるとされています。

大学等発行のオンラインIDに対する信頼性認定を開始~ID連携の対象範囲拡大により教育研究ICT環境の拡充を支援~(PDF:3ページ)
http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20120717.pdf

英国図書館(BL)とカタール財団が中東史関係資料50万ページ以上のデジタル化計画を発表

2012年7月18日、英国図書館(BL)とカタール財団が、英国東インド会社およびインド省(India Office)のアーカイブズ資料から50万ページ以上と中世アラビア語写本25,000ページのデジタル化計画を発表しました。これは、今後3年間、カタール国立図書館との協同に基づきBLで実施されるもので、デジタル化された資料は無料公開される予定となっています。

Transforming our understanding of Middle Eastern history: The British Library and Qatar Foundation unveil project to digitise half a million pages of archive material (British Library 2012/7/18付けの記事)

シアトル公共図書館のOPACでワシントン大学のラジオ音楽番組が検索可能に

シアトル公共図書館が、ワシントン大学のラジオ番組であるKEXPと提携し、KEXPで収録されたライブ・パフォーマンスを、同館のOPAC上で検索できるようにしています。利用者は、OPACで検索し、ストリーム配信を利用することができます。

この提携は、シアトル公共図書館とKEXPの間の交流の中、1年半ほど前に持ち上がったアイデアであり、OPACを拡張したいという図書館と、レコーディングをもっと可視化したいKEXPの意向が一致し、実現したものとのことであり、コンテンツには、Arcade Fire、 Wilco、 Death Cab for Cutie、 Norah Jones、Black Keysなどの演奏が含まれているようです。

Ref.
The Seattle Public Library now offers streaming music of live performances from KEXP(シアトル公共図書館 2012/7/12付けプレスリリース)
http://www.spl.org/about-the-library/library-news-releases/kexp-recordings-712

NDL『レファレンス』誌に「我が国の電子書籍流通における出版界の動向と政府の役割―現状と今後の課題―」が掲載

国立国会図書館(NDL)調査及び立法考査局が刊行している『レファレンス』のNo.738(2012年7月号)に、柳与志夫氏による「我が国の電子書籍流通における出版界の動向と政府の役割―現状と今後の課題―」という記事が掲載されています。

我が国の電子書籍流通における出版界の動向と政府の役割―現状と今後の課題―
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3509071_po_073802.pdf?contentNo=1

レファレンスNo.738(2012年7月)
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/index.html#no738

社団法人四国建設弘済会が「四国災害アーカイブス」の部分運用を開始、38の地震・津波に関するデータを提供

社団法人四国建設弘済会が、2012年7月20日より、四国で過去に発生した地震・津波の情報をデータベース化した「四国災害アーカイブス」の部分運用を開始します。2014年4月予定の本格運用に先だって、38件の地震・津波に関連する1,401点のデータを先行して提供するというものです。本格運用時には28,000点のデータが提供される予定ということです。

四国災害アーカイブス
http://www.shikoku-saigai.com/

四国災害アーカイブス:四国の地震と津波、ネットで情報提供−−20日から開設 /香川(毎日jp 2012/7/18付け記事)
http://mainichi.jp/area/kagawa/news/20120718ddlk37040600000c.html

経済産業省、「平成23年情報処理実態調査」報告書を公表

2012年7月17日、経済産業省が、「平成23年情報処理実態調査」の結果をとりまとめた報告書を公表しました。同調査は、国内のITや情報セキュリティに係る施策の形成・運営に関する公式統計で、報告書の概要では以下の5点がポイントとして挙げられています。

(1)急拡大するクラウド・コンピューティングの利用
(2)モバイル端末利用などに伴う情報セキュリティトラブルの発生
(3)3年連続で低下する情報処理関係諸経費
(4)高まるEDI利用の効果
(5)東日本大震災の影響

平成23年情報処理実態調査報告書概要(PDF:13ページ)
http://www.meti.go.jp/press/2012/07/20120718001/20120718001-2.pdf

【イベント】思い出サルベージ活動報告会(8/4・東京)

宮城県山元町において東日本大震災の津波によって被災した写真を救済する活動を行っている「思い出サルベージアルバム・オンライン」が、2012年8月4日に、東京都のアーツ千代田3331で、これまでの活動を振り返り、今後の復興支援について考えるトークイベントを開催します。

8/4(土)に思い出サルベージ活動報告会を開催します(日本社会情報学会(JSIS-BJK)災害情報支援チーム活動ブログ 2012/7/18付け記事)
http://jsis-bjk.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/84-e399.html

アーツ千代田 3331
http://www.3331.jp/

参考:
E1216 - 被災地支援活動紹介(3)思い出サルベージアルバム
http://current.ndl.go.jp/e1216

佐賀県武雄市図書館の指定管理者にカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社を指定する議案が可決

2012年7月18日に開かれた佐賀県の武雄市議会臨時議会で、武雄市図書館の指定管理者としてカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)株式会社を指定する議案等が可決されたと報じられています。契約期間は5年、委託料は年間1億1千万円で、8月上旬に同市とCCCの間で協定を締結する予定ということです。

武雄市図書館、ツタヤ委託を可決 管理料5億5千万円(佐賀新聞 2012/7/19付け記事)
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2249578.article.html

CCCに図書館管理委託 武雄市議会、関連議案を可決(西日本新聞 2012/7/19付け記事)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/313550

参考:
佐賀県武雄市図書館に指定管理者制度を導入する条例改正案が可決
http://current.ndl.go.jp/node/21183

日本図書館協会(JLA)が「武雄市の新・図書館構想について」を公表
http://current.ndl.go.jp/node/20984

図書館問題研究会、佐賀県武雄市に対する要請「新・図書館構想における個人情報の扱いについて」を公表
http://current.ndl.go.jp/node/20969

国立国会図書館、デジタル化した自然科学分野の雑誌約8万点を館内限定公開資料として追加提供

2012年7月19日に、国立国会図書館(NDL)は、「国立国会図書館デジタル化資料」に、館内限定公開資料として、自然科学分野の雑誌約8万点(約500タイトル)を追加しました。また、7月26日には、同じく館内限定として、戦前期の図書約1万6千点を追加する予定です。今回の追加により、デジタル化資料の総数は約221万1千点(うち、インターネット公開は約40万点)となります。

国立国会図書館デジタル化資料
http://dl.ndl.go.jp/

約9万6千点のデジタル化資料を国立国会図書館の施設内で追加提供します(NDL 2012/7/19付けニュース)
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2012/1195476_1827.html

中国図書館学会第4回百県館長フォーラムを開催、“神木合意”を宣言

中国図書館学会によると、2012年7月12-13日陝西省神木県にて、第4回百県館長フォーラムが開催され、全国から150名以上の公共図書館館長が参加したとのことです。

フォーラムでは、(1)公共文化サービス体系における公共図書館の重要性、(2)公共図書館を無料開放するための財政予算の在り方、(3)公共図書館サービスの専門化、(4)公共文化サービスモデル地区と規範創設における図書館事業の発展、(5)公共デジタル文化の増強、(6)公共図書館発展のための人材育成、(7)『公共図書館法』の立法と施行への参与、に7項目に関し、合意事項が形成され、宣言されています。

Ref.
中国图书馆学会第四届百县馆长论坛神木共识(中国図書館学会HP 2012/7/16付けのニュース )
http://www.lsc.org.cn/CN/News/2012-07/EnableSite_ReadNews1111460811342368000.html

高エネルギー物理学分野のオープンアクセスプロジェクト“SCOAP3”の入札が終了、参加ジャーナル12タイトルが決定

2012年7月17日、欧州原子力研究開発機構(CERN)などによるオープンアクセスプロジェクト“SCOAP3”が、対象ジャーナルを決定するための入札が終了し、7出版社の12ジャーナルが参加することになったと発表しました。SCOAP3は2014年1月にサービスを開始する予定で、以下のジャーナルに2014~2016年の間に掲載された論文をオープンアクセス(クリエイティブコモンズのCC-BYライセンス)で公開するということです。

・American Physical Society
- Physical Review C
- Physical Review D
・Elsevier
- Physics Letters B
- Nuclear Physics B
・Hindawi
- Advances in High Energy Physics
・Institute of Physics Publishing / Chinese Academy of Sciences
- Chinese Physics C
・Institute of Physics Publishing/SISSA
- Journal of Cosmology and Astroparticle Physics

九州北部豪雨の影響で福岡県豊前市の求菩提資料館が休館中

毎日jpの2012年7月18日付けの記事によると、九州北部豪雨の影響で、福岡県豊前市の求菩提資料館が一部浸水し、7月14日から臨時休館しているとのことです。17日現在で再開のめどはたっていないものの、収蔵品に被害はなかったとのことです。

九州北部豪雨:求菩提資料館が休館 大量の水流入、再開めどたたず /福岡 (毎日jp 2012/7/18付けの記事)
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20120718ddlk40040348000c.html

求菩提資料館
http://www9.ocn.ne.jp/~kubote/

参考:
九州豪雨(7/12)による図書館等の被害状況
http://current.ndl.go.jp/node/21357

ミシガン大図書館によるHathiTrust内パブリックドメイン資料同定プロジェクトに、カリフォルニア電子図書館が参加

2012年7月11日、米国ミシガン大学図書館は、HathiTrustに登録された資料からパブリックドメイン資料を同定する同館のプロジェクトに、カリフォルニア電子図書館(CDL)が参加したと発表しました。CDLの参加により、プロジェクトは、16の研究図書館が参加することになりました。

2008年に始まるこのプロジェクトは、「著作権調査管理システム」(Copyright Review Management System:CRMS)を作成し、1923年から1963年までの間に米国内で出版された資料を対象として、パブリックドメイン資料の同定が実施されていました。その後、2011年に米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)から追加助成を受け、プロジェクトは米国以外の国で出版された図書も調査対象として継続されています。

7月 18日

Springer社、2010年のハイチ大地震被災地支援のためSpringerLinkのフリーアクセス期間を2015年まで延長

2012年7月16日に、Springer社は、2010年にハイチ大地震で被害を受けた同国の15,000人の学生と研究者に対し、2015年までSpringerlinkへのフリーアクセス期間を延長すると発表しました。これは、「国境なき図書館」 (Bibliothèques sans Frontières)による電子図書館プロジェクトを通じて実施されているものです。

Springer extends free access for digital library project in Haiti (Springer 2012/7/16付けの記事)
http://www.springer.com/about+springer/media/pressreleases?SGWID=0-11002-6-1383544-0

Springer extends free access for digital library project in Haiti (STM Publishing News 2012/7/17付けの記事)
http://www.stm-publishing.com/springer-extends-free-access-for-digital-library-project-in-haiti/

参考:

欧州研究評議会(ERC)が助成した研究成果のオープンアクセス率を調査したレポートを公表

欧州研究評議会(European Research Council:ERC)が2012年6月付けのレポート“Open Access Status of Journal Articles from ERC Funded Projects”を公開しました。ERCの助成を受けて発表された学術雑誌論文がどのくらいオープンアクセス(OA)で公開されているかを調査した結果をまとめたもので、サマリーによると630本の論文のうち62%がOAとなっていたそうです。また、その割合は分野によって異なり、生命科学では70%、物理学や工学では65%、人文・社会科学では50%だったということです。

Open Access Status of Journal Articles from ERC Funded Projects(PDF:15ページ)
http://erc.europa.eu/sites/default/files/document/file/open_access_study_status_journal_articles_ERC_funded_projects.pdf

Open Access Status of Journal Articles from ERC-Funded Projects(DigitalKoans 2012/7/17付け記事)

北米研究図書館協会(ARL)、加盟館におけるタブレット端末等の教育・学習用ツール提供に関する調査報告書を刊行

2012年7月17日、北米研究図書館協会(ARL)が、報告書シリーズ“SPEC Kit”の328号として“Collaborative Teaching and Learning Tools”を刊行しました。本文は有料ですが、目次・要約部分は無料公開されています。同報告書は、ノートパソコン、電子書籍リーダー、タブレット端末、インタラクティブホワイトボード、クリッカー、Wiiといった様々な教育・学習用ツールを対象として、ARL加盟館におけるそれらの提供・利用状況について調査した結果をまとめたものです。

Collaborative Teaching and Learning Tools(PDF:18ページ、目次・要約のみ)
http://www.arl.org/bm~doc/spec-328-web.pdf

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