2012年7月16日に、Springer社は、2010年にハイチ大地震で被害を受けた同国の15,000人の学生と研究者に対し、2015年までSpringerlinkへのフリーアクセス期間を延長すると発表しました。これは、「国境なき図書館」 (Bibliothèques sans Frontières)による電子図書館プロジェクトを通じて実施されているものです。
欧州研究評議会(European Research Council:ERC)が2012年6月付けのレポート“Open Access Status of Journal Articles from ERC Funded Projects”を公開しました。ERCの助成を受けて発表された学術雑誌論文がどのくらいオープンアクセス(OA)で公開されているかを調査した結果をまとめたもので、サマリーによると630本の論文のうち62%がOAとなっていたそうです。また、その割合は分野によって異なり、生命科学では70%、物理学や工学では65%、人文・社会科学では50%だったということです。
米国のPew Research CenterのPew Internet & American Life Projectが2012年7月17日に“The Rise of the “Connected Viewer””と題した調査報告書を公開しました。同報告書は、テレビを視聴しながらの携帯電話の利用について、2012年3月15日から4月3日にかけて2,254人の成人(18歳以上)を対象としておこなった電話調査の結果をまとめたものです。
2012年6月17日に英国の研究情報ネットワーク(RIN)が公表したいわゆる「Finchレポート」(正式名称:Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications)は公的助成を受けた研究成果のオープンアクセス(OA)化をテーマとしており、OA誌(ゴールドOA)を推奨するその内容に対して、学術情報流通のステークホルダーからその内容について様々な反応が出ていました。
ドイツ研究振興協会(DFG)が2012年7月3日にその戦略を記した“Taking Digital Transformation to the Next Level”という文書を公表しています。これは、DFGによって2006年に発表された“Scientific Library Services and Information Systems: Funding Priorities through 2015”に続くもので、以下の4項目について、2007年~2011年における発展を踏まえて、今後の取組や課題に関して述べています。
・全国的な図書館サービス(Nationwide Library Services)
・目録とデジタル化(Cataloguing and Digitisation)
・電子出版(Electronic Publications)
・情報管理(Information Management)
2012年7月17日、米国OCLCの研究部門OCLC Researchが、“Print Management at “Mega-scale”: A Regional Perspective on Print Book Collections in North America”と題したレポートを公表しました。レポートでは、北米における紙書籍を対象とした地域共同管理コレクションを12件取り上げ(p.16に地図あり)、その特徴やコレクション間の関係、情報アクセス・大規模デジタル化・リソースシェアリング・資料保存などに関する課題についてまとめています。
2012年7月12日に、米国の“The New Republic”に“The Bookless Library”と題する論考が掲載されています。執筆者は、プリンストン大学の歴史学教授のベル(David A. Bell)氏で、“The New Republic”の編集協力者です。論考は、電子書籍の進展による公共図書館の役割の変化をテーマとしています。
北米日本研究資料調整協議会(NCC)のウェブサイトで“Japanese Research & Bibliolgraphic Methods for Undergraduates”というコンテンツが公開されています。これは、米国ニューヨーク州のオールバニ大学のSusanna Fessler教授による全25回の講義の資料で、日本語を1年以上学んだ学部生向けを対象として、日本研究に関する情報の探し方や見定め方、使い方を教えるというものです。公開されている資料は自由に編集して利用してよいとされています。