アーカイブ - 2012年 6月 21日

国立国会図書館による絶版資料の図書館等への自動公衆送信等を含んだ改正著作権法が成立

2012年6月20日午後に開かれた参議院本会議で「著作権法の一部を改正する法律」が賛成多数で可決され、成立しました。3月9日に第180回通常国会に提出、6月15日に衆議院で可決されていたものです。

今回の改正内容には、(1)写り込み等の利用行為に関する権利制限、(2)国立公文書館や地方公文書館における著作物の利用に関する権利制限、(3)国立国会図書館(NDL)による絶版資料の図書館等への自動公衆送信、(4)DVD等で用いられている暗号型技術の回避に対する規制(いわゆる「DVDリッピング違法化」、罰則規定はなし)、等についての規定が含まれています。また、衆議院で提出された修正案によって(5)いわゆる「私的違法ダウンロード刑事罰化」に関する規定も加えられています。

これらのうち(4)と(5)については2012年10月1日から、それ以外については2013年1月1日から施行されます。

著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出時)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18005064.htm

著作権法の一部を改正する法律案に対する修正案

米NMC等、今後5年間で大学進学以前の子どもたちの教育・学習に影響を与える6つのテクノロジーを示したレポートを公開

米国のニューメディア・コンソーシアム(NMC)が2012年の“K-12”版「ホライズン・レポート」(Horizon Report)を公開しています。これは、Consortium of School Networking(CoSN)およびInternational Society for Technology in Education(ISTE)との協力によって作成されたものです。レポートでは、今後5年間に大学進学以前の子どもたちの教育・学習に影響を与えると考えられるテクノロジーについて解説されており、主流となるまでの期間別に下記の6つのテクノロジーが挙げられています。レポートをダウンロードするにはアカウント登録が必要です。

・1年以内:「モバイル機器・アプリ」「タブレットコンピューティング」
・2年から3年:「ゲームベースラーニング」「パーソナル学習環境」
・4年から5年:「拡張現実(AR)」「自然なユーザインタフェース」

NMC Horizon Report > 2012 K-12 Edition(The New Media Consortium)
http://www.nmc.org/publications/2012-horizon-report-k12

米国議会図書館、2012年7月よりCIPプログラムの対象を電子書籍にも拡大

米国議会図書館(LC)では2012年7月よりCataloging in Publication(CIP)の対象を電子書籍まで拡大したと発表しました。2011年10月にWiley社など4出版者の協力で行った試行期間を経て、2012年7月より参加出版者を募集するということです。

CIP Expands to E-Books; Enhanced Bindery Software Available(LC 2012/6/20付けニュース)
http://www.loc.gov/today/pr/2012/12-127.html

Cataloging in Publication Program - Publishers(LC)
http://www.loc.gov/publish/cip/

米国13大学のコンソーシアムCICが開発したコンソーシアム内ILLシステム“UBorrow”

米国の13大学から構成されるコンソーシアム“Committee on Institutional Cooperation(CIC)”のプロジェクト“UBorrow”が、“Rethinking Resource Sharing Innovation Awards”を受賞しました。同賞は、グローバルなインターネット時代における図書館資源共有の在り方を再考する団体“Rethinking Resource Sharing”の主催している、図書館などにおけるリソースシェアリング(資源共有)を通じてユーザの情報アクセスを改善した個人・機関を表彰するものです。

CICには、イリノイ大学やインディアナ大学など「ビッグ10」と呼ばれる12大学およびシカゴ大学が加盟しています。CICが開発したUBorrowはこのコンソーシアム内での資源共有を効率的に行うための仕組みです。CIC加盟大学の構成員は、CIC内および研究図書館センター(CRL)が所蔵する計9,000万冊の図書に対して、図書館員を介さず直接、貸出リクエストを行うことができるということです。UBorrowのシステムは、Relais社のRelais D2D、CICの蔵書目録、OCLC ILLiadを組み合わせて構築されているようです。

UBorrow

東京国際ブックフェア会場で学生選書ツアー

2012年7月5日に、株式会社紀伊國屋書店が、東京国際ブックフェア会場においてブックハンティング(選書ツアー)を実施するそうです。書物復権8社の会と大学出版部協会の協力により実施され、上智大学図書館、お茶の水女子大学附属図書館、東京女子大学図書館、荒川区南千住図書館、文京区真砂図書館など7館が参加するそうです。大学図書館からは図書館員だけでなく学生も参加するとのことです。

紀伊國屋書店、東京国際ブックフェアで選書ツアーとセミナーを開催(紀伊國屋書店 2012/6/21付けプレスリリース)
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201206145058/

2012東京国際ブックフェア(2012年度前期 学生選書ツアー代替企画)(東京女子大学図書館)
http://library.twcu.ac.jp/sogo/volunteerstuff.htm#bookhunt

OCLC WorldCat.orgがSchema.orgによるマークアップを採用、Linked Dataへ向けた取組の一環として

OCLCではdewey.info、VIAF、FASTなどLinked Dataに向けた取組を行っていますが、その一環として、総合目録WorldCat.orgにおいてSchema.orgによるマークアップを採用したと2012年6月20日に発表しました。

これによりWorldCat.orgはウェブ上で最も大規模なLinked Data形式の書誌データセットになったとしていますが、現在では試行的な取組と述べられています。現在対象となっているのは図書及び雑誌の書誌レコードで、ライセンスはOpen Data Commons Attribution Licenseが適用されています。

Schema.orgは、2011年6月にGoogle、Bing、Yahoo!によって発表された取組で、検索エンジンによるクロールやインデクス作成などを促進するために、コンテンツの型ごとにメタデータの共通化されたマークアップ方法を提案するというものです。実際、WorldCat.orgの書誌詳細ページの最下部には“Linked Data”というセクションが設けられており、その部分のHTMLソースを見ると、Schema.orgによるマークアップがなされていることが確認できます。また、Schema.orgの図書館向け拡張語彙も採用されているようです。

後任が指名され6月末退任予定だったOCLCのジョーダン会長の任期延長が発表される

2012年6月20日、OCLCが、6月末で退任予定のジョーダン(Jay Jordan)現会長の任期を延長すると発表しました。12日前、6月8日に次期会長としてブラウント(Jack B. Blount)氏が指名されたばかりでした。OCLCはこの人事の理由について述べておらず、本件を取り上げた他のニュースサイトでも理由は不明だと報じています。

Jay Jordan will continue as President and CEO of OCLC(OCLC 2012/6/20付けニュース)
http://www.oclc.org/news/releases/2012/201239.htm

Jack Blount Will NOT be Joining OCLC as New Pres/CEO, Jay Jordan Will Postpone Retirement(INFOdocket 2012/6/20付け記事)
http://www.infodocket.com/2012/06/20/jack-blount-will-not-be-joining-oclc-as-presceo-jay-jordan-will-postpone-retierment/

日本電子書籍出版社協会が会員企業へのアンケート結果をまとめた「EPUB3.0日本語組版要望表」を公開

2012年6月21日、日本電子書籍出版社協会(EBPAJ)が「EPUB3.0日本語組版要望表」を公開しました。これは、同協会が会員企業に対して行ったEPUBビューア上で出版社が必要とする日本語組版の要素項目を調査するためのアンケート「EPUBビューア組版項目の優先順位」の結果をまとめたものです。要望表で登場する項目などについての「組版表現説明書」も併せて公表されています。

EPUB3.0日本語組版要望表(PDF:4ページ)
http://www.ebpaj.jp/images/youbou.pdf

組版表現説明書(PDF:28ページ)
http://www.ebpaj.jp/images/kumihan.pdf

金沢大学・静岡大学・名古屋大学の各附属図書館が学生の学習支援のための連携へ

金沢大学附属図書館、静岡大学附属図書館、名古屋大学附属図書館の3館が、学生の学習支援促進のための連携協定を結ぶと報じられています。ラーニング・コモンズの活用などが目的とされています。

学習支援促進で協定 金大附属図書館が静岡、名古屋大と(北國新聞 2012/6/21付け記事)
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20120621105.htm

全米人文科学基金(NEH)と米国国立医学図書館(NLM)が研究・教育・キャリア開発で協力

2012年6月20日、全米人文科学基金(NEH)と米国国立医学図書館(NLM)が、研究や教育等の分野での協力を行うと発表しました。これは、新たな研究テーマの開発と知識を共有すべく、人文学と生医学関係コミュニティに所属する研究者や図書館員、医者、文化遺産専門家とを結びつける取り組みを行うためとされています。

具体的には、以下の項目について連携するとのことです。
・特にデジタル人文学および医学史の領域における研究の相互関心を高めること
・カリキュラムや研修、インターンシップ等の学習機会を作り協力すること
・医学や健康に関するキャリアへつなぐ取り組みを行うこと

National Endowment for the Humanities and the National Library of Medicine to Partner on Research, Education, and Career Initiatives (National Endowment for the Humanities 2012/6/20付けの記事)
http://www.neh.gov/news/press-release/2012-06-20

研究成果へのアクセス拡大に向けて必要な活動は何か? 英国研究情報ネットワーク(RIN)がレポートを公表

2012年6月17日に、英国の研究情報ネットワーク(RIN)が、研究成果へのアクセス拡大に関するワーキンググループがまとめた“Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications”というレポートを公表しました。レポートでは、研究成果へのより広範囲からの、より早いアクセスを促進するための活動について、提言を示しているとのことです。

Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications (PDF)(全文バージョン)
http://www.researchinfonet.org/wp-content/uploads/2012/06/Finch-Group-report-FINAL-VERSION.pdf

Accessibility, sustainability, excellence: how to expand access to research publications (PDF)(サマリーのみ)

Europeanaへのテキストコンテンツの提供数、スペインが1位に

2012年6月18日に、スペイン・マドリードで開催されたEuropeana普及会議において、スペイン文化省は、同国からEuropeanaへのテキストコンテンツの提供数が約172万点で全体の21%を占めているとし、現在1位になっていると発表しました(フランスが2位で13%、ポーランドとスイスがそれぞれ12%)。また、全コンテンツタイプでは、スペインからの提供割合は9%で4位とのことです(1位はフランスの16%、2位はドイツで15%)。スペイン文化省は、2015年にはEuropeanaに対し270万点のコンテンツの提供を目指すとしています。

Gale社、「ナショナルジオグラフィック」の1995年以降のコンテンツも提供へ

Gale社は、「ナショナルジオグラフィック」(National Geographic)誌の創刊号(1888年)から1994年までのアーカイブの図書館への販売開始を2012年1月にアナウンスしたところですが、この度、Gale社とナショナル・ジオグラフィック協会は、1995年以降のコンテンツや、レファレンスコレクション等をアーカイブに追加することについて合意したとのアナウンスが公表されています。

世界の図書館員兼詩人のリストを構築するリサーチ・ブログ“Leaves of Bark”、情報提供受付中

世界の図書館員兼詩人である人物のリストを作成しているリサーチ・ブログ“Leaves of Bark”が、継続して情報提供を求めているとのことです。このブログでは故人も含めリストを作成しており、メールで情報提供を受けつけています。

Ref.
Poet-Librarians of the Past
http://deadpoets.typepad.com/leaves_of_bark/dead-poetlibrarians.html

Help us Research
http://deadpoets.typepad.com/leaves_of_bark/help-us-research.html

Via.
IFLA-L

沖縄戦の実相を世界に伝える「沖縄平和学習アーカイブ」プレビュー版が公開

2012年6月20日に、「沖縄平和学習アーカイブ」のプレビュー版が公開されました。全コンテンツの正式公開は6月23日とされています。

この「沖縄平和学習アーカイブ」は、沖縄平和祈念資料館と沖縄公文書館から提供された資料や、360度パノラマ写真などをGoogle Earth上に統合表示した「多元的デジタルアーカイブズ」です。利用者は、Google Earth上で沖縄戦体験者の20人の証言と182点の沖縄戦の写真および地図資料を時間軸上で絞り込みながら閲覧することができるとのことで、これにより、沖縄戦に関する多面的で総合的な理解が可能となっています。また、今後ARアプリの配信も予定されているようです。

なお、「沖縄平和学習アーカイブ」は、これまで「ヒロシマアーカイブ」や「東日本大震災アーカイブ」を手掛けてきた、首都大学東京の渡邉英徳准教授の総合監修によるものです。

沖縄平和学習アーカイブ
http://peacelearning.jp/

「沖縄平和学習アーカイブ」プレビュー公開:全コンテンツは6/23に公開されます (wtnv.studio 2012/6/21付けの記事)
http://labo.wtnv.jp/2012/06/623.html

参考: