アーカイブ - 2012年 6月 18日

地域コミュニティに飛び込んでレファレンスを行う―公共図書館におけるエンベディッド・ライブラリアンの事例(記事紹介)

American Libraries Magazine誌が2012年6月13日付けで公共図書館におけるエンベディッド・ライブラリアン(embedded librarian)の事例報告を掲載しています。この記事は、米国コロラド州のダグラス郡図書館の「コミュニティ・レファレンス」と名付けられた取組について同館職員らが紹介しているものです。

同館ではJamie LaRue館長の下で、地域コミュニティに対して図書館の存在意義をどのように示せるかという問題意識から、職員が図書館から出てコミュニティの中に飛び込み、その中で発生する疑問や問題の解決を支援するというサービスを行うに至りました。これは大学図書館を中心として行われているいわゆるエンベディッド・ライブラリアンと呼ばれるサービスの一形態と言えます。

記事では、2006年から始まったこの取組について、大きく、(1)コミュニティの中に姿を見せる(Show Up: Embedding our librarians)、(2)そこで問題となっていることに注意を払う(Pay attention: I'm here, now what?)、(3)関係を保ち続ける(Stay in touch)、という3段階に分けて解説しています。

クラウドファンディングで資金調達を試みるアーカイブプロジェクト(記事紹介)

マンガやアニメ研究等の情報サイト「メディア芸術カレントコンテンツ」が、2012年6月15日付けの記事で、クラウドファンディングを利用して資金調達を試みるアーカイブプロジェクトとして、Indiegogoを利用した“Database of Historical Film Colors”と、Kickstarterを利用した“HERE COME THE VIDEOFREEX”の2件を紹介しています。

Database of Historical Film Colors(Indiegogo)
http://www.indiegogo.com/colorprocesses

HERE COME THE VIDEOFREEX - Save the Tapes! by Jon Nealon and Jenny Raskin(Kickstarter)
http://www.kickstarter.com/projects/1579219342/here-come-the-videofreex-save-the-tapes

クラウドファンディングを活用したアーカイブ/保存プロジェクト(メディア芸術カレントコンテンツ 2012/6/15付け記事)
http://mediag.jp/news/cat3/crowdfunding.html

参考:

米国出版社協会が2012年第一四半期売上高を発表、電子書籍がハードカバーを上回る

米国で電子書籍の売上がハードカバーの紙書籍のそれを上回ったと、GalleyCat等のウェブサイトで報じられています。

米国出版社協会(Association of American Publishers:AAP)が出版社1,189社の2012年第1四半期における売上高を集計した結果に基づくもので、それによると、大人向けの電子書籍の売上高は2億8,230万ドル、大人向けハードカバーは2億2,960万ドル、大人向けペーパーバックは2億9,980万ドルという結果だったそうです。なお、前年同期は電子書籍が2億2,040万ドル、ハードカバーが3億3,500万ドルとされています。

一方、ヤングアダルト・子どもというカテゴリに注目すると、電子書籍だけでなくハードカバーの売り上げも増加しており、売上高はそれぞれ、6,430万ドル、1億8,770万ドルだったとのことです。

アメリカでついにeブックの売上がハードカバー書籍を抜く(TechCrunch 2012/6/16付け記事)
http://jp.techcrunch.com/archives/20120615ebook-revenues-beat-hardcovers-for-the-first-time/

国立情報学研究所の『NII Today』56号が「アカデミック・クラウド」特集

国立情報学研究所が刊行する『NII Today』56号(2012年6月)が「アカデミック・クラウド」特集を組み、以下の4本の記事を掲載しています。

・インタビュー:学術クラウドで変わる教育・研究の最前線
・学術ネットワークSINETで加速する学術クラウド
・HPCIと学認がつなぐ学術クラウド、未来への架け橋
・大学同士のクラウドをつなぐ「インタークラウド」に集まる期待
・未来を創るクラウド技術者の養成

NII Today
http://www.nii.ac.jp/about/publication/today/

参考:
文部科学省、第2回「アカデミッククラウドに関する検討会」の配布資料を公開
http://current.ndl.go.jp/node/21069

日本デジタル教科書学会が設立

2012年6月18日、デジタル教科書・教材に関する学術的な研究および授業実践を行い、その効果や意義を発信することを目的とする「日本デジタル教科書学会」の設立が発表されました。発足自体は5月6日とされています。

8月18日には青山学院大学において設立記念全国大会が開催されます。また、学会誌「デジタル教科書研究」の創刊も予定されています。

日本デジタル教科書学会設立のお知らせ(日本デジタル教科書学会 2012/6/18付けニュースリリース)
http://js-dt.jp/announcement.html#18-2

日本デジタル教科書学会
http://js-dt.jp/

参考:
CA1748 - 動向レビュー:デジタル教科書をめぐって / 澤田大祐
http://current.ndl.go.jp/ca1748

東亜図書館協会(CEAL)が日本語のALA-LC翻字表の修正改訂案に関するレポートを公表

2012年3月に米国議会図書館(LC)によって発表された“Proposed Revision of the ALA-LC Japanese Romanization Table”に関して、東亜図書館協会(CEAL)が、同協会のCTP/CJM合同タスクフォースの見解等をまとめたレポート(2012年6月13日付け)を公表しました。このレポートはALA-LC翻字表の日本語部分の改訂に関するもので、現時点ではCEAL全体の合意は取っていないとされています。

2011年12月にLCから改訂案が示され、対して2012年1月にCEALから回答書を提出、その後3月にLCから修正改訂案が提示されて6月13日を期限に意見が求められていた、というのがこれまでの経緯です。

CTP/CJM Joint Task Force’s Response to LC's “Proposed Revision of the ALA-LC Japanese Romanization Table”(PDF:55ページ)
http://www.eastasianlib.org/ctp/sub_JapaneseRomanization/JRTRevProposalTFResponseJune132012.pdf

神戸市立中央図書館の「貴重資料デジタルアーカイブズ」に翻字透過表示機能とGoogleマップ等との比較機能の2つが追加

神戸市立中央図書館の提供している「貴重資料デジタルアーカイブズ」に2つの新機能が追加されました。

2012年6月17日付けの神戸市の記事によると、「貴重資料デジタルアーカイブズ」が提供している、「足利尊氏兵庫合戦」「海瀕舟行図(上)」「摂津名所地図」の3点の資料に、くずし字でかかれた文字と活字を並べて表示する翻字透過表示の機能が追加されました。(海瀕舟行図は右上箇所のみ。)

また、「居留地計画図」については、Googleマップ、あるいは、1870年と1872年に作成された2つの「居留地計画図」を並べて表示する機能も追加されたとのことです。

神戸市立中央図書館貴重資料デジタルアーカイブズ
http://www.city.kobe.lg.jp/information/institution/institution/library/arc/index.html

オンライン資料の収集等に関する国立国会図書館法の一部改正が成立

2012年6月15日、国立国会図書館法の一部を改正する法律が成立しました。改正法の内容は、(1)オンライン資料の収集、(2)原子力損害賠償支援機構の納入義務規定の整備、の2点です。そのうちオンライン資料の収集は、2013年7月1日に施行されるもので、以下のような内容になっています。詳しくは国立国会図書館(NDL)によるプレスリリースに記されています。

・納本制度に準じて、私人が出版するオンライン資料について、NDLへの送信等を義務付ける(送信等における必要費用は補償する)。
・NDL又は送信等の義務を負う者がオンライン資料を複製することができるように著作権法の改正を行う(著作権法第42条の4)。
・有償又はDRM(Digital Rights Management)付きの資料については、現在、費用補償に関する検討等を行っており、当分の間は上記の義務を免除する。

国立国会図書館法の改正について(付・プレスリリース)(NDL 2012年6月18日付けニュース)
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2012/1195083_1827.html

改正国会図書館法が成立(MSN産経ニュース 2012/6/15付け記事)

オーストラリア・モナシュ大学「マンガ図書館」の10周年記念シンポジウム及び関連イベントが2012年11月に開催

オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)の日本研究センターには、2002年11月にマンガ図書館が設置され、現在7,000点以上のマンガ関連資料を所蔵しています。開館から10周年を迎える2012年11月の23日から25日にかけて、記念シンポジウム“Manga Studies: A symposium celebrating 10 years of the JSC Manga Library at Monash”及び関連イベントが開催されます。シンポジウムでの研究発表が6月30日まで募集中です。関連イベントとしては、現在、京都精華大学国際マンガ研究センターの「原画’プロジェクト」展示や、同人誌即売会、マンガ制作ワークショップ、“Live Manga Reading Performances”(英語未翻訳のマンガをスクリーンに映してその場で翻訳するパフォーマンス)等が計画されています。

Celebrating 10 years of the JSC Manga Library at Monash
http://www.mangalibrary.org/10years/index.php

モナシュ大学・日本マンガ図書館設立10周年記念シンポジウム発表募集(メディア芸術カレントコンテンツ 2012/6/15付け記事)

東京文化財研究所、『震災復興と無形文化―現地からの報告と提言』を刊行

東京文化財研究所が、『震災復興と無形文化―現地からの報告と提言』(2012年3月31日付)を刊行しています。

この報告書は、2011年12月16日に開催された第6回無形民俗文化財研究協議会の内容をまとめたもので、協議会では、災害という局面において、民俗芸能や伝統的生業のための技術、風俗・慣習などといった無形の文化をいかに守り伝えていくことができるのか、また復興のために文化がどういった役割を果たしうるのかについて問題関心を共有すると共に、今後の展望についても討議されたとのことです。

なお、東京文化財研究所は、2012年度も「震災復興と無形文化」をテーマとして、秋頃に研究協議会を開催する予定としています。

第6回無形民俗文化財研究協議会「震災復興と無形文化―現地からの報告と提言―」
http://www.tobunken.go.jp/~geino/kyogikai/06mukeikyogikai.html

みんなのおすすめ本で、図書館の書棚をいっぱいにするキャンペーン"Fill our Shelves, Suggest a Book!"(シンガポール)

シンガポールの公共図書館が、オンラインで利用者のおすすめ本を受け付けるキャンペーンを実施しています。

参加者は、シンガポールの公共図書館に所蔵していてほしい本や電子書籍について、FacebookやGoogleなどのアカウントからオンラインで推薦したり、また他の人が推薦した本に投票したりすることができます。多くの推薦を行った人トップ3と、最も投票を集めた本を推薦した人が表彰されるとのことで、既に1,400件ほどの推薦がなされているようです。

現在最も多くの投票を集めているのは、"The Dragon Book of Verse"という本で、次点は、日本を徒歩で縦断し道中で出会った人たちのことを綴った本“Japan on Foot”(Mary King著)となっているようです。

Ref.
Fill our Shelves, Suggest a Book!
http://www.pl.sg/suggestabook

"Fill our Shelves, Suggest a Book!" - Public Libraries in Singapore crowdsource for book recommendations(LIS News 2012/6/16)

被災公文書及び震災関係資料の保存とデジタル化を目指した全国公文書館長会議アピールが採択される

2012年6月8日、「国際アーカイブズの日」の記念講演会と併せて開催された平成24年度全国公文書館長会議において、「東日本大震災に関する記録の保存等について―全国公文書館長会議アピール―」が採択されました。

このアピールは、震災で被災した公文書等とともに、震災に関する記録を公文書等として保存すること、これらの記録について相互に連携・協力をしながらデジタル化を図ること等について、全国の公文書館の共通認識を示したものです。また、アピールには、震災を機に全国の公文書館は将来にわたって連携協力していくことを誓うとも記載されています。

東日本大震災に関する記録の保存等について-全国公文書館長会議アピール- (PDF)
http://www.archives.go.jp/news/pdf/120615_01_01.pdf

図書館員のステレオタイプの起源は?(米国)

図書館員のステレオタイプについて、その起源を探る書籍“Not Your Ordinary Librarian: Debunking the Popular Perceptions of Librarians”(Ashanti White著)が刊行されています。

ALAのニュースリリースによると、この本は、ポップカルチャーにおける図書館員の描かれ方を調査し、またその影響に着目し、考察したものであり、映画“It’s a Wonderful Life”、“Party Girl”、“The Music Man”等の中での図書館員の描かれ方などが取り上げられているとのことです。

Ref.
Debunking popular perceptions of librarians(ALA 2012/6/15)
http://www.ala.org/news/pr?id=10793

文部科学省が2013年度に児童の情報活用能力を調査へ、協力者会議での検討が開始

文部科学省は、2013年度に児童生徒を対象とした「情報活用能力調査」の実施を予定しています。その目的は、今後の情報活用能力育成に向けた施策の展開、学習指導の改善、教育課程の検討に役立てるためとされています。このたび、この調査の実施方法、結果分析や活用方法等について検討を行うために「情報活用能力調査に関する協力者会議」が設置され、2012年6月11日に第1回会議が開催されました。会議の配布資料が公開されており、調査の概要やスケジュール案等を知ることができます。

情報活用能力調査に関する協力者会議 第1回会議 配付資料(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/kaigi/1322179.htm

情報活用能力調査に関する協力者会議(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/kaigi/index.htm

神奈川県立川崎図書館×大阪府立中之島図書館「みんなで選ぶ社史グランプリ」の結果が発表

2012年6月16日、神奈川県立川崎図書館と大阪府立中之島図書館が合同開催している「みんなで選ぶ社史グランプリ」の結果が発表されました。期間中、両館の利用者からそれぞれ444票・307票の投票がなされ、最多票数を獲得した総合グランプリは『アサヒビールの120年 その感動を、わかちあう。』に決定しました。また、各部門の1位は以下のとおりとなっています。

(1)美味しさを求めて部門:『アサヒビールの120年 その感動を、わかちあう。』(アサヒビール)
(2)線路は続くよ部門:『江ノ電ぶらり旅』(江ノ島電鉄)
(3)ぴったり百年史部門:『王子製紙苫小牧工場100年のあゆみ』
(4)暮らしを支える部門:『Dream 1998-2010』(本田技術研究所)
(5)文化を伝えて部門:『東京書籍百年史』(東京書籍)

グランプリ発表後も講演会や展示が引き続き行われます。

みんなで選ぶ社史グランプリ 結果発表(神奈川県立川崎図書館)
http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/kawasaki/information/osirase12003a.htm

みんなで選ぶ社史グランプリ 東西図書館投票(大阪府立中之島図書館)