アーカイブ - 2012年 3月

3月 22日

ebrary社が提案する図書館における電子書籍の戦略的な導入方法(館種別)

2012年3月21日、ProQuest社傘下の電子書籍ベンダebrary社が、図書館が予算を最大限に活用して利用者のニーズを満たせるような戦略的な電子書籍の導入方法について発表し、その内容を解説したスライド資料を館種別に公開しました。この方法は3ステップから成る“Transition, Diversify and Streamline”(移行、多様化、合理化)と呼ばれており、核となるのは多様な契約モデルを組み合わせたポートフォリオを構築することだとされています。例えば、大学図書館においては、約7万タイトルの電子書籍を含む“Academic Complete”コレクションを契約(subscription)し、その利用統計から、利用の多い分野については利用者主導購入(patron driven acquisition)を、少ないものについては短期間ローン(short-term loan)を組み合わせ、コアとなるタイトルは購入(perpetual archive)するというような方法が提案されています。

ebrary Announces New Strategic Approach to E-book Acquisition(PDF文書:2ページ)

図書館泥棒に備えるための34のポイント(記事紹介)

2012年3月21日付けのAmerican Libraries Magazineに“To Catch a Library Thief: Black Belt Security”と題した記事が掲載されています。記事は、2006年に米国図書館協会(ALA)から刊行された“Black Belt Librarians: Every Librarian’s Real World Guide to a Safer Workplace”(現在は“The Black Belt Librarian: Real-World Safety and Security”として刊行)の執筆者Warren Graham氏による、図書館での資料盗難への備えやセキュリティに関するアドバイスについて紹介したもののようです。記事では、新館建設時にセキュリティ面で検討すべき15のポイントと、現状の図書館施設で検討すべき19のポイント、計34点が指摘されているようです。

To Catch a Library Thief: Black Belt Security (American Libraries Magazine 2012/3/21付けの記事)

米タイム誌の“The 140 Best Twitter Feeds of 2012”に米国議会図書館が選ばれる

米タイム誌が140の優れたTwitterアカウントを選んだ“The 140 Best Twitter Feeds of 2012”の1つに、米国議会図書館(LC)のアカウントがノミネートされています。日常的に、米国の歴史に関するタイムリーなツイートを提供している点が評価されているようです。なお、「文化」「スポーツ」「政治」等の8つのカテゴリーのうちの「専門家」(Experts)に分類されています。

Library of Congress - The 140 Best Twitter Feeds of 2012
http://techland.time.com/2012/03/21/the-140-best-twitter-feeds-of-2012/#library-of-congress

The 140 Best Twitter Feeds of 2012
http://techland.time.com/2012/03/21/the-140-best-twitter-feeds-of-2012/

LCのTwitterアカウント(@librarycongress)
http://twitter.com/librarycongress

参考:
E1042 - 米国議会図書館,Twitterの全公開ツイートを保存へ

OCLCがオーストラリアに4か所目となるデータセンターを開設

OCLCがオーストラリアのシドニーに4か所目となるデータセンターを開設したと発表しました。米国内の2か所及び、2011年12月に英国に開設した1か所のデータセンターに続くものです。その理由のひとつとして、クラウド型図書館システム“WorldShare Management Services”(WMS)を導入するオーストラリア及びニュージーランドの図書館に対するデータプライバシー要件が挙げられています。また、OCLCは最近ISO 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得したそうです。2012年3月下旬にはオーストラリア国内の8館がWMSの試験運用を開始するとされています。

OCLC opens new data center in Sydney, Australia(OCLC 2012/3/21付けニュース)
http://www.oclc.org/news/releases/2012/201222.htm

国立公文書館、平成24年度特別展「公文書の世界」開催会場を公募

国立公文書館が、平成24年度国立公文書館特別展「公文書の世界」を同館以外の施設で開催するため、開催会場の公募を実施しています。展示予定資料は、「新旧憲法と終戦の詔書」「戦争や災害の記録」「公文書移管にまつわる物語」「公文書のなかの個人・企業・地域」「特徴的な形体の公文書」の5部に分けて計23点が挙げられています。なお、応募にあたっては、会場等の提供期間、会場の位置、会場の仕様や人員、費用負担、展示実績等の条件を満たすことが必要で、意思表明書の提出期限は2012年4月27日となっています。

平成24年度国立公文書館特別展「公文書の世界」開催会場の公募について (国立公文書館 2012/3/19付けの記事)
http://www.archives.go.jp/news/20120319155515.html

日本の図書館システムが今後取り組むべき6つの課題(文献紹介)

株式会社三菱総合研究所が2012年3月11日付けで刊行した『所報』No.55に、「図書館システムを取り巻く課題と今後の展望」という提言論文が掲載されています。同論文は、同所が2010年に日本図書館協会(JLA)の委託を受けて実施した「図書館システムに係る現状調査」の結果を踏まえたもので、図書館システムが抱える問題点・その背景・今後の環境の変化についてまとめた上、将来的に図書館は、「図書館システムへのIT統制の確立」「システム調達方法の見直し」「OSS利用の検討」「システム共同化の検討」「クラウドコンピューティング導入の検討」「APIによる外部サービスの活用」という6点に取り組むべきという提言を述べています。

図書館システムを取り巻く課題と今後の展望(PDF文書:20ページ)
http://www.mri.co.jp/NEWS/magazine/journal/55/__icsFiles/afieldfile/2012/03/19/jm12031112.pdf

三菱総合研究所所報No.55(2012年3月11日発行)
http://www.mri.co.jp/NEWS/magazine/journal/55/2036714_1697.html

参考:
株式会社三菱総合研究所、図書館システムに係る現状調査報告書を公開

国立博物館4館所蔵の国宝・重要文化財を高精細画像で鑑賞できるアプリ「e国宝」がver.2.0にアップデート

東京・京都・奈良・九州の4つの国立博物館が所蔵する国宝・重要文化財を高精細画像で鑑賞できるiPhone用アプリ「e国宝」が、バージョン2.0にアップデートされたようです。2012年3月22日付けの東京国立博物館のブログ記事によると、今回のアップデートによりアイコンのデザインが変更されたほか、iPadへの対応、Twitterアカウントを使用したブックマーク共有機能、「東京国立博物館の国宝」や「江戸時代の絵画」等、作品の所蔵されている施設や製作された年代等の細かい条件を指定しての詳細検索機能等が追加されたようです。

3月 21日

EuropeanaがPinterestに公式ページを公開

欧州のデジタル文化遺産ポータル“Europeana”が、Pinterestにページを公開しています。「アール・ヌーボー」や「美しい本・印刷物」、「ジュエリー」「古写真」等の9項目に分けてEuropeanaで提供されている資料がクリッピングされているようです。

Europeana on Pinterest
https://pinterest.com/europeana/

PinterestにEuropeanaのボードを公開したことを伝えるEuropeanaのツイート (2012/3/21付け)
https://twitter.com/#!/EuropeanaEU/status/182383766759673856

創作者等の名称に関する国際標準識別子“ISNI”が国際規格(ISO 27729)に

国際標準化機構(ISO)が、創作者等の名称に関する国際標準識別子“ISNI”(International Standard Name Identifier)を国際規格ISO 27729:2012として発行したそうです。ISNIは、各個人に対して16桁の数字がIDとして与えられるもので、ISNI国際機関によって管理・運営されています。

ISO Publishes the ISNI Standard (ISO 27729:2012)(ISNI 2012/3/19付けプレスリリース)
http://www.isni.org/docs/PR_ISNI_ISO_3-15-2012.docx

ISO 27729:2012(ISO)
http://www.iso.org/iso/iso_catalogue/catalogue_tc/catalogue_detail.htm?csnumber=44292

ISNI
http://isni.org/

ISNIデータベース
http://isni.oclc.nl/

参考:
創作者等の名称に関する国際標準識別子“ISNI”のデータベースが公開
http://current.ndl.go.jp/node/19738

ISNI国際機関、ロンドンに拠点を置く非営利団体に

IFLA Journal、2012年3月号を刊行

国際図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”の38巻1号(2012年3月)が公開されました。フランス国立図書館(BNF)の電子出版物納本の現状についてまとめた“The state of e-legal deposit in France”に始まり、米国シモンズカレッジのライブラリースクールにおけるデジタルキュレーション教育を紹介する“Out of the classroom and into the laboratory”や、図書館以外の建物の図書館としての再活用に関するドイツ等における事例を紹介する“The second hand library building”等、計10本の記事が掲載されています。

IFLA Journal, 38(1)(PDF文書:112ページ)
http://www.ifla.org/files/hq/publications/ifla-journal/ifla-journal-38-1_2012.pdf

英国国立公文書館、英国内の2,000以上の文書館等の組織データをLinked Dataで公開

英国国立公文書館(TNA)が、英国内の2,000館以上の文書館を中心とした世界中の文書館等の組織データをLinked Dataとして公開しました。これは以前からARCHON Directoryとしてウェブで公開されていたものです。日本では東洋文庫、横浜開港資料館、小泉八雲記念館の3館が登録されているようです。

ARCHON(Kasabi)
http://kasabi.com/dataset/archon/

TNAのTwitterアカウントによるツイート
https://twitter.com/#!/UkNatArchives/status/181695977751724033

ARCHON Directory
http://www.nationalarchives.gov.uk/archon/

ARCHON Directory - Foreign Repositories
http://www.nationalarchives.gov.uk/archon/searches/foreign.asp

ARCHON Directory - Repositories in Japan

桜が見ごろを迎えるワシントン、米国議会図書館(LC)で日米桜寄贈100周年を記念した展示会がスタート

米国東海岸のワシントンD.C.を流れるポトマック川沿いでは3,700本の桜が満開となっているそうです。これらの桜は今から100年前の1912年3月に東京市から友好親善のために寄贈されたもので、それを記念して毎年3月頃には全米桜祭り(National Cherry Blossom Festival)が開かれているそうです。同じくワシントンD.C.に位置する米国議会図書館(LC)では、寄贈100周年を記念して、3月20日から9月15日まで、“Sakura: Cherry Blossoms as Living Symbols of Friendship”と題した展示を開催しています。

Sakura: Cherry Blossoms as Living Symbols of Friendship(LC)
http://myloc.gov/exhibitions/cherry-blossoms/Pages/default.aspx

Cherry Blossoms-Selected Internet Resources-Library of Congress(LC)
http://www.loc.gov/rr/scitech/selected-internet/cherryblossoms.html

National Cherry Blossom Festival

COUNTER、Usage Factorに関する実務指針の第1版ドラフトを公開

COUNTER(Counting Online Usage of NeTworked Electronic Resources)が、2012年3月付けで、電子ジャーナルの利用統計を用いたジャーナル評価指標Usage Factor(UF)に関する実務指針“Code of Practice for Usage Factors”の第1版のドラフトを公開しました。9月末までコメントを募集しており、2013年中に正式版の公開が予定されているようです。

The COUNTER Code of Practice for Usage Factors: Draft Release 1(PDF文書:10ページ)
http://www.projectcounter.org/documents/Draft_UF_R1.pdf

Appendix A: Glossary of Terms relevant to Usage Factor(PDF文書:8ページ)
http://www.projectcounter.org/documents/Appendix_A.pdf

Appendix B: Specification for Collection of Usage Factor data(Excelファイル)

広島県立図書館、「貴重資料コレクション」として木村伊兵衛らの写真集や郷土作家の自筆原稿をデジタル化して公開

2012年3月21日、広島県立図書館が「貴重資料コレクション」を公開しました。「写真資料」として、木村伊兵衛、菊池俊吉、大木実の写真集が、「郷土作家の自筆原稿」として、佐々木基一、原民喜、細田民樹、若杉慧の原稿が公開されています。

貴重資料コレクション
http://www.hplibra.pref.hiroshima.jp/hp/menu000001500/hpg000001493.htm

参考:
広島県立図書館、木村伊兵衛らが戦後に撮影した広島の写真4500枚を電子化・公開へ | カレントアウェアネス・ポータル - http://current.ndl.go.jp/node/19423

かつて米国でトップシークレットとされていた5つの資料(記事紹介)

米国では1966年に成立した連邦情報公開法(FOIA)によって一定の年限が過ぎた政府資料の公開を請求することができるようになっています。Duke Todayの記事で、かつては最高機密(Top Secret)とされていたが現在は公開されているもののなかから、デューク大学で公共政策・政治学分野を担当している図書館員が選んだ5点の資料が紹介されています。順番に、CIAのUFO調査記録、ウォーターゲート事件でのニクソン大統領の大陪審記録、キューバ危機におけるCIA計画の評価メモ、イラク大量破壊兵器の存在に関するレポート、映画『ビューティフル・マインド』でも知られる数学者ジョン・ナッシュが国家安全保障局に送った手紙、となっています。

(1)The CIA's Role in the Study of UFOs, 1947-90
(2)Watergate: the Nixon Grand Jury Records
(3)Bay of Pigs: Military Evaluation of the Central Intelligence Agency Para-Military Plan, Cuba
(4)Iraq Weapons of Mass Destruction: Senate Report 109-331

米デンバー公共図書館、地域住民からデジタル化資料の提供を受けてデジタルアーカイブを作るプロジェクトサイトを公開

2012年3月20日に、米国コロラド州のデンバー公共図書館(Denver Public Library)が、地域住民からデジタル化した写真資料等をアップロードしてもらい地域のデジタルアーカイブを作成する“Creating Your Communities”というプロジェクトサイトを公開しました。“Creating Your Communities”には、同館のデジタルアーカイブから約90万点の資料が登載されており、これに地域住民が自分の写真やコロラド州の歴史に関連した資料等をアップロードするようです。

Creating Your Communities
http://creatingcommunities.denverlibrary.org/

Denver Public Library launches new site to digitize neighborhood histories (denverpost.com 2012/3/14付けの記事)
http://yourhub.denverpost.com/denver/denver-public-library-launches-new-site-digitize-neighborhood/pXHoJecPsz25Qorux27YBJ-story?source=DPWidget

出版デジタル機構、「電子書籍作成仕様書 第一次素案」を公開

2012年4月に新会社として設立される出版デジタル機構が、3月20日に「電子書籍制作仕様書 第一次素案」を公開しました。これは、制作会社向けのものとして作成されたもので、「フィックス(固定)型電子書籍」「リフロー型電子書籍(DTPデータから制作する場合)」「リフロー型電子書籍(印刷底本からテキスト作成する場合)」の3つに分けてまとめられているようです。

電子書籍制作仕様書 第一次素案 (出版デジタル機構(仮称)準備会 2012/3/20付けの記事)
http://www.shuppan-d.info/2012/03/001280.html

参考:
出版デジタル機構、「電子書籍フォーマットポリシー第1次案」を公開
http://current.ndl.go.jp/node/20399

OverDrive社が2012年4月に電子書籍貸出サービスのAPIをリリース予定 OPACとの連携に期待

2012年3月20日付けのThe Digital Shift誌の記事で、公共・学校図書館に対して電子書籍サービスを提供している米国のOverDrive社が2012年4月にAPIをリリース予定であると報じられています。APIで可能となることとして、検索、シングルサインオン、貸出のような機能が挙げられています。これにより、例えば、利用者が図書館のOPACで同社の電子書籍を検索してそのまま借りることができるようになる等と期待されています。その他、記事では、3M社とPolaris Library Systems社の連携や、BiblioCommons社、Innovative Interfaces社、SirsiDynix社等のシステムベンダの動向も紹介されています。

Ebook Providers, ILS Vendors Move Rapidly to Remove Friction From E-Lending; OverDrive APIs Coming in April | PLA 2012(The Digital Shift 2012/3/20付け記事)

図書館等のデジタルコンテンツをよりEuropeanaに提供しやすくするためのLiked Dataツール開発プロジェクト“DM2E”が発足

欧州委員会の助成のもと、2012年3月19日に、DM2E(Digital Manuscripts to Europeana)という3年間のプロジェクトが発足したようです。DM2Eは、図書館やアーカイブズ機関等から、デジタルコンテンツを欧州のデジタル文化遺産ポータルである“Europeana”へより提供しやすくするためのLinked Dataツールの開発を行なうプロジェクトのようです。また、研究者や学生、一般市民が、文化コンテンツとそれに関連したメタデータを利用できるようなソフトウェアの開発も行なわれるようです。2012年3月1日に、ドイツのベルリン・フンボルト大学でDM2Eのキックオフ・ミーティングが開催されており、その報告資料がプロジェクトのブログサイトで公開されています。

DM2E
http://dm2e.eu/

Announcing DM2E: Exploring the possibilities of Linked Open Data in cultural heritage (Open Knowledge Foundation Blog 2012/3/19付けの記事)

D-Lib Magazineの2012年3・4月号がウェブアーカイビング特集

オープンアクセス誌“D-Lib Magazine”の18巻3・4号(2012年3・4月)がウェブアーカイビング特集を組んでおり、以下の3本の論考が掲載されています。

・Web Archives for Researchers: Representations, Expectations and Potential Uses
・An Overview of Web Archiving
・Functionalities of Web Archives

1本目はフランス国立図書館(BNF)の職員によるもので、研究者によるウェブアーカイブの利用がテーマとなっているようです。2本目と3本目は、米国の南フロリダ大学のJinfang Niu氏によるもので、それぞれ、ウェブアーカイブ構築作業の概要と、10個のウェブアーカイブの機能比較について述べられているようです。

D-Lib Magazine, Volume 18, Number 3/4
http://dlib.org/dlib/march12/03contents.html

参考:
フランス国立図書館、ウェブアーカイビングでURL8億件分を収集
http://current.ndl.go.jp/node/16672

E1183 - フランス国立図書館のウェブアーカイブ事業調査報告書

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