2012年3月21日、ドイツのライプツィヒ大学図書館(Universitatsbibliothek Leipzig)が、オープンソースの次世代OPAC“VuFind”を使った新しいOPACのベータ版を公開したようです。Ex Libris社が提供している検索インデクス“Primo Central Index”が導入されており、同館が契約中の電子ジャーナルやデータベース等も検索することが可能なようです。また、同館はこの新OPACに関するブログも開設しています。
2011年2月22日に発生したニュージーランド地震以来これまで立ち入り禁止となっていたクライストチャーチ市立中央図書館(Christchurch Central Library)において、地震で落下した資料等を書架に戻すための作業が、2012年3月19日から始まったようです。同館は市が保有する図書の4分の1にあたる約30万冊を所蔵しているとのことで、作業は2か月から3か月かかる見込みとのことです。なお、資料は水損等の大きな被害はなく、図書館自体は地震で被害をうけたものの復旧可能のようです。
2012年3月22日に、カリフォルニア電子図書館(California Digital Library:CDL)が、新たに“Data Pub”というウェブサイトを公開しました。このウェブサイトは、データ共有やデータアーカイビング、オープンデータやオープンサイエンス等、データに関するあらゆる事柄について、CDLのスタッフやウェブサイト訪問者らが議論するために開設されたもののようです。
2012年3月21日、米国の博物館・図書館情報サービス機構(IMLS)が、ワシントン大学と、米国の地方行政機関支援組織であるICMA(International City/County Management Association)と共同で、“Building Digital Communities: A Framework for Action”という文書を公表しています。これは、米国内に1億人規模で存在している、ブロードバンドインターネットへのアクセス環境がない人々に対して、地域共同体がどのような取り組みを行うのか、そのための枠組みを示したもののようです。なお、この文書はIMLS等がこれまでに公表した、“Building Digital Communities: Getting Started”を補完するもののようです。
時代遅れでステレオタイプな図書館員のイメージを変えるために、世界の図書館員が何をしているのか、その現実の姿を写真におさめて投稿しあうウェブサイトがあるようです。“This is What a Librarian Looks Like”というこのウェブサイトは、2012年2月13日に米国のBobbi Newman氏らが立ち上げたプロジェクトで、ウェブサイト公開以降3月22日までに、世界25か国から450件の投稿があったようです。なお、Bobbi Newman氏は、図書館員が仕事で何をしているのかを図書館員自身が発信する“Library Day in the Life Project”というプロジェクトを実施している人物です。
2005年8月末に米国南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」によって被害を受けたニューオリーンズ公共図書館で5館が新しくなって再開館するそうです。2012年3月から4月にかけて、Rosa F. Keller、Norman Mayer、Robert E. Smith、New Orleans Eastの4つの分館が再開し、現在工事中のAlgiers Regional Libraryも夏頃に開館が予定されています。ニューオリーンズ公共図書館には分館を含めて全部で14の図書館があり、そのうち現在も閉館中(別の場所でサービス中)となっているのは(これらを除くと)Cita Dennis Hubbell分館の1館のみのようです。
OCLCが“U.S. Public Libraries: A Snapshot of Priorities & Perspectives”という4ページの報告書を公表しました。これは2011年の中頃に行われた意識調査の結果を公共図書館員による回答(約1,300人分)に限定して集計したもので、利用者が求めるもの、図書館利用の傾向、分館やサービスポイント、優先順位や主な取組みに対する考え方や、情報収集の方法等についてまとめられています。報告書によると、情報収集については、メーリングリスト(listserv)やLibrary Journal等の雑誌が主流で、ブログ、Facebook、Twitterの利用は少数派であるのが分かります。人気のあるブログやTwitterアカウントも紹介されています。
2012年3月20日のHuffington Postの記事“WATCH: Library In Crisis Gets Creative”が、米国マサチューセッツ州シューツベリーにある公共図書館M.N. Spear Memorial Libraryの挑戦について紹介しています。築100年を超すこの図書館は、水道設備もなく、5~6人で一杯になるような閲覧室で、勉強スペースやイベントを開催するようなスペースもない小さな図書館のようです。このため、マサチューセッツ州は新館建設に係る費用210万ドルを提供するとしましたが、そのためには、図書館自身が2012年6月30日までに140万ドルの寄付金を募ることをその条件としたようです。この条件をクリアするために同館は、“Where would you be without your library?”と題した動画を作成し、寄付金を募っているようです。動画は、「新たな人と出会える」「地域の歴史を学べる」等、図書館の意義をキーワードで紹介したものとなっており、動画公開から3週間で20万ドル以上が寄付サイトで集まっているようです。
2012年3月21日に、SPARCが、“Library Publishing Services: Strategies for Success: Final Research Report”と題するレポートを刊行しました。これは、2010年10月1日から2011年9月30日にかけて、北米の大学図書館における学術出版サービスの現状を調査し、それを踏まえた提言をまとめたものとなっているようです。なお、このたび公開されたレポートはバージョン2.0(最終版)で、2011年11月1日にバージョン1.0が公開されていました。
2012年3月21日に、全米人文科学基金(NEH)が、208件の助成研究プロジェクト(総額1,700万ドル)を発表しました。このうち、デジタル人文学のスタートアップグラントとして22件のプロジェクトを公表しています。助成対象機関には、アブラハム・リンカーン大統領図書館・博物館財団(Abraham Lincoln Presidential Library and Museum Foundation)やニューヨーク公共図書館(NYPL)等が含まれています。