2005年8月末に米国南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」によって被害を受けたニューオリーンズ公共図書館で5館が新しくなって再開館するそうです。2012年3月から4月にかけて、Rosa F. Keller、Norman Mayer、Robert E. Smith、New Orleans Eastの4つの分館が再開し、現在工事中のAlgiers Regional Libraryも夏頃に開館が予定されています。ニューオリーンズ公共図書館には分館を含めて全部で14の図書館があり、そのうち現在も閉館中(別の場所でサービス中)となっているのは(これらを除くと)Cita Dennis Hubbell分館の1館のみのようです。
OCLCが“U.S. Public Libraries: A Snapshot of Priorities & Perspectives”という4ページの報告書を公表しました。これは2011年の中頃に行われた意識調査の結果を公共図書館員による回答(約1,300人分)に限定して集計したもので、利用者が求めるもの、図書館利用の傾向、分館やサービスポイント、優先順位や主な取組みに対する考え方や、情報収集の方法等についてまとめられています。報告書によると、情報収集については、メーリングリスト(listserv)やLibrary Journal等の雑誌が主流で、ブログ、Facebook、Twitterの利用は少数派であるのが分かります。人気のあるブログやTwitterアカウントも紹介されています。
2012年3月20日のHuffington Postの記事“WATCH: Library In Crisis Gets Creative”が、米国マサチューセッツ州シューツベリーにある公共図書館M.N. Spear Memorial Libraryの挑戦について紹介しています。築100年を超すこの図書館は、水道設備もなく、5~6人で一杯になるような閲覧室で、勉強スペースやイベントを開催するようなスペースもない小さな図書館のようです。このため、マサチューセッツ州は新館建設に係る費用210万ドルを提供するとしましたが、そのためには、図書館自身が2012年6月30日までに140万ドルの寄付金を募ることをその条件としたようです。この条件をクリアするために同館は、“Where would you be without your library?”と題した動画を作成し、寄付金を募っているようです。動画は、「新たな人と出会える」「地域の歴史を学べる」等、図書館の意義をキーワードで紹介したものとなっており、動画公開から3週間で20万ドル以上が寄付サイトで集まっているようです。
2012年3月21日に、SPARCが、“Library Publishing Services: Strategies for Success: Final Research Report”と題するレポートを刊行しました。これは、2010年10月1日から2011年9月30日にかけて、北米の大学図書館における学術出版サービスの現状を調査し、それを踏まえた提言をまとめたものとなっているようです。なお、このたび公開されたレポートはバージョン2.0(最終版)で、2011年11月1日にバージョン1.0が公開されていました。
2012年3月21日に、全米人文科学基金(NEH)が、208件の助成研究プロジェクト(総額1,700万ドル)を発表しました。このうち、デジタル人文学のスタートアップグラントとして22件のプロジェクトを公表しています。助成対象機関には、アブラハム・リンカーン大統領図書館・博物館財団(Abraham Lincoln Presidential Library and Museum Foundation)やニューヨーク公共図書館(NYPL)等が含まれています。
2012年3月21日付けのAmerican Libraries Magazineに“To Catch a Library Thief: Black Belt Security”と題した記事が掲載されています。記事は、2006年に米国図書館協会(ALA)から刊行された“Black Belt Librarians: Every Librarian’s Real World Guide to a Safer Workplace”(現在は“The Black Belt Librarian: Real-World Safety and Security”として刊行)の執筆者Warren Graham氏による、図書館での資料盗難への備えやセキュリティに関するアドバイスについて紹介したもののようです。記事では、新館建設時にセキュリティ面で検討すべき15のポイントと、現状の図書館施設で検討すべき19のポイント、計34点が指摘されているようです。
To Catch a Library Thief: Black Belt Security (American Libraries Magazine 2012/3/21付けの記事)
米タイム誌が140の優れたTwitterアカウントを選んだ“The 140 Best Twitter Feeds of 2012”の1つに、米国議会図書館(LC)のアカウントがノミネートされています。日常的に、米国の歴史に関するタイムリーなツイートを提供している点が評価されているようです。なお、「文化」「スポーツ」「政治」等の8つのカテゴリーのうちの「専門家」(Experts)に分類されています。